Sun Java System Instant Messaging 7.2 管理ガイド

問題と解決方法

問題のいくつかを以下に列挙します。また、それらの原因や、問題の解決に役立つ情報についても説明します。

クライアントから Instant Messaging リダイレクトサーバーに接続できない

リダイレクトサーバーを正常に配備するには、XMPP リダイレクションをサポートするクライアントを使用する必要があります。Instant Messenger の 2006Q1 以降を使用してください。他社製クライアントを使用する場合には、そのクライアントが XMPP リダイレクションをサポートしていることを確認してください。

XMPP/HTTP ゲートウェイ 経由で Instant Messenger にログインできない

XMPP/HTTP ゲートウェイ が 2 つのドメインにサービスを提供している場合に、im.jnlp ファイル内にその一方のドメインのみに対する引数が含まれていると、ドメインの一覧に含まれないユーザーは認証することができません。たとえば、im.jnlp ファイルに次の引数が含まれているとします。


<argument>domain=mydomain.siroe.com</argument>

mydomain 以外のドメインからログインしようとするユーザーはエラーを受け取り、認証を行えません。この問題を回避するには、ほかのドメインに対して認証を行うように Instant Messenger を設定する必要があります。

Procedure特定のドメインから認証を行うように Instant Messenger を設定する

  1. im.jnlp リソースファイルを開きます。

  2. ドメイン引数のエントリを削除します。

    たとえば、次の情報を削除します。


    <argument>domain=mydomain.siroe.com</argument>
  3. Instant Messenger を再度ダウンロードします。

  4. Instant Messenger を実行します。

    ログインページが表示されます。

  5. 「詳細」をクリックします。

    ログインページが展開され、クライアントの接続設定が表示されます。

  6. 「サーバー」テキストボックスにゲートウェイへの URL を入力し、?to=domain を追加します。

    たとえば、ユーザーが mydomain.siroe.com の一部である場合、次の情報を URL に追加します。


    ?to=mydomain.siroe.com
  7. この設定をテストするには、有効なユーザー名とパスワードを使ってログインします。

Sun JavaTM System Portal Server 7 2006Q1 以降でメッセージのアーカイブが行われない

Sun Java System Portal Server 7 2006Q1 以降でポータルアーカイブを設定したのにメッセージのアーカイブが行われない場合には、iim.conf 内で iim_arch.portal.search パラメータが設定されていることを確認してください。


iim_arch.portal.search="Portal Server Search URL"

ここで、Portal Server Search URL は Portal Server の検索 URL です。たとえば、次のように入力します。


iim_arch.portal.search="http://portal.siroe.com:8080/search1/search"

patchrm および patchadd の実行後に Instant Messenger リソースのカスタマイズ内容が失われる

(問題番号: 6361796) patchrmpatchadd のプロセスは、クライアントリソースを再配備します。これが発生すると、すべてのカスタマイズ済みファイルが上書きされます。これらのアクションを実行する前に、保存するすべてのカスタマイズ済みファイルをバックアップする必要があります。

オフラインユーザーにメールを転送できない

Instant Messaging はデフォルトで、受信者がオフラインの場合のインスタントメッセージの転送先となる電子メールアドレスを、mail 属性に基づいて決定します。ディレクトリが mail 属性を電子メールアドレスとして使用しない場合、ディレクトリと同じ属性を使用するように Instant Messaging を設定する必要があります。

Procedureユーザーの電子メールアドレスに使用される属性を設定する

  1. iim.conf を開きます。

    iim.conf の場所、およびこのファイルを変更する手順については、iim.conf ファイルの構文」を参照してください。

  2. iim_ldap.user.mailattr パラメータの値を、ディレクトリが電子メールアドレスをユーザーエントリに格納する際に使用する属性に変更します。

カレンダポップアップリマインダが動作しない

カレンダポップアップが期待どおりに配信されない場合は、この節の説明に従ってその設定のトラブルシューティングを行うことができます。カレンダポップアップの設定手順については、第 16 章「カレンダのポップアップリマインダの使用」を参照してください。

カレンダポップアップ設定でもっともよくあるエラーは、設定ファイル内でパラメータ名が正しく入力されていないことです。これには、タイプミスやパラメータ名のスペルミスが含まれます。iim.confics.conf のすべての設定パラメータとその値が正しく入力されていることを確認してください。ポップアップがすでに設定済みである場合には、表 A–11 に基づいてその必須パラメータと実際のエントリとを比較してください。

Instant Messaging と Calendar Server の設定ファイルが正しいにもかかわらず、ポップアップが依然として期待どおりに届かない場合には、カレンダクライアントと Instant Messenger が正しく設定されていることを確認してください。

