コンフィグレーション ウィザードの使い方
新規 WebLogic ドメインの作成
WebLogic Platform アプリケーションを開発して実行するには、WebLogic Server ドメインを作成しておく必要があります。コンフィグレーション ウィザードの指示に従うと、コンフィグレーション テンプレートを使用して新しいドメインを作成できます。テンプレートは、ドメインの作成や更新に必要なファイルおよびスクリプトが格納された JAR (Java Archive) ファイルです。
コンフィグレーション テンプレートでは、インフラストラクチャ コンポーネント、アプリケーション、サービス、セキュリティ オプション、一般環境およびオペレーティング システムのオプションなど、ドメイン内のリソース一式が定義されます。BEA では、次の URL の「テンプレート リファレンス」で説明している定義済みのコンフィグレーション テンプレートを用意しています。
http://edocs.beasys.co.jp/e-docs/platform/docs81/confgwiz/tempref.html
コンフィグレーション ウィザードによるドメインの作成の概要
コンフィグレーション ウィザードには、新しいドメインを作成する際に [エクスプレス] と [カスタム] という 2 つのオプションがあります。[エクスプレス] オプションを使用すると、選択したコンフィグレーション テンプレートで定義されているデフォルトの設定を使用して、ドメインをすばやく簡単に作成できます。[カスタム] オプションを使用すると、コンフィグレーションの要件に合わせてコンフィグレーション テンプレートの設定を変更できます。
[エクスプレス] オプションを使用した新しいドメインの作成
表 5-1 では、コンフィグレーション ウィザードの [エクスプレス] オプションを使用して新しいドメインを作成する手順を簡単に説明します。
[カスタム] オプションを使用した新しいドメインの作成
カスタム オプションを使用すると、要件に合わせてコンフィグレーション情報を変更できます。表 5-2 は、カスタム コンフィグレーション オプションを使用してドメインを作成する手順の概要を示しています。
関連トピック
コンフィグレーション ウィザードによるドメインの作成と拡張
ドメインの簡単な概要
チュートリアル : 初めてのドメイン作成
チュートリアル : 管理対象サーバ、クラスタ、およびアプリケーション サービスを含むカスタム ドメインの作成
『WebLogic Server のコンフィグレーションと管理』の「WebLogic Server ドメインの概要」(http://edocs.beasys.co.jp/e-docs/wls/docs81/adminguide/overview_domain.html)
コンフィグレーションの作成または拡張
[コンフィグレーションの作成または拡張] ウィンドウでは、新しいドメイン コンフィグレーションを作成するか、アプリケーションやサービスを追加して既存のドメイン コンフィグレーションを拡張するかを選択するように求められます。
選択するオプション
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作業内容
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新しい WebLogic コンフィグレーションの作成
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要件に合わせてコンフィグレーションされた新しいドメインを作成する。まず、ドメインの基礎となるコンフィグレーション テンプレートを選択する。その後、必要に応じて設定を変更する。
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既存の WebLogic コンフィグレーションの拡張
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既存のドメイン コンフィグレーションにアプリケーションやサービスを追加する。まず、更新するドメインのディレクトリを選択し、アプリケーションの追加に使用する拡張テンプレートを指定する。その後、データベース (JDBC) およびメッセージ (JMS) サービスをコンフィグレーションすることもできる。詳細については、「ドメインの拡張」を参照。
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関連トピック
ドメインの簡単な概要
コンフィグレーション ウィザードによるドメインの作成の概要
コンフィグレーション テンプレートの選択
テンプレートは、ドメインの作成や更新に必要なファイルおよびスクリプトが格納された JAR (Java Archive) ファイルです。コンフィグレーション テンプレートでは、インフラストラクチャ コンポーネント、アプリケーション、サービス、セキュリティ機能、一般環境およびオペレーティング システムの設定など、ドメイン内のリソース一式が定義されます。
[コンフィグレーション テンプレートの選択] ウィンドウでは、ドメインの作成およびコンフィグレーションに使用するコンフィグレーション テンプレートを選択するように求められます。ドメインの要件に最も適したコンフィグレーション テンプレートを使用することが重要です。インストールした製品には、定義済みのコンフィグレーション テンプレートが付属しています。これらのテンプレートについては、次の URL の「テンプレート リファレンス」を参照してください。
http://edocs.beasys.co.jp/e-docs/platform/docs81/confgwiz/tempref.html
テンプレートの説明を参照して、要件に合ったテンプレートがあるかどうかを確認してください。また、カスタム コンフィグレーション テンプレートを定義することもできます。詳細については、「WebLogic Configuration Template Builder によるコンフィグレーション テンプレートの作成」を参照してください。
