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Oracle® Databaseバックアップおよびリカバリ・リファレンス
12cリリース1 (12.1)
B71298-08
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RESTORE

用途

RESTOREコマンドを使用すると、RMANバックアップのリストア、検証またはプレビューを実行できます。通常、バックアップのリストアは、メディア障害によって現行のデータファイル、制御ファイルまたはアーカイブREDOログが破損したとき、あるいはPoint-in-Timeリカバリの実行前に行います。

前提条件

データファイルを現行の位置にリストアするには、リストアする表領域またはデータファイルをオフラインにしてデータベースを起動、マウントまたはオープンする必要があります。

Data Guard環境でRMANを使用する場合は、RMANをリカバリ・カタログに接続します。

本番データベースの試行リストアを実行する場合は、テスト環境でデータベースをリストアする前に、次の操作のいずれかを実行します。

  • 本番データベースが使用しているリカバリ領域とは物理的に異なる高速リカバリ領域をテスト・データベースで使用する場合は、テスト・データベース・インスタンスのDB_RECOVERY_FILE_DESTを新しい場所に設定します。

  • 本番データベースが使用するリカバリ領域と物理的に同じ高速リカバリ領域をテスト・データベースで使用する場合は、テスト・データベース・インスタンスのDB_UNIQUE_NAMEを本番データベースとは違う名前に設定します。

前述の操作をどちらも実行しないと、RMANでは、本番データベースをリストアしていると判断し、高速リカバリ領域のフラッシュバック・ログを使用不可能とみなして削除します。

暗号化されたデータベースまたは表領域をリストアする場合は、リストア操作を実行する前に、Oracleキーストアをオープンしておく必要があります。

使用上の注意

RESTOREコマンドは、全体バックアップ、レベル0の増分バックアップまたはイメージ・コピーをリストアします。ファイルのリストア先は、そのファイルのデフォルトの位置または別の位置です。

デフォルトでは、RMANが読取り専用データファイルをチェックし、それが存在していること、読取り可能であること、および適切なチェックポイントがあることを確認します。これらの条件が満たされない場合、RMANはファイルをリストアします。すべての条件が満たされている場合、RMANはファイルをリストアしません。

バックアップの選択

デフォルトでは、RESTOREは、最新のバックアップ・セットまたはファイル・コピー(つまり、最小限のメディア・リカバリで済むファイル・コピーまたはバックアップ・セット)を選択します。RMANは、RESTOREコマンドで割り当てたチャネルと同じタイプのチャネルで作成されたバックアップのみをリストアします。たとえば、データファイルのバックアップをDISKおよびsbtチャネルで作成し、RESTOREコマンドにはDISKチャネルのみを割り当てた場合、RMANはsbtのバックアップをリストアしません。チャネルを手動で割り当てない場合、RMANはDEVICE TYPEオプションによる制限に従って、必要となる可能性があるすべての自動チャネルを割り当てます。

RMANでは、Oracle RAC構成で、バックアップ、制御ファイルのコピーおよびデータファイルのコピーは、テープ上またはローカル・ファイル・システム上でファイルを読み込めるチャネルから自動的にリストアされます。たとえば、inst1に接続しているch1はテープ・ドライブからログ1000を読み取ることができても、inst2に接続しているチャネルch2がテープ・ドライブから同じログを読み取ることができない場合、ch1がログのリストアをできないため、ch2がこのログをリストアします。チャネルが別のPARMS設定またはCONNECT設定を使用している場合は、自動位置検索が自動的に使用可能になります。

データファイル名がシンボリック・リンクの場合、制御ファイルにはリンク・ファイルのファイル名が格納されますが、RMANは、リンク・ファイルが指すデータファイルでI/Oを実行します。ただし、リンク・ファイルが消失し、最初にシンボリック・リンクを再作成せずにデータファイルをリストアすると、RMANは、リンク・ファイルが示す位置ではなく、リンク・ファイルの位置にデータファイルをリストアします。

関連項目:

リストア・フェイルオーバーの詳細は、『Oracle Databaseバックアップおよびリカバリ・ユーザーズ・ガイド』を参照してください

CDBおよびPDBのリストア操作

RESTOREコマンドを使用すると、マルチテナント・コンテナ・データベース(CDB)全体、root、1つ以上のプラガブル・データベース(PDB)、およびPDBの表領域をリストアできます。この項で説明するデータのリストアに関する内容は、CDBとPDBのリストアにも適用されます。

CDBおよびPDBのリストア手順は、非CDBの場合に似ています。唯一の違いは、データベースへの接続手順と使用するコマンドです。CDB全体、root、または複数のPDBをリストアするには、rootに接続します。特定のPDBをリストアするには、そのPDBに接続します。PDBのリストア時は、RESTORE PLUGGABLE DATABASEを使用します。CDBをリストアするには、RESTORE DATABASEを使用し、rootをリストアするには、RESTORE DATABASE ROOTを使用します。

関連項目:

CDBおよびPDBへの接続の詳細は、CONNECTを参照してください

暗号化されたバックアップ・セットを使用したリストア操作

バックアップ・セットの暗号化で説明したとおり、リストア操作中のRMANによる暗号化されたバックアップ・セットの処理方法は、バックアップが作成された暗号化モードによって異なります。CONFIGUREおよびSETを使用すると、RMANによるデータベース・バックアップの暗号化設定を管理できます。次のリストアに関する考慮事項に注意してください。

  • 透過モードで暗号化されたバックアップの場合、必要なパスワードは、Oracleソフトウェア・キーストアで使用可能である必要があります。バックアップ作成時に使用したキーストアは、リストア時にオープンして使用可能にする必要があります。バックアップの作成時にパスワードベースのキーストアが使用された場合、SET DECRYPTION WALLET OPEN IDENTIFIED BYを使用して、キーストアのオープンに使用したパスワードを指定する必要があります。

  • パスワード・モードで暗号化されたバックアップの場合、必要なパスワードは、SET DECRYPTIONを使用して指定する必要があります。

  • デュアル・モードで暗号化されたバックアップの場合、必要なパスワードは、Oracleソフトウェア・キーストアで使用可能であるか、またはSET DECRYPTIONを使用して指定する必要があります。

注意:

キーストアベースの暗号化は、パスワードが必要ないため、パスワードベースの暗号化より安全です。パスワード・ベースの暗号化は、バックアップをトランスポータブルにする必要があるため、必要な場合のみ使用してください。

リストア・フェイルオーバー

バックアップ・ピース、イメージ・コピーまたはプロキシ・コピーにアクセスできないか、またはブロックが破損している場合、RMANによってリストア・フェイルオーバーが実行されます。RESTOREコマンドは、バックアップまたはイメージ・コピーの使用可能な別のコピーを同じデバイスと他のデバイスで自動的に検索します。使用可能なコピーが存在しない場合は、RMANによって以前のバックアップが検索されます。RMANでは、適切なコピーが見つかるまで、使用可能な以前のバックアップの検索は続行されます。RMANは、必要に応じて、以前のデータベース・インカネーションから適用可能なバックアップを使用します。

使用できるバックアップがないデータファイルをリストアする場合は、RMANによって、作成SCNとしてチェックポイントの変更が指定されている空のデータファイルが作成されます。リカバリ時は、データファイルの作成時までさかのぼってすべてのアーカイブREDOログ・ファイルがリストアされ、データファイルの履歴内のすべての変更が再適用され、内容が再作成されます。

関連項目:

バックアップ・セットの暗号化および『Oracle Databaseバックアップおよびリカバリ・ユーザーズ・ガイド』の詳細説明を参照してください

リストアされたデータファイルの場所

データファイルをデフォルトの場所にリストアすると、RMANによって同じファイル名を持つファイルが上書きされます。データファイルが適切な場所にあり、そのヘッダーに必要なデータが含まれている場合、デフォルトでは、RMANによってそのデータファイルはリストアされません。RMANでは、データファイル本体の破損ブロックをスキャンしません。

