42 ポータル・ツールとポータル・サービスの概要

WebCenter Portalで利用できるツールおよびサービスの詳細と、ポータルでツールを有効または無効にする方法について学習します。

権限:

この章のタスクを実行するには、次のいずれかのロールまたは権限が必要です。
  • Portal ManagerまたはPortals: Manage Security and Configuration権限を持つポータル・メンバー

  • Delegated ManagerまたはポータルPortals: Manage Configuration権限を持つメンバー

権限の詳細は、「ポータルのロールと権限について」を参照してください。

ツールとサービスについて

WebCenter Portalでは、ポータル・メンバーがコラボレーションおよびコミュニケーションに使用できるツールおよびサービスが提供されます。WebCenter Portalが正しくインストールおよび構成され、必要な外部バックエンド・サーバーへの有効な接続がシステム管理者によって設定されると、ツールおよびサービスがポータルで使用できるようになります。

表42-1に、デフォルトで提供されるツールおよびサービスと、追加構成が必要なツールおよびサービスを示します。

表42-1 WebCenter Portalのツールとサービスの可用性

WebCenter Portal (すべてのポータル) ツールとサービス

デフォルトで自動的に使用可能

ポータルのイベント、リンク、リスト、検索、ピープル・コネクション、タグ

バックエンド・サーバーまたはデータベースへの有効な接続が存在する場合のみ使用可能

分析、ドキュメント*、カレンダ・イベント、インスタント・メッセージおよびプレゼンス、メール、検索(Oracle SESを使用)、ワークリスト(Oracle BPM Worklistを使用)*

*デフォルトの接続はインストール時に設定されます。

バックエンド構成は、『Oracle WebCenter Portalの管理』ツールおよびサービスの管理に関する項の説明に従い、Fusion Middleware ControlまたはWLSTコマンドライン・ツールを使用してシステム管理者が行います。

必要な接続が存在してこれが使用可能な場合、表42-2に、ポータルで常に使用できるツールおよびサービスと、ポータル・マネージャが有効にする必要があるツールおよびサービスを示します。

表42-2 ポータルでのツールとサービスの有効化

個別のポータル ツールとサービス

常に有効(使用可能な場合)

分析、リンク、ピープル・コネクション、タグ

ポータル・マネージャによる有効と無効の切替えが可能(使用可能な場合)

イベント、リスト、ドキュメント

バックエンド・サーバーを構成していない場合、ポータルは、ツールやサービスに関連する機能を使用できません。

  • 関連するタスク・フローは、リソース・カタログで利用できなくなります。

  • 既存のタスク・フローは、ツールまたはサービスが利用できないことを示すメッセージを表示します。

  • ツールやサービスは、ポータルの管理設定の「ツールとサービス」ページで使用不可としてリスト表示されます。

次のツールとサービスでは、関連情報(リレーションシップのマッピングなど)が格納されているデータベース・スキーマへの接続が必要です。

  • 分析

  • ドキュメント(コメントおよびアクティビティ・ストリームを含めるドキュメント、Wikiおよびブログ用)

  • リンク

  • リスト

  • ピープル・コネクション

  • タグ

ポータルの作成に使用されるポータル・テンプレートで、ポータルでツールを最初に有効と無効のどちらにするかを定義します。

注意:

メールはポータルの作成時に有効になります。システム管理者がメールを構成する場合、個別のポータルに対してメールを無効にすることはできません。

  • ツールがポータル・テンプレートで無効になっている場合、ポータル・マネージャは、ポータルでツールを使用できるようにポータルの管理設定からツールを手動で有効にすることができます。

  • ツールがポータル・テンプレートで有効になっている場合、ポータル・マネージャは、不要なツールをポータルの管理設定から手動で無効にすることができます。

「ポータルで使用可能なツールとサービスの有効化および無効化」を参照してください。

ポータルのツールとサービスを有効にした後、ポータル・マネージャは、リストなどのツールの使用に必要な権限をポータル・メンバーが所持しているかどうかも確認する必要があります。ポータル・レベルの権限の詳細は、「ポータルのロールと権限について」を参照してください。

また、ポータル・マネージャは、ポータル・メンバーが次の方法でツールとサービスにアクセスできるかどうかも確認する必要があります。

注意:

