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Sun QFS File System 5.3 構成および管理ガイド Sun QFS and Sun Storage Archive Manager 5.3 Information Library (日本語) |
共有される Sun QFS を NFS とともに構成する方法
メタデータサーバーが使用可能なときにメタデータサーバーを変更する方法
メタデータサーバーが使用不可のときにメタデータサーバーを変更する方法
非共有メタデータサーバーを共有メタデータサーバーに変換する方法
このセクションでは、クライアントホストシステムを共有ファイルシステムに追加したり、削除したりするための手順について説明します。
すべての参加ホストでファイルシステムの構成とマウントが終了すると、共有ファイルシステムにクライアントホストを追加できます。
共有ファイルシステムがマウントされている場合は、現在のメタデータサーバー上で samsharefs コマンドを発行します。次に例を示します。
# samsharefs sharefs1 > /etc/opt/SUNWsamfs/hosts.sharefs1
共有ファイルシステムがマウントされていない場合は、メタデータサーバーまたはいずれかの潜在的なメタデータサーバーから、-R オプションを指定して samsharefs コマンドを発行します。次に例を示します。
# samsharefs -R sharefs1 > /etc/opt/SUNWsamfs/hosts.sharefs1
samsharefs コマンドは、アクティブなメタデータサーバーか、または潜在的なメタデータサーバーとして構成されたクライアントホスト上でのみ発行できます。詳細は、samsharefs(1M) のマニュアルページを参照してください。
次に例を示します。
# vi /etc/opt/SUNWsamfs/hosts.sharefs1 # File /etc/opt/SUNWsamfs/hosts.sharefs1 # Host Host IP Server Not Server # Name Addresses Priority Used Host # ---- -------------------------------- -------- ---- ----- titan 172.16.0.129 1 - server tethys 172.16.0.130 2 - mimas mimas - - dione dione - -
次のコード例は、helene という名前のホストのための行が最終行として追加されたあとのファイルを示しています。
# File /etc/opt/SUNWsamfs/hosts.sharefs1 # Host Host IP Server Not Server # Name Addresses Priority Used Host # ---- --------------- -------- ---- ----- titan 172.16.0.129 1 - server tethys 172.16.0.130 2 - mimas mimas - - dione dione - - helene helene - -
このコマンドで使用するオプションや、このコマンドが発行されるシステムは、Sun QFS 共有ファイルシステムがマウントされているかどうかによって次のように異なります:
ファイルシステムがマウントされている場合は、現在のメタデータサーバーから samsharefs -u コマンドを発行します。次に例を示します。
# samsharefs -u sharefs1
ファイルシステムがマウントされていない場合は、アクティブなメタデータサーバーまたはいずれかの潜在的なメタデータサーバーから samsharefs -R -u コマンドを発行します。次に例を示します。
# samsharefs -R -u sharefs1
クライアントホスト helene が認識されるようになりました。
ホストシステムから共有ファイルシステムへのアクセス、または共有ファイルシステムのマウントを実行できるようにするには、前もってその共有ファイルシステムを mcf ファイルの中で定義してください。mcf ファイルを、共有ファイルシステム内のすべてのクライアントホストに一致するように更新する必要があります。ファイルシステムとディスクの宣言情報の「Family Set Name」、「Equipment Number」、および「Equipment Type」フィールドには、メタデータサーバー上の構成と同じデータが含まれている必要があります。クライアントホスト上の mcf ファイルにも shared キーワードを組み込んでください。ただし、コントローラの割り当てがホストごとに異なることがあるため、装置名を変更できます。
詳細は、「共有ファイルシステム環境での mcf ファイルの更新」を参照してください。
# samd config
Sun QFS 共有ホストシステムに複数のホストインタフェースがある場合は、この手順を実行するとよいでしょう。ローカルホストの構成ファイルでは、ファイルシステムのアクセス時にメタデータサーバーとクライアントホストで使用できるホストインタフェースを定義します。このファイルを使用して、環境内の共有ネットワークとプライベートネットワークにおけるファイルシステムのトラフィックを指定します。
ローカルホストファイルの作成については、「ローカルホストの構成ファイルの作成」を参照してください。
