24 ビジュアライゼーション・テンプレートの使用

ビジュアライゼーション・テンプレートを使用すると、分析データをポータル・ページで視覚的に表示できます。WebCenter Portal には複数の組込みビジュアライゼーション・テンプレートが用意されていますが、特定の要件にあわせて開発者がJDeveloperでカスタム・ビジュアライゼーション・テンプレートを作成することもできます。

権限:

共有視覚化テンプレートでこの章のタスクを実行するには、アプリケーション・レベルのManage Application Integration Visualization権限が必要です。Application Specialistロールを持つユーザーには、この権限がデフォルトで付与されます。アプリケーション・レベルの権限の詳細は、『Oracle WebCenter Portalの管理』アプリケーション・ロールと権限についてに関する項を参照してください。

この章のタスクを実行するには、次のいずれかのポータル・レベルの権限が必要です。

  • Assets: Create, Edit, and Delete Assets、またはCreate AssetsおよびEdit Assets (標準権限)

  • Application Integration Visualization: Manage Application Integration Visualization (アドバンスト権限)

「ポータルのロールと権限について」を参照してください。

24.1 ビジュアライゼーション・テンプレートについて

WebCenter Portalでは、ビジネス・オブジェクトを使用してRESTまたはSQLのデータ・ソースからデータを取得することにより、アプリケーション統合の複雑さを軽減できます。取得されたデータは、データ・ビジュアライゼーションビジュアライゼーション・テンプレートを使用して、ポータル・ページにレンダリングできます。たとえば、いずれかの組込みビジュアライゼーション・テンプレートでデータを表示したり、開発者がJDeveloperでカスタム・ビジュアライゼーション・テンプレートを作成することができます。

これを実現するための基本ステップは、次のとおりです。

  1. データ・ソースを作成します。ページに表示するデータの取得元となるRESTまたはSQLのデータ・ソースを作成します(「RESTデータ・ソースの作成」および「SQLデータ・ソースの作成」を参照)。

  2. (オプション)ビジネス・オブジェクトを作成します。データ・ソースから取得された属性およびメソッドをフィルタリングする必要がある場合は、ビジネス・オブジェクトを作成します(「ビジネス・オブジェクトの作成」を参照)。独自のビジネス・オブジェクトを作成しない場合は、データ・ビジュアライゼーションの定義ウィザードでデータ・ソースが選択されたときに自動的にビジネス・オブジェクトが1つ作成され、そのデータ・ソースのすべての属性およびメソッドがそのビジネス・オブジェクトに追加されます。手動で作成したビジネス・オブジェクトは、ポータルの「アセット」ページおよびデータ・ビジュアライゼーションの定義ウィザードにリストされますが、自動的に作成されたビジネス・オブジェクトは内部的なもので、一切公開されません。

  3. ビジュアライゼーション・テンプレートを決定します。組込みビジュアライゼーション・テンプレートのいずれかを使用できるか(「組込みビジュアライゼーション・テンプレートについて」を参照)、または開発者と連携してカスタム・ビジュアライゼーション・テンプレートを作成する必要があるかを決定します。ポータルにアップロードされたカスタム・ビジュアライゼーション・テンプレートは、ポータルの「アセット」ページに表示されます。これをすべてのポータルで使用できる共有アセットとして使用可能にすることもできます。

  4. データ・ビジュアライゼーションを構成します。ページにデーダ・ビジュアライゼーション・コンポーネント(データ・プレゼンタのビジュアライゼーション)を追加した後、コンポーネントを構成して、ページでレンダリングするデータ・ビジュアライゼーションを定義します(「データ・ビジュアライゼーションの構成」を参照)。

WebCenter Portalには、ただちに使用できる複数の組込みビジュアライゼーション・テンプレートが用意されている一方、開発者はJDeveloperでカスタム表示テンプレートを作成できます。

ノート:

