簡易パフォーマンス最適化ツール (SPOT) は、アプリケーションでのパフォーマンスの問題を診断する際に役立ちます。SPOT はアプリケーションに対して一連のパフォーマンスツールを実行し、それらのツールによって収集されたデータをレポートする Web ページを生成します。それらのツールを SPOT から独立して実行することもできます。
SPOT は Oracle Solaris Studio パフォーマンスアナライザを補完するものです。パフォーマンスアナライザは、アプリケーションの実行で時間がかかった箇所を通知します。ただし、特定の状況下では、アプリケーションの問題の診断に役立つ情報がさらに必要な場合があります。SPOT はこのような状況で助けになります。
SPOT は collect ユーティリティーをそのツールの 1 つとして使用します。SPOT は、er_print ユーティリティー、および er_html という追加のユーティリティーを使用して、プロファイルデータを Web ページとして表示します。
SPOT を使用する前に、SPOT ツールがコード行にパフォーマンス情報をマッピングできるように、–O オプションで何らかのレベルの最適化を指定し、–g オプションでデバッグ情報を含めてアプリケーションバイナリをコンパイルする必要があります。
SPOT を使用すると、アプリケーションを起動するか、すでに実行されているアプリケーションに接続して、パフォーマンスデータを収集できます。
SPOT を実行してアプリケーションを起動するには:
% spot executable
すでに実行されているアプリケーションに対して SPOT を実行するには:
% spot -P process-id
SPOT は、アプリケーションの毎回の実行についてのレポートのほか、異なる実行からの SPOT データを比較するレポートも生成します。
特定の PID に SPOT を使用すると、複数のツールがその PID に順に接続されて、レポートを生成します。
次の図は、SPOT が実行されたシステムと、アプリケーションがコンパイルされた方法についての情報を示す SPOT 実行レポートの一部を示しています。このレポートには、詳細情報を含むほかのページへのリンクがあります。
SPOT レポートの Web ページは、コンパイルされたすべてのデータを容易に調べられるように、相互にリンクされています。
詳細は、Oracle Solaris Studio 12.2 ドキュメントライブラリ (http://docs.oracle.com/cd/E18659_01/index.html) のOracle Solaris Studio 12.2: Simple Performance Optimization Tool (SPOT) User’s Guideを参照してください。