Oracle ASMで作成されたすべてのファイルには、完全修飾ファイル名(またはシステム生成のファイル名)と呼ばれる、Oracle Managed Filesによって生成されたファイル名が付けられます。完全修飾ファイル名は、Oracle ASMファイルシステムにおける完全なパス名を表します。次に、完全修飾ファイル名の例を示します。
+data/orcl/controlfile/Current.256.541956473
ユーザーは、完全修飾ファイル名を使用してOracle ASMファイルを参照(読取りまたは取得)できます。他の短縮ファイル名形式(「エイリアスOracle ASMファイル名形式」で説明するエイリアスOracle ASMファイル名など)を使用して、Oracle ASMファイルを参照することもできます。
Oracle ASMでは、ファイル作成のリクエスト時に完全修飾ファイル名が生成されます。作成リクエストでは完全修飾ファイル名は指定されません(指定できません)。かわりに、より簡単な構文を使用してファイルが指定されます(エイリアスやディスク・グループ名など)。Oracle ASMは、そのファイルを作成し、ファイル・タイプに従って正しいOracle ASMパスに配置してから、適切な完全修飾ファイル名を割り当てます。作成リクエストでエイリアスを指定した場合は、Oracle ASMにより完全修飾ファイル名を参照するようにエイリアスも作成されます。
Oracle ASMファイル作成リクエストは、単一ファイル作成リクエストまたは複数ファイル作成リクエストのいずれかです。
注意:
生成された名前は、Oracleファイル名を表示するデータベース・ビュー(V$DATAFILE
やV$LOGFILE
など)で見つけることができます。SQL文でOracle ASMファイルを参照する必要がある場合は、この名前を使用するか、この名前の短縮形を使用できます。他のOracle Databaseファイル名と同様に、Oracle ASMファイル名は制御ファイルおよびRMANカタログに保存されます。
REUSE
キーワードを指定した場合は、完全修飾ファイル名と数値ファイル名を単一ファイル作成で使用できます(「SQL文でのOracle ASMファイル名の使用」を参照)。
ファイル名では、スラッシュ(/)とバックスラッシュ(\)は置換え可能です。ファイル名の大文字と小文字は区別されませんが、保持されます。
この項の内容は次のとおりです。
表5-2では、各ファイル名形式に有効な使用方法を示します。その形式がファイル作成に使用される場合、この表では、作成されるファイルがOracle Managed Files(OMF)かどうかを示します。
表5-2 Oracle ASMファイル名形式の有効な使用方法
ファイル名の形式 | ファイル参照 | 単一ファイル作成 | 複数ファイル作成 | OMFとして作成される |
---|---|---|---|---|
完全修飾ファイル名 |
はい |
いいえ |
いいえ |
いいえ |
エイリアス・ファイル名 |
はい |
はい |
いいえ |
いいえ |
テンプレート付きエイリアス・ファイル名 |
いいえ |
はい |
いいえ |
いいえ |
不完全なファイル名 |
いいえ |
はい |
はい |
はい |
テンプレート付きの不完全なファイル名 |
いいえ |
はい |
はい |
はい |