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Oracle Solaris Studio 12.3: dbx コマンドによるデバッグ Oracle Solaris Studio 12.3 Information Library (日本語) |
より高い効果を得るにはより多くのシンボルおよびデバッグ情報が必要になる
x86 プラットフォームでは SIGSEGV シグナルと SIGALTSTACK シグナルが制限される
より高い効果を得るには、十分なパッチ領域を設け、すべての既存コードを含めて 8M バイト以内にする (SPARC プラットフォームのみ)
アクセス検査では、読み取り、書き込み、割り当て、解放の各操作を監視することによって、プログラムがメモリーに正しくアクセスするかどうかを検査します。
プログラムは、さまざまな方法で間違ってメモリーを読み取ったり、メモリーに書き込んだりすることがあります。このようなエラーをメモリーアクセスエラーといいます。たとえば、ヒープブロックの free() 呼び出しを使用したり、または関数が局所変数にポインタを返したために、プログラムが参照するメモリーブロックの割り当てが解放されている可能性があります。アクセスエラーはプログラムでワイルドポインタの原因になり、間違った出力やセグメント不正など、プログラムの異常な動作を引き起こす可能性があります。メモリーアクセスエラーには、検出が非常に困難なものもあります。
RTC は、プログラムによって使用されているメモリーの各ブロックの情報を追跡するテーブルを管理します。プログラムがメモリー操作を行うと、RTC は関係するメモリーブロックの状態に対してその操作が有効かどうかを判断します。メモリーの状態として次のものがあります。
未割り当て (初期) 状態。メモリーは割り当てられていません。この状態のメモリーはプログラムが所有していないため、読み取り、書き込み、解放のすべての操作が無効です。
割り当て済み/未初期化。メモリーはプログラムに割り当てられていますが、初期化されていません。書き込み操作と解放操作は有効ですが、初期化されていないので読み取りは無効です。たとえば、関数に入るときに、スタック上にメモリーが割り当てられますが、初期化はされません。
読み取り専用。読み取りは有効ですが、書き込みと解放は無効です。
割り当て済み/初期化済み。割り当てられ、初期化されたメモリーに対しては、読み取り、書き込み、解放のすべての操作が有効です。
RTC を使用してメモリーアクセスエラーを見つける方法は、コンパイラがプログラム中の構文エラーを見つける方法と似ています。いずれの場合でも、プログラム中のエラーが発生した位置と、その原因についてのメッセージとともにエラーのリストが生成され、リストの先頭から順に修正していかなければなりません。これは、あるエラーがほかのエラーと関連して連結されたような作用があるためです。連結の最初のエラーが先頭の原因となり、そのエラーを修正することにより、そのエラーから派生したほかの問題も解決されることがあります。
たとえば、初期化されていないメモリーの読み取りにより、不正なポインタが作成されるとします。すると、これが原因となって不正な読み取りと書き込みのエラーが発生し、それがまた原因となってさらに別の問題が発生するというようなことになる場合があります。
メモリーアクセスエラーを検出すると RTC は次の情報を出力します。
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代表的なアクセスエラーは次のとおりです。
Read from uninitialized (rui): Attempting to read 4 bytes at address 0xefffee50 which is 96 bytes above the current stack pointer Variable is ”j’ Current function is rui 12 i = j;
rui (「非初期化メモリーからの読み取り (rui) エラー」を参照)
rua (「非割り当てメモリーからの読み取り (rua) エラー」を参照)
rob (「配列範囲外からの読み込み (rob) エラー」を参照)
wua (「非割り当てメモリーへの書き込み (wua) エラー」を参照)
wro (「読み取り専用メモリーへの書き込み (wro) エラー」を参照)
wob (「配列範囲外メモリーへの書き込み (wob) エラー」を参照)
mar (「境界整列を誤った読み取り (mar) エラー」を参照)
maw (「境界整列を誤った書き込み (maw) エラー」を参照)
duf (「重複解放 (duf) エラー」を参照)
baf (「不正解放 (baf) エラー」を参照)
maf (「境界整列を誤った解放 (maf) エラー」を参照)
oom (「メモリー不足 (oom) エラー」を参照)
注 - SPARC プラットフォームでは、配列境界チェックは行いません。したがって、配列境界侵害はアクセスエラーにはなりません。