Sun Blade 6000 Virtualized Multi-Fabric 10GbE M2 Network Express Module ユーザーズガイド

 

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はじめに

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『Sun Blade 6000 Virtualized Multi-Fabric 10GbE M2 NEM ユーザーズガイド』の概要

Sun Blade 6000 Virtualized Multi-Fabric 10GbE M2 NEM の機能

用語

機能概要

コンポーネントの概要

SAS 接続

Ethernet 接続

10 GbE NIC の仮想化

ファブリック拡張モジュール

サービスプロセッサ

NEM のポートと LED

ホットプラグによる挿入と取り外しの実行

PCIe ホットプラグ

SAS インタフェースのホットプラグ

Virtualized M2 NEM のインストールまたは交換

NEM のインストール

NEM インストールの確認

NEM の取り外し

NEM の交換

SFP+ 光トランシーバモジュールのインストールと取り外し

SPF+ コネクタのケーブル接続

Virtualized M2 NEM 10-Gigabit Ethernet ポートを介しての起動

x86 ブレードサーバーでのネットワークを介した起動

SPARC ブレードサーバーでのネットワークを介した起動

Solaris SPARC または Solaris x86 プラットフォームでの hxge ドライバのインストールと設定

ネットワークホストファイルを設定する方法

hxge デバイスドライバパラメータの設定

ジャンボフレーム機能の設定

Linux プラットフォーム上での hxge ドライバのインストールと設定

Linux プラットフォーム上でのドライバのインストールと削除

ネットワークインタフェースの設定

hxge デバイスのチェックとテスト

hxge ドライバ設定の変更

ドライバのトラブルシューティング

ジャンボフレームの設定

Windows プラットフォーム上でのドライバのインストールと設定

Windows プラットフォーム上でのドライバのインストール

ジャンボフレームの有効化

VMware ESX Server プラットフォームへのドライバのインストールと設定

既存の ESX Server への ESX Server ドライバのインストール

ESX の新規インストールによる ESX Server ドライバのインストール

Virtual NEM M2 Network Adapters の設定

ジャンボフレームの設定

ILOM 追補

ILOM のドキュメントとアップデートへのアクセス

ILOM への接続

NEM ファームウェアの更新

Sun Blade Zone Manager

NEM センサー

非公開モードとフェイルオーバーモードの有効化

ホットプラグコマンドの使用

索引

10 GbE NIC の仮想化

この節では、Virtualized Multi-Fabric 10GbE M2 NEM に関連する 10 GbE NIC の機能について説明します。

Virtualized M2 NEM ASIC を使用すると、最大 5 台のホストが単一の 10 GbE ネットワークポートを共有することができ、ホストごとに専用の PCIe エンドポイントが 1 個割り当てられます。

共有 I/O により、あたかも各サーバーモジュールが専用の NIC を使用してネットワークに接続しているかのように、各サーバーモジュールが動作します。各サーバーモジュールは、Rx/Tx トラフィックに関するサーバーごとのモジュール統計を提供する仮想 MAC を 1 つ所有します。10 GbE ネットワークポートへのインタフェースとして機能する仮想 MAC は共有され、サーバーモジュールからは認識されません。このポートへのアクセスと設定を実行できるのは、サービスプロセッサのみです。

1 台の Virtualized Multi-Fabric 10GbE M2 NEM には、2 個の Virtualized M2 NEM ASIC が内蔵されています。これらは、帯域幅モードと接続モードという 2 つの異なるモードで動作します。

帯域幅モード

複数の Virtualized M2 NEM ASIC が相互に関する情報なしで動作している場合、Virtualized M2 NEM ASIC は帯域幅モードで動作できます。各 ASIC は、自らに接続されている 5 台のホストに対して 10 GbE のネットワークアクセスを提供します。10 個のサーバーモジュールすべてに 10 GbE 接続を提供するためには、どちらにも光ケーブルを使用して SFP+ モジュールをインストールする必要があります。

IAL 帯域幅モードを示す画像
接続モード

2 個の Virtualized M2 NEM ASIC を相互接続し、単一の 10 GbE ポートが 10 個のサーバーモジュールによる共有 I/O として動作する形態 (接続モード) も利用できます。ASIC 間リンク (Inter-ASIC Link、IAL) は、仮想 Ethernet セグメントをすべてのサーバーモジュールに拡張します。この構成の例を次の図に示します。

IAL 接続モードを示す画像
非公開モード

NEM ILOM インタフェースから非公開モードが有効化されている場合は、すべての 10 GbE のトラフィックが NEM ASIC 間で IAL を経由してやりとりされます。SFP+ モジュールがインストールされていても取り外されていても、IAL の状態には影響がありません。

非公開モードが有効で、フェイルオーバーモードも有効になっている場合は、非公開モードが優先されます。SFP+ モジュールの取り外しまたは挿入によって、影響を受けることはありません。

非公開モードを有効化する手順については、「非公開モードとフェイルオーバーモードの有効化」を参照してください。

IAL の有効化または無効化

3 つの異なる要因の組み合わせに基づいて、IAL は有効化または無効化されます。

次の表では、IAL の機能について説明しています。

IAL の機能
モード
SFP+ 接続の元の状態
IAL の元の状態
SFP+ 接続に対して実行するアクション
その結果としての SFP+ と IAL の状態
静的
NEM をシャーシに取り付ける前に、NEM 内に 1 個の SFP+ モジュールが存在しています。
IAL は無効です。
2 番目の SFP+ モジュールを追加します。
SFP+ モジュールの挿入は無視されます。IAL は引き続き無効です。
静的
NEM をシャーシに取り付ける前に、NEM 内に 2 個の SFP+ モジュールが存在しています。
IAL は無効です。
1 個の SFP+ モジュールの取り外し、無効化、または破損が発生します。
Virtualized M2 NEM ASIC は帯域幅モードにとどまります。ASIC のうち一方がネットワーク接続を失います。IAL は引き続き無効です。
フェイルオーバー
1 個の SFP+ モジュールが NEM 内に存在しており、NEM はシャーシ内で動作しています。
IAL は有効です。
2 番目の SFP+ モジュールを追加します。
IAL は動的に自らを無効にし、すべてのトラフィックは 2 つの SFP+ 接続を経由してフローするようになります。
フェイルオーバー
2 個の SFP+ モジュールが NEM 内に存在しており、NEM はシャーシ内で動作しています。
IAL は有効です。
1 個の SFP+ モジュールの取り外し、無効化、または破損が発生します。
IAL は動的に設定を行い、トラフィックはアクティブな SFP+ 接続を経由してフローするようになります。IAL は有効です。
非公開
任意の数の SFP+ モジュールが NEM 内に存在しています。
IAL は有効です。
任意の数の SFP+ モジュールを NEM に挿入するか、NEM から取り外します。
IAL は有効なままです — SFP+ モジュールの追加または取り外しによって、IAL の状態が影響を受けることはありません。

NEM サービスプロセッサを使用してフェイルオーバーモードを有効にする方法の手順については、「非公開モードとフェイルオーバーモードの有効化」を参照してください。


注 - IAL がフェイルオーバーモードになっているときに追加の SFP+ モジュールをインストールした場合は、新しくインストールした SFP+ のコネクタに、ネットワーク接続されたケーブルをインストールし、すべてのサーバーモジュールが 10GbE 接続を利用できるようにしてください。


たとえば、次のシナリオでは、IAL は動的に無効になります。

新しい SFP+ モジュールに光ファイバケーブルが接続されていないかぎり、新しい SFP+ モジュールと接続している ASIC にインストールされている 5 個のサーバーモジュールは 10GbE 接続を失います。