このセクションには、Oracle VM Server for SPARC OpenStack Nova ドライバに関連する標準の OpenStack Nova 構成情報と、Oracle VM Server for SPARC OpenStack Nova ドライバに固有の構成情報が記載されています。
このセクションには、Oracle VM Server for SPARC 製品に固有の Oracle VM Server for SPARC OpenStack コンピュートノードの /etc/nova/nova.conf 構成ファイルとプロパティーに関するリファレンス情報が記載されています。
次のサンプルの /etc/nova/nova.conf 構成ファイルは、IP アドレス 10.0.68.51 とホスト名 controller を持つクラウドコントローラ、IP アドレス 10.0.68.50 とホスト名 compute0 を持つコンピュートノード、およびすべてのサービスアカウントに対するサービスパスワード services-password に基づいています。クラウドコントローラとコンピュートノードの情報で更新されている各行は強調表示されています。
[DEFAULT] rabbit_host=10.0.68.51 my_ip=10.0.68.50 host=compute0 block_device_allocate_retries=360 compute_driver=ldoms.LDomsDriver novncproxy_base_url=http://10.0.68.51:6080/vnc_auto.html vncserver_listen=$my_ip vncserver_proxyclient_address=$my_ip vnc_enabled=true [database] connection = mysql://nova:services-password@controller.us.oracle.com/nova [glance] host=10.0.68.51 [keystone_authtoken] auth_uri = http://10.0.68.51:5000/v2.0/ signing_dir=$state_path/keystone-signing identity_uri = http://10.0.68.51:35357/ admin_user = nova admin_password = services-password admin_tenant_name = service [neutron] url=http://10.0.68.51:9696 admin_username=neutron admin_password=services-password admin_tenant_name=service admin_auth_url=http://10.0.68.51:5000/v2.0 proxyclient_address=$my_ip [serial_console] serialproxy_host=10.0.68.51 serialproxy_port=6083 enabled=true base_url=ws://10.0.68.51:6083/ listen=$my_ip proxyclient_address=$my_ip [ldoms] set_admin_passwd_on_guest=false permit_root_logins=true admin_user=root force_volume_build=true create_zvols=true zvol_base=rpool/vm_disks configure_all_routes=false vds_name=primary-vds0 min_free_space_pct=10 dlm_nfs_server=10.0.68.51 dlm_nfs_share=/saspool/nfspool dlm_nfs_mountpoint=/mnt/dlm dlm_port=4999
次のセクションでは、Oracle VM Server for SPARC 製品に固有のプロパティーを一覧表示します。
admin_user=root は、ゲストドメイン内の管理ユーザーのアカウント名を指定します。デフォルト値は「root」です。
create_zvols=true | false は、ZFS ボリューム上に Oracle VM Server for SPARC ルートディスクを格納するかどうかを指定します。また、このプロパティーは、force_volume_build プロパティーの値によって決まります。
このプロパティー値が false で force_volume_build=false の場合、Oracle VM Server for SPARC ルートディスクは、instance_path で指定される場所に格納される raw ファイル (デフォルトで /var/lib/nova/instances に設定されます) です。
このプロパティー値が true で force_volume_build=false の場合、Oracle VM Server for SPARC ルートディスクは ZFS ボリューム上に格納されます。初期ルート ZFS ボリュームは Oracle VM Server for SPARC イメージを格納し、各 VM は、このイメージ用に作成される基本 ZFS ボリュームのクローンです。
デフォルト値は true です。
dlm_nfs_mountpoint=mount-point は、ローカルマウントポイントを指定します。デフォルトのマウントポイントは /mnt/dlm で、そのまま使用するべきです。
dlm_nfs_server=IP-address は、delegation=off が指定された NFSv4 サーバーに IP アドレスを指定します。分散ロック管理 (DLM) と、Nova 退避機能と再構築機能を有効にするには、このプロパティーを設定する必要があります。このプロパティーが設定されていないか、値なしに設定されている場合、DLM は無効にされ、Nova 退避は失敗します。
dlm_nfs_share=/export/dlm は、DLM のための NFSv4 サーバー上の NFSv4 共有を指定します。共有では少なくとも 1G バイトのディスク容量が必要で、確実にアクセス可能である必要があります。このサーバーが 10 分間アクセス不能な場合、共有にアクセスできないコンピュートノードではパニックが発生します。
dlm_port=port-number は、DLM がほかのノードと通信するために使用するポートを指定します。デフォルト値は 4999 で、このポートがすでに使用されている場合を除きそのままにするべきです。
force_volume_build=true | false は、通常はローカルストレージ (仮想ディスクファイルまたは ZFS ボリューム) を使用するイメージからブートを使用する VM をクラウドユーザーが要求した場合でも、ローカルストレージの代わりに Cinder ボリュームを強制的に使用するかどうかを指定します。この値が true の場合、Cinder ボリュームを使用してイメージからブートのインスタンスを作成する Oracle Solaris OS の動作を模倣します。この値が false の場合、Nova 管理対象ローカルストレージを使用する OpenStack の動作を模倣します。デフォルト値は false です。
configure_all_routes=true | false は、すべてのデフォルトルートを構成するかどうかを指定します。true に設定すると、VM ごとに複数のネットワークがユーザーの環境にあり、複数のネットワークにデフォルトルートがある場合に、すべてのデフォルトルートが構成されます。
false に設定すると、VM は、この VM 上でデフォルトルートを使用して構成された最初のネットワークからのデフォルトルートのみを使用します。デフォルト値は false です。
min_free_space_pct=percentage は、論理ファイルベースのストレージを使用する場合に、新しいインスタンスを作成するためには空いている必要がある領域の最小の割合を指定します。新しい VM イメージを作成すると指定された割合よりも残りが少なくなる場合、作成は失敗します。有効な値は、0 から 100 までです。デフォルト値は 10 パーセントです。
permit_root_logins=true | false は、root ユーザーによる直接 SSH ログインを許可するかどうかを指定します。デフォルト値は false です。
set_admin_passwd_on_guest=true | false は、ゲストドメインで管理ユーザーのパスワードを設定するかどうかを指定します。この値を true に設定し、Horizon を使用してパスワードを使用せずに VM を作成する場合、OpenStack は、パスワードをユーザーに通知せずに VM のパスワードを生成します。そのため、デフォルト値は false です。
vds_name=primary-vds0 は、制御ドメイン内の Oracle VM Server for SPARC 仮想ディスクサーバーを指定します。デフォルト値は primary-vds0 です。
zvol_base=rpool/vm_disks は、Oracle VM Server for SPARC ZFS ボリュームを格納する ZFS データセットの場所を指定します。このプロパティーは create_zvols=true の場合にのみ適用されます。