レプリケーションに関連するDBMS_RAプロシージャ
DBMS_RA
パッケージを使用して、レプリケーションを作成および管理できます。表14-1で、レプリケーションに関連する主なプログラム・ユニットについて説明します。
表14-1 レプリケーションに関連する主なプロシージャ
プログラム・ユニット | 説明 |
---|---|
このリカバリ・アプライアンスによるバックアップのレプリケート先ダウンストリーム・リカバリ・アプライアンスを指定するレプリケーション・サーバー構成を作成します。 |
|
レプリケーション・サーバー構成を削除します。 |
|
レプリケーション・サーバー構成を、 |
|
レプリケーション・サーバー構成を、 |
|
保護ポリシーにデータベースを追加します。 |
|
保護ポリシーを作成します。このポリシーに割り当てられているデータベースのレプリケーションを有効にするには、 |
|
保護されたデータベースのプロパティを更新します。 |
関連項目:
DBMS_RAを使用したリカバリ・アプライアンスでのレプリケーションの構成
この項では、コマンドライン・ツールを使用してレプリケーションを構成する方法について説明します。基本的なワークフローは次のとおりです。
-
「DBMS_RAを使用したダウンストリーム・リカバリ・アプライアンスでのレプリケーションの構成」の説明に従って、ダウンストリーム・リカバリ・アプライアンスを構成します。
-
「DBMS_RAを使用したアップストリーム・リカバリ・アプライアンスでのレプリケーションの構成」の説明に従って、アップストリーム・リカバリ・アプライアンスを構成します。
-
「リカバリ・アプライアンス・レプリケーションのための保護されたデータベースの構成」に説明されているとおりに、レプリケーションに関与する保護されたデータベースを構成します。
-
「リカバリ・アプライアンスのレプリケーション・サーバー構成のテスト」に説明されているとおりに、レプリケーションをテストします。
図14-10は、構成フェーズを図示したものです。
レプリケーション例の仮定
次に続くレプリケーション・タスクでは、次の条件がtrueであると想定します。
-
データベース
orcl11
とorcl12
を、アップストリーム・レプリケーション・ロールで構成するZDLRA Boston
というリカバリ・アプライアンスにバックアップします。 -
ZDLRA Des Moines
をダウンストリーム・リカバリ・アプライアンスとして使用します。 -
ダウンストリーム・リカバリ・アプライアンスで、
repuser_from_boston
というリカバリ・アプライアンス・ユーザー・アカウントを作成します。このアカウントは、レプリケーション・ユーザー・アカウントです。ノート:
このアカウントのネーミング規則は、バックアップのレプリケート元のリカバリ・アプライアンス(この場合、
ZDLRA Boston
)を使用します。この例の保護ポリシーの名前では、アップストリームにus
、ダウンストリームにds
を使用します。 -
ダウンストリーム・リカバリ・アプライアンスで、
reppolicy_ds_gol
という保護ポリシーを作成します。このポリシーは、レプリケーションでのみ使用します。 -
ダウンストリーム・リカバリ・アプライアンスで、
vpc_des_moines1
という仮想プライベート・カタログ・アカウントを作成します。RMANでは、このアカウントを使用してデータベースorcl11
とorcl12
をバックアップおよびリストアします。 -
アップストリーム・リカバリ・アプライアンスで、
reppolicy_us_gold
という保護ポリシーを作成します。このポリシーは、レプリケーションでのみ使用します。 -
アップストリーム・リカバリ・アプライアンスで、
vpc_boston1
という仮想プライベート・カタログ・アカウントを作成します。RMANでは、このアカウントを使用してデータベースorcl11
とorcl12
をバックアップおよびリストアします。
DBMS_RAを使用したダウンストリーム・リカバリ・アプライアンスでのレプリケーションの構成
この項では、ダウンストリーム・リカバリ・アプライアンスの構成方法について説明します。
ノート:
リカバリ・アプライアンスにアップストリーム・ロールとダウンストリーム・ロールの両方がある場合、次の手順はダウンストリーム・リカバリ・アプライアンスのロールのみに関係します。
タスク1: ダウンストリーム・リカバリ・アプライアンスでの仮想プライベート・カタログ・アカウントの作成
保護されたデータベースをバックアップまたはリストアする際、RMANはこのアカウントを使用して、ダウンストリーム・リカバリ・アプライアンス上のリカバリ・カタログに接続します。
このタスクでは、ダウンストリーム・リカバリ・アプライアンスでvpc_des_moines1
という仮想プライベート・カタログ・アカウントを作成すると想定します。
仮想プライベート・カタログ・アカウントを作成するには:
-