デフォルトのファイル名を使用できないことがRMANで確認された場合(たとえば、ファイルがOracle Managed Filesであるか、または自動ストレージ管理ディスク・グループに存在する場合)には、RMANによって同じ場所またはディスク・グループに新しいファイルの作成が試行されます。

RMANは、リカバリ・カタログに現在格納されている場所にデータファイルをリストアします。このデフォルトの動作によって、元のバックアップ以降に使用されなくなった可能性のある場所にデータファイルをリストアするという問題が発生しなくなります。また、データファイルの場所を元のバックアップの場所から変更した場合、RMANはファイルを最新の場所、つまり変更後の場所にリストアすることになります。

ファイルをデフォルト以外の場所にリストアするには、SET NEWNAMEコマンドを使用して、リストア対象ファイルの名前を変更してから、SWITCHコマンドでそのファイルを現行のファイルにします(例3-22を参照)。SWITCHコマンドを発行しなければ、RMANは、リストアされたファイルを有効なコピーとみなし、将来のリストア処理で使用します。表3-8に、SET NEWNAMEおよびSWITCHコマンドと併用したRESTOREの動作について説明します。

表3-8 SET NEWNAME、SWITCHおよびRESTORE

SET NEWNAMEの実行 SWITCHの実行 RESTOREの動作

実行しない

N/A

RMANは、リカバリ・カタログに格納されている最新の場所にファイルをリストアします。

実行する

実行する

RMANは、SET NEWNAMEで指定されたパス名にファイルをリストアします。RMANは、制御ファイルの現行のデータファイルの名前をリストアされたファイルの名前で置き換えます。RMANでは、古い名前を持つデータファイルをデータファイルのコピーとして記録します。

実行する

実行しない

RMANは、SET NEWNAMEで指定されたパス名にファイルをリストアします。RMANでは、制御ファイルの現行データファイルの名前が更新されません。リストアされたファイルは、RMANリポジトリにデータファイルのコピーとしてリストされます。

一時ファイルをバックアップできないため、および一時ファイル用のREDOが生成されないため、RMANでは一時ファイルのリストアまたはリカバリは行われません。RMANによる一時ファイル名の追跡は、必要に応じて一時ファイルを自動的に再作成するためにのみ実行されています。

制御ファイルのリストア時におけるRMANの動作

制御ファイルのリストア時におけるRMANの動作は、表3-9に示すように、様々な要素によって決まります。自動バックアップのリストアに必要なコマンドおよびオプションについては、表3-10を参照してください。

表3-9 RESTORE CONTROLFILEの使用例

RMANの接続 RESTORE CONTROLFILE; RESTORE CONTROLFILE FROM AUTOBACKUP; RESTORE CONTROLFILE ... TO 'filename'; RESTORE CONTROLFILE ... FROM 'media_handle'またはTAG 'user_tag';

カタログなし、ターゲット・データベースはNOMOUNT状態で起動済

エラー。FROM AUTOBACKUPを指定する必要があります。

CONTROL_FILESの場所にリストアします。必要なコマンドおよびオプションについては、表3-10を参照してください。

FROM AUTOBACKUPを指定する必要があります。filenameにのみリストアします。

最初にSET DBIDを実行します。指定したファイルからリストアします(TAGからはリストアできません)。TO 'filename'を使用しない場合は、すべてのCONTROL_FILESの場所にリストアします。

カタログなし、ターゲット・データベースはマウント済またはオープン状態

エラー。TO 'filename'を使用する必要があります(この場合、filenameCONTROL_FILESリストにないファイルです)。

エラー。TO 'filename'を使用する必要があります(この場合、filenameCONTROL_FILESリストにないファイルです)。

filenameにのみリストアします。この場合、filenameCONTROL_FILESリストにないファイルです。

RMANによりエラーRMAN-06496が発行されます。かわりに、TO 'filename'を使用します。

カタログあり、ターゲット・データベースはNOMOUNT状態で起動済

CONTROL_FILESの場所にリストアします。DB_NAMEがカタログ内で一意でない場合のみ、SET DBIDを実行します。

テスト用のリカバリ・カタログでのみ使用します。

filenameにのみリストアします。この場合、filenameCONTROL_FILESリストにないファイルです。

指定したファイルからリストアします。TO 'filename'を使用しない場合は、すべてのCONTROL_FILESの場所にリストアします。

カタログあり、ターゲット・データベースはマウント済またはオープン状態

エラー。TO 'filename'を使用する必要があります(この場合、filenameCONTROL_FILESリストにないファイルです)。

リカバリ・カタログでは使用しません。

filenameにのみリストアします。この場合、filenameCONTROL_FILESリストにないファイルです。

RMANによりエラーRMAN-06496が発行されます。かわりに、TO 'filename'を使用します。

Data Guard環境でRMANを使用すると、RMANは、プライマリ制御ファイルからスタンバイ制御ファイルへの変換およびスタンバイ制御ファイルからプライマリ制御ファイルへの変換を透過的に行います。また、RESTOREおよびRECOVERを発行すると、データファイル、オンラインREDOログ、スタンバイREDOログおよび一時ファイルのファイル名を自動的に更新します。Data Guard環境でのRMANのバックアップで説明するとおり、リカバリ・カタログには、常に各データベースのバックアップ・ファイル名に関する正しい情報が含まれています。

制御ファイルおよびサーバー・パラメータ・ファイルの自動バックアップ・オプション

自動バックアップをリストアする場合、使用するコマンドおよびオプションは、自動バックアップのタイプ(制御ファイルまたはサーバー・パラメータ・ファイル)と場所(高速リカバリ領域の内部または外部)によって決まります。表3-10に、これらのオプションを示します。

表3-10 RESTORE ... FROM AUTOBACKUP

リストア・オブジェクト 自動バックアップの場所 SET DBIDの実行 RESTOREへのRECOVERY AREAの指定 RESTOREへのDB_NAMEまたはDB_UNIQUE_NAMEの指定 SET CONTROLFILE AUTOBACKUP FORMATの実行

SPFILE

リカバリ領域

実行しない

実行する

実行する

実行しない

SPFILE

リカバリ領域外

実行する

実行しない

実行しない

自動バックアップがデフォルトの場所にない場合のみ

制御ファイル

リカバリ領域

実行しない

自動バックアップが現行以外のリカバリ領域内にある場合のみ

自動バックアップが現行以外のリカバリ領域内にあり、また現行以外のDB_UNIQUE_NAMEを使用している場合のみ

実行しない

制御ファイル

リカバリ領域外

実行する

実行しない

実行しない

自動バックアップがデフォルトの場所にない場合のみ

アーカイブ・バックアップからのNOCATALOGモードでの制御ファイルのリストア

ディスクに格納されているバックアップを、テープまたはOracle Cloudにオフロードできます。制御ファイルの自動バックアップが有効になっている場合に、次のコマンドのいずれかを使用して、ディスクのバックアップをテープまたはOracle Cloudにアーカイブすると、RMANにより、最新の制御ファイルのバックアップがテープまたはOracle Cloudに含められます。

  • BACKUP BACKUPSET ALL

  • BACKUP RECOVERY AREA

  • BACKUP DATAFILE COPY ALL

リカバリ・カタログが使用されていない状態で、これらのバックアップをリストアするには、1つ以上のディスクとSBTチャネルを(テープまたはOracle Cloud用に)構成する必要があります。

リモート・ホストからのファイルを使用したデータファイルと制御ファイルのリストア

Oracle Database 12c以上では、リモート・データベースからのファイルを使用してデータベース、データファイル、制御ファイル、表領域またはspfileをリストアできます。RMANは、ネットワークを介してリモート・データベースに接続し、バックアップ・セットを使用して必要なファイルをターゲット・データベースに転送します。これは、Data Guard環境では非常に有用です。ネットワークを介してスタンバイ・データベースに接続することによって、プライマリ・データベースでデータファイルをリストアできます。プライマリ・データベースに接続することによって、スタンバイ・データベースでデータファイルをリストアすることもできます。