  • WebCenter Portalではビジュアライゼーション・テンプレートを作成または編集できません。これらはJDeveloperで編集して、共有アセットとして、または特定のポータルのアセットとしてWebCenter Portalに公開する必要があります。詳細は、「JDeveloperでのポータル・アセットの使用」およびOracle WebCenter Portalの開発「ビジュアライゼーション・テンプレートの開発」を参照してください。

  • データ・ビジュアライゼーションで選択されたカスタム・ビジュアライゼーション・テンプレートに変更が加えられた場合、データ・ビジュアライゼーションを新しく構成して、変更の結果を正しくページ上に生成する必要があります。

カスタム・ビジュアライゼーション・テンプレートが共有アセット(すべてのポータルで使用可能)の場合、「共有アセット」ページに表示され、またすべてのポータルの「アセット」ページにもポータル固有のテンプレートとともに表示されます。組込みのビジュアライゼーション・テンプレートは編集および管理できないため、「共有アセット」ページやポータルの「アセット」ページには表示されません。

24.1.1 組込みビジュアライゼーション・テンプレートについて

WebCenter Portalで提供される組込みのビジュアライゼーション・テンプレートは、データ・ビジュアライゼーションの定義ウィザードのテンプレート・ページに表示されます(図24-1)。組込みのビジュアライゼーション・テンプレートは編集および管理できないため、「共有アセット」ページやポータルの「アセット」ページには表示されません。

図24-1 データ・ビジュアライゼーションの定義ウィザード: 「テンプレート」ページ

データ・ビジュアライゼーションの定義ウィザード: 「テンプレート」ページ

組込みのビジュアライゼーション・テンプレートでは、表、フォーム、リスト、4つのタイプのグラフのいずれかなど、標準的なデータ表示スタイルが提供されます。データ・ビジュアライゼーションの定義ウィザードで組込みのビジュアライゼーション・テンプレートを選択するときにテンプレート固有のオプションを設定できますが、組込みテンプレートのルック・アンド・フィールは変更できません。いずれの組込みのビジュアライゼーション・テンプレートでもデータ表示のニーズを満たさない場合、開発者はカスタム・ビジュアライゼーション・テンプレートを作成できます(Oracle WebCenter Portalの開発「ビジュアライゼーション・テンプレートの開発」を参照)

表24-1では、WebCenter Portalで提供される組込みビジュアライゼーション・テンプレートをリストして説明しています。

表24-1 組込みビジュアライゼーション・テンプレート

名前 アイコン 説明

面グラフ

面チャート・ビジュアライゼーション・テンプレート

データを面グラフで表示し、データ・ビジュアライゼーションの定義ウィザードで指定するチャートのタイトル、水平および垂直軸のタイトルとデータ、凡例のタイトルと位置およびズームの各オプションを使用します。

棒グラフ

棒グラフ・ビジュアライゼーション・テンプレート

データを棒グラフで表示し、データ・ビジュアライゼーションの定義ウィザードで指定するチャートのタイトル、水平および垂直軸のタイトルとデータ、凡例のタイトルと位置およびズームの各オプションを使用します。

フォーム

フォーム・ビジュアライゼーション・テンプレート

データをフォームで表示し、データ・ビジュアライゼーションの定義ウィザードで指定するナビゲーション・コントロール、ヘッダー、リフレッシュおよび表示するフィールド属性の各オプションを使用します。

折れ線グラフ

折れ線グラフ・ビジュアライゼーション・テンプレート

データを折れ線グラフで表示し、データ・ビジュアライゼーションの定義ウィザードで指定するチャートのタイトル、水平および垂直軸のタイトルとデータ、凡例のタイトルと位置およびズームの各オプションを使用します。

リスト・ビュー

リスト・ビュー・ビジュアライゼーション・テンプレート

データをリスト・ビューで表示し、データ・ビジュアライゼーションの定義ウィザードで指定するフェッチ・サイズおよび表示する列属性値の各オプションを使用します。

円グラフ

円グラフ・ビジュアライゼーション・テンプレート

データを円グラフで表示し、データ・ビジュアライゼーションの定義ウィザードで指定するチャートのタイトル、円データ、3D効果、スライスの数、グラフ脚注および凡例のタイトルと位置の各オプションを使用します。