racli add db_userの手順に従います。
たとえば、次の文を実行してユーザー・アカウント
vpc_des_moines1
を作成します。# ./racli add db_user --user_name=vpc_des_moines1 --user_type=vpc
プロンプト表示されたら、
vpc_des_moines1
ユーザーのパスワードを入力します。
関連項目:
仮想プライベート・カタログについてさらに学習するには、『Oracle Databaseバックアップおよびリカバリ・ユーザーズ・ガイド』を参照してください。
タスク2: ダウンストリーム・リカバリ・アプライアンスでのレプリケーション保護ポリシーの作成
このダウンストリーム・リカバリ・アプライアンスにレプリケートしたバックアップのリカバリ・ウィンドウおよびその他のプロパティを指定する保護ポリシーを作成するには、DBMS_RA.CREATE_PROTECTION_POLICY
を実行します。
このタスクでは、reppolicy_ds_gold
ポリシーを作成してorcl11
およびorcl12
データベースを保護すると想定します。後から、このポリシーをリカバリ・アプライアンスに関連付けます。
レプリケーション保護ポリシーを作成するには:
-
SQL*PlusまたはSQL Developerで、
RASYS
としてダウンストリーム・リカバリ・アプライアンス・データベースに接続します。 -
DBMS_RA.CREATE_PROTECTION_POLICY
プロシージャで保護ポリシーを作成します。たとえば、次のPL/SQLプログラムを実行します。
BEGIN DBMS_RA.CREATE_PROTECTION_POLICY ( protection_policy_name => 'reppolicy_ds_gold', description => 'For protected dbs in gold tier', storage_location_name => 'delta', recovery_window_goal => INTERVAL '28' DAY, guaranteed_copy => 'NO'); END;
関連項目:
-
プロシージャの引数の定義については、「CREATE_PROTECTION_POLICY」を参照してください
タスク3: ダウンストリーム・リカバリ・アプライアンスでのレプリケーション・ユーザー・アカウントの作成
保護されたデータベースのバックアップをレプリケートするようダウンストリーム・リカバリ・アプライアンスを構成する場合、アップストリーム・リカバリ・アプライアンスがこのダウンストリーム・リカバリ・アプライアンスへのログインに使用するレプリケーション・ユーザー・アカウントを作成する必要があります。ダウンストリーム・リカバリ・アプライアンス上のユーザーの資格証明はアップストリーム・リカバリ・アプライアンスに格納されています(「タスク5: アップストリーム・リカバリ・アプライアンスでのOracleウォレットの作成」を参照)。
ノート:
管理しやすいように、リカバリ・アプライアンス・レプリケーション専用のレプリケーション・ユーザー・アカウントを作成し、各アップストリーム・アプライアンスには別のレプリケーション・ユーザー・アカウントを作成することをお薦めします。
このタスクでは、アップストリーム・リカバリ・アプライアンスがこのリカバリ・アプライアンスに対する認証に使用するrepuser_from_boston
というアカウントを作成すると想定します。
レプリケーション・ユーザー・アカウントを作成するには:
-
SQL*PlusまたはSQL Developerで、
SYSTEM
としてまたはDBA
ロールを持つユーザーとして、ダウンストリーム・リカバリ・アプライアンス・データベースに接続します。 -
レプリケーション・ユーザー・アカウントを作成します。
たとえば、次のSQL文を実行して
repuser_from_boston
データベース・ユーザー・アカウントを作成し、CREATE SESSION
権限を付与します。# ./racli add db_user --user_name=repuser_from_boston --user_type=vpc
ノート:
セキュリティを強化するために非常に複雑なパスワードを使用することをお薦めします。このパスワードおよびユーザー名を後続のステップでOracleウォレットに追加します。これらの資格証明をウォレットに保存すると、パスワードを手動で再入力する必要がなくなります。
関連項目:
データベース・ユーザー・アカウントの作成方法を学習するには、『Oracle Databaseセキュリティ・ガイド』を参照してください。
タスク4: ダウンストリーム・リカバリ・アプライアンスでの保護ポリシーへのデータベースの追加
保護されたデータベースをレプリケーション保護ポリシーに追加するには、DBMS_RA.ADD_DB
を実行します。保護されたデータベースごとに予約するディスク領域の量も指定する必要があります。
