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Oracle® Application Expressアプリケーション・ビルダー・ユーザーズ・ガイド
リリース4.2 for Oracle Database 12c
B71338-03
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このリリースでの変更点

この章の内容は次のとおりです。

Oracle Application Expressリリース4.Xでの変更点

Oracle Application Expressリリース4.Xの『Oracle Application Expressアプリケーション・ビルダー・ユーザーズ・ガイド』における変更点は、次のとおりです。

新機能

このリリースの新機能は次のとおりです。

  • モバイル・アプリケーション構築

    開発者は、モバイル・アプリケーションおよびモバイル・アプリケーション・コンポーネントを宣言的に定義できます。アプリケーションには、デスクトップ・ユーザー・インタフェースとモバイル・ユーザー・インタフェースの両方を自動検出とともに設定できるようになりました。詳細を次に示します。

    • リスト・ビュー・リージョン・タイプ

      モバイル・アプリケーションの一般的なプレゼンテーション・モードで、レポート・ビューのかわりに使用される、組み込まれた新しいリスト・ビュー・リージョン・タイプ。

    • 異なるユーザー・インタフェースの新しい共通ページ

      開発者は、ユーザー・インタフェースごとに個別のグローバル・ページ(以前のページ0)、ログイン・ページおよびホームページを定義できます。これによって、デスクトップ・システムではなくモバイル・デバイスを使用しアプリケーションにアクセスした場合、別のページがエンド・ユーザーに表示されるようになります。

      「すべてのページにコンポーネントを表示するグローバル・ページの作成」を参照してください。

    • ユーザー・インタフェース固有のコンポーネント

      ページに定義されているユーザー・インタフェースに基づいて、異なるリージョン・タイプおよびアイテム・タイプをデフォルトで使用できます。たとえば、対話モード・レポートと表形式フォームはデスクトップ・ページの標準のリージョン・タイプであり、リスト・ビューはモバイル・ページの標準です。新しいスライダ・アイテム・タイプは、モバイル・ページのみの標準です。

      「アプリケーションのユーザー・インタフェースの管理」を参照してください。

  • モバイル・テーマおよびテンプレート

    jQuery Mobileを利用すると、主要なすべてのモバイル・プラットフォームでモバイル・テーマが機能し(変更不要)、これにはページ遷移やHTML5アイテム・タイプなどの機能が含まれます。詳細を次に示します。

    • グリッド・レイアウトのサポート

      ページ・テンプレートにリージョンおよびページ・アイテムを配置する場合、どのグリッド・レイアウトを使用するか指定できるようになりました。これは、以前のリリースのOracle Application Expressで使用されるHTML表ベースのレイアウトにかわるものです。

      「ページ・テンプレート」を参照してください。

    • ページ遷移およびポップアップ遷移

      モバイル・ページ・テンプレートで、ページ遷移およびポップアップ遷移(スリップ、フリップ、フェードなど)を指定すると、モバイル・デバイスでよりネイティブなユーザー操作を実現できます。

    • カスケード・スタイルシートおよびJavaScriptファイルの置換の宣言的なサポート

      インラインのカスケード・スタイルシート(CSS)およびJavaScriptファイルの新しいページおよびページ・テンプレート属性により、開発者がアプリケーションにファイルをロードするための宣言的なサポートが提供されます。

      「ページ属性について」および「ページ・テンプレート」を参照してください。

    • コンテンツ配信ネットワーク

      「ユーザー・インタフェース」内の新しいアプリケーション・レベル属性「コンテンツ配信ネットワーク」は、コンテンツ配信ネットワーク(Google、MicrosoftまたはjQueryなど)からロードされるjQueryファイルおよびjQuery Mobileファイルをサポートします。

      「ユーザー・インタフェース・ページへのアクセス」を参照してください。

  • HTML5チャート

    HTML5チャートでは、Flashを使用せずチャートをレンダリングできます。

    「HTML5チャートの作成について」を参照してください。

  • HTML5アイテム・タイプ

    数値、電子メール、電話およびURLに対してアイテム・タイプを指定すると、HTML5対応の最新のモバイル・デバイスでデータを入力する際のユーザーの操作性が大幅に向上します。詳細を次に示します。

    • 「スライダ」アイテム・タイプ

      「スライダ」では、モバイル・ページ内の適切なスライダに切り替えられてモバイル・ページ以外でも利用できるHTML5範囲の入力タイプがレンダリングされます。

    • 「はい/いいえ」アイテム・タイプ

      「はい/いいえ」は、モバイル・ページではフリップ・トグル・スイッチとして、モバイル・ページ以外ではラジオ・グループとしてレンダリングされます。

    • 新しい「向きを表示」

      チェック・ボックスおよびラジオ・グループ・アイテム・タイプには、新しい「向きを表示」属性があり、「縦」(デフォルト)または「横」に設定できます。

    「ページ・レベル・アイテムの理解」および「アイテム・タイプについて」を参照してください。

  • パッケージ・アプリケーション

    生産性アプリケーションのコレクションを使用すると、ユーザーはデータベース投資の利用をすぐに開始できます。また、これらのアプリケーションのロックを解除する機能により、開発者はベスト・プラクティスをカスタマイズおよび理解できます。

    「パッケージ・アプリケーションの使用」を参照してください。

  • その他の新機能

非推奨となった機能

次の機能は、今回のリリースで非推奨であり、将来のリリースではサポートされない可能性があります。

  • DMLフェッチ・プロセスでのメモリー・キャッシュの設定

    DMLフェッチ・プロセスでは、セッション・ステートの設定での混乱および問題を回避するために、必ず「フェッチ時にメモリー・キャッシュを設定」オプションを使用する必要があります。したがって、「表示時にメモリー・キャッシュを設定」オプションは非推奨となっており、DMLフェッチ・プロセスが現在このオプションで定義されている場合にのみ表示されます。

  • 標準CSSおよび標準JavaScriptファイルを含めるためのプレースホルダ

    ページ・レベル属性の「標準JavaScriptとCSSを含める」は非推奨で、値が「いいえ」に設定されている場合に既存のアプリケーションでのみ表示されます。新しいアプリケーションには、このページ・レベル属性がありません。

    開発者は、ページ・テンプレートでプレースホルダ#APEX_CSS#および#APEX_JAVASCRIPT#を使用して、標準のOracle Application Express CSSおよびJavaScriptファイルをロードするかどうかとロードする場所を指定できるようになりました。これらのプレースホルダがページ・テンプレートに含まれない場合は、ロードされません。

その他の変更

このリリースでの追加変更は次のとおりです。

  • 動的アクション

    開発者は動的アクションを使用して、JavaScriptを使用せずにクライアント側の動作を宣言的に定義できます。このリリースでは次が強化されています。

    • jQuery Mobileの有効化

      既存のアイテム・タイプは、これらの操作にJavaScriptと動的アクションが使用される場合に(「値の設定」、「有効化」、「非表示」など)、jQuery Mobileで動作するように変更されました。

    • jQuery Mobileイベントの公開

      jQuery Mobileフレームワークでは、モバイル・アプリケーションの開発者に役立つフックを提供する多数のイベントが公開されます。動的アクション・フレームワークは、これらのイベントを組み込むように拡張されました。

    • 非同期のAJAXコール

      常に非同期で実行されて、開発者が後続のアクションの実行方法を定義できるようにサーバー側のアクションが変更されます。

    • 影響を受ける要素の拡張

      開発者は、動的アクションの影響を受ける要素として指定できるボタンをコンポーネントに追加できます。

    詳細は、「動的アクションの実装」を参照してください。

  • プラグイン

    開発者はプラグインを使用して、アイテム・タイプ、リージョンおよびプロセスのPL/SQLコンポーネントを書き込むことによって既存の組込み機能を拡張できます。このリリースでは次が強化されています。

    • カスタム属性数の25への増加

      カスタム属性の数が15から25に増加しました。

    • リージョン・タイプ設定へのフェッチされた行およびデータが見つからなかった場合のメッセージの追加

      リージョン・ソース・データのページ区切りのために表示またはフェッチする必要がある行数、または何も見つからなかった場合に表示する必要がある行数を決定するために、リージョン・タイプのプラグイン用に公開できる標準属性として、「フェッチされた行数」、「フェッチされた行数(アイテム)」および「データが見つからなかった場合のメッセージ」属性が追加されました。

    • データ型チェックのサポート

      データ型チェックをサポートするために「リージョンSQL文の列」属性が追加されました。

    詳細は、「プラグインの実装」を参照してください。

  • 対話モード・レポート

    • 保存された対話モード・レポートを保持するための不変ID

      保存されたレポートの不変の識別子を導入することにより、新しいアプリケーション定義のインポート(開発から本番へのインポートなど)によってアプリケーションがアップグレードされたときにサブスクリプションを保持できます。この識別子は、インポートされているアプリケーションのアプリケーション識別子が異なる場合でも機能します。

    • 列の書式設定

      レポートでレンダリングしたり、HTMLと電子メール・ダウンロードに含めることが可能な列定義で使用されるHTML式。

    • 送信元アドレスの定義

      サブスクリプションと電子メール・ダウンロードに対して、ユーザーは送信元アドレスを指定できるようになりました。

    • 実行時のSQL問合せに対するAPI

      新しいAPIでは、開発者が実行中の正確な問合せを判断できるように、対話モード・レポートの現在のSQL問合せが戻されます。これは、カスタマイズにユーザー定義の条件(フィルタ、ソートおよび表示される列など)が必要なその他の機能で対話モード・レポートからの出力が使用される場合に非常に役立ちます。

    • 日付列で使用可能な等号(=)演算子

      ユーザーは、等号(=)演算子を使用して特定の日付でフィルタ処理できます。

    「対話モード・レポートのカスタマイズ」および「開発者としての対話モード・レポートの編集」を参照してください。

  • Webシート

    Webシート・アプリケーションは、テキストとデータを組み合せた対話モードWebページです。このリリースでは次が強化されています。

    • Webシートの作成ウィザードの改善

      アプリケーション開発者は、アプリケーション作成時に、Webシートを作成してアプリケーション・プロパティを編集せずに、SQLとPL/SQLを許可することを指定できるようになりました。

    • ツールバー・メニューの拡張

      既存のツールバー・メニュー・オプションが移動され、レポート用に新しいオプションが追加されました。これらの変更は、ユーザーがWebシート内でのナビゲートをより簡単、効率的、直観的に行うことができるように設計されています。

    • データ・グリッドへの直接リンク

      ユーザーは、データ・グリッドまたはデータ・グリッド行(フォーム・ビュー)を編集するためにリンクを直接使用できます(簡単にアクセスできるように公開したり、電子メールで送信できます)。

    「Webシート・アプリケーションについて」を参照してください。

  • チーム開発の添付ファイル

    チーム開発では、新機能、機能に関連しないタスク(To Doタスク)、バグおよびマイルストンを追跡することによって開発プロセスを管理できます。このリリースでは、開発者は、機能、バグおよびTo Doに添付ファイルとして外部ドキュメントを追加できるようになりました。

    詳細は、「開発プロセスの管理」を参照してください。

  • Oracle Application Expressリリース4.2の機能およびユーザー・インタフェースの機能拡張に対応するように、すべてのコンテンツ、スクリーン・キャプチャおよびグラフィックが更新されています。

  • その他の管理の機能拡張

    • 200に増加したページ当たりの最大アイテム数

      1ページの入力可能な最大アイテム数が100から200に変更されました。

    • デバッグの機能拡張

      開発者は、アプリケーション・ビルダーからアプリケーションを実行したときにデバッグ情報を表示するために「デバッグの許可」フラグを「はい」に変更する必要がなくなりました。Oracle Application Expressでは、様々なデバッグ・レベルを使用しやすくなり、戻される詳細情報のレベルをより細かく管理できるようになりました。

    • オンデマンドの改善

      認可と条件をオンデマンド・プロセスで利用できるようになりました。デフォルトでは、オンデマンド・プロセスは、認証されていないセッションでのユーザーによる実行を回避するために、初期認可「パブリック・ユーザーは不可」を使用して作成されます。

    • グローバリゼーションの機能拡張

      翻訳リポジトリ内での生産性を向上するために、開発者はグリッドを使用してテキスト・メッセージを編集できます。