表ビジュアライゼーション・テンプレート

データを表で表示し、データ・ビジュアライゼーションの定義ウィザードで指定するヘッダー行、フィルタ、ソート、ツールバー、ヘッダー、リフレッシュ、ページ区切り、ページ当たりのアイテム数および表示する列属性値の各オプションを使用します。

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24.2 ビジュアライゼーション・テンプレートの作成または編集

ビジュアライゼーション・テンプレートの作成と編集は複雑なタスクとなり、Application Development Framework (ADF)について、および、取得されたデータをビジュアル化する方法についての深い理解が要求されます。この理由により、カスタム・ビジュアライゼーション・テンプレートは、JDeveloperを使用する開発者によって作成および編集される必要があります。

開発者は、カスタム・ビジュアライゼーション・テンプレートを直接WebCenter Portal (ポータル・サーバー)に共有アセットとして、または特定のポータルに公開でき、即座の使用およびテストを可能にします。

詳細は、「JDeveloperでのポータル・アセットの使用」およびOracle WebCenter Portalの開発「ビジュアライゼーション・テンプレートの開発」を参照してください

24.3 ビジュアライゼーション・テンプレートの管理

次のオプションは、アセットページおよび共有アセット・ページに表示され、ビジュアライゼーション・テンプレートの管理に使用できます。

  • 削除—ビジュアライゼーション・テンプレートは、不要になったら削除できます。

    詳細は、「アセットの削除」を参照してください。

  • アップロードJDeveloperを使用して開発されたビジュアライゼーション・テンプレートを含むアーカイブ・ファイルをアップロードできます。

    詳細は、「アセットのアップロード」を参照してください。

  • ダウンロード—ビジュアライゼーション・テンプレートをアーカイブ・ファイルにダウンロードして、JDeveloperでさらに開発できます。

    詳細は、「アセットのダウンロード」を参照してください。

  • アクション

    • ソースの編集「フラグメント」タブで、ビジュアライゼーション・テンプレートのソース・コードを直接編集できます。少量の編集を行う場合を除き、ソース・コードの編集はお薦めしません。

    • コピー—ビジュアライゼーション・テンプレートのコピーを作成できます。これは、WebCenter Portalで新規ビジュアライゼーション・テンプレートを作成する唯一の方法です。コピーしたら、そのテンプレートをダウンロードしてJDeveloperでカスタマイズできます。

      詳細は、「アセットのコピー」を参照してください。

    • 共有アセットにコピー—ビジュアライゼーション・テンプレートをアプリケーション・レベルの共有アセットにコピーして、他のポータルで使用可能にできます。

    • プロパティの表示—各ビジュアライゼーション・テンプレートには、そのページ・テンプレートについての有用な情報がまとめられた「プロパティの表示」ダイアログが関連付けられています。

      詳細は、「アセットに関する情報の表示」を参照してください。

    • プロパティの編集—各ビジュアライゼーション・テンプレートには、特定のプロパティが関連付けられており、このプロパティでポータルでのページの表示方法を制御します。これらのプロパティは、「プロパティの編集」ダイアログで編集できます。

      詳細は、「アセットのプロパティの設定」を参照してください。

    • アップロード・アイコン—データ・ビジュアライゼーションの定義ウィザードで表示するアイコンをアップロードして、カスタム・ビジュアライゼーション・テンプレートを表すことができます。アイコン・イメージのファイル・タイプはGIF、PNGまたはJPGである必要があり、最良の結果を得るためには150K以下および200x143ピクセル以下である必要があります。

      アイコンが割り当てられ、テンプレート・ページで選択可能なカスタム・ビジュアライゼーション・テンプレートの例は、「データ・ビジュアライゼーションの構成」図23-7を参照してください。

  • 使用可能—このチェック・ボックスを選択または選択解除することにより、データ・ビジュアライゼーションの定義ウィザードでビジュアライゼーション・テンプレートが選択可能かどうかを制御できます。

    詳細は、「アセットの表示および非表示」を参照してください。