Oracle IoT Asset Monitoring Cloud Serviceの構成要素の理解
Oracle IoT Asset Monitoring Cloud Serviceアプリケーションには、アセットの監視と管理に役立つアーティファクトがいくつか含まれています。
次の各項では、Oracle IoT Asset Monitoring Cloud Serviceアプリケーションの主要な構成要素をいくつかを紹介します。
アセット
アセットとは、適切な時間と適切な場所で使用できることが事業の運営や収益のために重要となる、リース・リソースまたは所有リソースです。Oracle IoT Asset Monitoring Cloud Serviceを使用して、屋内外のアセットを管理します。
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アセット・タイプ: アセット・タイプによって、アセットとの関連付けが可能なセンサーまたはデバイス・モデルが定義されます。たとえば、フォークリフト・アセット・タイプには、GPS座標、温度、振動および油粘度のセンサーが含まれる場合があります。
また、アセット・タイプによって、アセット・アクションおよびカスタム属性も定義されます。たとえば、アセット・タイプに電源投入/切断アクションが含まれている場合、アセット・ページからデバイスを直接、電源投入または電源切断できます。カスタム属性には、アセット・シリアル番号などの、特定のアセット・タイプのアセット間で異なる属性が含まれます。
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アセット・グループ: アセット・グループは、1箇所で管理できる類似アセットの集まりです。アセットをグループ化して、単一ユーザーまたはユーザー・グループにそのアセット・グループの管理を認可できます。アセット・グループは、ビジネス・ニーズに基づいて作成できます。たとえば、病院内のすべての心電計(EKGマシン)を含むアセット・グループを作成できます。または、1つのフロアに存在する様々なアセットを1つのグループにグループ化することもできます。
アセットの使用には、アセットの使用に関する詳細な情報が記載されています。
メトリックとKPI
KPI (キー・パフォーマンス・インジケータ)は、接続されているアセット、アセットの可用性、アセット利用率など、監視対象アセットの主要なメトリックの追跡に役立ちます。カスタムKPIを作成して、ビジネス・プロセスに関連するメトリックを追跡することもできます。そのため、たとえば、メトリックを作成して温度センサーによって報告された毎時平均温度を追跡できます。KPIは、ダッシュボードおよびマップ・ビュー(アセットがマップに表示される場合)から追跡できます。アセットに関する個々のKPIは、アセット・ページからも追跡できます。
場所
場所を作成して、アセットの保管場所および使用場所を定義します。マップ・ビューで場所を検索し、使用可能なアセットにズーム・インできます。アセットが許可された場所から移動された場合、Oracle IoT Asset Monitoring Cloud Serviceでは、運用マネージャに報告されるインシデントを生成できます。
マップ上にジオフェンスを描画することで、屋外の場所を作成します。屋内の場所の場合、さらにフロア・プランや高度データを使用できます。
次の図は、フロア・プランを使用して作成した場所を示しています。
場所の作成と管理には、場所の作成と管理に関する詳細な情報が記載されています。
ルール
インシデント、警告またはアラートを生成するルールは、場所、しきい値またはアラート条件に基づいて作成します。そのため、たとえば、アセットが指定された場所から移動したときにインシデントを生成するための場所ルールを作成できます。また、ポンプ装置でフィルタのブロックが報告されたときにアラートを生成するためのしきい値ルールを作成できます。
ルールを使用してアセット・アクションをトリガーすることもできます。たとえば、オーバーヒートしているアセットの電源をオフにするようにルールを構成できます。
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インシデント: インシデントを使用して問題を報告し、メンテナンス・スタッフと解決策を検討します。
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アラート: アラートを使用して他のルールをトリガーしたり、統合エンタープライズ・アプリケーションにメッセージを渡します。
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警告: 警告を使用して、即時の注意を必要としていない問題のログを作成します。
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アクション: アセット・アクションを使用して、デバイス関連のアクションをアセットに対して実行します。
ルールを使用したアセットの監視および管理には、ルールの構成に関する詳細な情報が記載されています。
次の各項には、インシデント、警告およびアクションに関する詳細情報が記載されています。
異常
異常を使用して、通常のアセットの動作からの偏差を検出し、早期にデバイスの問題を知らせて対処します。KPI値の偏差を探すポイント・イン・タイム異常を作成できます。たとえば、ポイント・イン・タイム異常は、オーバーヒートしているHVACデバイスを検出するのに役立ちます。パターンに基づく異常を使用して、アセットによって生成されたセンサー・データの兆候パターンを探すこともできます。たとえば、パターンに基づく異常を使用して、フォークリフト・アセットの振動異常を探すことができます。
ルールで異常を使用して、インシデント、警告、アセット・アクションまたはアラートをトリガーすることもできます。
次の各項には、異常に関する詳細情報が記載されています。
予測
予測では、履歴データおよびトランザクション・データを使用して、アセットのリスクを特定します。Oracle Internet of Things Cloud Serviceの内部データを使用するか、アセットの予測に役立つ外部のデバイス・データをインポートして使用できます。
予測は、事前にアセットの障害が差し迫っていることを警告するのに役立ちます。予防メンテナンスは、アセットの故障または使用不能に関連するコストの節約に役立ちます。
次の各項には、予測に関する詳細情報が記載されています。
マップ・ビュー
マップ・ビューは、マップ上でのアセットの特定に役立ちます。マップのズーム・レベルに応じて、アセットは単独で、またはクラスタ化された集まりとして表示できます。マップ上のクラスタをクリックして、個々のアセットを表示します。アセットをクリックして、場所履歴やそのアセットに関連するインシデントなど、アセットの詳細を表示します。
マップ・ビュー下部のペインには、KPIリボンが表示されます。KPIリボンには、現在のビューにあるアセットのKPIメトリックが表示されます。メトリックには、「アセットの可用性」や「アセット利用率」などの組込みメトリックが含まれます。ビジネス・ニーズに従って、カスタムKPIメトリックを追加することもできます。
次の図は、アセット・クラスタとKPIリボンが表示されたマップ・ビューを示しています。
次に、マップ・ビューに表示される一部の組込みKPIメトリックを示します。
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アセット合計: マップで場所が特定されたアセットの合計数を示します。
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接続されているアセット: 過去1時間以内に通信したアセットの割合を示します。
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アセット利用率: 現在利用されているアセットの割合を示します。アセットが利用されたとみなされるには、そのアセットが、指定されたストレージの場所の外部にある必要があります。
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アセットの可用性: 現在使用可能なアセットの割合を示します。使用可能なアセットとは、停止インシデントが報告されていないアセットです。
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オープン・インシデント: オープン状態のアセット・インシデントまたは問題の現在の数を示します。
マップ・ビューでのアセットの場所の特定には、マップでのアセットの特定に関する詳細情報が記載されています。
次の図は、マップ内のアセットをクリックしたときに表示される個々のアセットの詳細を示しています。
ダッシュボード
ダッシュボードには、アセットの組込みKPIとカスタムKPIが表示されます。ダッシュボードには、インシデント、異常および予測に関する詳細も含まれています。
次の各項には、ダッシュボードに関する詳細情報が記載されています。