ネットワークを介してリモート・ホストからファイルをリストアするときは、FROM SERVICEを使用して、ファイルの取得元のリモート・ホストのサービス名を指定する必要があります。必要に応じて、SECTION SIZEを使用して、マルチセクション・バックアップ・セットとしてソース・データベースからファイルをリストアします。USING COMPRESSED BACKUPSETを指定すると、転送するファイルを圧縮できます。

ソース・データベースから転送されるファイルを暗号化するには、RESTOREコマンドの前にSET ENCRYPTIONコマンドを使用します。SET COMPRESSION ALGORITHMを使用して、ネットワークを介してバックアップ・セットを転送する前に、それらを圧縮するために使用するアルゴリズムを指定することもできます。

リモート・ホストを使用してファイルをリストアするための前提条件

  • ソース・データベースとターゲット・データベース上のパスワード・ファイルが同じである必要があります。

  • ターゲット・データベースのtnsnames.oraファイルに、リモート・データベースに対応するエントリが含まれる必要があります。

セマンティクス

restore

この句を使用すると、リストアするファイルを選択し、リストア操作の動作を制御するパラメータを指定できます。

構文要素 説明

restoreObject

リストアするファイルを指定します。

restoreSpecOperand

restoreObject句に対するオプションを指定します。

CHANNEL channel_id

restoreSpecOperand句を参照してください。

CHECK LOGICAL

物理的な破損チェックを通過したデータ・ブロックと索引ブロックについて、行ピースまたは索引エントリの破損などの論理的な破損がないかどうか調べます。RMANは論理的な破損を見つけると、アラート・ログとサーバー・セッション・トレース・ファイルにそのブロックのログを書き込みます。

あるファイルで検出された物理的な破損と論理的な破損の合計数がSET MAXCORRUPTの設定値以下の場合、RMANのコマンドは完了し、破損ブロック範囲がV$DATABASE_BLOCK_CORRUPTIONビューに移入されます。MAXCORRUPTを超えている場合、コマンドはビューへの移入を行わずに終了します。

バックアップ・データファイルのリストア時には、RMANでは、DB_BLOCK_CHECKSUM初期化パラメータの設定が考慮されます。RMANでは、DB_BLOCK_CHECKSUMfalseに設定されている場合は、チェックサムが消去されます。typicalに設定されている場合は、RMANでは、バックアップからリストアしてデータファイルに書き込む際に、チェックサムが検証されます。初期化パラメータDB_BLOCK_CHECKSUM=typicalを設定し、MAXCORRUPTを設定していない場合にCHECK LOGICALを指定すると、検出可能なすべてのタイプの破損が検出されます。

注意: MAXCORRUPTの設定値によって、ファイルに許容される物理的および論理的な破損の合計数が指定されます。

DEVICE TYPE deviceSpecifier

指定したデバイス・タイプ専用の自動チャネルを割り当てます。たとえば、自動ディスクおよびテープ・チャネルを構成してRESTORE ...DEVICE TYPE DISKを発行すると、RMANではディスク・チャネルのみが割り当てられます。DEVICE TYPEオプションを指定する前に、CONFIGUREコマンドを使用してデバイス・タイプを構成する必要があります(事前構成されるDISK以外)。

注意: RUNブロック内でチャネルを手動で割り当ててから、DEVICE TYPE句を使用してRESTOREを実行することはできません。

関連項目: deviceSpecifierを参照してください

FORCE

再起動可能なリストア機能をオーバーライドし、リストアが必要かどうかに関係なくすべてのファイルをリストアします。FORCEを指定しなければ、ヘッダー情報が制御ファイル内の情報と一致しない場合にのみ、RMANはファイルをリストアします。

FROM BACKUPSET

バックアップ・セットからのみリストアします。デフォルトでは、RESTOREは最小のメディア・リカバリで済むファイル・コピーまたはバックアップ・セットを使用します。

FROM BACKUPSETオプションを使用する場合は、リストアが必要となるバックアップ・セット用に、適切なタイプのストレージ・デバイスのチャネルを割り当てる必要があります。たとえば、必要なバックアップがテープでのみ使用可能で、sbtチャネルが割り当てられていない場合、RMANでリストア候補のバックアップ・セットを検出できないため、RESTOREコマンドは正常に実行されません。

FROM DATAFILECOPY

データファイルのコピーのみをリストアします。デフォルトでは、RESTOREは最小のメディア・リカバリで済むファイル・コピーまたはバックアップ・セットを使用します。FROM DATAFILECOPYオプションを使用する場合、割当て済のチャネルはDEVICE TYPE DISKタイプである必要があります。

   INSTANT FULL

この句は、将来のリリース用に予約されています。

   INSTANT SPARSE

この句は、将来のリリース用に予約されています。

FROM PLATFORM platform

クロス・プラットフォーム・バックアップが作成されたプラットフォームの名前を指定します。クロス・プラットフォーム・データ・トランスポートは、Oracle Database 12c リリース1 (12.1)以上でサポートされます。この句は、リストアする必要があるデータを含むバックアップ・セットを指定するforeignFileSpecとともに指定する必要があります。FROM PLATFORM句はオプションです。foreignFileSpecのみを指定して、クロス・プラットフォーム・バックアップをリストアできます。ただし、FROM PLATFORMを使用してプラットフォーム名を指定した場合は、この名前がクロス・プラットフォーム・バックアップ・ヘッダーに格納されているプラットフォーム識別子と一致する必要があります。

FROM SERVICE service_name

リモート・データベースからネットワークを介して転送されたファイルを使用して、ターゲット・データベースでデータファイル、制御ファイル、またはspfileをリストアします。service_nameは、リモート・データベースのサービス名を指定します。

注意: ネットワークを介したファイルのリストアは、Oracle Database 12c以上でサポートされます。

FROM TAG tag_name

restoreSpecOperand句を参照してください。

PREVIEW

RMANが指定した時刻のデータベースのリストアおよびリカバリに使用できるバックアップとアーカイブREDOログ・ファイルをレポートします(リストアは行いません)。RMANではメタデータの問合せを実行しますが、実際のバックアップ・ファイルの読取りは行いません。

RESTORE ... PREVIEWの出力は、LIST BACKUPの出力と同じ形式です(例3-28を参照)。

いくつかのメディア・マネージャによって、オフサイトのバックアップを示すステータス情報がRMANに提供されます。オフサイトのバックアップは、安全なストレージ設備などのリモートの場所に格納されるため、メディアを入手しないと使用できません。

オフサイトのバックアップは、バックアップをリストアする前にメディアをストレージから入手する必要があるにもかかわらず、RMANリポジトリではAVAILABLEとマークされます。RMANがオフサイトのバックアップをリストアしようとすると、リストア操作は失敗します。RESTORE ... PREVIEWは、入手する必要があるメディアに格納されている、RESTORE操作に必要なバックアップを識別できます。出力には、バックアップがオフサイトで格納されているかどうかが示されます。

必要なバックアップがオフサイトで格納されているのに、メディア・マネージャでオフサイトのバックアップを使用できない場合は、次のオプションを使用できます。

  • CHANGE ... UNAVAILABLEを使用して、オフサイトにある必要なバックアップをRMANが選択できないようにし、RESTORE ... PREVIEW操作を再試行して、RMANがオフサイトの別のバックアップを選択するかどうかを確認します。RMANがオフサイトのバックアップを選択しない場合は、リストア操作を実行できます。

  • RECALLオプションを指定して、RESTORE ... PREVIEWを使用します。

関連項目: LIST(特に、BACKUPSおよびSUMMARYオプションと、RECOVER ... VALIDATE HEADERコマンド)を参照してください。

   RECALL

指定したリストア操作に必要なバックアップ・メディアをオフサイトのストレージから入手するようにメディア・マネージャに指示します(例3-29を参照)。

注意: このオプションが有効になるのは、メディア・マネージャでこの機能がサポートされている場合のみです。RESTORE ... PREVIEWを定期的に使用すると、必要なバックアップがローカルに格納されているかどうかを再度監視できます。