ポータルで使用可能なツールとサービスの詳細は、表42-3を参照してください。

ポータルで使用可能なツールとサービス

表42-3に、ポータルで使用可能なツールとサービスを示します。

表42-3 ポータルのツールとサービス

ツールとサービス 説明 詳細情報

アクティビティ・ストリーム

コネクションのアクティビティ、ポータル内で実行したアクション、およびビジネス・アクティビティについてのストリーミング表示を提供します

ポータルへのアクティビティ・ストリームの追加

分析

ポータル・アプリケーションの使用状況とパフォーマンスのメトリックを表示できます

ポータルへの分析の追加

ドキュメント

ファイルのアップロード、ファイルやフォルダの作成と管理、ファイルのチェックアウト、バージョニングなどを含む、コンテンツの管理およびストレージの機能を提供します。これらの機能はコンテンツ・マネージャ・タスク・フローに表示されます。ドキュメント・ツールは、Wikiとブログの機能もサポートします。

ドキュメント管理の有効化

ワークフロー対応コンテンツの使用

ポータルでのWikiの有効化

ポータルでのブログの有効化

イベント

認証されたユーザーの広範囲なグループに関連するイベントのスケジュールの作成およびメンテナンスの機能を提供します。また、Exchangeサーバーが構成されている場合は、Outlookカレンダーから個人用イベントへのアクセスも提供します。

ポータルへのイベントの追加

インスタント・メッセージおよびプレゼンス(IMP)

認証された他のユーザーのステータス(オンライン、オフライン、ビジーまたは退席中)を確認したり、ユーザーに即時に連絡できる機能を提供します。

『Oracle WebCenter Portalでのポータルの使用』「インスタント・メッセージおよびプレゼンス・ビューアの使用」

リンク

関連情報の表示、アクセスおよび関連付けの機能を提供します。たとえば、ドキュメントをノートにリンクできます。

『Oracle WebCenter Portalでのポータルの使用』WebCenter Portalの情報のリンクに関する項

リスト

リストを作成、公開および管理できる機能を提供します。

ポータルへのリストの追加

メール

IMAPおよびSMTPのメール・サーバーとの容易な統合を提供します。これにより、メッセージの表示、添付ファイルを含むメールの作成、メッセージの返信と転送、およびメッセージの削除などのメール機能を実行できます。

ポータルへのメールの追加

メッセージとフィードバック

コネクションおよびアクティビティ・ストリームに向けてメッセージ、添付ファイル、フィードバックを投稿する機能を提供します。

ポータルへのメッセージとフィードバックの追加

注意

素早く書き留める機能、および様々な個人関連情報を保持する機能を提供します。

ポータルへの個人用ノートの追加

通知

サービスおよびアプリケーション・オブジェクトをサブスクライブして、それらのオブジェクトが変更されると1つ以上のメッセージング・チャネルから通知を受信するための手段を提供します。

ポータルへの通知の追加

ピープル・コネクション

同僚とのソーシャル・ネットワークを確立できる機能を提供し、これにより、ユーザーは同僚のポータル・アクティビティとコントリビューションを確認でき、同僚はそのユーザーのポータル・アクティビティとコントリビューションを確認できます

ポータルへのコネクションの追加

プロファイル

ユーザーの連絡先情報(電子メール・アドレス、勤務先住所、電話番号など)、部門、上司、写真、ポータルのアクティビティ、パブリック・ドキュメント、およびコネクションについてのビューを提供します

ポータルへのプロファイルの追加

RSS

単一の場所(ニュース・リーダー)から多数の異なるWebサイトのコンテンツにアクセスできる機能を提供します。

ポータルへのRSSフィードの追加

検索

検索機能を提供します

(これにはOracle Secure Enterprise Searchの統合が含まれます。)