注意 : Basic WebLogic Integration Domain、Basic WebLogic Platform Domain、および Basic WebLogic Portal Domain コンフィグレーション テンプレートは、初期の製品リリース以降変更されています。このため、コンフィグレーション ウィザードを使用してドメインを作成した場合は、現在のインストールで提供されたコンフィグレーション テンプレート、ドメインから作成されたカスタム テンプレート、または現在のインストールのテンプレートを使用する必要があります。現在のサービス パックよりも以前のサービス パックで提供されたコンフィグレーション テンプレートを使用して作成されたドメインをアップグレードしてください。ドメインのアップグレード方法の詳細については、『WebLogic Platform 8.1 へのアップグレード』(http://edocs.beasys.co.jp/e-docs/platform/docs81/upgrade/index.html) を参照してください。
コンフィグレーション テンプレートを選択するには
[テンプレート] ペインに表示されるテンプレートのリストを確認します。選択用として表示されたテンプレートは、[追加テンプレートの場所] フィールドに指定されているディレクトリにあります。別のディレクトリを選択する必要がある場合は、以下の手順に従います。
[参照] をクリックして、[テンプレート ディレクトリを選択] ダイアログ ボックスを呼び出します。
このダイアログ ボックスで適切なディレクトリに移動するか、そのディレクトリのパス名を [場所] フィールドに手動で入力します。
[OK] をクリックし、[コンフィグレーション テンプレートの選択] ウィンドウに戻ります。
選択したディレクトリにあるコンフィグレーション テンプレートのリストが [テンプレート] ペインに表示されます。テンプレートはカテゴリによってまとめられています。たとえば、インストールした WebLogic Platform 製品に付属している定義済みのコンフィグレーション テンプレートは、BEA
という見出しでまとめられます。
ドメインの基礎として使用する設定が格納されたコンフィグレーション テンプレートを選択します。
[次へ] をクリックして、次のコンフィグレーション ウィンドウに進みます。
[エクスプレス] または [カスタム] コンフィグレーションの選択
[エクスプレスまたはカスタム コンフィグレーションの選択] ウィンドウでは、[エクスプレス] と [カスタム] の 2 種類のコンフィグレーションのいずれかを選択するように求められます。
選択するオプション
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作業内容
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エクスプレス
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選択したコンフィグレーション テンプレートのデフォルトの設定を使用して、ドメインをすばやく作成する。このモードでは、テンプレートの設定 (サーバのポート番号など) を変更することはできない。
このオプションを選択した場合の、ユーザ名とパスワードの作成、コンフィグレーション環境の指定、およびその後のドメインの作成については、以下の節を参照。
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カスタム
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対象の環境に合わせてカスタマイズされたドメインを作成する。このモードでは、必要に応じて、選択したコンフィグレーション テンプレートのデフォルトの設定を変更できる。カスタム コンフィグレーションを作成する手順の概要については、「コンフィグレーション ウィザードによるドメインの作成の概要」を参照。
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関連トピック
[エクスプレス] オプションを使用した新しいドメインの作成
[カスタム] オプションを使用した新しいドメインの作成
チュートリアル : 初めてのドメイン作成
管理サーバの指定
[管理サーバを選択] ウィンドウでは、サーバを管理サーバとして指定するように求められます。このウィンドウは、選択したテンプレートにクラスタに割り当てられていないサーバが複数ある場合にのみ自動的に表示されます。
管理サーバを選択するには
[利用できるサーバ] のリストから、管理サーバとして指定するサーバを選択します。管理サーバは、1 つのクラスタにしか割り当てることができません。
[サーバの詳細] 領域に、選択したサーバの詳細情報が表示されます。デフォルトでは、現在割り当てられている管理サーバが選択されます。
[次へ] をクリックして、次のコンフィグレーション ウィンドウに進みます。
[管理サーバのコンフィグレーション] および [管理対象サーバのコンフィグレーション] ウィンドウが、変更内容に合わせて更新されます。
管理サーバのコンフィグレーション
すべてのドメインで、1 つのサーバを管理サーバ、すなわちドメイン全体を管理する中枢として指定する必要があります。[管理サーバのコンフィグレーション] ウィンドウでは、管理サーバのコンフィグレーション情報を定義するように求められます (詳細については、「ドメインの簡単な概要」を参照してください)。この情報は、ドメインの管理サーバへのアクセスに使用されます。
サーバへのアクセスには、protocol://listen-address:listen-port
という形式の URL が使用されます。
この URL では、protocol
は以下のいずれかです。
listen-address
と listen-port
は、[管理サーバのコンフィグレーション] ウィンドウで定義します。
管理サーバをコンフィグレーションするには
次の表に記載されているガイドラインに従って、ウィンドウに表示されている値を確認し、必要に応じて変更します (アスタリスク付きのフィールドは必須フィールドです)。設定の更新が完了したら、[次へ] をクリックします。
フィールド名
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作業内容