   SUMMARY

RMANによってリストアされるバックアップのサマリーを示します。この出力は、LIST BACKUPS ... SUMMARYコマンドの出力と同じ形式です。

SECTION SIZE

マルチセクション・バックアップをリストアします。

SKIP READONLY

読取り専用ファイルはリストアしません。

TO RESTORE POINT restore_point_name

リストア・ポイントを作成した時点のSCNを上限として、リストア・ポイントを指定します。指定した値は含まれます。上限値が含まれるため、RMANは、リストア・ポイントに対応するSCNまでリストアできるファイルのみを選択します。

untilClause

選択範囲を、指定した時刻、SCNまたはログ順序番号までのPoint-in-Timeリカバリに適したバックアップ・セットまたはファイル・コピーに制限します。

他の基準がない場合、RMANは、リストアする最新のファイル・コピーまたはバックアップ・セットを選択します。UNTIL句で指定した時点は、現行のデータベース・インカネーション内である必要があります。

関連項目:untilClauseを参照してください

USING [COMPRESSED] BACKUPSET

ネットワークを介してリストアされるファイルが、圧縮されたバックアップ・セットとしてリモート・データベースから転送される必要があることを指定します。デフォルトでは、RMANはバックアップ・セットとしてファイルを転送します。したがって、USING BACKUPSET句を省略した場合でも、ファイルはバックアップ・セットとして転送されます。デフォルトでは、圧縮の実行には、RMAN構成で設定されている圧縮アルゴリズムが使用されます。RESTOREコマンドを実行する前にSET COMPRESSION ALGORITHMコマンドを実行することによって、異なる圧縮アルゴリズムを使用できます。

VALIDATE

RMANによって、リストアする必要があるバックアップ・セット、データファイルのコピーおよびアーカイブREDOログ・ファイルが識別され、検証されます(例3-30を参照)。ファイルはリストアされません。

ディスクとテープ両方のファイルについては、RMANがバックアップ・ピースまたはイメージ・コピー内のすべてのブロックを読み取ります。RMANは、オフサイト・バックアップも検証します。RMANでの検証は実際のリストア操作と同じですが、出力ファイルの書き出しは実行しません。

注意: VALIDATEオプションを指定してRESTOREを使用すると、データファイルをオンラインにした状態でデータベースをオープンできます。

関連項目: VALIDATEを参照してください。

   HEADER

RMANが指定した時刻のリストアに使用できるバックアップをレポートして検証します(リストアは行いません)。

このオプションを指定すると、RMANは、PREVIEWオプションを指定してRESTOREを実行した場合と同じ機能を実行します。ただし、RMANは、リストアおよびリカバリに必要なファイルのリストに加えて、バックアップ・ファイルのヘッダーを検証し、ファイルがディスク上にあるか、またはRMANリポジトリのメタデータに対応するメディア管理カタログにあるかを判別します。

関連項目: RESTORE PREVIEWオプションおよびRECOVER ... VALIDATE HEADERオプションの説明を参照してください。

restoreObject

この副次句では、リストアするオブジェクト(制御ファイル、データファイル、アーカイブREDOログ・ファイルまたはサーバー・パラメータ・ファイル)を指定します。RMANでは、チェンジ・トラッキング・ファイルのバックアップおよびリカバリはサポートされていません。RMANではデータベースのリストアおよびリカバリ後にチェンジ・トラッキング・ファイルが再作成され、このチェンジ・トラッキング・ファイルはリカバリ後の次回の増分バックアップで使用されます。したがって、リストアおよびリカバリによるチェンジ・トラッキングへの影響は、ユーザーからは見えません。

構文要素 説明

archivelogRecordSpecifier

アーカイブREDOログ・ファイルの指定範囲をリストアします。

デフォルトのリストアの場所は、DB_RECOVERY_FILE_DESTです(LOG_ARCHIVE_DEST_nのいずれかが、暗黙的または明示的にUSE_DB_RECOVERY_FILE_DESTに構成されている場合)。それ以外の場合、デフォルトのリストア・ファイル名は、ターゲット・データベースのLOG_ARCHIVE_FORMATおよびLOG_ARCHIVE_DEST_1初期化パラメータで構成されます。これらのパラメータをポート固有の方法で組合せて、リストアされたログの名前を導出します。デフォルトの場所は、SET ARCHIVELOG DESTINATIONコマンドでオーバーライドできます。

RECOVERコマンドでは必要に応じてアーカイブREDOログ・ファイルが自動的にリストアされるため、手動によるリストアが必要になることはほとんどありません。アーカイブREDOログ・ファイルを手動でリストアする可能性が発生するのは、リカバリ時間を短縮する場合、ログを複数の宛先に書き込む場合、Point-in-Timeリカバリ後にログの内容を分析する場合などです。データベースを停止せずに以前のインカネーションからログをリストアする場合、次の句とともにRESTORE ARCHIVELOGを使用できます。

  • ... FROM SCN

  • ...SCN BETWEEN... AND

  • FROM SCN ... INCARNATION <integer>

  • FROM SCN... INCARNATION ALL

注意: この操作では、データベースを起動、マウントまたはオープンできます。

関連項目: archivelogRecordSpecifierを参照してください。

CONTROLFILE

ターゲット・データベースのロールに応じて、スタンバイ制御ファイルまたはバックアップ制御ファイルをリストアします。

制御ファイルが消失した場合は、制御ファイルをリストアし(表3-9を参照)、リストアした制御ファイルをマウントしてからデータベースをリストアします。リストアした制御ファイルをマウントした後は、常にRECOVERコマンドを実行して、RESETLOGSオプションでデータベースをオープンする必要があります。

注意: ターゲット・データベースがマウントされていない状態で、RMANがリカバリ・カタログに接続していない場合は、RESTORE CONTROLFILEFROM AUTOBACKUP句を指定する必要があります。自動バックアップがデフォルト以外の形式である場合は、最初にSET CONTROLFILE AUTOBACKUP FORMATコマンドを使用して形式を指定します。ターゲット・データベースがマウントまたはオープンされている場合は、RESTORE CONTROLFILETO filename句を指定する必要があります。

リカバリ・カタログに接続中にバックアップ制御ファイルを使用してRESTOREを実行すると(例3-23を参照)、制御ファイルは、リカバリ・カタログのメタデータに基づいて、リストアしたデータベースの構造が反映されるようにRMANで自動的に更新されます。

   TO 'filename'

制御ファイルを指定されたファイル名にリストアします。

TO句を使用して制御ファイルをリストアする場合のRMANの動作については、表3-9を参照してください。

DATABASE

オフラインのファイルを除いて、データベースのすべてのデータファイルをリストアします。デフォルトでは、RMANは読取り専用表領域のデータファイルをリストアします。

CDBでは、CDB全体をリストアします。CDBをリストアするには、rootに接続します。PDBでは、指定されたPDB内のデータファイルをリストアします。PDBをバックアップするには、そのPDBに接続します。CDBおよびPDBへの接続を参照してください。

BACKUP DATABASEとは異なり、RESTORE DATABASEでは制御ファイルとサーバー・パラメータ・ファイルは自動的には含まれません。追加のRESTORE CONTROLFILEおよびRESTORE SPFILEコマンドを発行して、これらのファイルをリストアする必要があります。

注意: オフライン・データファイルをリストアするには、RESTORE DATAFILEまたはRESTORE TABLESPACEを使用する必要があります。

DATABASE ROOT

CDBで、rootに属しているすべてのオンライン・データファイルをリストアします。「CDBおよびPDBへの接続」の説明に従って、rootに接続します。

PLUGGABLE DATABASE pdb_name

CDBで、指定されたPDBに属しているすべてのデータファイルをリストアします。他のPDBは影響を受けず、オープンして操作可能な状態のままにできます。複数のPDBをリストアするには、カンマ区切りのリストを使用します。「CDBおよびPDBへの接続」の説明に従って、rootに接続します。