このタスクでは、データベースorcl11
およびorcl12
を「タスク2: ダウンストリーム・リカバリ・アプライアンスでのレプリケーション保護ポリシーの作成」で作成したreppolicy_ds_gold
保護ポリシーに追加し、保護されたデータベースごとに128GBの予約済領域を割り当てると想定します。
保護ポリシーにデータベースを追加するには:
-
SQL*PlusまたはSQL Developerで、
RASYS
としてダウンストリーム・リカバリ・アプライアンス・データベースに接続します。 -
DBMS_RA.ADD_DB
プロシージャを使用して、保護されたデータベースごとにメタデータを追加します。たとえば、次のPL/SQLプログラムを実行します。
BEGIN DBMS_RA.ADD_DB ( db_unique_name => 'orcl11', protection_policy_name => 'reppolicy_ds_gold', reserved_space => '128G'); END; BEGIN DBMS_RA.ADD_DB ( db_unique_name => 'orcl12', protection_policy_name => 'reppolicy_ds_gold', reserved_space => '128G'); END;
関連項目:
タスク5: ダウンストリーム・リカバリ・アプライアンスでのデータベース・アクセスの付与
DBMS_RA.GRANT_DB_ACCESS
を実行して、次のデータベース・アカウントに保護されたデータベース・アクセスを付与します。
-
「タスク1: ダウンストリーム・リカバリ・アプライアンスでの仮想プライベート・カタログ・アカウントの作成」で作成された仮想プライベート・カタログ・アカウント
-
「タスク3: ダウンストリーム・リカバリ・アプライアンスでのレプリケーション・ユーザー・アカウントの作成」で作成されたレプリケーション・ユーザー・アカウント
レプリケーションおよびカタログ・アカウントに保護されたデータベース・アクセスを付与するには:
-
SQL*PlusまたはSQL Developerで、
RASYS
としてダウンストリーム・リカバリ・アプライアンス・データベースに接続します。 -
このアカウントで認証する必要のあるアップストリーム・リカバリ・アプライアンスにバックアップを送信する保護されたデータベースごとに、レプリケーション・ユーザーに権限を付与します。
次の例では、レプリケーション・ユーザー
repuser_from_boston
に、保護されたデータベースorcl11
およびorcl12
で必要な権限を付与します。BEGIN DBMS_RA.GRANT_DB_ACCESS ( username => 'repuser_from_boston', db_unique_name => 'orcl11'); END; BEGIN DBMS_RA.GRANT_DB_ACCESS ( username => 'repuser_from_boston', db_unique_name => 'orcl12'); END;
-
このアカウントで認証する必要のある各アップストリーム・リカバリ・アプライアンス上の保護されたデータベースごとに、仮想プライベート・カタログ・アカウントに権限を付与します。
次の例ではリカバリ・カタログ・アカウント
vpc_des_moines1
に、保護されたデータベースorcl11
およびorcl12
で必要な権限を付与します。BEGIN DBMS_RA.GRANT_DB_ACCESS ( username => 'vpc_des_moines1', db_unique_name => 'orcl11'); END; BEGIN DBMS_RA.GRANT_DB_ACCESS ( username => 'vpc_des_moines1', db_unique_name => 'orcl12'); END;
関連項目:
DBMS_RAを使用したアップストリーム・リカバリ・アプライアンスでのレプリケーションの構成
この項では、アップストリーム・リカバリ・アプライアンスの構成方法について説明します。この項では、「DBMS_RAを使用したダウンストリーム・リカバリ・アプライアンスでのレプリケーションの構成」のステップが完了したと想定します。
ノート:
リカバリ・アプライアンスにアップストリーム・ロールとダウンストリーム・ロールの両方がある場合、次の手順はアップストリーム・ロールのみに関係します。
タスク1: アップストリーム・リカバリ・アプライアンスでの仮想プライベート・カタログ・アカウントの作成
保護されたデータベースをバックアップする際、RMANはこのアカウントを使用して、アップストリーム・リカバリ・アプライアンス上のリカバリ・カタログに接続します。
この項では、アップストリーム・リカバリ・アプライアンスでvpc_boston1
という仮想プライベート・カタログ・アカウントを作成すると想定します。