このファイルを作成した場合は、クライアントホスト上で samd config コマンドを使用して、sam-fsd デーモンに構成の変更を通知します。
# samd config
次のコード例に示すように、ps および grep コマンドを使用します。
# ps -ef | grep sam-sharefsd root 26167 26158 0 18:35:20 ? 0:00 sam-sharefsd sharefs1 root 27808 27018 0 10:48:46 pts/21 0:00 grep sam-sharefsd
上のコード例は、sam-sharefsd デーモンが sharefs1 ファイルシステムに対してアクティブであることを示しています。
次に例を示します。
# mkdir /sharefs1
次に例を示します。
# chmod 755 /sharefs1
これらのアクセス権は、すべての参加ホスト上で同じである必要があります。マウントされたあとのファイルシステムを使用するには、ユーザーがマウントポイントに対する実行権を持っている必要があるため、初期のアクセス権セットとして 755 が推奨されます。ファイルシステムをマウントしたあと、root ディレクトリのアクセス権によってこの設定がオーバーライドされます。
/etc/vfstab ファイル内に Sun QFS 共有ファイルシステムのエントリが存在する必要があります。「Mount Parameters」フィールドに shared を指定します。さらに、次のいずれかを実行します。
bg マウントオプションを使用すると、メタデータサーバーが応答しない場合に、ファイルシステムがバックグラウンドでマウントされます。
次のコード例は、「Mt params」フィールド内の shared および bg エントリを示しています。
# File /etc/vfstab # FS name FS to fsck Mnt pt FS type fsck Mt@boot Mt params # pass sharefs1 - /sharefs1 samfs - yes shared,bg
# df -k
ファイルシステムが、表示されたリストに含まれているはずです。
次に例を示します。
# mount /sharefs1
Sun QFS 共有ファイルシステムのマウントの詳細は、第 12 章共有ファイルシステムでのマウントオプションを参照するか、または mount_samfs(1M) のマニュアルページを参照してください。
注 - samsharefs コマンドを使用すると、メタデータサーバーまたはクライアントホストにログインしていることを確認できます。
次に例を示します。
client# umount sharefs1
次に例を示します。
metaserver# umount sharefs1
次のコマンド例では、現在の構成情報をファイル /etc/opt/SUNWsamfs/hosts.sharefs1 に書き込みます。
# samsharefs -R sharefs1 > /etc/opt/SUNWsamfs/hosts.sharefs1
次のコード例は、クライアントホストが削除される前のファイルを示しています。
# vi /etc/opt/SUNWsamfs/hosts.sharefs1 # File /etc/opt/SUNWsamfs/hosts.sharefs1 # Host Host IP Server Not Server # Name Addresses Priority Used Host # ---- ------------ -------- ---- ----- titan 172.16.0.129 1 - server tethys 172.16.0.130 2 - mimas mimas - - dione dione - - helene helene - -
次のコード例は、helene のための行が削除されたあとのファイルを示しています。
# File /etc/opt/SUNWsamfs/hosts.sharefs1 # Host Host IP Server Not Server # Name Addresses Priority Used Host # ---- -------------- -------- ---- ----- titan 172.16.0.129 1 - server tethys 172.16.0.130 2 - mimas mimas - - dione dione - -
次に例を示します。
# samsharefs -R -u sharefs1
ホスト helene が削除されました。
次に例を示します。
# samsharefs -R sharefs1
詳細は、mount_samfs(1M) のマニュアルページを参照してください。
samfsconfig コマンドは、共有ファイルシステムに含まれているデバイスを識別するのに役立つ構成情報を生成します。そのあと、この情報を使用して各クライアントホストの mcf ファイルを更新できます。
各クライアントホスト上で個別の samfsconfig コマンドを発行します。コントローラの番号は各クライアントホストによって割り当てられるため、メタデータサーバーと異なるコントローラの番号になる場合があることに注意してください。
注 - Sun QFS 共有ファイルシステムがマウントされたあとにメタデータサーバーの mcf ファイルを更新する場合は、その共有ファイルシステムにアクセスできるすべてのホスト上の mcf ファイルを必ず更新してください。