   SKIP [FOREVER]  TABLESPACE tablespace_name

指定した表領域をリストア操作から除外します。このオプションは、一時データを含む表領域のリストアを回避する場合に有効です。CDBでは、rootに接続している場合は、rootの表領域を参照し、PDBに直接接続している場合は、PDBの表領域を参照します。

FOREVERキーワードを指定しても、SKIPの動作は変わりません。FOREVERキーワードは、RESTORE SKIP FOREVERRECOVER SKIP FOREVERとの間で構文の互換性を保つためにのみ存在します。

   TABLESPACE pdb_name:tablespace_name

CDBでは、指定した表領域をリストア操作から除外します。この構文は、rootに接続している場合にのみ必要です。PDBに直接接続している場合は、TABLESPACE tablespace_nameを使用します。

DATAFILE datafileSpec

ファイル名または絶対データファイル番号で指定したデータファイルをリストアします(例3-22を参照)。

注意: リストア・ジョブでは、1つのデータファイルを2回以上指定しないでください。たとえば、次のコマンド例は、データファイル1が明示的に指定されていると同時に、SYSTEM表領域内で暗黙的に指定されているため、無効とみなされます。

RESTORE TABLESPACE SYSTEM DATAFILE 1;

関連項目: datafileSpecを参照してください

   foreignFileSpec

バックアップ・セットを使用するクロス・プラットフォーム・バックアップをリストアします。クロス・プラットフォーム・リストア操作を実行するときは、foreignFileSpecを指定する必要があります。この句は、リストアする必要があるデータ(データファイル、表領域またはデータベース全体)およびリストアするデータを含むバックアップ・セットを指定します。リストアするクロス・プラットフォーム・バックアップは、複数のバックアップ・セットまたは複数のバックアップ・ピースで構成できます。

リストアするバックアップ・セットを指定するには、BACKUPSET構文を使用します。データファイルをリストアするには、ALL FOREIGN DATAFILESまたはFOREIGN DATAFILEを使用します。表領域をリストアするには、FOREIGN TABLESPACEを使用します。データベース全体をリストアするには、FOREIGN DATABASEを使用します。

リストアされた表領域を宛先データベースに組み込むには、バックアップとともに作成された表領域メタデータが含まれるエクスポート・ダンプ・ファイルを使用します。バックアップにエクスポート・ダンプ・ファイルが含まれることを指定するには、DUMP FILEを使用し、エクスポート・ダンプ・ファイルが含まれるバックアップ・セットを指定するには、BACKUPSETを使用します。

注意: この句は、バックアップ・セットを使用してバックアップされたデータをリストアする場合にのみ使用できます。イメージ・コピーとして作成されたバックアップには使用できません。

関連項目: foreignFileSpecを参照してください

PRIMARY CONTROLFILE

Data Guard環境のプライマリ・データベースの制御ファイルをリストアします。

RMANは、ターゲット・データベースのリカバリ・カタログに認識されている最新のデータベース・ロール(RC_SITE.DATABASE_ROLE)に応じて、適切に通常の制御ファイルまたはスタンバイ制御ファイルをリストアします。このオプションの目的は、最新のデータベース・ロールが古くなった場合に、デフォルトの設定をオーバーライドすることです。

プライマリ・データベースdgnyからスタンバイ・データベースdgsfへの切替えを実行して、dgsfを新しいプライマリ・データベースにするとします。dgsfの制御ファイルをリストアする必要がありますが、リカバリ・カタログの再同期化が行われていないため、dgsfはまだスタンバイ・データベースとして表示されています。この場合、PRIMARY CONTROLFILEを指定すると、デフォルトのRMANの動作をオーバーライドし、通常の制御ファイルをリストアできます。

SPFILE

プライマリ・サーバー・パラメータ・ファイルまたはスタンバイ・サーバー・パラメータ・ファイルをバックアップ元にリストアします。RMANでは、ターゲット・データベースで使用中のサーバー・パラメータ・ファイルは上書きできません。

RMANでは、デフォルトで、最新のサーバー・パラメータ・ファイルがリストアされます。UNTILまたはTAGオプションを指定すると、古いバージョンのサーバー・パラメータ・ファイルをリストアできます。

サーバー・パラメータ・ファイルが失われた場合は、RMANをターゲット・データベース(および使用している場合はリカバリ・カタログ)に接続し、SET DBIDを実行します。RESTORE SPFILEを実行する前に、STARTUP FORCE NOMOUNTを実行します。次にSTARTUP FORCEを実行し、リストアしたサーバー・パラメータ・ファイルを使用してデータベース・インスタンスを再起動します。

注意: ターゲット・データベースがマウントされていない状態で、RMANがリカバリ・カタログに接続していない場合は、RESTORE SPFILEFROM AUTOBACKUP句を指定する必要があります。自動バックアップがデフォルト以外の形式である場合は、最初にSET CONTROLFILE AUTOBACKUP FORMATコマンドを使用して形式を指定します。ターゲット・データベースが起動、マウントまたはオープンされており、データベースの起動にサーバー・パラメータ・ファイルが使用されている場合は、RESTORE SPFILETO filename句を指定する必要があります。

   TO [PFILE] 'filename'

プライマリ・サーバー・パラメータ・ファイルまたはスタンバイ・サーバー・パラメータ・ファイルを、TO句で指定された場所にリストアします。PFILEを指定して、サーバー・パラメータ・ファイルをテキストベースの初期化パラメータ・ファイルとして保存します。

   FOR DB_UNIQUE_NAME db_unique_name

インスタンスが起動されていないときは、ターゲット・データベースのDB_UNIQUE_NAMEを指定します。このパラメータは、Data Guard環境でのみ有効です。

FOR DB_UNIQUE_NAMEが指定されている場合、RMANはSPFILEがリストアされるホストの正しいRMAN構成を検索し、それらを使用して、バックアップ・デバイスにアクセスします。指定されていない場合、RMANは正しいチャネル構成が選択できず、RMAN-6758エラーを戻します。

Data Guard環境では、プライマリ・ホストとスタンバイ・ホストに、関連SBTバックアップおよびディスク・デバイスと通信するための異なるチャネル構成が設定されている場合があります。プライマリ・データベースとスタンバイ・データベースの両方がリカバリ・カタログで認識される場合は、両方のデータベースの構成設定はリカバリ・カタログに記録されています。プライマリ・データベースとスタンバイ・データベースには同じDB_NAMEが含まれているため、リカバリ・カタログのレコードは、DB_UNIQUE_NAME初期化パラメータによってのみ区別できます。

注意: DB_NAMEがリカバリ・カタログ内で一意でない場合にRESTORE SPFILEを使用すると、RMAN-6758エラーが発生します。

関連項目: Data Guard環境でサーバー・パラメータ・ファイルをリストアする手順の詳細は、『Oracle Data Guard概要および管理』を参照してください。

   TO 'filename'

スタンバイ制御ファイルを指定されたファイル名にリストアします。TO句を使用して制御ファイルをリストアする場合のRMANの動作については、表3-9を参照してください。

STANDBY CONTROLFILE

スタンバイ・データベースの制御ファイルをリストアします。RMANは、通常のバックアップ制御ファイルを透過的にリストアし、スタンバイ・データベースに対して使用できるようにします。

RMANは、ターゲット・データベースのリカバリ・カタログに認識されている最新のデータベース・ロール(RC_SITE.DATABASE_ROLE)に応じて、適切に通常の制御ファイルまたはスタンバイ制御ファイルをリストアします。このオプションの目的は、最新のデータベース・ロールが古くなった場合に、デフォルトの設定をオーバーライドすることです。プライマリ・データベースdgnyからスタンバイ・データベースdgsfへの切替えを実行して、dgsfを新しいプライマリ・データベースにするとします。後で、dgnydgsfのスタンバイ・データベースにします。dgnyで制御ファイルをリストアする必要がありますが、リカバリ・カタログの再同期化が行われていないため、dgnyはまだプライマリ・データベースとして表示されています。この場合、STANDBY CONTROLFILEを指定すると、デフォルトのRMANの動作をオーバーライドし、スタンバイ制御ファイルをリストアできます。

