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Oracle® Solaris 11.3 ソフトウェアの追加と更新

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更新: 2017 年 3 月
 
 

IDR のインストール

IDR をインストールする前に、IDR によって対処される問題や IDR で提供されている内容など、その IDR に関する情報を取得します。

使用例 10  IDR パッケージアーカイブに関する情報を取得する

次のコマンドは、アーカイブには、solaris パブリッシャーによって発行された 3 つのパッケージが含まれていることを示しています。

$ pkgrepo info -s idr1929.2.p5p
PUBLISHER PACKAGES STATUS           UPDATED
solaris   3        online           2015-06-24T09:01:20Z

pkgrepo list および pkg list コマンドは、パッケージアーカイブ内のパッケージに関する同様の、ただし異なる情報を提供します。インストールまたは更新するパッケージの名前は idr1929 です。パッケージアーカイブの名前は、アーカイブが IDR 1929 のバージョン 2 であることを示しています。次の出力は、使用例 15 に説明するように、idr1834 が名前変更されていることを示しています。

$ pkgrepo list -s idr1929.2.p5p
PUBLISHER NAME                          O VERSION
solaris   idr1834                       r 2,5.11:20150624T090119Z
solaris   idr1929                         2,5.11:20150624T090120Z
solaris   system/install/media/internal   0.5.11,5.11-0.175.2.9.0.3.2.1929.2:20150624T090120Z
$ pkg list -afg idr1929.2.p5p
NAME (PUBLISHER)                          VERSION                       IFO
idr1834                                   2                             --r
idr1929                                   2                             ---
system/install/media/internal             0.5.11-0.175.2.9.0.3.2.1929.2 ---
使用例 11  この IDR で提供されている内容を表示する

次のコマンドは、idr1929 パッケージに system/install/media/internal パッケージのカスタムバージョンが組み込まれていることを示しています。system/install/media/internal パッケージのバージョンはこの IDR を指定しています。バージョン文字列の枝番の部分の末尾にある 1929.2 フィールドを見てください。パッケージのバージョン文字列のフィールドについては、Fault Management Resource Identifiersを参照してください。使用例 10のコマンドは、IDR パッケージアーカイブには、IDR パッケージで提供されているこのカスタムバージョンのパッケージが含まれていることを示しました。

$ pkg contents -g idr1929.2.p5p -o type,fmri -t depend idr1929
TYPE        FMRI
incorporate pkg:/system/install/media/internal@0.5.11,5.11-0.175.2.9.0.3.2.1929.2

次のコマンドは、このカスタムバージョンの system/install/media/internal パッケージは idr1929@2 パッケージに対して require 依存関係を持っていることを示しています。つまり、このバージョンの system/install/media/internal はこの IDR がインストールされている場合にのみインストールされます。

$ pkg contents -g idr1929.2.p5p -o type,fmri -t depend media/internal
TYPE    FMRI
require idr1929@2
使用例 12  IDR によって対処される問題を表示する

次のコマンドは、idr1929 が対処している問題レポートの番号を表示します。複数の問題レポートが表示されることもあります。

$ pkg contents -Hg idr1929.2.p5p -o value -t set -a name='*bug*' idr1929
16857802
使用例 13  IDR をインストールできる Oracle Solaris リリースを判定する

次のコマンドは、この IDR がどの Oracle Solaris リリース向けに構築されたかを表示します。

$ pkg contents -Hg idr1929.2.p5p -o value -t set -a name="*description*" idr1929
i386 IDR built for release : Solaris 11.2 SRU # 10.5.0

この IDR は、構築された対象のリリースだけでなく、ほかの Oracle Solaris リリースにもインストールできる場合があります。使用例 11に示すように、この IDR で提供されているすべてのパッケージのバージョンを一覧表示し、そのリストを、それらのパッケージの使用可能なすべてのバージョンのリストと比較します。IDR で提供されているものと同じバージョンのパッケージをインストールできる、任意の Oracle Solaris リリース上に IDR をインストールできます。この例では、idr1929 は、バージョン 5.11-0.175.2.9.0.3.2system/install/media/internal パッケージをインストールできる任意の Oracle Solaris リリース上にインストールできます。

使用例 14  IDR のリリースノートの場所を表示する

次のコマンドは、インストールされている IDR のリリースノートがある場所を表示します。

$ pkg contents -Ht file idr1929
usr/share/doc/release-notes/idr1929.txt

また、pkg history コマンドを使用してリリースノートを表示することもできます。Viewing Operation Historyの説明に従って、-n-t、および -N オプションを使用してください。

IDR がインストールされていない場合は、How to Install an IDRに示すように、-nv オプションを指定して pkg install コマンドを使用することで、IDR をインストールせずにリリースノートを表示できます。

使用例 15  IDR の名前が変更されているかどうかを表示する

使用例 10pkgrepo list および pkg list コマンドは、idr1834 パッケージの名前が変更されていることを示しています。次のコマンドは、idr1834idr1929 に名前変更されていることを示しています。明示的に idr1834 をインストールすると、idr1929 が代わりにインストールされ、idr1834 がすでにインストールされている場合は削除されます。

$ pkg info -g idr1929.2.p5p idr1834
          Name: idr1834
       Summary: Superseding pkg for idr1834.1
         State: Not installed (Renamed)
    Renamed to: pkg://solaris/idr1929@2,5.11
     Publisher: solaris
       Version: 2
 Build Release: 5.11
        Branch: None
Packaging Date: June 24, 2015 09:01:19 AM
          Size: 5.46 kB
          FMRI: pkg://solaris/idr1834@2,5.11:20150624T090119Z

次のコマンドは、idr1834 パッケージの内容は idr1929 パッケージに対する依存関係のみであることを示しています。signature アクションは簡潔にするために省略されています。

$ pkg contents -mg idr1929.2.p5p idr1834
set name=pkg.fmri value=pkg://solaris/idr1834@2,5.11:20150624T090119Z
set name=pkg.summary value="Superseding pkg for idr1834.1"
set name=pkg.renamed value=true
depend fmri=pkg://solaris/idr1929@2,5.11 type=require

IDR パッケージでは、名前の変更を使用することにより、インストール済みの IDR を管理者が明示的に削除しなくても、その IDR がインストールされているシステムを新しい SRU バージョンに更新できるようになっています。

IDR をインストールする方法

  1. この同じ問題に対処するほかの IDR がインストールされていないことを確認します。

    次のコマンドは、インストールする IDR によって対処されるすべての問題の識別子を一覧表示します。

    $ pkg contents -g idr1929.2.p5p -Ho value -t set -a name='*bug*' idr1929
    ['problemID1, 'problemID2']

    次のコマンドは、これらの同じ問題に対処するすべてのインストール済みパッケージを一覧表示します。

    $ pkg search -lo value,pkg.name problemID1 OR problemID2

    インストールする IDR によって対処される問題が、現在インストール済みの IDR でも対処されている場合は、この同じ問題に対処するインストール済みの IDR が、インストールする IDR によって削除されるかどうかを確認してください。新しい IDR をインストールすることによって古い IDR が削除されるかどうかを確認するには、pkg list および pkg info コマンドを使用するか、-nv オプションを指定して pkg install コマンドを使用します。両方の IDR がインストールされることになる場合は、サポート担当者に連絡してください。

  2. パッケージアーカイブをパブリッシャーの起点として追加します。

    この手順は、非大域ゾーンがこのリポジトリにアクセスできるようにするために必要です。このシステムに非大域ゾーンが含まれていない場合でも、構成済みのパブリッシャーの起点にこれらのパッケージを追加することがベストプラクティスです。

    $ pkg set-publisher -g idr1929.2.p5p solaris
    $ pkg publisher
    PUBLISHER   TYPE     STATUS P LOCATION
    solaris     origin   online F file:///var/share/repos/idr1929.2.p5p/
    solaris     origin   online F https://pkg.oracle.com/solaris/support/

    使用しているすべての IDR パッケージのローカルリポジトリを作成することをお勧めします。Copying and Creating Package Repositories in Oracle Solaris 11.3を参照してください。pkg5srv ユーザーがリポジトリの内容にアクセスできることを確認します。非大域ゾーンがリポジトリの内容にアクセスできることを確認します。

  3. この IDR がこのシステムにインストール可能であることを確認します。

    次の pkg contents コマンドは、IDR にバージョン 5.11-0.175.2.9.0.3.2.1929.2media/internal パッケージが組み込まれていることを示しています。

    $ pkg contents -ro type,fmri -t depend idr1929
    TYPE        FMRI
    incorporate pkg:/system/install/media/internal@0.5.11,5.11-0.175.2.9.0.3.2.1929.2

    バージョン 5.11-0.175.2.9.0.3.2media/internal パッケージがシステムにインストールされている場合は、この IDR をインストールできます。

    次のコマンドは、何がインストールされるかを示しますが、実際にはインストールを実行しません。このイメージに非大域ゾーンがある場合は、-r オプションを指定します。インストール操作では、IDR のリリースノートが表示されます。リリースノートには、IDR によって対処されるバグ、IDR パッケージによってインストールされるパッケージ、および IDR の削除手順が記載されています。

    $ pkg install -nvr idr1929
               Packages to install:         1
         Estimated space available:  31.42 GB
    Estimated space to be consumed: 122.34 MB
           Create boot environment:        No
    Create backup boot environment:        No
              Rebuild boot archive:        No
    
    Changed packages:
    solaris
      idr1929
        None -> 2,5.11:20150624T090120Z
    Release Notes:
      # Release Notes for IDR : idr1929
      # -------------------------------
    
      Release         : Solaris 11.2 SRU # 10.5.0
    
      Platform         : i386
    
      Bug(s) addressed     :
          16857802 : AI zlib download timeout should be longer
    
      Package(s) included     :
          pkg:/system/install/media/internal
    
      Removal instruction     :
      # /usr/bin/pkg uninstall -r idr1929
      If this IDR is installed on a system running Solaris 11.2 SRU9 or less, use
      this command to remove:
      # /usr/bin/pkg update --ignore-missing -r --reject 
    pkg:/system/install/media/internal@0.5.11,5.11-0.175.2.9.0.3.2:20150321T014312Z
    
      Generic Instructions     :
    
      1) If system is configured with 'Zones', ensure that
      IDR is available in a configured repository.
    
      Special Instructions for : idr1929
    
      None.
  4. IDR をインストールします。

    前のコマンドからの出力は、idr1929 パッケージがインストールされることを示しています。あるバージョンの idr1834 がシステムにすでにインストールされている場合、idr1929 のインストールはブロックされることに注意してください。その場合は、idr1929 をインストールする代わりに idr1834 を更新する必要があります。idr1834 の更新の結果として、使用例 16に示すように idr1929 がインストールされます。

    IDR をインストールするときは、新しい BE またはバックアップ BE が作成されることを確認してください。IDR をインストールしたあとで問題が発生した場合は、古い BE またはバックアップ BE にリブートできます。

    前のコマンドの出力は、このインストールでは新しい BE もバックアップ BE も作成されないことを示しています。次のコマンドは、現在の BE に IDR をインストールする前に、バックアップ BE を作成します。

    $ pkg install --backup-be-name pre-idr1929 idr1929