ネットワーク管理に関する一般的な質問への答え

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ネットワーク管理の固定モードを使用している場合は、次のトラブルシューティング情報を参照してください。リアクティブモードを使用している場合のネットワーク管理の問題のトラブルシューティングについては、プロファイルベースのネットワーク構成に関する一般的な質問への答えを参照してください。詳細は、Oracle Solaris 11.2 でのネットワークコンポーネントの構成と管理 のネットワーク構成モードについてを参照してください。

質問:

インストール後にシステムで使用されているネットワークモードを確認するにはどうしたらよいでしょうか。

回答:

ネットワークモードは、インストール中にアクティブにされるプロファイルで確認します。DefaultFixed プロファイルがアクティブにされている場合は、固定モードになっています。Automatic プロファイルがアクティブにされている場合は、リアクティブモードになっています。現在システム上でアクティブになっているモードを確認するには、netadm list コマンドを次のように使用します。

# netadm list

質問:

インストール後にシステムがデフォルトでリアクティブモードになります。この問題はどのようにして修正できますか。

回答:

DefaultFixed プロファイルを有効にすることによって、固定モードに切り替える必要があります。アクティブなプロファイルを切り替えるには、netadm コマンドを次のように使用します。

# netadm enable -p ncp DefaultFixed

質問:

インストール中にシステムを手動で構成し、netadm list では固定モードを使用していることが示されますが、システムのネットワークが依然として正しく構成されていません。どうしたらよいでしょうか。

回答:

その答えは、どのネットワークコンポーネントが正しく構成されていないかによって異なります。固定モードでは、dladm および ipadm コマンドを使用してネットワークを構成します。インストール時に設定できる構成パラメータのタイプを考慮すると、もっとも可能性が高いのは IP インタフェースまたはアドレスが正しく構成されていないことです。どのネットワークコンポーネントを再構成する必要があるかを特定するには、まず現在のネットワーク構成を次のように表示します。

# ipadm

IP アドレスが正しくない場合は、そのアドレスを削除してから正しい IP アドレス (静的 IP アドレスや DHCP アドレスなど) を作成する必要があります。次の例は、IP 構成の IPv6 addrconf 部分を削除する方法を示しています。この例では、ipadm コマンドを実行することによって IPv6 addrconf アドレスが特定されています。

# ipadm
NAME              CLASS/TYPE STATE        UNDER      ADDR
lo0               loopback   ok           --         --
lo0/v4            static     ok           --         127.0.0.1/8
lo0/v6            static     ok           --         ::1/128
net0              ip         ok           --         --
net0/v4           dhcp       ok           --         10.1.1.10/24
net0/v6           addrconf   ok           --         fe80::8:20ff:fe90:10df/10
# ipadm delete-addr net2/v6
# ipadm
NAME              CLASS/TYPE STATE        UNDER      ADDR
lo0               loopback   ok           --         --
lo0/v4            static     ok           --         127.0.0.1/8
lo0/v6            static     ok           --         ::1/128
net0              ip         ok           --         --
net0/v4           dhcp       ok           --         10.1.1.10/24

次に、ほかの既存の IP 構成を削除せずに、ネットマスクプロパティーだけを次のように設定します。

# ipadm set-addrprop -p prefixlen=len addrobj-name

完全な手順については、Oracle Solaris 11.2 でのネットワークコンポーネントの構成と管理 の第 3 章Oracle Solaris での IP インタフェースとアドレスの構成および管理を参照してください。

質問:

システム上で永続的なデフォルトルートを構成するにはどうしたらよいでしょうか。

回答:

/etc/defaultrouter ファイルは Oracle Solaris 11 では非推奨であるため、このファイルの編集によってデフォルトルートを管理することはできなくなりました。また、新規インストールのあと、このファイルをチェックしてシステムのデフォルトルートを確認することもできなくなりました。

ルート (デフォルトまたはそれ以外) を次のように表示および構成します。

永続的に作成されたルートを次のように表示します。
```
# route -p show
```
永続的なデフォルトルートを次のように追加します。
```
# route -p add default ip-address
```
システム上の現在アクティブなルートを次のように表示します。
```
# netstat -rn
```

Oracle Solaris 11.2 でのネットワークコンポーネントの構成と管理 の永続的 (静的) ルートの作成を参照してください。

質問:

システムの MAC アドレスを表示するにはどうしたらよいでしょうか。

回答:

システム内の物理リンクの MAC アドレスは次のように表示します。

# dladm show-phys -m

Oracle Solaris 10 では、同様の情報を表示するために ifconfig コマンドが使用されます。システム内のすべてのリンク (物理および物理以外) の MAC アドレスは次のように表示します。

# dladm show-linkprop -p mac-address

質問:

dladm show-dev コマンドを使用してシステム内の物理リンクを表示することができなくなりました。現在はどのようなコマンドを使用したらよいでしょうか。

回答:

dladm show-phys コマンドを次のように使用します。

# dladm show-phys
LINK              MEDIA                STATE      SPEED  DUPLEX    DEVICE
net0              Ethernet             up         0      unknown   vnet0

質問:

システム上のリンク名、デバイス、および場所の間のマッピングを表示するにはどうしたらよいでしょうか。

回答:

次のように、–L オプションを指定して dladm show-phys コマンドを使用します。

# dladm show-phys -L
LINK         DEVICE        LOCATION
net0         e1000g0       MB
net1         e1000g1       MB
net2         e1000g2       MB
net3         e1000g3       MB
net4         ibp0          MB/RISER0/PCIE0/PORT1
net5         ibp1          MB/RISER0/PCIE0/PORT2
net6         eoib2         MB/RISER0/PCIE0/PORT1/cloud-nm2gw-2/1A-ETH-2
net7         eoib4         MB/RISER0/PCIE0/PORT2/cloud-nm2gw-2/1A-ETH-2

質問:

システムでサポートされている MTU の範囲を確認するには、どのようなコマンドを使用したらよいでしょうか。

回答:

次の例に示すように、この情報を確認するには ipadm show-ifprop コマンドを使用します。最後の列に、サポートされる MTU の範囲が表示されます。

# ipadm show-ifprop -p mtu interface

質問:

インストール後にシステム上のネームサービスの設定が失われているか、または正しく構成されていない場合はどうなるでしょうか。

回答:

固定モードを使用している場合、ネームサービスの構成は、インストール中に指定された内容になるはずです。このリリースでは、ネームサービスはサービス管理機能 (SMF) によって構成されます。ネームサービスを構成する方法、およびインストール後にクライアントシステム上のネームサービスの構成をインポートする方法については、Oracle Solaris 11.2 でのネットワークコンポーネントの構成と管理 の第 4 章Oracle Solaris クライアントでのネームサービスとディレクトリサービスの管理を参照してください。

注 - リアクティブモードを使用している場合は、Oracle Solaris 11.2 でのネットワークコンポーネントの構成と管理 の場所の作成を参照してください。

質問:

最初からやり直してシステムのすべてのネットワーク設定を再構成するにはどうしたらよいでしょうか。

回答:

Oracle Solaris インスタンス (ネットワーク設定を含む) を構成解除して再構成するには、次のようにします。

# sysconfig unconfigure -g network,naming_services

質問:

dladm create-vlan コマンドを使用した仮想 LAN (VLAN) の作成と、dladm create-vnic -v VID ... コマンドを使用した仮想 NIC (VNIC) の作成の違いは何ですか。また、もう一方のコマンドよりそのコマンドを使用することが必要になる、両方のコマンドの固有の機能とは何ですか。

回答:

これらの各機能は、ネットワークのニーズや、実現しようとしている内容に応じて異なる目的に使用されます。 VLAN は、ネットワークスタックのデータリンク層 (L2) での LAN の分割です。VLAN を使用すると、ネットワークを、物理ネットワーク環境に追加することなくサブネットワークに分割できます。そのため、サブネットワークは仮想的であり、同じ物理ネットワークリソースを共有します。VLAN では、保守しやすい小さなグループが使用されるため、ネットワーク管理が容易になります。 VNIC は、物理ネットワークインタフェースカード (NIC) と同じデータリンクインタフェースを使用する仮想ネットワークデバイスです。VNIC は、ベースとなるデータリンク上に構成します。構成された VNIC は、物理 NIC のように動作します。使用されているネットワークインタフェースに応じて、デフォルトアドレス以外の VNIC に MAC アドレスを明示的に割り当てることができます。どのネットワーク管理方法を使用すべきかについての詳細は、Oracle Solaris 11.2 でのネットワーク管理の計画 の第 1 章Oracle Solaris ネットワーク管理のサマリーを参照してください。