DB_UNIQUE_NAMEがリカバリ・カタログに認識されているデータベースの制御ファイルをリストアする場合、RMANは、制御ファイル内のすべてのファイル名をリカバリ・カタログに認識されるファイル名に更新します。ファイル名は、ALTER DATABASE RENAME FILEを使用して明示的に名前が変更されると、リカバリ・カタログのファイル名よりも優先されます。

関連項目: 制限事項と使用上の注意は、表3-9を参照してください。

注意: リストアされた制御ファイルのマウント後は常にRECOVERコマンドを実行する必要があります。また、データベースは常にRESETLOGSオプションでオープンする必要があります。

TABLESPACE tablespace_name

指定した表領域にあるすべてのデータファイルをリストアします(例3-21を参照)。

RMANは、表領域名をデータファイルのリストに内部的に変換します。表領域名を変更する場合(usersからcustomersへの変更など)は、古い名前(users)で追加の表領域が作成されていないかぎり、古い名前(users)または新しい名前(customers)のいずれかを表領域に使用できます。表領域名が変更されていて、次の再同期化時にリカバリ・カタログが更新されることが、RMANによって確認されます。

注意: RMANを使用して、ディクショナリ管理一時表領域はバックアップおよびリストアできますが、ローカル管理一時表領域はバックアップできません。ただし、RMANでは、ローカル管理一時表領域は、データベースのリストア後に自動的に再作成されます。

restoreSpecOperand

この副次句は、restoreObject句に対するオプションを指定します。これらのパラメータは、RESTOREコマンドのレベルで同じ名前を持つパラメータをオーバーライドします。

構文要素 説明

CHANNEL channel_id

このリストア操作に使用するチャネルの名前を、大/小文字を区別して指定します。チャネル指定がないと、RESTOREは正しいデバイス・タイプで割り当てられたすべての使用可能なチャネルを使用します。

FROM AUTOBACKUP

制御ファイルの自動バックアップをリストアします(例3-24を参照)。

このオプションは、RESTORE CONTROLFILEコマンドおよびRESTORE SPFILEコマンドでのみ有効です。どちらかのタイプのファイルをNOCATALOGモードでリストアする場合は、FROM AUTOBACKUP句が必須です。

RMANは、現在の日付またはSET UNTILで指定された日付から検索を開始します。検索初日は、順序番号256(または指定されている場合はMAXSEQで指定された順序番号)で検索を開始し順序0に戻るまで降順にカウントします。自動バックアップが現在の日付またはSET UNTIL日に見つからなければ、RMANでは順序256から0に戻るまで過去の日付が順番にチェックされます。検索は現在の日付またはSET UNTIL日より前にMAXDAYS日間(デフォルトは7、最大366)継続されます。MAXDAYS日以内に自動バックアップが見つからなければ、RMANはエラーを発行し、コマンドが停止します。

関連項目: 制限事項と使用上の注意は、表3-9を参照してください。

   autoBackupOptList

制御ファイルの自動バックアップの検索を制御するパラメータを指定します。

   'media_handle'

制御ファイルのコピー名、または制御ファイルを含むバックアップ・ピースの名前を指定します。media_handleには、制御ファイルのバックアップを含む任意のバックアップ・ピースを指定できます(制御ファイルのバックアップは、自動バックアップでなくてもかまいません)。

関連項目: 制限事項と使用上の注意は、表3-9を参照してください。

FROM SERVICE service_name

リモート・データベースからネットワークを介して転送されたバックアップを使用して、データファイルまたは制御ファイルをリストアします。service_nameは、リモート・データベースのサービス名を指定します。

FROM TAG tag_name

最新のバックアップまたは使用可能なファイル・コピーに関するデフォルトの選択をオーバーライドします。このタグは、自動選択の対象を、指定したタグで作成されたバックアップ・セットまたはファイル・コピーに制限するために使用します。複数のバックアップ・セットまたはコピーに一致するタグが存在していると、RMANは最新の内容を選択します。タグ名には、大/小文字区別はありません。

関連項目: 多重化バックアップ・セットの個々のコピーにタグを適用する方法と、タグのデフォルト・ファイル名形式については、BACKUPを参照してください。

autoBackupOptList

この副次句は、制御ファイルの自動バックアップの検索を制御するパラメータを指定します。

構文要素 説明

DB_NAME database_name

制御ファイルの自動バックアップの検索で使用するDB_NAMEを指定します。このパラメータの設定方法については、表3-10を参照してください。

DB_UNIQUE_NAME初期化パラメータのデフォルト値は、DB_NAME初期化パラメータの設定値です。ターゲット・データベースにDB_UNIQUE_NAME初期化パラメータが設定されていない場合は、RESTORE ... DB_NAMEまたはRESTORE ... DB_UNIQUE_NAMEを使用します。ターゲット・データベースのDB_UNIQUE_NAME初期化パラメータ設定がDB_NAMEと異なる場合は、RESTORE ... DB_UNIQUE_NAMEを使用します。

MAXDAYS integer

制御ファイルの自動バックアップの検索を過去の指定した日数内に制限します。

MAXSEQ integer

制御ファイルの自動バックアップの検索での最大順序番号を指定します。

RECOVERY AREA 'pathname'

自動バックアップを検索する高速リカバリ領域へのパスを指定します。RECOVERY AREADB_RECOVERY_FILE_DESTはシノニムです。このパラメータの設定方法については、表3-10を参照してください。

DB_RECOVERY_FILE_DEST 'pathname'

RECOVERY AREADB_RECOVERY_FILE_DESTはシノニムです。

   DB_NAME database_name

制御ファイルの自動バックアップの検索で使用するDB_NAMEを指定します。このパラメータの設定方法については、表3-10を参照してください。

DB_UNIQUE_NAME初期化パラメータのデフォルト値は、DB_NAME初期化パラメータの設定値です。ターゲット・データベースにDB_UNIQUE_NAME初期化パラメータが設定されていない場合は、RESTORE ... DB_NAMEまたはRESTORE ... DB_UNIQUE_NAMEを使用します。ターゲット・データベースのDB_UNIQUE_NAME初期化パラメータ設定がDB_NAMEと異なる場合は、RESTORE ... DB_UNIQUE_NAMEを使用します。

   DB_UNIQUE_NAME    db_unique_name

リストア操作のターゲットである、指定した高速リカバリ領域内のデータベースのDB_UNIQUE_NAMEを指定します。

DB_UNIQUE_NAME初期化パラメータのデフォルト値は、DB_NAME初期化パラメータの設定値です。ターゲット・データベースにDB_UNIQUE_NAME初期化パラメータが設定されていない場合は、RESTORE ... DB_NAMEまたはRESTORE ... DB_UNIQUE_NAMEを使用します。ターゲット・データベースのDB_UNIQUE_NAME初期化パラメータ設定がDB_NAMEと異なる場合は、RESTORE ... DB_UNIQUE_NAMEを使用します。

例3-21 表領域のリストア

この例では、表領域をオフラインにし、リストアしてからメディア・リカバリを実行します。

ALTER TABLESPACE users OFFLINE IMMEDIATE; 
RESTORE TABLESPACE users; 
RECOVER TABLESPACE users;  
ALTER TABLESPACE users ONLINE;

例3-22 リストアされるデータファイルの新しい名前の設定

データファイル9を格納している/disk1にメディア障害が発生したとします。この例では、データファイルに新しい名前を指定し、データファイルをリストアし、新しい名前を使用するように制御ファイルを更新してリカバリした後、オンライン化します。

RUN
{
  ALTER DATABASE DATAFILE 9 OFFLINE;
  SET NEWNAME FOR DATAFILE 9 TO '/disk2/users01.dbf';
  RESTORE DATAFILE 9;
  SWITCH DATAFILE ALL;
  RECOVER DATAFILE 9;
  ALTER DATABASE DATAFILE 9 ONLINE;
}

例3-23 リカバリ・カタログ使用時の制御ファイルのリストア

monday_cf_backupというタグが付いている制御ファイルのバックアップをリストアするとします。RMANクライアントを起動し、ターゲット・データベースおよびリカバリ・カタログ・データベースに接続して、次のコマンドを実行します。

RUN
{ # SET DBID is not necessary when RMAN is connected to a recovery catalog
  STARTUP FORCE NOMOUNT;
  RESTORE CONTROLFILE FROM TAG 'monday_cf_backup';
  ALTER DATABASE MOUNT;
  RESTORE DATABASE;
  RECOVER DATABASE;
}
ALTER DATABASE OPEN RESETLOGS; # required after recovery with backup control file

RMANでは、制御ファイルがデフォルト位置にリストアされ、それがすべてのCONTROL_FILESの位置に自動的にレプリケートされます。RMANは、制御ファイルをマウントし、データベースのリストアとリカバリを行います。RMANでは、リカバリ・カタログのメタデータに基づいて、リストアしたデータベースの構造が反映されるように制御ファイルが自動的に更新されます。

例3-24 制御ファイルの自動バックアップを使用したデータベースのリカバリ

制御ファイルと一部のデータファイルが消失し、テープからリストアする必要があるとします。この例では、RMANはリカバリ・カタログを使用しないため、リストアする制御ファイルを特定するにはSET DBIDコマンドが必要です。次に、テープから制御ファイルをリストアし、データベースをマウントしてから、データベースのリストアとリカバリを行います。

CONNECT TARGET /
STARTUP FORCE NOMOUNT;
SET DBID 36508508;  # required when restoring control file in NOCATALOG mode
RUN
{
  ALLOCATE CHANNEL c1 DEVICE TYPE sbt;
  RESTORE CONTROLFILE FROM AUTOBACKUP;
  ALTER DATABASE MOUNT;
  RESTORE DATABASE;
  RECOVER DATABASE;
}
ALTER DATABASE OPEN RESETLOGS;

例3-25 デフォルト以外の位置への制御ファイルの自動バックアップのリストア

この例は、例3-24を部分的に変更したものです。この例では、制御ファイルの自動バックアップはデフォルト以外の場所にあるディスクに格納されています。RMANは、順序番号20を持つバックアップから始めて、過去5か月にさかのぼって検索します。

CONNECT TARGET /
STARTUP FORCE NOMOUNT
SET DBID 36508508;  # required when restoring control file in NOCATALOG mode
RUN
{
  SET CONTROLFILE AUTOBACKUP FORMAT FOR DEVICE TYPE DISK 
    TO '/disk1/prod_cf_auto_%F';
  RESTORE CONTROLFILE TO '/tmp/cf_auto.dbf' FROM AUTOBACKUP 
    MAXSEQ 20 MAXDAYS 150;
  ALTER DATABASE MOUNT;
  RESTORE DATABASE;
  RECOVER DATABASE;
}
ALTER DATABASE OPEN RESETLOGS;

例3-26 現行の位置へのサーバー・パラメータ・ファイルの自動バックアップのリストア

次の一連のコマンドは、現行のサーバー・パラメータ・ファイルをNOCATALOGモードでリストアしてから、リストアされたサーバー・パラメータ・ファイルを使用してインスタンスを起動します。

CONNECT TARGET /
SET DBID 1620189241; # set dbid to dbid of target database
STARTUP FORCE NOMOUNT; # start instance with dummy SPFILE
RUN
{
  ALLOCATE CHANNEL c1 DEVICE TYPE sbt;
  RESTORE SPFILE FROM AUTOBACKUP; # FROM AUTOBACKUP needed in NOCATALOG mode
  STARTUP FORCE; # startup with restored SPFILE
}

例3-27 テープまたはOracle Cloudに格納されている制御ファイルの自動バックアップのリストア

データベース・バックアップは、バックアップ・スケジュールに基づいてディスクに作成されます。制御ファイルの自動バックアップは有効化されていますが、リカバリ・カタログは使用されていません。次に、これらのバックアップ・セットは、BACKUP BACKUPSET ALLコマンドを使用してOracle Cloudにバックアップされます。この例では、Oracle Cloudで作成された自動バックアップを使用して、制御ファイルをリストアします。RMANにより、ディスクとOracle Cloudの両方のバックアップがスキャンされ、最新の制御ファイルの自動バックアップが取得されます。ディスク・チャネルとSBTチャネルをOracle Cloud用に構成する必要があります。

RUN
{
SET DBID 1928835918;
ALLOCATE CHANNEL disk1 DEVICE TYPE DISK;
ALLOCATE CHANNEL sbt1 DEVICE TYPE 'SBT_TAPE' PARMS 'SBT_LIBRARY=/disk1/oss/libopc.so ENV=(OPC_PFILE=/disk1/oss/opc_sbt.ora)';
RESTORE CONTROLFILE FROM AUTOBACKUP;
}

例3-28 バックアップのプレビュー

この例では、RESTORE ... PREVIEWコマンドの結果が表示されます。アーカイブREDOログ・ファイルのリストアに使用するためにRMANで選択するバックアップ・セットが示されています。

RMAN> RESTORE ARCHIVELOG ALL DEVICE TYPE sbt PREVIEW;
 
Starting restore at 01-MAR-13
released channel: ORA_SBT_TAPE_1
allocated channel: ORA_SBT_TAPE_1
channel ORA_SBT_TAPE_1: SID=85 device type=SBT_TAPE
channel ORA_SBT_TAPE_1: Oracle Secure Backup
 
List of Backup Sets
===================
 
BS Key  Size       Device Type Elapsed Time Completion Time
------- ---------- ----------- ------------ ---------------
53      1.25M      SBT_TAPE    00:00:18     01-MAR-13
        BP Key: 53   Status: AVAILABLE  Compressed: NO  Tag: TAG20130301T150155
        Handle: 2aibhej3_1_1   Media: RMAN-DEFAULT-000001
 
  List of Archived Logs in backup set 53
  Thrd Seq     Low SCN    Low Time  Next SCN   Next Time
  ---- ------- ---------- --------- ---------- ---------
  1    8       526376     01-MAR-13 527059     01-MAR-13
  1    9       527059     01-MAR-13 527074     01-MAR-13
  1    10      527074     01-MAR-13 527091     01-MAR-13
  1    11      527091     01-MAR-13 527568     01-MAR-13
  1    12      527568     01-MAR-13 527598     01-MAR-13
validation succeeded for backup piece
Finished restore at 01-MAR-13

例3-29 オフサイト・ストレージからのオフサイト・バックアップの再呼出し

バックアップのオフサイト・ストレージに関する情報をレポートし、オフサイト・バックアップの再呼出しをサポートするメディア・マネージャとともに使用すると、RESTORE ... PREVIEW RECALLは、バックアップからのアーカイブREDOログ・ファイルのリストアに必要なメディアをオフサイト・ストレージから再呼出しすることを要求します。

RMAN> RESTORE ARCHIVELOG ALL PREVIEW RECALL;

Starting restore at 10-JUN-13
using channel ORA_DISK_1
using channel ORA_SBT_TAPE_1
 
 
List of Backup Sets
===================
 
BS Key  Size       Device Type Elapsed Time Completion Time
------- ---------- ----------- ------------ ---------------
31      12.75M     SBT_TAPE    00:00:02     10-JUN-13     
        BP Key: 33   Status: AVAILABLE  Compressed: NO  Tag: TAG20130610T152755
        Handle: 15gmknbs   Media: /v1,15gmknbs
 