Procedureカレンダクライアントと Instant Messenger のポップアップ設定のトラブルシューティングを行う

  1. カレンダクライアントにログインします。

  2. タイムゾーンの設定が正しいことを確認します。

    Calendar Express を使用している場合は、メニューから「ツール」->「オプション」->「設定」を選択します。

  3. 電子メールリマインダのスケジュールを作成します。

    Calendar Express を使用している場合は、メニューから「ツール」->「オプション」->「設定」を選択します。

  4. 設定を保存します。

  5. 同じユーザーを使って Instant Messenger にログインします。

  6. 「ツール」->「設定」を選択します。

    「設定」ダイアログボックスが表示されます。

  7. 「アラート」タブを選択します。

  8. 「カレンダリマインダーを表示」チェックボックスをオンにし、「了解」をクリックします。

  9. Instant Messenger ユーザーをログインしたままにしておきます。

  10. カレンダクライアントで設定された時刻に、電子メールアラートとポップアップをユーザーが受信したかどうかを確認します。

    電子メールアラートを受信しなかった場合、カレンダクライアントは正しく設定されていません。より詳しいトラブルシューティング情報については、カレンダクライアントのマニュアルを参照してください。

    電子メールアラートは受信したがカレンダポップアップは受信しなかった場合で、サーバーとクライアントのどちらも正しく設定してある場合は、xmppd.log で詳細をチェックしてください。このログの設定を DEBUG などの、より冗長な設定に変更する必要がある可能性があります。ログレベルの変更手順については、iim.conf のパラメータを使用して Instant Messaging コンポーネントのログレベルを設定する」を参照してください。

シングルサインオンが動作しない

Sun Java System Access Manager で SSO を使用している場合、Access Manager サーバーと Instant Messaging サーバーが同じ Web コンテナを使用するように設定する必要があります。

Instant Messenger が読み込まれないか起動されない

この問題の原因となっている可能性のあるものを、以下に列挙します。

必要な情報を得るには、次の場所を確認してください。

接続が拒否され、タイムアウトが発生した

この問題の原因となっている可能性のあるものを、以下に列挙します。

診断情報を得るには、次の場所を確認してください。

認証エラー

この問題の原因となっている可能性のあるものを、以下に列挙します。

診断情報を得るには、次の場所を確認してください。

Instant Messenger チャネルの表示エラー

この問題の原因となっている可能性のあるものを、以下に列挙します。

診断情報を得るには、次の場所を確認してください。

Instant Messaging サーバーおよび Instant Messaging チャネルのログ。

Instant Messaging のコンテンツがアーカイブされない

この問題の原因となっている可能性のあるものを、以下に列挙します。

診断情報を得るには、次の場所を確認してください。

Instant Messaging サーバーログファイルとアーカイブログファイル。

サーバー間通信の開始に失敗した

この問題の原因となっている可能性のあるものを、以下に列挙します。

診断情報を得るには、次の場所を確認してください。

両方のサーバーでの Instant Messaging サーバーログファイル。

致命的なインストールの障害によってサーバーが不整合な状態に陥った

Instant Messaging のインストールまたはアンインストール中に致命的なエラーが発生した場合、システムが不整合な状態に陥る可能性があります。そのような状態では、インストール、アンインストールのどちらも完了できなくなります。こうした場合、インストールを最初からやり直せるように、Instant Messaging のすべてのコンポーネントを手動で削除する必要があります。クリーンアップ手順は、パッケージの削除とレジストリ情報の削除から構成されます。

ProcedureInstant Messaging のすべてのコンポーネントを手動で削除する

  1. 次回のインストールで必要となる可能性のある情報のすべてを、バックアップします。

    手順については、「Instant Messaging データのバックアップ」を参照してください。

  2. 製品のレジストリ情報を手動で編集します。

    Solaris 9 の場合、次のコマンドを実行します。


    prodreg(1)
    

    ほかのすべてのオペレーティングシステムの場合は、次のようにします。

    1. productregistry.xml を編集し、このファイルから Instant Messaging の XML 要素をすべて削除します。

      デフォルトでは、この productregistry XML ファイルは次の場所に格納されています。

      • Solaris の場合: /var/sadm/install/productregistry

      • Linux の場合: /var/tmp/productregistry

    2. 次のパッケージまたは RPM が残っている場合は、それらを削除します。

      • SUNWiim

      • SUNWiimc

      • SUNWiimd

      • SUNWiimid

      • SUNWiimin

      • SUNWiimjd

      • SUNWiimm

      • SUNWiimc-l10n

      • SUNWiimd-l10n

      • SUNWiimid-l10n

      • SUNWiimin-l10n

Access Manager コンソール (amconsole) に Instant Messaging サービスが表示されない

Instant Messaging が Sun Java System Application Server 配備内の Access Manager ポリシーを使用する場合、Instant Messaging の設定完了時に Application Server を再起動する必要があります。Application Server を再起動しないと、Access Manager コンソール (amconsole) 内に Instant Messaging サービスが表示されません。