BEA AquaLogic™ Service Bus ドキュメントを含む、BEA の全製品のマニュアルは、BEA Products のドキュメント Web サイトで利用できます。
BEA AquaLogic Service Bus について
BEA AquaLogic Service Bus は、異なるサービス間の対話を接続、管理、および中継するエンタープライズ クラスのサービス バスです。AquaLogic Service Bus を使用すると、サービスのコンフィグレーション、統合、およびデプロイメントを迅速に行うことができ、SOA における共有サービスの管理を簡略化することができます。
AquaLogic Service Bus はポリシー駆動で、サービス クライアント (サービス コンシューマ) とビジネス サービス (サービス プロバイダ) の間の疎結合を可能にします。また、セキュリティ制御、モニタ、サービス レベル アグリーメント (SLA) の適用を 1 か所で行うことができます。サービス統合の関係を変更すると、コードではなくコンフィグレーションを通じて動的に実装されるため、セキュリティ、サービスの場所、可用性、データ フォーマット、モニタ、転送、通信などに関するサービス アーキテクチャを進化させたり、カスタマイズすることができます。
AquaLogic Service Bus は、会社のメッセージング構成の一部として、多数のアプリケーションおよびシステムで共用でき、場合によっては (異なるチームによって構築された) サービス実装を異なる部署にまたがって適用することも可能です。AquaLogic Service Bus では、管理機能とサービス実装が分離されているため、ビジネスの要求に応じて実装だけを動的に進化させることができ、コストのかかるインフラストラクチャの開発作業は不要です。
『AquaLogic Service Bus ユーザーズ ガイド』の「AquaLogic Service Bus でのメッセージ フローの作成」にある「XQuery を使用したデータベースへのアクセス」を参照してください。
AquaLogic Data Services Platform のネイティブ転送
AquaLogic Service Bus 2.6 では、ネイティブ Data Services Platform (DSP) 転送を使用して AquaLogic Data Services Platform Data のサービスを呼び出すための一方向または双方向の通信を最適化できます。これにより、WebLogic Workshop および Java Web Services (JWS) を使用して Web サービスとしてエクスポーズするよりもデータ サービスへのアクセスが効率的かつ柔軟になり、セキュリティや ID の伝播もサポートされます。
AquaLogic Service Bus のクライアントの ID を認証するには、基本認証、クライアント証明書 (双方向 SSL)、および Web サービス セキュリティという複数の方法があります。2.6 では、転送レベルとメッセージ レベルの着信要求に対するクライアント指定のカスタム認証がサポートされています。カスタム認証資格は、トークン形式またはユーザ名トークンとパスワード トークンの組み合わせで指定可能です。
2.6 では、AquaLogic Service Bus 内のサービス定義と UDDI 内のサービス定義の同期を (双方向で) 維持できます。
AquaLogic Service Bus でサービスを作成または変更した後、サービスを UDDI レジストリに自動的にパブリッシュできます。また、UDDI からビジネス サービスの定義をインポートできます。2.6 では、元のサービスが UDDI で変更された場合に AquaLogic Service Bus のビジネス サービスを自動更新する機能 (ユーザによる操作は不要) が追加されました。または、UDDI レジストリ内のサービスが変更されたときは同期するかどうかの承認をユーザに求めるように、AquaLogic Service Bus Console をコンフィグレーションすることもできます。
EJB 転送は、WebLogic Server JAX-RPC スタックを使用して、Java と XML のバインディングを実行します。JAX-RPC スタックは、XML Bean などの高度な Java オブジェクトをサポートする高性能のエンジンです。Java 型がスタックによって認識されない場合、これらの Java 型をサポートできるようにするための拡張メカニズム (コンバータ クラスを使用) が提供されます。AquaLogic Service Bus 2.6 では、EJB サービスに対するコンバータ クラスの使い方が簡単になりました。コンバータ クラスを含む JAR ファイルを AquaLogic Service Bus リソースとして登録し、その後これらのクラスを使用して、パラメータおよび戻り値の型を (XML にマップ可能な) Java クラスにマップできます。これまでのリリースでは、コンバータ クラスを EJB クライアント JAR (クライアント スタブを含む JAR) にパッケージ化する必要がありました。『AquaLogic Service Bus ユーザーズ ガイド』の「EJB 転送」を参照してください。