仮想プライベート・カタログ・アカウントを作成するには:
-
racli add db_userに関する項の手順に従います。
たとえば、次の文を実行してユーザー・アカウント
vpc_boston1
を作成します。# ./racli add db_user --user_name=vpc_boston1 --user_type=vpc
プロンプト表示されたら、
vpc_boston1
ユーザーのパスワードを入力します。
関連項目:
仮想プライベート・カタログについてさらに学習するには、『Oracle Databaseバックアップおよびリカバリ・ユーザーズ・ガイド』を参照してください。
タスク2: アップストリーム・リカバリ・アプライアンスでの保護ポリシーの作成
DBMS_RA.CREATE_PROTECTION_POLICY
を実行して、このアップストリーム・リカバリ・アプライアンスへのバックアップのディスク・リカバリ・ウィンドウおよびその他のプロパティを指定する保護ポリシーを作成します。アップストリーム・リカバリ・アプライアンスは、これらのバックアップをダウンストリーム・リカバリ・アプライアンスにレプリケートします。
このタスクでは、reppolicy_us_gold
ポリシーを作成してorcl11
およびorcl12
データベースを保護すると想定します。次のタスクでは、この保護ポリシーを保護されたデータベースに関連付けます。
リカバリ・アプライアンス・レプリケーションの保護ポリシーを作成するには:
-
SQL*PlusまたはSQL Developerで、
RASYS
としてアップストリーム・リカバリ・アプライアンスのメタデータ・データベースに接続します。 -
DBMS_RA.CREATE_PROTECTION_POLICY
プロシージャで各保護ポリシーを作成します。たとえば、次のPL/SQLプログラムを実行します。
BEGIN DBMS_RA.CREATE_PROTECTION_POLICY ( protection_policy_name => 'reppolicy_us_gold', description => 'For protected dbs in gold tier', storage_location_name => 'delta', recovery_window_goal => INTERVAL '28' DAY, guaranteed_copy => 'NO'); END;
関連項目:
-
プロシージャの引数の定義については、「CREATE_PROTECTION_POLICY」を参照してください
タスク3: アップストリーム・リカバリ・アプライアンスでの保護ポリシーへのデータベースの追加
保護されたデータベースをレプリケーション保護ポリシーに追加するには、DBMS_RA.ADD_DB
プロシージャを実行します。保護されたデータベースごとに予約するディスク領域の量も指定する必要があります。
このタスクでは、データベースorcl11
およびorcl12
を「タスク2: アップストリーム・リカバリ・アプライアンスでの保護ポリシーの作成」で作成したreppolicy_us_gold
保護ポリシーに追加し、保護されたデータベースごとに128GBの予約済領域を割り当てると想定します。
保護ポリシーにデータベースを追加するには:
-
SQL*PlusまたはSQL Developerで、
RASYS
としてアップストリーム・リカバリ・アプライアンスのメタデータ・データベースに接続します。 -
DBMS_RA.ADD_DB
プロシージャを使用して、保護されたデータベースごとにメタデータを追加します。たとえば、次のPL/SQLプログラムを実行します。
BEGIN DBMS_RA.ADD_DB ( db_unique_name => 'orcl11', protection_policy_name => 'reppolicy_us_gold', reserved_space => '128G'); END; BEGIN DBMS_RA.ADD_DB ( db_unique_name => 'orcl12', protection_policy_name => 'reppolicy_us_gold', reserved_space => '128G'); END;
関連項目:
タスク4: アップストリーム・リカバリ・アプライアンスでの仮想プライベート・カタログ・アカウントへのデータベース・アクセスの付与
「タスク1: アップストリーム・リカバリ・アプライアンスでの仮想プライベート・カタログ・アカウントの作成」で作成したアップストリーム・カタログ・アカウントに、保護されたデータベースのアクセス権を付与するには、DBMS_RA.GRANT_DB_ACCESS
を実行します。このステップにより、保護されたデータベースのバックアップまたはリストア時にRMANがリカバリ・カタログに接続できるようになります。
仮想プライベート・カタログに保護されたデータベース・アクセスを付与するには:
-
SQL*PlusまたはSQL Developerで、
