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Oracle® Solaris 11.3 でのファイルシステムの管理

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更新: 2016 年 11 月
 
 

スワップ空間の計画

スワップ空間のサイズを決定する上でもっとも重要な要素は、システムのソフトウェアアプリケーションの要件です。たとえば、コンピュータ支援設計シミュレータ、データベース管理製品、トランザクションモニター、地質分析システムなどの大型アプリケーションは、200 - 1000M バイトのスワップ空間を消費することがあります。

アプリケーションのスワップ空間の要件については、アプリケーションベンダーに問い合わせてください。

アプリケーションベンダーに問い合わせてもスワップ空間の要件を判断できない場合は、次のシステムタイプ別のガイドラインに従ってスワップ空間を割り当ててください。


注 - クラッシュダンプの内容は圧縮されるため、ダンプデバイスを物理メモリーと同じサイズにする必要はありません。デフォルトでは、ダンプ内容の値はカーネルページに設定されます。ただし、すべてのメモリーページをダンプするようにダンプ内容の値が設定されている場合は、ダンプサイズを物理メモリーの半分以上に増やすことを検討してください。
表 3  ZFS ファイルシステムのスワップボリュームとダンプボリュームのサイズ
システムタイプ
スワップボリュームのサイズ
ダンプボリュームのサイズ
約 4G バイトの物理メモリーを備えたシステム
1G バイト
2G バイト
約 8G バイトの物理メモリーを備えた中型のサーバー
2G バイト
4G バイト
約 16 - 128G バイトの物理メモリーを備えたハイエンドサーバー
4G バイト
8 - 64G バイト
128G バイトを超える物理メモリーを備えたハイエンドサーバー
物理メモリーサイズの 1/4
物理メモリーサイズの 1/2

注 - アクティブな ZFS ファイルシステムを多数備えたビジー状態のシステムでは、物理メモリーの 1/2 から 3/4 のサイズがダンプデバイスのサイズとして使用される可能性があります。

ZFS ルートファイルシステムを含むシステムで、サイズが小さすぎてシステムクラッシュを保持できないようなダンプデバイスを dumpadm –d コマンドで指定しようとすると、次のようなメッセージが表示されます。

dumpadm: dump device /dev/zvol/dsk/rpool/dump is too small to hold a
system dump dump size 43467329536 bytes, device size 42949672960 bytes

ZFS ベースのシステムでのスワップ空間の割り当て

ZFS ルートファイルシステムの初期インストール時に、スワップ領域が ZFS ルートプール内の ZFS ボリュームに自動的に作成されます。

  • スワップデバイスが固定サイズのスライスに事前に割り当てられることはないため、あとでスワップサイズを変更することは非常に簡単です。

  • アプリケーションのスワップ要件を評価してから、初期インストール時またはインストール後に必要に応じて、デフォルトのスワップサイズを使用することも、スワップボリュームのサイズを調整することもできます。

  • ZFS 環境では、ファイルシステムはプールの領域を消費するため、/var/crash ディレクトリは、保存するクラッシュダンプの数に応じて必要な容量を消費します。

スワップボリュームを作成する場合、次の問題を考慮してください。

  • スワップ領域とダンプデバイスには別個の ZFS ボリュームを使用する必要があります。

  • 現時点では、ZFS ファイルシステムでスワップファイルを使用することはできません。

  • スワップデバイスとダンプデバイスを非ルートプールに作成する場合は、RAID-Z プールにスワップボリュームとダンプボリュームを作成しないでください。プールにスワップボリュームとダンプボリュームが含まれている場合、これは 1 ディスクプールまたはミラー化プールでなければなりません。そうでない場合は、次のようなメッセージが表示されます。

    /dev/zvol/dsk/rzpool/swap: Operation not supported