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Name*
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有効なサーバ名 (文字列) を入力する。スペースも使用可。
WebLogic Platform 環境の各サーバ インスタンスの名前は、そのサーバ インスタンスがあるドメインやクラスタ、またはそれが管理サーバであるか管理対象サーバであるかに関係なく、ユニークでなければならない。また、管理サーバの名前は、ドメイン内のすべてのコンフィグレーション コンポーネント名でユニークでなければならない。
注意 : この値は識別のためだけに指定され、サーバにデプロイされるアプリケーションの URL の一部としては使用されない。このサーバ名は、WebLogic Server Administration Console に表示される。また、WebLogic Server のコマンドライン ユーティリティや API を使用する場合は、サーバを識別するためにこの名前を指定する必要がある。
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Listen address (省略可能)
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ドロップダウン リストから、リスン アドレスの値を選択する。リスン アドレスの有効な値は以下のとおり。
サーバ インスタンスのリスン アドレスを [localhost ] として指定した場合、非ローカル プロセスはそのサーバ インスタンスに接続できない。このサーバ インスタンスに接続できるのは、このサーバ インスタンスをホストするマシンのプロセスのみである。サーバ インスタンスが localhost としてアクセス可能でなければならず (localhost に接続する管理スクリプトを作成した場合など)、リモート プロセスからもアクセス可能でなければならない場合は、[All Local Addresses ] を選択する。サーバ インスタンスがマシンのアドレスを確認し、リスンする。
リスン アドレスの詳細については、「リスン アドレスの指定」を参照。
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Listen port (省略可能)
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HTTP や T3 などのプロトコルを介したセキュリティで保護されていない通常のリクエストに使用されるリスン ポートの有効な値を入力する。デフォルト値は 7001。このフィールドを空白のままにすると、デフォルト値が使用される。
有効な値は、1 ~ 65535 までの任意のポート番号。
詳細については、「リスン ポートの指定」を参照。
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SSL listen port (省略可能)
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HTTPS や T3S などのプロトコルを介したセキュリティで保護されたリクエストに使用される有効な値を入力する。デフォルト値は 7002。このフィールドを空白のままにすると、デフォルト値が使用される。
有効な値は、1 ~ 65535 までの任意のポート番号。
注意 : デフォルトでは、サーバ インスタンスではデモ用の証明書を使用して、セキュア ポートからのリクエストが認証される。プロダクション環境では、認証局からの証明書を使用するように SSL をコンフィグレーションする必要がある。詳細については、『WebLogic Security の管理』の「SSL のコンフィグレーション」(http://edocs.beasys.co.jp/e-docs/wls/docs81/secmanage/ssl.html) を参照。
詳細については、「リスン ポートの指定」を参照。
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SSL enabled (省略可能)
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SSL リスン ポートを有効にする場合は、このフィールドのチェック ボックスをチェックする。デフォルトでは、新しいサーバすべてについて SSL は無効になっている。
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リスン アドレスの指定
サーバの有効なリスン アドレスを制限する場合、次の表に記載されているガイドラインに従ってリスン アドレスを指定します。
リスン アドレスの設定
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動作
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All Local Addresses または DNS 名
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マルチホームの Windows マシンでは、サーバ インスタンスが使用可能なすべての IP アドレスにバインドする。
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IP アドレスまたは DNS 名
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注意 : DNS 名を IP アドレスに解決するには、WebLogic Server が、適切な DNS サーバに問い合わせるか、IP アドレスのマッピングをローカルに入手できる必要がある。このため、リスン アドレスに DNS 名を指定した場合は、WebLogic Server インスタンスが DNS サーバに接続してそのマッピングをキャッシュする間ポートを開いておくか、ローカル ファイルに IP アドレスのマッピングを指定する必要がある。リスン アドレスに IP アドレスを指定した場合に、クライアント要求で DNS 名が指定されると、WebLogic Server は DNS 名を解決しようとするが、DNS 名のマッピングにアクセスできず、要求は失敗する。