RASYS
としてアップストリーム・リカバリ・アプライアンスのメタデータ・データベースに接続します。 -
バックアップをレプリケートする保護されたデータベースごとに、仮想プライベート・カタログ・アカウントに権限を付与します。
次の例ではカタログ・アカウント
vpc_boston1
に、保護されたデータベースorcl11
およびorcl12
で必要な権限を付与します。BEGIN DBMS_RA.GRANT_DB_ACCESS ( username => 'vpc_boston1', db_unique_name => 'orcl11'); END; BEGIN DBMS_RA.GRANT_DB_ACCESS ( username => 'vpc_boston1', db_unique_name => 'orcl12'); END;
タスク5: アップストリーム・リカバリ・アプライアンスでのOracleウォレットの作成
アップストリーム・リカバリ・アプライアンスで、mkstore
ユーティリティを使用してOracle自動ログイン・ウォレットを作成し、「タスク3: ダウンストリーム・リカバリ・アプライアンスでのレプリケーション・ユーザー・アカウントの作成」で作成したレプリケーション・ユーザー資格証明を追加します。アップストリーム・リカバリ・アプライアンスは、ダウンストリーム・アプライアンスへのログイン時にこれらの資格証明が必要となります。格納されている各資格証明には、リカバリ・アプライアンス・ユーザー・アカウントの名前と検証が含まれます。
ノート:
既存のウォレットが自動ログイン・ウォレットである(ウォレットにアクセスするたびにパスワードを入力する必要がない)場合、それを使用できます。Oracleのファイル拡張子は*.sso
です。既存のOracleウォレットを使用する場合は、下のステップ2をスキップします。
このタスクでは、次のことを想定しています。
-
アップストリーム・リカバリ・アプライアンス・ホストの
/dbfs_repdbfs/REPLICATION
ディレクトリでレプリケーションに使用するOracleウォレットを作成します。 -
レプリケーション・ユーザー
repuser_from_boston
の資格証明を追加します。
アップストリーム・リカバリ・アプライアンスでOracleウォレットを作成するには:
-
アップストリーム・リカバリ・アプライアンス・ホストに、リカバリ・アプライアンスをインストールしたオペレーティング・システム・ユーザーまたはそのユーザーのオペレーティング・システム・グループのメンバーとしてログインします。
-
Oracleウォレットを作成するには、次のコマンドを実行します。
wallet_location
は、ウォレットを格納するアップストリーム・リカバリ・アプライアンスの既存のディレクトリです。orapki -wrl wallet_location -createALO
たとえば、次のコマンドは
/dbfs_repdbfs/REPLICATION
ディレクトリに自動ログイン・ウォレットを作成します。orapki -wrl file:/dbfs_repdbfs/REPLICATION -createALO
-
資格証明を追加するには、次のコマンドを実行します。
mkstore -wrl wallet_location -createCredential serv_name ds_rep_user pwd
プレースホルダは次のように定義されています。
-
wallet_location
は、ウォレットを作成するディレクトリです。ディレクトリは存在している必要があります。 -
serv_name
は、Oracleネットワーク上でダウンストリーム・リカバリ・アプライアンスを識別するためにEZ接続記述子で使用するOracleネットワーク・サービス名です。 -
ds_rep_user
は、ダウンストリーム・リカバリ・アプライアンス上のレプリケーション・ユーザー・アカウントのユーザー名です。 -
pwd
は、ダウンストリーム・リカバリ・アプライアンス上のレプリケーション・ユーザーのセキュア・パスワードです。
たとえば、次のコマンドは、ポート
1522
およびデータベース名zdlradsm
を使用するネット・サービス名radsm01repl-scan.acme.com
と、レプリケーション・ユーザー名repuser_from_boston
の資格証明を追加します。mkstore -wrl file:/dbfs_repdbfs/REPLICATION -createCredential \ "radsm01repl-scan.acme.com:1522/zdlradsm" "repuser_from_boston" "pwd"
-
-
Oracleウォレットに資格証明のリストを表示する次のコマンドを実行して、すべてのユーザーの資格証明が正しく追加されたことを確認します(パスワードまたは検証は表示されません)。
mkstore -wrl wallet_location -listCredential
