ナビゲーションリンクをスキップ | |
印刷ビューの終了 | |
Oracle Solaris Studio 12.3: dbx コマンドによるデバッグ Oracle Solaris Studio 12.3 Information Library (日本語) |
より高い効果を得るにはより多くのシンボルおよびデバッグ情報が必要になる
x86 プラットフォームでは SIGSEGV シグナルと SIGALTSTACK シグナルが制限される
より高い効果を得るには、十分なパッチ領域を設け、すべての既存コードを含めて 8M バイト以内にする (SPARC プラットフォームのみ)
実行時検査を使用するには、使用したい検査の種類を指定します。
メモリー使用状況とメモリーリークの検査をオンにするには、次を入力します。
(dbx) check -memuse
MUC か MLC がオンになっている場合、showblock コマンドを実行する、所定のアドレスにおけるヒープブロックに関する詳細情報を表示できます。この詳細情報では、ブロックの割り当て場所とサイズを知ることができます。詳細については、「showblock コマンド」を参照してください。
(dbx) check -access
メモリーリーク、メモリー使用状況、およびメモリーアクセスの各検査をオンにするには、次のように入力します。
(dbx) check -all
詳細については、「check コマンド」を参照してください。
(dbx) uncheck -all
詳細については、「uncheck コマンド」を参照してください。
目的のタイプの RTC を有効にしてテストするプログラムを実行します。この場合、ブレークポイントを設定してもしなくてもかまいません。
プログラムは正常に動作しますが、それぞれのメモリーアクセスが発生する直前にその妥当性チェックが行われるため、動作速度は遅くなります。無効なアクセスを検出すると、dbx はそのエラーの種類と場所を表示します。制御はユーザーに戻ります (dbx 環境変数 rct_auto_continue が on になっている場合を除く (「dbx 環境変数の設定」を参照))。
次に、dbx コマンドを実行します。where コマンドでは現在のスタックトレースを呼び出すことができます。また print を実行すれば変数を確認できます。エラーが致命的でなければ、 cont コマンドでプログラムの処理を続行します。プログラムは次のエラーまたはブレークポイントまで、どちらか先に検出されるところまで実行されます。詳細については、「cont コマンド」を参照してください。
rtc_auto_continue 環境変数が on に設定されている場合、RTC はそのままエラーを求めて自動的に続行されます。エラーは、dbx 環境変数 rtc_error_log_file_name で指定されたファイルにリダイレクトされます。(「dbx 環境変数の設定」を参照)。デフォルトログファイル名は、/tmp/dbx.errlog.uniqueid です。
RTC エラーの報告が不要な場合は、suppress コマンドを使用します。詳細については、「suppress コマンド」を参照してください。
次の例は、hello.c と呼ばれるプログラムのメモリーアクセス検査とメモリー使用状況検査をオンにする方法を示しています。
% cat -n hello.c 1 #include <stdio.h> 2 #include <stdlib.h> 3 #include <string.h> 4 5 char *hello1, *hello2; 6 7 void 8 memory_use() 9 { 10 hello1 = (char *)malloc(32); 11 strcpy(hello1, "hello world"); 12 hello2 = (char *)malloc(strlen(hello1)+1); 13 strcpy(hello2, hello1); 14 } 15 16 void 17 memory_leak() 18 { 19 char *local; 20 local = (char *)malloc(32); 21 strcpy(local, "hello world"); 22 } 23 24 void 25 access_error() 26 { 27 int i,j; 28 29 i = j; 30 } 31 32 int 33 main() 34 { 35 memory_use(); 36 access_error(); 37 memory_leak(); 38 printf("%s\n", hello2); 39 return 0; 40 } % cc -g -o hello hello.c % dbx -C hello Reading ld.so.1 Reading librtc.so Reading libc.so.1 Reading libdl.so.1 (dbx) check -access access checking - ON (dbx) check -memuse memuse checking - ON (dbx) run Running: hello (process id 18306) Enabling Error Checking... done Read from uninitialized (rui): Attempting to read 4 bytes at address 0xeffff068 which is 96 bytes above the current stack pointer Variable is ’j’ Current function is access_error 29 i = j; (dbx) cont hello world Checking for memory leaks... Actual leaks report (actual leaks: 1 total size: 32 bytes) Total Num of Leaked Allocation call stack Size Blocks Block Address ========== ====== ========== ======================================= 32 1 0x21aa8 memory_leak < main Possible leaks report (possible leaks: 0 total size: 0 bytes) Checking for memory use... Blocks in use report (blocks in use: 2 total size: 44 bytes Total % of Num of Avg Allocation call stack Size All Blocks Size ========== ==== ====== ====== ======================================= 32 72% 1 32 memory_use < main 12 27% 1 12 memory_use < main execution completed, exit code is 0
関数 access_error() は、初期化される前の変数 j を読み取ります。RTC は、このアクセスエラーを非初期化領域からの読み取り (rui) として報告します。
関数 memory_leak() は、終了する前に local を解放 (free()) しません。memory_leak() が終了してしまうと、local がスコープ外になり、行 20 で確保したブロックがリークになります。
プログラムは、常にスコープ内にある大域変数 hello1 と hello2 を使用します。これらの変数はいずれも、使用中ブロック (biu) として報告される割り当て済みメモリーを動的に指します。