ポータルでのOracle SESを使用した検索の構成

タグ

1つ以上の個人関連キーワードを特定のページまたはドキュメントに割り当てる機能を提供します。

ポータルへのタグ付けの追加

ポータルで使用可能なツールとサービスの有効化および無効化

ツールとサービスをポータルで使用可能にする方法を理解するには、「ツールとサービスについて」を参照してください。

ポータルでツールやサービスを有効または無効にするには、次の手順を実行します。

  1. ポータル管理(「ポータル管理へのアクセス」を参照)で、左側のナビゲーション・ペインの「ツールとサービス」(図42-1)をクリックします。

    ブラウザに次のURLを入力して、直接「ツールとサービス」ページに移動することも可能です。

    http://host:port/webcenter/portal/PortalName/admin/services

    図42-1 ポータルの「ツールとサービス」ページ

    図42-1の説明が続きます
    「図42-1 ポータルの「ツールとサービス」ページ」の説明
  2. ポータルで使用するツールを有効にするには、その横にあるチェック・ボックスを選択します。

    注意:

    システム管理者がバックエンド・サーバーを構成しておらず、アプリケーションとWebCenter Portalとの間にアクティブな接続が存在しない場合、ツールやサービスはポータルで使用できません。

    『Oracle WebCenter Portalの管理』ツールとサービスの管理に関する項を参照してください。

  3. 「OK」をクリックして、ツールを使用する適切な権限をユーザーに付与する際に表示される警告を閉じます。

    ツールの横の「無効」「有効」に変わり、該当のツールまたはサービスの構成フィールドが表示されます。

    たとえば、図42-2は、チェック・ボックスを選択した場合に「ドキュメント」ツールが「有効」になっている状態を示しています。

    図42-2 「イベント」の「ツールとサービス」ページ

    図42-2の説明が続きます
    「図42-2 「イベント」の「ツールとサービス」ページ」の説明
  4. オプションで、必要に応じて、選択したツールとサービスを構成します。
    • ドキュメント: ドキュメントの使用の詳細は、「ポータルでのコンテンツの使用」を参照してください

    • イベント: イベントをグループ化する場合にイベント・カテゴリを作成します。「ポータル・イベント・カテゴリの作成および管理」を参照してください。

      カレンダとイベントの使用の詳細は、「ポータルへのイベントの追加」を参照してください。

    • リスト: リストの使用の詳細は、「ポータルへのリストの追加」を参照してください。

    • メール: デフォルトの配信リストはポータルの作成時に作成されますが、ポータルの配信リストを更新したり(「ポータルのメール配信リストの構成」を参照)、ポータルの共有配信リストを指定することができます(「「メールの送信」機能の構成」を参照)。

      メールの使用の詳細は、「ポータルへのメールの追加」を参照してください。

    • 検索: WebCenter Portalに構成されている検索オプションを示します。検索環境は、構成されているオプションによって異なります。

      注意:

      Oracle WebCenter Portalは、Oracle SES 11.2.2.2をサポートしています。
      • システムがOracle SES 11.2.2.2で構成されている場合、特定のポータルの該当ページに対して検索のカスタマイズを行うことができます。Oracle SES 11.2.2.2は、ファセット検索とドキュメントのサムネイルをサポートしますが、ライブ(委任)検索を使用する以前のリリースのOracle SESと実装ではこれらをサポートしていません。「ファセットがサポートされた新規検索タスク・フローを使用します」チェック・ボックスの選択を解除すると、このページでOracle SES 11.1.2.*の機能に戻すことができます。

      • システムがOracle SES 11.1.2.*で構成されている場合、検索タスク・フローのパラメータのみで検索のカスタマイズを行うことができます。Oracle SES 11.1.2.*は、検索によるユーザー・プリファレンスの設定をサポートしますが、ライブ(委任)検索を使用する11.2.2.2アダプタと実装ではこれらをサポートしていません。

      検索の使用の詳細は、ポータルでのOracle SESを使用した検索の構成を参照してください。

  5. ツールを無効にするには、該当ツールの横にあるチェック・ボックスの選択を解除します。

    「有効」「無効」に戻ることに注意してください。

    注意:

    他のツールやサービスとは異なり、メールがシステム管理者によって構成されている場合、ポータル・マネージャがメール・サービスを無効にすることはできません。

  6. 「ロール」ページで各メンバー・ロールに適切な権限を付与して、ポータル・メンバーが有効なサービスにアクセスできるようにします。
  7. ポータル・メンバーが次のいずれかの方法でツールとサービスにアクセスできることを確認します。