グリッドの変更

TimesTen Scaleoutでは、次のようなモデルの複数のタイプのオブジェクトを定義して、グリッドの構造を決定します。

  • データ領域グループ

  • ホスト

  • インストール

  • インスタンス

その他に、グリッドが管理するデータベースを記述し、それらのデータベースに接続する際に使用する名前も定義する、2つのタイプのモデル・オブジェクトがあります。そのようなタイプのオブジェクトは、次のとおりです。

  • データベース定義

  • 接続可能オブジェクト

ノート:

モデル・オブジェクトのタイプとその説明をすべて示すリストは、「グリッドの中央構成」を参照してください。

モデルでは、オブジェクトを作成、変更または削除できます。モデルに加えた変更は、モデルの現行バージョンに変更を適用した後で初めて有効になることに注意してください。

ノート:

次の各トピックでは、グリッドの構造を決定するオブジェクトを変更または削除する方法について説明します。

グリッドの設定の変更

次の設定は、グリッドの作成後いつでも変更できます。

グリッド内のオブジェクトの変更

グリッドの構造を決定するモデル内のオブジェクトのうち、ホストおよびインスタンスのみを変更できます。インストールのみを削除できます。次の各トピックでは、グリッド内のホストおよびインスタンスの属性を変更する方法について説明します。

ホストの変更

ttGridAdmin hostModifyコマンドを使用して、ホストの特定の属性を変更できます。ホストの名前と通信パラメータ(内部または外部DNS名またはIPアドレス)は変更できません。データ領域グループにホストを割り当て、その割当てをモデルの現行バージョンに適用した後では、割当ては変更できません。

ttGridAdmin hostModifyコマンドの詳細は、『Oracle TimesTen In-Memory Databaseリファレンス』ホストの変更(hostModify)を参照してください。

インスタンスの変更

ttGridAdmin instanceModifyコマンドを使用して、インスタンスに関連付けられているインストールを変更できます。また、このコマンドを使用して管理インスタンスのレプリケーション・エージェントのTCP/IPポート番号を変更できますが、変更できるのは、使用可能な2番目の管理インスタンスがない場合のみです。つまり、ポートが使用されていない場合にのみ、管理インスタンスのレプリケーション・エージェントのTCP/IPポート番号を変更できます。複数のインスタンスを変更する例は、「パッチの互換性があるリリースへのグリッドのアップグレード」を参照してください。

ttGridAdmin instanceModifyコマンドの詳細は、『Oracle TimesTen In-Memory Databaseリファレンス』インスタンスの変更(instanceModify)を参照してください。

グリッドからのオブジェクトの削除

次の各トピックでは、グリッドからオブジェクトを削除する方法について説明します。

データ・インスタンスの削除

グリッドからデータ・インスタンスを削除するには、その前に、次に示すようにすべてのデータベースの分散マップからデータ・インスタンスの要素を削除する必要があります。

  1. 「分散マップからの要素の削除」で示すとおりに、すべてのデータベースの分散マップからデータ・インスタンスの要素を削除します。
  2. モデルの最新バージョンからデータ・インスタンスを削除します。
    % ttGridAdmin instanceDelete host6.instance1
    Instance instance1 on Host host6 deleted from Model
  3. 加えた変更をモデルの最新バージョンに適用します。
    % ttGridAdmin modelApply
    ...
    Identifying any deleted objects.......................................OK
    Stopping deleted instances............................................OK
    Deleting instances....................................................OK
    ...
    ttGridAdmin modelApply complete

ttGridAdmin instanceDeleteコマンドの詳細は、『Oracle TimesTen In-Memory Databaseリファレンス』インスタンスの削除(instanceDelete)を参照してください。

ttGridAdmin modelApplyコマンドの詳細は、「モデルに加えた変更の適用」および、『Oracle TimesTen In-Memory Databaseリファレンス』モデル操作を参照してください。

管理インスタンスの削除

グリッドから削除できるのは、スタンバイ管理インスタンスのみです。2つの管理インスタンスがあるグリッドでアクティブ管理インスタンスを削除する場合は、まず、ttGridAdmin mgmtActiveSwitchコマンドを使用してスタンバイ管理インスタンスをアクティブに切り替えてから、続行します。

ノート:

可用性を維持するために、グリッドには常にアクティブ管理インスタンスとスタンバイ管理インスタンスが存在するようにすることをお薦めします。できるだけ早く別の管理インスタンスで置換する予定の場合は、スタンバイ管理インスタンスのみを削除します。

管理インスタンスが1つのみのグリッドでアクティブ管理インスタンスを削除する予定の場合は、安全な方法でグリッドを破棄することを検討してください。「グリッドの破棄」を参照してください。

グリッドからスタンバイ管理インスタンスを削除するには、次のタスクを実行します。

  1. 削除するインスタンスがスタンバイ管理インスタンスであることを確認します。
    % ttGridAdmin mgmtStatus
    Host  Instance  Reachable RepRole(Self) Role(Active) Role(Self) Seq RepAgent RepActive Message 
    ----- --------- --------- ------------- ------------ ---------- --- -------- --------- ------- 
    host1 instance1 Yes       Active        Unknown      Active     338 Up       Yes 
    host2 instance1 Yes       Standby       Unknown      Standby    338 Up       No
  2. モデルの最新バージョンからスタンバイ管理インスタンスを削除します。
    % ttGridAdmin instanceDelete host2.instance1
    Instance instance1 on Host host2 deleted from Model
  3. 加えた変更をモデルの最新バージョンに適用します。
    % ttGridAdmin modelApply
    ...
    Unconfiguring standby management instance.............................OK
    Identifying any deleted objects.......................................OK
    Stopping deleted instances............................................OK
    Deleting instances....................................................OK
    ...
    ttGridAdmin modelApply complete

ttGridAdmin mgmtActiveSwitchコマンドの詳細は、「管理インスタンスの起動、停止および切替え」、および『Oracle TimesTen In-Memory Databaseリファレンス』アクティブ管理インスタンスの切替え(mgmtActiveSwitch)を参照してください。

ttGridAdmin instanceDeleteコマンドの詳細は、『Oracle TimesTen In-Memory Databaseリファレンス』インスタンスの削除(instanceDelete)を参照してください。

ttGridAdmin modelApplyコマンドの詳細は、「モデルに加えた変更の適用」および、『Oracle TimesTen In-Memory Databaseリファレンス』モデル操作を参照してください。

インストールの削除

TimesTen Scaleoutの新規リリースのアップグレード操作を実行したばかりの場合は、インストールを削除することをお薦めします。インストール・ファイルの場所がこのグリッドまたはその他のグリッドで他のインストールと共有されている場合、ファイルがまだ使用中である可能性があるため、インストールを削除しても、インストール・ファイルは削除されません。旧リリースのインストールのモデル・オブジェクトおよびファイルの削除など、アップグレードおよびクリーン・アップ操作の詳細は、「パッチの互換性があるリリースへのグリッドのアップグレード」を参照してください。

ただし、インストールに関連付けてられているホストをグリッドのトポロジから削除するためにインストールを削除する場合は、ホスト、およびインストール・モデル・オブジェクトやファイルなどの関連オブジェクトの削除方法の詳細を、「ホストの削除」で参照してください。

ホストの削除

グリッドからホストを削除するには、その前に、次に示すようにホストに関連付けられているその他のモデル・オブジェクトが使用中でないことを確認する必要があります。

  1. 「分散マップからの要素の削除」で示すように、すべてのデータベースの分散マップから、ホストに関連付けられているすべてのデータ・インスタンスの要素を削除します。

  2. ホストに関連付けられているすべてのインスタンスおよびインストールを削除してから、最新バージョンのモデルからホストを削除します。各オブジェクトを個別に削除することも、ttGridAdmin hostDeleteコマンドの-cascadeオプションを使用してホスト、およびホストに関連付けられているすべてのインスタンスおよびインストールを削除することもできます。

    1. ホストおよび関連付けられているすべてのオブジェクトを個別に削除

      % ttGridAdmin instanceDelete host6.instance1
      Instance instance1 on Host host6 deleted from Model
      
      % ttGridAdmin installationDelete host6.installation1
      Installation installation1 on Host host6 deleted from Model
      
      % ttGridAdmin hostDelete host6
      Host host6 deleted from Model
    2. ホストおよび関連付けられているすべてのオブジェクトの削除

      % ttGridAdmin hostDelete host6 -cascade
      Instance instance1 on Host host6 deleted from Model
      Installation installation1 on Host host6 deleted from Model
      Host host6 deleted from Model
  3. 加えた変更をモデルの最新バージョンに適用します。