  List of Archived Logs in backup set 31
  Thrd Seq     Low SCN    Low Time  Next SCN   Next Time
  ---- ------- ---------- --------- ---------- ---------
  1    1       221154     06-JUN-13 222548     06-JUN-13
  1    2       222548     06-JUN-13 222554     06-JUN-13
  1    3       222554     06-JUN-13 222591     06-JUN-13
  1    4       222591     06-JUN-13 246629     07-JUN-13
  1    5       246629     07-JUN-13 262451     10-JUN-13
 
BS Key  Size       Device Type Elapsed Time Completion Time
------- ---------- ----------- ------------ ---------------
32      256.00K    SBT_TAPE    00:00:01     10-JUN-13     
        BP Key: 34   Status: AVAILABLE  Compressed: NO  Tag: TAG20130610T153105
        Handle: 17gmknhp_1_1   Media: /v1,17gmknhp_1_1
 
  List of Archived Logs in backup set 32
  Thrd Seq     Low SCN    Low Time  Next SCN   Next Time
  ---- ------- ---------- --------- ---------- ---------
  1    6       262451     10-JUN-13 262547     10-JUN-13
  1    7       262547     10-JUN-13 262565     10-JUN-13
 
Initiated recall for the following list of offsite backup files
==========================================================
        Handle: 15gmknbs   Media: /v1,15gmknbs
Finished restore at 10-JUN-13

例3-30 バックアップのリストアの検証

次の例では、RESTORE... VALIDATEを使用して、データベースのリストアに必要なバックアップがディスクまたはテープに存在し、読取り可能で破損していないことを確認する方法を示します。

RMAN> RESTORE DATABASE VALIDATE;
 
Starting restore at 01-MAR-13
using channel ORA_DISK_1
allocated channel: ORA_SBT_TAPE_1
channel ORA_SBT_TAPE_1: SID=85 device type=SBT_TAPE
channel ORA_SBT_TAPE_1: Oracle Secure Backup
 
channel ORA_DISK_1: starting validation of datafile backup set
channel ORA_DISK_1: reading from backup piece /disk2/PROD/backupset/2013_03_01/o1_mf_nnndf_TAG20130301T161038_2ygtvzg0_.bkp
channel ORA_DISK_1: piece handle=/disk2/PROD/backupset/2013_03_01/o1_mf_nnndf_TAG20130301T161038_2ygtvzg0_.bkp tag=TAG20130301T161038
channel ORA_DISK_1: restored backup piece 1
channel ORA_DISK_1: validation complete, elapsed time: 00:00:16
Finished restore at 01-MAR-13

例3-31 スタンバイを使用した、プライマリ・データベースでのデータファイルのリストア

この例では、プライマリ・データベースで消失したデータファイルusers.dbfを、スタンバイ・データベースからネットワークを介してリストアすることによってリストアします。

RESTORE DATAFILE '/oradata/files/users.dbf'
          FROM SERVICE standby_tns
          SECTION SIZE 200M
          USING COMPRESSED BACKUPSET;

リストアするデータファイルを含むリモート・データベースのサービス名は、standby_tnsです。SECTION SIZE句は、データファイルがマルチセクション・バックアップ・セットを使用してリストアされることを示します。USING COMPRESSED BACKUPSET句は、RMANに構成されているデフォルトの圧縮アルゴリズムを使用してバックアップ・セットが圧縮されることを指定します。

例3-32 クロス・プラットフォーム・データベース・バックアップからのデータベースのリストア

この例では、例2-33で作成したクロス・プラットフォーム・バックアップを使用してデータベースをリストアします。このバックアップはMicrosoft Windows IA (32-bit)プラットフォームで作成され、Linux x86 64-bitでリストアされます。データベースを含むバックアップ・セットは、/tmp/xplat_restores/full_db.bckに格納されています。リストアされたデータファイルは、df_で始まる一意のファイル名を使用して、/oradata/datafilesに格納されます

RESTORE 
   FROM PLATFORM 'Microsoft Windows IA (32-bit)'
   ALL FOREIGN DATAFILES
   FORMAT '/oradata/datafiles/df_%U'
   FROM BACKUPSET '/tmp/xplat_restores/full_db.bck';

例3-33 クロス・プラットフォーム表領域バックアップからの表領域のリストア

この例では、例2-34で作成したクロス・プラットフォーム・バックアップから、表領域exampleをリストアします。リストアする表領域を含むバックアップ・セットは、/tmp/xplat_restores/example_readonly.bckに格納されています。リストアされたデータファイルでは、example_readonly_で始まる一意の名前が使用されます。この表領域をターゲット・データベースに組み込むために必要なメタデータは、バックアップ・セット/tmp/xplat_restores/example_dmp.bckに格納されています。

RESTORE
   FOREIGN TABLESPACE example
   FORMAT '/tmp/xplat_restores/example_readonly_%U_%n'
   FROM BACKUPSET '/tmp/xplat_restores/example_readonly.bck'   DUMP FILE
   DATAPUMP DESTINATION '/tmp/datapump'
   FROM BACKUPSET '/tmp/xplat_restores/example_dmp.bck';

関連項目:

複数の表領域のバックアップとリストアの例は、『Oracle Databaseバックアップおよびリカバリ・ユーザーズ・ガイド』を参照してください

例3-34 複数のバックアップ・セットで構成されるクロス・プラットフォーム・バックアップを使用した表領域のリストア

この例では、例2-35で作成した、複数のバックアップ・セットで構成されるクロス・プラットフォーム・バックアップから、表領域exampleをリストアします。バックアップ・セットごとに個別のBACKUPSET句を使用する必要があります。バックアップ・セットは、最初のバックアップ・セットから順番に、作成された順序でリストされる必要があります。

RESTORE
   BACKUPSET '/tmp/xplat_restores/db_multiple_59nkcln6_1_1'
   BACKUPSET '/tmp/xplat_restores/db_multiple_5ankcln7_1_1'
   BACKUPSET '/tmp/xplat_restores/db_multiple_5bnkcln8_1_1'
   BACKUPSET '/tmp/xplat_restores/db_multiple_5cnkcln9_1_1'
   DUMP FILE
       FROM BACKUPSET '/tmp/xplat_restores/db_multiple.dmp';

例3-35 複数のバックアップ・ピースを含むクロス・プラットフォーム一貫性バックアップを使用した表領域のリストア

この例では、例2-36で作成した、複数のバックアップ・ピースで構成されるクロス・プラットフォーム・バックアップから、表領域exampleをリストアします。表領域のメタデータを含むエクスポート・ダンプ・ファイルは、/tmp/xplat_restores/example_mutli-piece_dmp.bckに格納されています。FROM BACKUPSET句には、すべてのバックアップ・ピースのカンマ区切りリストが含まれます。バックアップ・ピースを、作成されたときと同じ順序でリストします。

RESTORE
   FOREIGN TABLESPACE sales
   FORMAT '/tmp/xplat_restores/datafiles/example_mult_%u'
   FROM BACKUPSET 
       '/tmp/xplat_restores/example_multi-piece_0lnjnujs_1_1',
       '/tmp/xplat_restores/example_multi-piece_0lnjnujs_2_1',
       '/tmp/xplat_restores/example_multi-piece_0lnjnujs_3_1'
   DUMP FILE 
   FROM BACKUPSET '/tmp/xplat_restores/example_multi-piece_dmp.bck';

例3-36 表領域のクロス・プラットフォーム非一貫性バックアップのリストア

この例では、例2-37で作成したクロス・プラットフォーム非一貫性バックアップから、表領域exampleをリストアします。リストアされたデータファイルは、inconsist_で始まる一意の名前を使用して格納されます。バックアップが作成されたときに表領域が読取り専用ではなかったため、これをターゲット・データベースに直接組み込むことはできません。表領域が読取り専用のときに作成された表領域の増分バックアップを、リカバリされた外部データファイルに適用する必要があります。

RESTORE
    FOREIGN TABLESPACE example
    FORMAT '/tmp/xplat_restores/datafiles/inconsist_%u'
    FROM BACKUPSET '/tmp/xplat_backups/example_inconsist.bck';