Oracle® Solaris 11.2 でのファイルのセキュリティー保護とファイル整合性の検証

印刷ビューの終了

更新: 2014 年 7 月
 
 

ファイルアクセス権を設定するモード

chmod コマンドを使用すると、ファイルのアクセス権を変更できます。ファイルやディレクトリのアクセス権を変更するには、root またはファイルまたはディレクトリの所有者になる必要があります。

    chmod コマンドを使用して、次のどちらかのモードでアクセス権を設定できます。

  • 絶対モード – 数値を使用してファイルアクセス権を表します。絶対モードを使用してアクセス権を変更するときは、3 つ 1 組のアクセス権を 8 進数で表します。絶対モードは、アクセス権の設定に一番多く使用されている方法です。

  • 記号モード – 文字と記号の組み合わせを使用して、アクセス権を追加したりアクセス権を削除したりします。

次の表に、絶対モードでファイルのアクセス権を設定するための 8 進数値を示します。これらの数字を 3 つ組み合わせて、所有者、グループ、その他のユーザーのファイルアクセス権をこの順に設定します。たとえば、値 644 は、所有者に対して読み取り権と書き込み権を設定し、グループとその他のユーザーに対しては読み取り専用権を設定します。

表 1-4  絶対モードによるファイルのアクセス権の設定
8 進数値
ファイルのアクセス権
設定されるアクセス権
0
---
なし
1
--x
実行権のみ
2
-w-
書き込み権のみ
3
-wx
書き込み権と実行権
4
r--
読み取り権のみ
5
r-x
読み取り権と実行権
6
rw-
読み取り権と書き込み権
7
rwx
読み取り権、書き込み権、実行権

次の表に、記号モードでファイルアクセス権を設定するための記号を示します。記号では、アクセス権を設定または変更できる対象ユーザー、実行される操作、あるいは割り当てるまたは変更するアクセス権を指定できます。

表 1-5  記号モードによるファイルのアクセス権の設定
記号
機能
説明
u
<対象ユーザー>
ユーザー (所有者)
g
<対象ユーザー>
グループ
o
<対象ユーザー>
その他のユーザー
a
<対象ユーザー>
すべて
=
オペレータ
割り当て
+
オペレータ
追加
-
オペレータ
削除
r
アクセス権 (アクセス権ビット)
読み取り
w
アクセス権 (アクセス権ビット)
書き込み
x
アクセス権 (アクセス権ビット)
実行
l
アクセス権 (アクセス権ビット)
強制ロック、setgid ビットはオン、グループ実行ビットはオフ
s
アクセス権 (アクセス権ビット)
setuid または setgid ビットはオン
t
アクセス権 (アクセス権ビット)
スティッキービットはオン、その他の実行ビットはオン

機能列に <対象ユーザー> <操作> <アクセス権> の順で、ファイルまたはディレクトリのアクセス権を変更する記号を指定します。

who

アクセス権を変更する対象となるユーザーを指定します。

operator

実行する操作を指定します。

permissions

変更するアクセス権を指定します。

絶対モードまたは記号モードで、ファイルに特殊なアクセス権を設定できます。しかし、ディレクトリに setuid アクセス権を設定する場合と、ディレクトリからこのアクセス権を削除する場合は、記号モードを使用する必要があります。絶対モードでは、3 つ 1 組のアクセス権の左端に新しい 8 進数値を追加して、特殊なアクセス権を設定します。Example 1–5 を参照してください。次の表に、ファイルに特殊なアクセス権を設定する 8 進数値を示します。

表 1-6  絶対モードによる特殊なファイルアクセス権の設定
8 進数値
特殊なファイルアクセス権
1
スティッキービット
2
setgid
4
setuid