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localhost
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リスン ポートの指定
リスン ポートおよびセキュア リスン ポートを指定する際には、以下のガイドラインを参照してください。
有効なポート番号を任意に指定できるが、ポート 80 を指定すれば、HTTP を介したリソースへのアクセスに使用される HTTP リクエストからポート番号を省略できる。たとえば、リスン ポートとしてポート 80 を定義すると、http://
hostname
:
portnumber
/myfile.html
という URL の代わりに、http://
hostname
/myfile.html
を使用できます。
一部のオペレーティング システムでは、権限があるユーザまたはグループ ID で実行されるプロセスしかポート 80 にアクセスできない。この場合、Post-Bind UID または GID が定義されている UNIX マシンにサーバ インスタンスを割り当てることができます。
開発環境では、WebLogic Server の複数のインスタンスを 1 台のコンピュータで実行できる。そのためには、リスン ポートとリスン アドレスのユニークな組み合わせが各インスタンスに使用されていなければなりません。マルチホーム コンピュータでは、同じリスン ポートを使用できますが、リスン アドレスとしてユニークな IP アドレスを使用するように各サーバをコンフィグレーションする必要があります。コンピュータで複数の IP アドレスがサポートされていない場合は、アクティブなインスタンスごとに異なるリスン ポートを使用してください。
新しいドメインの作成時における管理対象サーバ、クラスタ、およびマシンのコンフィグレーション
ドメインの最小要件は、1 台のマシンに 1 つの管理サーバがインストールされていることです。一方、管理サーバで管理する他のリソースをコンフィグレーションし、複数のマシンに分散することもできます。具体的には、以下の操作を実行できます。
管理対象サーバの追加、変更、または削除
クラスタの追加、変更、または削除
クラスタへの管理対象サーバのグループ化、または現在のグループ分けの変更
マシンへのサーバの割り当て、または現在の割り当ての変更
[管理対象サーバ、クラスタ、およびマシン オプション] ウィンドウでは、WebLogic コンフィグレーションを管理対象サーバ、クラスタ、および物理的なマシンに分散するかどうかを指定するように求められます。詳細については、「管理対象サーバ、クラスタ、およびマシンのコンフィグレーション」を参照してください。
新しいドメインの作成時における JDBC のコンフィグレーション
WebLogic JDBC を使用すると、Java プログラマは、Oracle、Microsoft SQL Server、Sybase などの一般的なデータベース管理システム (DBMS) と対話できます。コンフィグレーション ウィザードでは、以下の WebLogic JDBC コンポーネントを定義することにより、ドメインのデータベース サービスをコンフィグレーションできます。
接続プール - すぐに使用できる、DBMS への接続のグループ
マルチプール - 接続プールのグループ
データ ソース - アプリケーションと接続プール間のインタフェース
通常、WebLogic Server アプリケーションにはデータベース アクセスが必要なので、コンフィグレーション ウィザードで使用するために作成されたほとんどのテンプレートには JDBC コンフィグレーション情報が格納されています。コンフィグレーション ウィザードを使用すると、これらの設定をそのまま使用することも、変更することも、また JDBC コンフィグレーション情報を追加することもできます。詳細については、「データベース サービスのコンフィグレーション」を参照してください。
新しいドメインの作成時における JMS のコンフィグレーション
WebLogic JMS を使用すると、アプリケーション相互の通信を可能にするエンタープライズ メッセージング システムにアクセスできます。WebLogic JMS の機能について知るには、次の URL にある『WebLogic JMS プログラマーズ ガイド』を参照してください。
http://edocs.beasys.co.jp/e-docs/wls/docs81/jms/index.html
コンフィグレーション ウィザードでは、ドメインの JMS メッセージング サービスを設定できます。メッセージング サービスを設定するには、以下のコンポーネントを定義します。
接続ファクトリ - JMS アプリケーションで接続を作成できるようにする、カプセル化された接続コンフィグレーション情報。
ファイルおよび JDBC ストア - ディスクベースのファイル ストアと JDBC 対応データベース ストア。それぞれ永続メッセージの格納に使用。
送り先キーおよび JMS テンプレート - 送り先に着信するメッセージのソート順序を定義するキーと、同様の属性設定を持つ複数の送り先を定義するテンプレート。
JMS サーバ - クライアントに代わって接続要求とメッセージ要求を管理するサーバ。
送り先 - JMS サーバの送り先および分散送り先として機能する、キュー (ポイントツーポイント モデル) またはトピック (パブリッシュ/サブスクライブ モデル)。
WebLogic Server アプリケーションには JMS が必要な場合が多いので、通常、コンフィグレーション ウィザードで使用するために作成されたテンプレートには JMS コンフィグレーション情報が格納されています。コンフィグレーション ウィザードを使用すると、これらの設定をそのまま使用することも、JMS コンフィグレーション情報を変更したり追加したりすることもできます。詳細については、「Java Messaging Service のコンフィグレーション」を参照してください。
新しいドメインの作成時における対象サーバおよびクラスタの指定
複数のサーバまたはクラスタに分散するドメインをコンフィグレーションした場合、Web アプリケーションなどのアプリケーションや、JMS および JDBC コンポーネント サービスなどのサービスをデプロイするサーバおよびクラスタを対象として指定することをお勧めします。通常、テンプレートで指定されているアプリケーションは、該当するサーバにデプロイされます。コンフィグレーション ウィザードを使用すると、これらの設定をそのまま使用することも、対象に関する情報を変更したり追加したりすることもできます。詳細については、「対象のコンフィグレーション」を参照してください。
新しいドメインの作成時におけるセキュリティのコンフィグレーション
最初の起動時におけるドメインのセキュリティを確保するために、コンフィグレーション ウィザードには基本的なセキュリティ機能が備わっています。ドメインを作成する際には必ず、[エクスプレス] と [カスタム] のどちらのオプションを使用するかに関係なく、管理ユーザ名とパスワードを定義するように求められます (「管理ユーザ名とパスワードのコンフィグレーション」を参照してください)。
コンフィグレーションをカスタマイズする場合は、そのほかに以下の 2 つのセキュリティ メカニズムを設定することでセキュリティを強化できます。
ユーザおよびグループ
グローバル セキュリティ ロール
新しいドメインの作成時における基本的なセキュリティのコンフィグレーションについては、「セキュリティのコンフィグレーション」を参照してください。
Windows オプションのコンフィグレーション
[Windows オプションのコンフィグレーション] ウィンドウでは、Windows プラットフォームに関するオペレーティング システムのコンフィグレーション情報を定義するように求められます。このウィンドウは、Windows プラットフォームで作業している場合にのみ表示されます。
Windows オプションをコンフィグレーションするには
次の表の定義に従って、オプションを指定します。[次へ] をクリックします。
手順
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作業内容
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[スタート] メニューの作成
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Windows の [スタート] メニューにドメインのショートカットを作成するかどうかを指定する。[はい] (デフォルト) を選択すると、次のウィンドウで、[スタート] メニューのエントリを定義するように求められる。
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管理サーバを Windows サービスとしてインストール
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管理サーバを Windows サービスとしてインストールするかどうかを指定する。サーバを Windows サービスとしてインストールすると、Windows システムを起動するたびにサーバが自動的に起動する。サーバを Windows サービスとしてインストールするには、管理者特権が必要である。
管理サーバと管理対象サーバで構成されるドメインを作成する場合、Windows サービスは管理サーバのみに作成される。また、サーバ固有のスクリプトも作成される。このスクリプトを使用または変更して、他のサーバを Windows サービスとしてインストールできる。このスクリプトには、domain-name ¥installService.cmd という名前が付けられる。domain-name は、作成したドメインの名前。
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関連トピック
『WebLogic Server のコンフィグレーションと管理』の「WebLogic Server インスタンスの Windows サービスとしての設定」(http://edocs.beasys.co.jp/e-docs/wls/docs81/adminguide/winservice.html)
[スタート] メニュー エントリの構築
[スタート メニュー エントリの構築] ウィンドウでは、Windows の [スタート] メニューのエントリを作成するように求められます。このウィンドウは、以下の場合にのみコンフィグレーション ウィザードに表示されます。
Windows プラットフォームで作業している場合
[Windows オプションのコンフィグレーション] ウィンドウで [[スタート] メニューの作成] オプションを [はい] に設定した場合
[スタート] メニュー エントリを構築するには
[スタート] メニュー エントリの現在のリストを確認します。以下の表に記載されたガイドラインに従って、コンフィグレーションに必要なエントリの追加、変更、または削除を行います。エントリを削除するには、[スタート] メニュー エントリのタブを選択し、[削除] をクリックします。設定の更新が完了したら、[次へ] をクリックします。
フィールド名
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作業内容
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ショートカット リンク名
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[スタート] メニューに表示するショートカットの名前を入力する。名前には、スペースを含む任意の文字列を指定できる。
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プログラム
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ショートカットの選択時に実行されるプログラムの名前を指定する。次のいずれかを実行する。
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引数
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ショートカットのプログラムに渡すパラメータを入力する。
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作業ディレクトリ
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ショートカットが実行されるディレクトリのパス名を入力する。または、[参照] をクリックし、ローカルのインストール ディレクトリ内を移動して該当するディレクトリを探し、選択する。存在するパス名を指定する必要がある。
[プログラム] フィールドで、コンフィグレーション テンプレートで定義されているプログラムをドロップダウン リストから選択した場合は、このフィールドに入力できない。この場合、プログラム スクリプトはドメインのルート ディレクトリで実行される。
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説明
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ショートカットの説明を入力する。
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サーバの起動モードおよび Java SDK の指定
[サーバの起動モードおよび Java SDK のコンフィグレーション] ウィンドウでは、以下を指定するように求められます。
起動モードの選択
次の表の説明に従って、ドメインの起動モードを指定します。
選択するモード
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条件
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開発
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アプリケーションを作成する場合。このモードではセキュリティのコンフィグレーションがかなり緩和されるので、アプリケーションを自動デプロイできる。
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プロダクション
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アプリケーションを最終的な形で実行する場合。このモードではセキュリティが完全にコンフィグレーションされ、クラスタなどの高度な機能を使用できる。このモードでアプリケーションを自動デプロイするには、domain ディレクトリに展開されたディレクトリ構造またはアーカイブ ファイルを格納しておく必要がある。
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注意 : WebLogic Platform 配布キットに含まれる PointBase Server は、評価目的でのみ提供されています。PointBase Server を評価以外の開発または他の目的で使用する場合は、エンド ユーザが直接 DataMirror から個別の PointBase Server ライセンスを入手する必要があります。DataMirror への連絡の詳細については、http://www.pointbase.com/ を参照してください。プラットフォームでサポートされているデータベースおよび関連する制約や制限の詳細については、http://edocs.beasys.co.jp/e-docs/platform/suppconfigs/configs81/81_over/supported_db.html にある『WebLogic Platform 8.1 でサポート対象のコンフィグレーション』の「サポート対象のデータベース コンフィグレーション」を参照してください。
アプリケーションを自動的にデプロイすると、サーバによって各アプリケーションまたはモジュールのエントリがドメインの config.xml
ファイルに自動的に追加されます。そのため、config.xml
ファイルを手動で編集する必要はありません。
開発モードとプロダクション モードの選択の詳細については、「コンフィグレーションの起動モードの相違点」を参照してください。
ドメインの SDK の選択
[Java SDK の選択] ペインでは、[WebLogic コンフィグレーション スタートアップ モード] ペインで選択した起動モードに対応する Java SDK を選択するように求められます。コンフィグレーション ウィザードには、BEA によって提供され、製品と共にインストールされる SDK のリストが表示されます。以下のような SDK があります。
Sun SDK
Sun Microsystems 社によって提供されています。
BEA WebLogic JRockit SDK
Java アプリケーションの信頼性、スケーラビリティ、操作性、および柔軟性を確保するために、サーバサイド アプリケーション向けに独自に開発され、Intel アーキテクチャ用に最適化された初めてのサーバサイドの商用 SDK です。
BEA によって提供されている SDK のいずれか、またはシステムにインストールされている別の SDK を選択できます。コンフィグレーション ウィザードでは、各自で選択した Java SDK を起動するサーバ起動スクリプトが作成されます。
使用するプラットフォームでサポートされている Java SDK のみを選択してください。特定のプラットフォームでサポートされている Java SDK のリストについては、「WebLogic Platform 8.1 でサポート対象のコンフィグレーション」を参照してください。デフォルトでは、ドメインをインストールしたプラットフォームに基づいて、各自の環境の要件に最も適した Java SDK が選択されます。