たとえば、次のコマンドは
/dbfs_repdbfs/REPLICATION
に格納されているOracleウォレット内の資格証明のリストを表示します。mkstore -wrl file:/dbfs_repdbfs/REPLICATION -listCredential Oracle Secret Store Tool : Version 12.1.0.1 Copyright (c) 2004, 2012, Oracle and/or its affiliates. All rights reserved. List credential (index: connect_string username) 1: radsm01repl-scan1.acme.com:1522/zdlradsm repuser_from_boston
関連項目:
-
tnsnames.ora
の場所については、『Oracle Database Net Services管理者ガイド』を参照してください。 -
ネット・サービス名についてさらに学習するには、『Oracle Database Net Services管理者ガイド』を参照してください。
タスク6: アップストリーム・リカバリ・アプライアンスでのレプリケーション・サーバー構成の作成
DBMS_RA.CREATE_REPLICATION_SERVER
を実行して、このアップストリーム・リカバリ・アプライアンスをレプリケートするダウンストリーム・リカバリ・アプライアンスごとにレプリケーション・サーバー構成を作成します。
注意:
ダウンストリーム・リカバリ・アプライアンスで保護ポリシー(ADD_DB
)にデータベースを追加してデータベース・アクセス(GRANT_DB_ACCESS
)を付与する前に、アップストリーム・リカバリ・アプライアンスでCREATE_REPLICATION_SERVER
を実行すると、ORA-*
エラーが発生する可能性があります。
-
zdlradsm_rep
というレプリケーション・サーバー構成を作成します。ノート:
レプリケーション・サーバー構成名は任意です。ただし、ダウンストリーム・リカバリ・アプライアンスのサービス名を使用することをお薦めします。これは、データベース名(この例では
zdlradsm
)の後に_rep
を付けたものでもあります。 -
アップストリーム・リカバリ・アプライアンスで、レプリケーション・アカウント
repuser_from_boston
を使用してダウンストリーム・リカバリ・アプライアンスにログインします。このアカウントは「タスク3: ダウンストリーム・リカバリ・アプライアンスでのレプリケーション・ユーザー・アカウントの作成」で作成されました。 -
構成では、「タスク5: アップストリーム・リカバリ・アプライアンスでのOracleウォレットの作成」で作成したOracleウォレットに格納されているネット・サービス名
radsm01repl-scan.acme.com:1522/zdlradsm
を使用します。 -
Oracleウォレットは
/dbfs_repdbfs/REPLICATION
に格納されています。 -
すべてのリカバリ・アプライアンスに事前インストールされているリカバリ・アプライアンス・バックアップ・モジュールのファイル名は、
libra.so
です。このモジュールは、SBTメディア管理ライブラリとして機能します。RMANは、リカバリ・アプライアンスにバックアップするためのチャネルを割当てまたは構成する際に、このモジュールを参照します(「リカバリ・アプライアンス・レプリケーションのための保護されたデータベースの構成」を参照)。
レプリケーション・サーバー構成を作成するには:
-
SQL*PlusまたはSQL Developerで、
RASYS
としてアップストリーム・リカバリ・アプライアンスのメタデータ・データベースに接続します。 -
ダウンストリーム・リカバリ・アプライアンスごとに
DBMS_RA.CREATE_REPLICATION_SERVER
プロシージャを実行します。次の例では、
ZDLRA Des Moines
というダウンストリーム・リカバリ・アプライアンスにzdlradsm_rep
というレプリケーション・サーバー構成を作成します。BEGIN DBMS_RA.CREATE_REPLICATION_SERVER ( replication_server_name => 'zdlradsm_rep', sbt_so_name => 'libra.so', catalog_user_name => 'RASYS', wallet_alias => 'radsm01repl-scan.acme.com:1522/zdlradsm', wallet_path => 'file:/dbfs_repdbfs/REPLICATION'); END;
-
レプリケーション・サーバー構成の作成を確認します。
