問題のサマリー: ZFS Storage Appliance を使用している場合は、停電のテスト中、すべてのクラスタノードの電源を切ってから電源を入れ直したあと、データベースがオンラインに戻らなかったり、アプリケーション全体が失敗したりすることがあります。電源の再投入が発生するたびに、ZFS Storage Appliance ストレージから NFS ロックを手動でクリアするまで、アプリケーションを使用できなくなることがあります。
回避方法: ZFS Storage Appliance ストレージ (NFS ファイルシステム) の場合は、ZFS Storage Appliance の GUI から「保守」に移動し、「ワークフロー」を選択したあと (ホスト名と IP アドレスを指定して)「ロックのクリア」をクリックします。
問題のサマリー: この問題は、ZFS ストレージプールを管理する SUNW.HAStoragePlus (HASP) リソースで構成されたシステム上で発生することがあります。
別のシステムからのスナップショットを使用して、HASP によって管理されている同じ zpool 上の個別の ZFS サブボリュームへの大規模な zfs send および zfs recv が実行された場合、Oracle Solaris 11.2 または Oracle Solaris 11.3 上で実行されている Oracle Solaris Cluster 4.3 では HASP リソースが失敗することがあります。
回避方法: Oracle Solaris Cluster リソースの下でアクティブに管理されているファイルシステムのデータレプリケーションを開始する前に、次のいずれかを行います。
次のコマンドを実行して HASP リソースを無効にします。
# clresource disable hasp-resource-name
次のコマンドを実行して HASP リソースのモニタリングを無効にします。
# clresource unmonitor hasp-resource-name
データレプリケーションが正常に完了したら、HASP リソースをモニター状態およびオンライン状態にします。
回避方法を実行しても、zfs receive 中に HASP のフェイルオーバーが発生した場合は、スナップショットレプリケーションが完了しないことに注意してください。HASP のフェイルオーバー先のノード上でレプリケーションを手動で再開する必要があります。
問題のサマリー: 既存のデータサービス構成ウィザードは、スケーラブルな HAStoragePlus リソースおよびリソースグループの構成をサポートしていません。また、ウィザードでは、スケーラブルな HAStoragePlus の既存のリソースおよびリソースグループを検出できません。
たとえば、複数インスタンスモードで HA for WebLogic Server を構成するときに、クラスタに既存のスケーラブルな HAStoragePlus リソースおよびリソースグループが存在する場合であっても、ウィザードには「選択項目に利用可能な高可用性ストレージリソースはありません。」と表示されます。
回避方法: スケーラブルな HAStoragePlus リソースおよびリソースグループを使用するデータサービスを次のように構成します。
clresourcegroup および clresource コマンドを使用して、HAStoragePlus リソースグループおよびリソースをスケーラブルモードで構成します。
clsetup ウィザードを使用して、データサービスがローカルファイルシステム上にあるかのように (つまり関係するストレージリソースがないかのように) 構成します。
CLI を使用して、手順 1 で構成されたスケーラブルな HAStoragePlus リソース上でオフライン再起動依存関係を、スケーラブルな HAStoragePlus リソースグループ上で強い肯定的なアフィニティーを作成します。
問題のサマリー: 異なるゾーンクラスタ内で実行されるように構成されたスケーラブルなアプリケーションが INADDR_ANY にバインドし、同じポートを使用する場合、異なるゾーンクラスタ内で実行されるこれらのアプリケーションのインスタンスをスケーラブルなサービスで識別することはできません。
回避方法: スケーラブルなアプリケーションは、ローカル IP アドレスとして INADDR_ANY にバインドするように構成しないでください。スケーラブルなアプリケーションは、別のスケーラブルなアプリケーションと競合しないポートにバインドするように構成します。
問題のサマリー: Oracle Solaris Cluster HA for NFS リソースがオンラインであるクラスタノードをリブートまたはシャットダウンしたとき、NFS クライアントに書き込み操作中の開かれたファイルまたはディレクトリが存在すると、その NFS クライアントで「NFS のファイルハンドルが無効です」のエラーが発生することがあります。
回避方法: Oracle Solaris Cluster HA for NFS リソースがオンラインであるクラスタノードをリブートまたはシャットダウンする前に、リソースグループの別のターゲットクラスタノードへのスイッチオーバーを実行します。
# clrg switch -n target_host nfs-rg
ここで、target_host は、リソースグループ nfs-rg のスイッチオーバーのためのターゲットクラスタノードです。
問題のサマリー: Oracle Solaris 11.3 および Oracle Grid 12.1.0.1.0 を使用している場合は、Oracle Grid の起動が無期限にハングアップすることがあります。
回避方法: Oracle Grid 12.1.0.2.0 または Oracle Solaris 11.2 を使用すると、この問題を回避できます。回避方法または修正を利用できるかどうかを確認するには、Oracle のサポート担当者にお問い合わせください。
問題のサマリー: x64 クラスタ環境内で Oracle Solaris Cluster HA for Oracle を Solaris Volume Manger (SVM) または UFS ファイルシステムデバイスとともに使用している場合は、Oracle Database ログの破損が発生することがあります。
回避方法: HA for Oracle データベースとともに SVM または UFS ベースのファイルシステムを使用している場合のデータ破損を回避するには、Oracle バイナリと Oracle データを個別のファイルシステムに配置します。Oracle データのファイルシステムで、このバグを回避するために /etc/vfstab 内の forcedirectio を設定します。forcedirectio は、Oracle データのファイルシステムにのみ使用する必要があります。そのため、Oracle バイナリと Oracle データに個別のファイルシステムが必要になります。