AquaLogic Service Bus 2.6 では、SOAP 1.2 Web サービスがサポートされるようになりました。これにより、SOAP 1.1 メッセージを受信し、SOAP 1.2 ビジネス サービスを呼び出すために必要になったときに、SOAP 1.2 メッセージに変換することができます。または、その逆の場合の変換もできます。次の表に、各種プラットフォームでの SOAP 1.1 サービスおよび SOAP 1.2 サービスのサポート状況を示します。
プラットフォーム
SOAP 1.1
SOAP 1.2
WebLogic Platform 8.1 SP4-SP6、9.0、9.1、9.2
IBM WebSphere MQ 6.0
X
Microsoft .NET 1.1
X
Microsoft .NET 2.0
Apache Axis 1.2.1
X
リソースのカスタマイズ
2.6 では、サービス定義、WSDL、スキーマ、XQuery などの設計時リソースをカスタマイズするための複数の API をエクスポーズするプログラミング インタフェースが提供されています。サポートされる API を使用して、リソースやフォルダおよびプロジェクトの移動、名前変更、クローン作成、または削除と、リソースを含む ZIP ファイルのロードを実行できます。一般的な使用例として、プロトタイプとなるプロキシ サービスから複数のコピーを作成し、各コピーをプログラムで変更するという用途があります。
デプロイメント API の詳細については、
『AquaLogic Service Bus デプロイメント ガイド』の「デプロイメント API の使用」を参照してください。
AquaLogic Service Bus 2.6 Console では、デプロイメントのカスタマイズ オプションが拡張されました。『AquaLogic Service Bus Console の使い方』の「システムの管理」にある「環境値の検索と置換」および「カスタマイズ ファイルの作成」を参照してください。
カスタム オペレーション コンソール
AquaLogic Service Bus Console では、オペレータ (IntegrationOperator) ロールのユーザが実行するタスクを支援するために対話機能が改善されました。これにより、操作関連の機能や設定をコンソールで簡単に操作できるようになりました。オペレータは、新しいスマート検索機能を使ってリソースを簡単に検索できます。また、SLA アラート、パイプライン アラート、ログ、レポートをモニタしたり、トレースやサービスを有効および無効にすることもできます。
2.6 では、メトリックの通知がコンソール上の場合と JMX モニタリング API を使用した場合とで区別されるようになったため、SLA アラートとパイプライン アラートとの識別が容易になりました。アラート (SLA およびパイプライン)、レポート、ログ記録を制御する新しいサービス レベルおよびグローバル フラグが導入されました。これにより、SLA アラートが無効なときでも、モニタを有効にすることができます。従来のリリースよりも多くの特権がオペレータ ロールの AquaLogic Service Bus ユーザに与えられ、操作設定の編集、新規 SLA アラート ルールの作成、およびアラート送り先リソースの作成および編集を行うことができるようになりました。
今回のリリースでは、サービス コールアウト機能が改善され、ルーティング機能およびパブリッシュ機能との連携強化により RPC エンコーディングや URL 置換などの機能がサポートされるようになりました。サービス コールアウト機能の詳細については、『AquaLogic Service Bus ユーザーズ ガイド』の「AquaLogic Service Bus でのメッセージ フローの作成」にある「サービス コールアウト メッセージの作成」を参照してください。AquaLogic Service Bus Console でサービス コールアウトなどのアクションをコンフィグレーションする方法については、『AquaLogic Service Bus Console の使い方』の「プロキシ サービス : アクション」を参照してください。
新しいクローン機能
2.6 の新機能により、AquaLogic Service Bus のリソース、プロジェクト、またはフォルダのクローンを作成できます。リソースのクローンを作成すると、指定したターゲット ID を使用してリソースのコピーが作成されます。プロジェクトまたはフォルダのクローンを作成すると、そのプロジェクトまたはフォルダのすべてのアーティファクトが別の場所にコピーされます。Javadoc の「コンフィグレーション MBean インタフェース」および『AquaLogic Service Bus Console の使い方』の「プロジェクト エクスプローラ」を参照してください。
SOAP、HTTP、JMS、SMTP/POP/IMAP、FTP、SSL、XML、XML スキーマ、WSDL、WSRP、WS-Security などのメッセージング標準への準拠のサポートに関する情報など、AquaLogic Service Bus 2.6 の相互運用性の詳細については、『AquaLogic Service Bus 相互運用性サポート一覧』を参照してください。
データ トランスフォーメーション ツール
AquaLogic Service Bus および Workshop for WebLogic をインストールすると、Eclipse 3.1 と Format Builder 用の BEA XQuery Mapper プラグイン (データ トランスフォーメーション ツール) がインストールされます。Eclipse 3.1 および Format Builder は、Windows プラットフォームでのみサポートされています。
確認済みの問題と解決された問題
以下の節では、AquaLogic Service Bus 2.6 の確認済みの問題と 2.6 で解決された問題について説明します。各エントリでは、問題の説明と適切な解決策が示されています。「修正」列に記載がある場合は、問題が解決されています。
EJB クライアント JAR または EJB コンバータ JAR の更新がデプロイ済みの EJB 転送ベースのビジネス サービスに反映されない
EJB クライアント JAR ファイルとコンバータ JAR ファイルを使用する EJB 転送ベースのビジネス サービスで、依存関係のあるこれらの JAR ファイルのいずれかを更新すると、AquaLogic Service Bus はビジネス サービスを再検証しますが、インタフェースが変更されていないため、エラーは発生しません。ところが、AquaLogic Service Bus は EJB 転送ベースのビジネス サービスを再デプロイしないため、以前のバージョンの JAR ファイルが実装されたままになります。更新された JAR ファイルを実装するには、EJB エンドポイントを再デプロイする必要があります。
解決策 : AquaLogic Service Bus Console でビジネス サービスを編集してから保存します。これにより、強制的に再デプロイされます。
AquaLogic Service Bus では、新しいバージョンで作成したサービスであっても、UDDI レジストリから正常にインポートされる。たとえば、2.6 で作成したサービスを UDDI にパブリッシュしてから 2.5 にインポートすることが可能
新しいバージョンでパブリッシュされたプロキシ サービスが古いバージョンにない新機能を使用していない限り、古いバージョンの AquaLogic Service Bus でそのサービスを問題なくインポートして呼び出すことができます。
ただし、新しいバージョンでパブリッシュされたプロキシ サービスが古いバージョンにない新機能を使用している場合は、古いバージョンの AquaLogic Service Bus でそのサービスを使用することはできません。たとえば、SOAP1.2 ベースのビジネス サービスをインポートすることは可能ですが、インポートしたサービスは動作しません。
また、AquaLogic Service Bus 2.5 は SOAP 1.2 バインディングを使用した WSDL を認識しますが、SOAP 1.2 は AquaLogic Service Bus 2.5 でサポートされていないため、2.5 コンフィグレーションではそのような WSDL は動作しません。
2.6
CR284546
Administration Server が 1 つ以上のサーバへの準備メッセージの送信に失敗した場合、Administration Server によって WebLogic Server がハングする場合がある
解決策 : この問題は、修正済みの競合状態です。
2.5
2.6
CR284347
JRockit JVM で AquaLogic Service Bus を実行している場合、パイプライン アラートが発生すると、OutOfMemory エラーが生じる場合がある
新しい AquaLogic Service Bus ドメインが既存のドメインと同じデータベース、スキーマ、および LLR テーブルを使用している場合、そのドメインを起動できず、weblogic.transaction.loggingresource.LoggingResourceException が生成される
SSL を使用するときに、AquaLogic Service Bus HTTP プロキシ サービスと Web サーバ WebLogic Server プラグインを使用する場合の問題
Web サーバのフロント エンドで HTTPS 要求 (HTTP over SSL) を受信し、その後 WebLogic Server Web サーバ プラグインによって、AquaLogic Service Bus HTTP プロキシ サービスが動作している AquaLogic Service Bus 管理対象サーバに要求を転送する場合を考えます。
SSL を使用せず、要求を HTTP 経由で転送するように Web サーバ プラグインをコンフィグレーションすることができます。ただし、AquaLogic Service Bus HTTP プロキシ サービスはこの要求を HTTPS 経由で送信されたものと解釈し、要求を拒否します。この場合、サーバ ログに次のようなエラーが示されます。
<Exception in HttpTransportServlet.service: javax.servlet.ServletException: Cannot process inbound request to endpoint ProxyService Project/folder/ProxyName over https
解決策 : プロキシ サービスを HTTPS 転送でコンフィグレーションします。メッセージが Web サーバから SSL 以外のポートで送信されても、AquaLogic Service Bus はそのメッセージを HTTPS プロトコルで送信されたものと認識し、HTTPS メッセージとして受信します。そのためには、このシナリオでは使用されませんが、AquaLogic Service Bus ドメインの SSL ポートを有効にする必要があります。
2.6
CR303445
AquaLogic Service Bus JMS サービス (プロキシおよびビジネス) には、JMS キューへのアクセスに SSL を使用するかどうかを制御する [SSL を使用] 属性がある
ただし、AquaLogic Service Bus 2.5 およびそれより前のバージョンでは、[SSL を使用] が指定されていても、JMS ビジネス サービスは発信応答の読み込み時に SSL を使用しませんでした。AquaLogic Service Bus 2.6 では、この点が修正されました。
詳細については、『WebLogic Web サービス プログラマーズ ガイド』の「セキュリティのコンフィグレーション」にある「メッセージレベルのセキュリティ (デジタル署名と暗号化) のコンフィグレーション」の節で「クライアント アプリケーションの更新によるメッセージ保護された Web サービスの呼び出し」を参照してください。
既存のアラート ルールと同じ ID のアラート ルールをインポートし、インポートしたアラート ルールが別のサービスと関連付けられていると、アラート ルールの動作が矛盾します。
解決策 : アラート ルール ID が同じだが異なるサービスに関連付けられているアラート ルールを含むコンフィグレーションは、インポートしないでください。
2.1
CR236033
Windows 2003 Server のデフォルトのブラウザ オプションによって、AquaLogic Service Bus Console の左側のナビゲーション ペインのリンクをクリックするとブラウザの JavaScript エラーが発生する
Windows 2003 Server では、[インターネット オプション] の [セキュリティの設定] がデフォルトで [高] に設定され、アクティブ スクリプトが無効になっています。これによって、AquaLogic Service Bus Console の左側のナビゲーション ペインのリンクをクリックするとブラウザ エラーが発生します。
解決策 : [インターネット オプション] の [セキュリティの設定] で [アクティブ スクリプト] の設定を [有効にする] に変更します。AquaLogic Service Bus のコンソール ページでは JavaScript を使用するため、ブラウザで JavaScript が有効になっていることを確認してください。
AquaLogic Service Bus リソースのアクセス制御ポリシー (転送レベルの HTTP または HTTPS プロキシ サービス アクセス制御ポリシーとプロキシ サービス ポリシー) を管理できるのは、WebLogic Server に組み込まれている Administrator ロールのユーザだけです。これらのポリシーをコンフィグレーションするには、WebLogic Server 管理者として AquaLogic Service Bus Console にログインし、[セキュリティ コンフィグレーション] モジュールの [アクセス制御] を選択します。
解決策 : Linux では、AquaLogic Service Bus をインストールする前に、X11 モジュールをインストールする必要があります。X11 ツールキットのインストールに必要なライブラリ、または Linux のネイティブ グラフィック ライブラリを分離します。この問題は、「DISPLAY」環境変数を正しく設定することによって解決できます。
2.0
BEA XQuery Mapper
問題 ID
説明
検出
修正
CR252944
ターゲットが非 XML の場合にネームスペース プレフィックスが生成されない
ターゲットが非 XML の場合、ターゲット ネームスペース プレフィックスが XQuery ソースに正常に生成されません。このため、テスト ビューで XQuery を実行するとこの問題が発生します。
結合リンクがあると、非 XML 要素の結果のデータが正しくありません。結合リンクを削除すると、結果のデータが正しく生成されます。
2.0
CR225715
MFL データのテストで未使用の XML ファイルは必須ではない
トランスフォーメーション ファイルに入力として XML スキーマと非 XML スキーマの両方が関連する場合、XML スキーマは出力ではマップされない場合でも、このようなトランスフォーメーションのテストを行うには、XML と MFL (非 XML 型) の両方のソース データが使用可能であることが必要です。ただし、これは XML のみのトランスフォーメーションの場合はあてはまりません。