SELECT COUNT(*) should_be_one FROM RA_REPLICATION_CONFIG WHERE REPLICATION_SERVER_NAME = 'ZDLRADSM_REP'; SHOULD_BE_ONE ------------- 1
構成が正しく作成された場合、戻り値は
1
です。
関連項目:
-
プロシージャの引数の説明については、「CREATE_REPLICATION_SERVER」を参照してください
-
リカバリ・アプライアンス・バックアップ・モジュールについてさらに学習するには、『Zero Data Loss Recovery Appliance保護されたデータベースの構成ガイド』を参照してください。
-
有効なクライアント構成ファイル・パラメータとその定義のリストについては、『Oracle Databaseバックアップおよびリカバリ・ユーザーズ・ガイド』を参照してください。
タスク7: アップストリーム・リカバリ・アプライアンスの保護ポリシーとの関連付け
レプリケーション・サーバー構成を保護ポリシーに割り当てることで、保護されたデータベースそれぞれをレプリケートするダウンストリーム・リカバリ・アプライアンスを指定します。このタスクが完了すると、リカバリ・アプライアンス・レプリケーションは有効になります。
ノート:
1つの保護ポリシーに複数のレプリケーション・サーバー構成を割り当てることができます。
このタスクでは、次のことを想定しています。
-
「タスク6: アップストリーム・リカバリ・アプライアンスでのレプリケーション・サーバー構成の作成」で作成した
zdlradsm_rep
というレプリケーション・サーバー構成を使用します。 -
レプリケーション・サーバー構成を、「タスク2: アップストリーム・リカバリ・アプライアンスでの保護ポリシーの作成」で作成した保護ポリシー
reppolicy_us_gold
に追加します。
レプリケーション・サーバー構成を保護ポリシーに関連付けるには:
-
リカバリ・アプライアンス管理者としてリカバリ・アプライアンスのメタデータ・データベースに接続していることを確認します。
-
保護ポリシーとレプリケーション・サーバー構成の組合せごとに、
DBMS_RA.ADD_REPLICATION_SERVER
プロシージャを実行します。たとえば、次のPL/SQLプログラムを実行します。
BEGIN DBMS_RA.ADD_REPLICATION_SERVER ( replication_server_name => 'zdlradsm_rep', protection_policy_name => 'reppolicy_us_gold'); END;
関連項目:
リカバリ・アプライアンス・レプリケーションのための保護されたデータベースの構成
リカバリ・アプライアンス・レプリケーション環境に参加する保護されたデータベースはそれぞれ、正しく構成する必要があります。たとえば、保護されたデータベースごとに、次を実行する必要があります。
-
アップストリームおよびダウンストリーム・リカバリ・アプライアンス上の仮想プライベート・カタログ所有者のOracleウォレット資格証明を、Oracleウォレットに追加します。
ノート:
レプリケーション構成では、ダウンストリーム資格証明の追加は要求されません。ただし、アップストリーム・リカバリ・アプライアンスがアクセス不可の場合、およびRMANがダウンストリーム・リカバリ・アプライアンスからバックアップのリストアを試行する場合、RMANはダウンストリーム・リカバリ・アプライアンスで仮想プライベート・カタログに直接接続する必要があります。この場合、Oracleウォレットでダウンストリーム資格証明が必要になります。
-
Oracleウォレットの内容を確認します。
-
アップストリーム・リカバリ・アプライアンスの仮想プライベート・カタログでデータベースを登録します。
-
保護されたデータベースをバックアップし、RMANチャネルを割り当てる際に正しいOracleウォレットの場所を指定します。
保護されたデータベースの構成方法を学習するには、『Zero Data Loss Recovery Appliance保護されたデータベースの構成ガイド』を参照してください。
リカバリ・アプライアンスのレプリケーション・サーバー構成のテスト
レプリケーション・スキーマに関わる保護されたデータベースごとに、次のプロシージャを使用して、アップストリーム・リカバリ・アプライアンスからすべてのダウンストリーム・リカバリ・アプライアンスへのレプリケーションをテストします。このプロシージャを繰り返して、複雑なレプリケーション・トポロジの各レプリケーション・パスをテストします。
この項では、次のことを前提にしています。
-
アップストリーム・リカバリ・アプライアンス
ZDLRA Boston
からダウンストリーム・リカバリ・アプライアンスZDLRA Des Moines
へのorcl11
のバックアップのレプリケーションをテストします。 -
ZDLRA Boston
ではテープにもバックアップします。
保護されたデータベースのレプリケーションをテストするには: