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Oracle® Solaris 11.3 でのシステム管理のトラブルシューティング

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更新: 2016 年 11 月
 
 

Oracle Solaris 11.3 でのリブート後まで遅延するようになったクラッシュファイル

Oracle Solaris 11.3 以降では、システムがクラッシュした場合、システムがリブートされるまでクラッシュダンプファイルがメモリーに保存されることがあります。システムのリブート中に、クラッシュダンプファイルはダンプ構成で定義されたファイルシステムにメモリーから抽出されます。これらのファイルが書き込まれたあと、システムは通常のマルチユーザー構成に自動的にリブートされます。このプロセスは遅延ダンプと呼ばれます。遅延ダンプを利用すると、システムはカーネルパニック後に短時間で実行状態に戻ることができます。また遅延ダンプは、ローカルディスクを搭載していない場合がある SPARC M7 シリーズサーバーなどのシステムに特にメリットがあります。


Caution

注意  -  最初のリブートで遅延ダンプが実行されます。x86 システムでは、メモリーのフラグメンテーションが原因で発生する可能性があるパフォーマンスの問題を排除するために、2 回目のリブートが自動的に行われることがあります。このプロセスは中断しないでください。システムは、2 回目のリブート後に使用する準備ができます。


遅延ダンプのシステムメッセージ

    遅延ダンププロセスには、次のシステムメッセージが含まれています。

  • システムがメモリーに対して遅延ダンプを実行しているときに、「Preserving kernel image in RAM」メッセージが進行状況バーとともに表示されます。

  • システムがパニック後にリブートすると、「Verified previous kernel image」とその後に「Reconciling deferred dump」メッセージが進行状況バーとともに表示されます。

  • savecore がクラッシュダンプファイルをファイルシステムに保存している間に、「Extracting crash dump」メッセージが進行状況バーとともに表示されます。

遅延ダンプのサポート

x86 システムでは、遅延ダンプは、Oracle Solaris でデフォルトの高速リブート機能とともに動作します。そのため、x86 システムの遅延ダンプは、高速リブートをサポートするプラットフォームでのみ機能できます。高速リブートの使用の詳細は、Oracle Solaris 11.3 システムのブートとシャットダウン の リブートプロセスの高速化を参照してください。

遅延ダンプは、少なくとも Sys Firmware 8.7 または Sys Firmware 9.4 以降をサポートし、システムがリブートするまでクラッシュダンプファイルを保存するために十分なメモリーを持つ SPARC T4 システムではデフォルトで有効になっています。

遅延ダンプを使用した場合でも、構成されているダンプデバイスにクラッシュダンプ情報を格納するために十分な領域があることを確認する必要があります。これは、savecore -L を使用したライブシステムクラッシュダンプが必要になった場合に備えるためです。また、次の状況では、可能であればクラッシュダンプ情報が (メモリー内に保持されることなく) ダンプデバイスに自動的に書き込まれます。

  • そのプラットフォームでは高速リブートがサポートされないか、高速リブートが失敗する。

  • savecore ユーティリティーが無効になっているか失敗する。

  • システムがカーネルゾーンを使用している。

システムのクラッシュの準備と対応の詳細は、この章と dumpadm(1M) のマニュアルページを参照してください。