例 5-1 tethys に対する samfsconfig コマンドの例
次の例は、クライアント tethys 上のファミリセット sharefs1 のデバイス情報を取得するために使用されている samfsconfig コマンドを示しています。tethys は潜在的なメタデータサーバーのため、共有ファイルシステム内のもう 1 つのメタデータサーバーである titan と同じメタデータディスクに接続されています。
tethys# samfsconfig /dev/dsk/* # # Family Set ”sharefs1’ Created Wed Jun 27 19:33:50 2003 # sharefs1 10 ma sharefs1 on shared /dev/dsk/c2t50020F23000065EEd0s6 11 mm sharefs1 on /dev/dsk/c7t50020F2300005D22d0s6 12 mr sharefs1 on /dev/dsk/c7t50020F2300006099d0s6 13 mr sharefs1 on /dev/dsk/c7t50020F230000651Cd0s6 14 mr sharefs1 on
samfsconfig コマンドからの出力の最後の 5 行をクライアントホスト tethys 上の mcf ファイルにコピーします。次を確認します:
各 Device State フィールドが on に設定されていること。
shared キーワードが、ファイルシステム名の Additional Parameters フィールドに指定されていること。
次の例は、結果として得られる mcf ファイルを示しています。
例 5-2 sharefs1 のクライアントホスト tethys の mcf ファイル
# Equipment Eq Eq Family Dev Add # Identifier Ord Type Set State Params # ---------- --- ---- ------ ----- ------ sharefs1 10 ma sharefs1 on shared /dev/dsk/c2t50020F23000065EEd0s6 11 mm sharefs1 on /dev/dsk/c7t50020F2300005D22d0s6 12 mr sharefs1 on /dev/dsk/c7t50020F2300006099d0s6 13 mr sharefs1 on /dev/dsk/c7t50020F230000651Cd0s6 14 mr sharefs1 on
例 5-3 mimas に対する samfsconfig コマンドの例
次の例は、クライアントホスト mimas 上のファミリセット sharefs1 のデバイス情報を取得するために使用されている samfsconfig コマンドを示しています。この例では、mimas はメタデータサーバーになることがないため、メタデータディスクに接続されていません。
mimas# samfsconfig /dev/dsk/* # # Family Set "sharefs1" Created Wed Jun 27 19:33:50 2001 # # Missing slices # Ordinal 0 # /dev/dsk/c1t50020F2300005D22d0s6 12 mr sharefs1 on # /dev/dsk/c1t50020F2300006099d0s6 13 mr sharefs1 on # /dev/dsk/c1t50020F230000651Cd0s6 14 mr sharefs1 on
mimas に対する samfsconfig コマンドからの出力で、Ordinal 0 (メタデータディスク) が存在しないことに注意してください。存在しないデバイスに対して、samfsconfig プロセスはファイルシステムの要素をコメントアウトし、ファイルシステムのファミリセット宣言行を省略します。mcf ファイルに対して次の編集を行います:
クライアントホスト mimas の mcf ファイル内に、sharefs1 で始まるファイルシステムのファミリセット宣言行を作成します。ファイルシステムの「Family Set」宣言行の「Additional Parameters」フィールド内に shared キーワードを入力します。
存在しない装置番号エントリごとに、1 つまたは複数の nodev 行を作成します。これらの行では、アクセスできない装置の「Equipment Identifier」フィールドに nodev キーワード を指定する必要があります。
各「Device State」フィールドが on に設定されていることを確認します。
デバイス行のコメントを解除する
次の例は、結果として得られる mimas の mcf ファイルを示しています。
例 5-4 クライアントホスト mimas の mcf ファイル
# The mcf File For mimas # Equipment Eq Eq Family Device Addl # Identifier Ord Type Set State Params ------------ --- ---- --- ----- ------ sharefs1 10 ma sharefs1 on shared nodev 11 mm sharefs1 on /dev/dsk/c1t50020F2300005D22d0s6 12 mr sharefs1 on /dev/dsk/c1t50020F2300006099d0s6 13 mr sharefs1 on /dev/dsk/c1t50020F230000651Cd0s6 14 mr sharefs1 on
ローカルホストの構成ファイルは次の場所に常駐する必要があります。