    % ttGridAdmin modelApply
    ...
    Identifying any deleted objects.......................................OK
    Stopping deleted instances............................................OK
    Deleting instances....................................................OK
    Deleting installations from model.....................................OK
    Deleting any hosts that are no longer in use..........................OK
    ...
    ttGridAdmin modelApply complete
  4. 削除したインストール・モデル・オブジェクトに関連付けられているインストール・ファイルが、このグリッドまたはその他のグリッドの他のインストール・オブジェクトで使用されていない場合は、それらのファイルを削除します。すべてのファイルを削除できるように、必ずディレクトリの権限を変更してください。

    % cd /grid
    % chmod -R 750 tt22.1.1.27.0/
    % rm -rf tt22.1.1.27.0/

ttGridAdmin instanceDeletettGridAdmin installationDeleteまたはttGridAdmin hostDeleteコマンドの詳細は、それぞれ『Oracle TimesTen In-Memory Databaseリファレンス』インスタンスの削除(instanceDelete)インストールの削除(installationDelete)またはホストの削除(hostDelete)を参照してください。

ttGridAdmin modelApplyコマンドの詳細は、「モデルに加えた変更の適用」および、『Oracle TimesTen In-Memory Databaseリファレンス』モデル操作を参照してください。

メンバーシップ・サーバーの再構成

次の各トピックでは、現在のメンバーシップ構成を表示および変更する方法について説明します。

メンバーシップサーバーの詳細は、Apache ZooKeerのWebサイトを参照してください。

現在のメンバーシップ構成の表示

現在のメンバーシップ構成を表示するには、ttGridAdmin membershipConfigExportコマンドを実行します。これにより、使用されているメンバーシップ・サーバーとポートがリストされます。

% ttGridAdmin membershipConfigExport
Servers ms_host1!2181,ms_host2!2181,ms_host3!2181

ttGridAdmin membershipConfigExportコマンドの詳細は、『Oracle TimesTen In-Memory Databaseリファレンス』メンバーシップ構成ファイルのエクスポート(membershipConfigExport)を参照してください。

メンバーシップ・サーバーの追加

メンバーシップ・サーバーのリストに新しいサーバーを追加して、目的のメンバーシップ構成を反映させることができます。ms_host4サーバーとそのクライアント・ポート2181を追加するには、次の手順を実行します。:

  1. 新しいサーバー構成ファイル(membership2.confなど)を作成します。ZooKeeperクライアント構成ファイルの詳細は、「メンバーシップ・サービスとしてのApache ZooKeeperの構成」を参照してください。
  2. 新しいメンバーシップ・サーバーとポートを現在のメンバーシップ・サーバーのリストに追加します。
    Servers ms_host1!2181,ms_host2!2181,ms_host3!2181,ms_host4!2181

新規メンバーシップ構成の有効化

新しいメンバーシップ構成を有効化するには、次のタスクを実行します。

  1. 最新バージョンのモデルのZooKeeperクライアント構成ファイルを、新しく作成したファイルに置き換えます。
    % ttGridAdmin membershipConfigImport membership2.conf
    Membership configuration file membership2.conf imported
  2. ttGridAdmin modelApplyコマンドを実行して、最新バージョンのモデルに変更を適用します。
    % ttGridAdmin modelApply
    Creating new model version............................................OK
    Exporting current model (version 3)...................................OK
    Identifying any changed management instances..........................OK
    Identifying any deleted objects.......................................OK
    Verifying installations...............................................OK
    Verifying instances...................................................OK
    Updating grid state...................................................OK
    Pushing new configuration files to each instance......................OK
    Making model version 3 current, version 4 writable....................OK
    ttGridAdmin modelApply complete
  3. グリッド内のすべてのインスタンスを停止して再起動します。グリッドの停止および再起動の詳細は、それぞれ「グリッドの停止」および「グリッドの再起動」を参照してください。

ttGridAdmin membershipConfigImportコマンドの詳細は、『Oracle TimesTen In-Memory Databaseリファレンス』メンバーシップ構成ファイルのインポート(membershipConfigImport)を参照してください。

ttGridAdmin modelApplyコマンドの詳細は、「モデルに加えた変更の適用」および、『Oracle TimesTen In-Memory Databaseリファレンス』モデル操作を参照してください。