/etc/opt/SUNWsamfs/hosts._family-set-name_.local
コメント行は、ハッシュ文字 (#) で始まる必要があります。ハッシュ文字の右側にある文字は無視されます。
次の表は、ローカルホスト構成ファイル内のフィールドを示しています。
表 5-1 ローカルホストの構成ファイルのフィールド
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共有ファイルシステムでは、各クライアントホストは、メタデータサーバーの IP アドレスのリストをメタデータサーバーホストから取得します。
注 - 「ネットワーククライアント」などで使用される「クライアント」は、クライアントホストとメタデータサーバーホストの両方を指すために使用されます。
メタデータサーバーとクライアントホストは、メタデータサーバー上の /etc/opt/SUNWsamfs/hosts.fsname ファイルと各クライアントホスト上の hosts.fsname.local ファイル (存在する場合) の両方を使用して、ファイルシステムにアクセスするときに使用するホストインタフェースを決定します。このプロセスは、次のとおりです。
クライアントは、メタデータサーバーホストの IP インタフェースのリストをファイルシステムのディスク上のホストファイルから取得します。
このファイルを検査するには、メタデータサーバーまたは潜在的なメタデータサーバーから samsharefs コマンドを発行します。
クライアントは、自身のファイルから hosts.fsname.local ファイルを検索します。
検索結果によって、次のどれかの処理を実行します。
hosts.fsname.local ファイルが存在しない場合、クライアントは、システムホスト構成ファイル内の各アドレスに、成功するまで次々に接続しようとします。
hosts.fsname.local ファイルが存在する場合、クライアントは次の処理を実行します:
メタデータサーバー上の /etc/opt/SUNWsamfs/hosts.fsname ファイルと hosts.fsname.local ファイルの両方からのメタデータサーバーのアドレスのリストを比較します。
この両方の場所に存在するアドレスのリストを構築したあと、これらの各アドレスに、成功するまで次々に接続しようとします。これらのファイル内のアドレスの順序が異なる場合、クライアントは、hosts.fsname.local ファイルの順序を使用します。
次の例は、4 つのホストで構成される共有ファイルシステムの詳細なシナリオを示しています。
例 5-5 Sun QFS 共有ファイルシステムのホストファイルの例
次の例は、4 つのホストを一覧表示するホストファイルを示しています。
# File /etc/opt/SUNWsamfs/hosts.sharefs1 # Host Host IP Server Not Server # Name Addresses Priority Used Host # ---- ----------------- -------- ---- ----- titan 172.16.0.129 1 - server tethys 172.16.0.130 2 - mimas mimas - - dione dione - -
システム titan および tethys は、インタフェース 172.16.0.129 および 172.16.0.130 でプライベートネットワーク接続を共有します。titan と tethys が、常にそれぞれのプライベートネットワーク接続を経由して通信できるようにするために、システム管理者は、各システム上に /etc/opt/SUNWsamfs/hosts.sharefs1.local の同一コピーを作成しています。
次の例は、titan と tethys 上の hosts.sharefs1.local ファイル内の情報を示しています。
# This is file /etc/opt/SUNWsamfs/hosts.sharefs1.local # Host Name Host Interfaces # --------- --------------- titan 172.16.0.129 tethys 172.16.0.130
システム mimas および dione は、プライベートネットワーク上にはありません。これらのシステムが、常に titan と tethys のパブリックインタフェースを経由して titan と tethys に接続できるようにするために、システム管理者は、mimas と dione 上に /etc/opt/SUNWsamfs/hosts.sharefs1.local の同一コピーを作成しています。
次の例は、mimas と dione 上の hosts.sharefs1.local ファイル内の情報を示しています。
# This is file /etc/opt/SUNWsamfs/hosts.sharefs1.local # Host Name Host Interfaces # ---------- -------------- titan titan tethys tethys