注意 : WebLogic JRockit SDK をプロダクション モードで使用する場合、プロジェクト サイクルの初期に WebLogic JRockit を使用してアプリケーションの開発とテストを行うことをお勧めします。WebLogic JRockit へのアプリケーションの移行については、http://edocs.beasys.co.jp/e-docs/wljrockit/docs142/devapp/migrate.html にある「アプリケーションの開発」の「WebLogic JRockit への移行」を参照してください。
Java SDK を選択するには
BEA によって提供されている Java SDK を使用するには、[BEA 提供の SDK] を選択した後、リストから SDK を選択する。
製品と共にインストールされない Java SDK を使用するには、[他の Java SDK] を選択した後、[参照] をクリックして、該当するディレクトリに移動する。
注意 : コンフィグレーション ウィザードでは、このタイプの SDK を使用するように起動スクリプトがコンフィグレーションされません。起動スクリプトを手動で変更する必要があります。
[次へ] をクリックして、次のコンフィグレーション ウィンドウに進みます。
コンフィグレーションの起動モードの相違点
次の表では、主な機能に関する開発モードとプロダクション モードとの相違点を説明します。
表 5-3 開発モードとプロダクション モードとの相違点
機能
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開発モード
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プロダクション モード
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SSL
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WebLogic Server のセキュリティ サービスによって提供されるデモ用のデジタル証明書を使用できる。これらの証明書を使用すると、SSL で保護された環境内で動作するアプリケーションを設計できる。
セキュリティ管理の詳細については、次の URL にある『WebLogic Security の管理』の「SSL のコンフィグレーション」を参照。
http://edocs.beasys.co.jp/e-docs/wls/docs81/ secmanage/ssl.html
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デモ用のデジタル証明書を使用すると、警告メッセージが表示される。
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アプリケーションのデプロイメント
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WebLogic Server インスタンスは、domain_name /applications ディレクトリ (domain_name はドメインの名前) にあるアプリケーションを自動的にデプロイし、更新できる。
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自動デプロイメント機能は使用できないので、WebLogic Server Administration Console または weblogic.Deployer ツールを使用する必要がある。詳細については、次の URL にある『WebLogic Server アプリケーションのデプロイメント』を参照。
http://edocs.beasys.co.jp/e-docs/wls/ docs81/deployment/index.html
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ログ ファイルのローテーション
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サーバを起動すると、サーバによって、そのローカル サーバ ログ ファイルの名前が自動的に server-name .log. n に変更 (ローテーション) される。サーバ セッション中に、ファイルのサイズが 500 KB に達すると、サーバによってそのローカル ログ ファイルがローテーションされる。
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ファイルのサイズが 500 KB に達すると、サーバによってそのローカル ログ ファイルがローテーションされる。
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実行キュー
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実行キューに使用可能なデフォルトのスレッド数は 15。
スレッド数によって、指定された実行キューを使用するアプリケーションで実行可能な同時処理の数が決まる。
デフォルトでは、すべてのアプリケーションで default という名前の実行キューが使用される。他のキューを作成して、アプリケーションが使用するリソースをより詳細に制御できる。
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実行キューに使用可能なデフォルトのスレッド数は 25。
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JDBC 接続プールの容量
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デフォルトの容量は 15 接続。
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デフォルトの容量は 25 接続。
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関連トピック
ドメインを作成した後の実行時モードの変更については、Administration Console オンライン ヘルプの「実行時モードの変更」(http://edocs.beasys.co.jp/e-docs/wls/docs81/ConsoleHelp/servers.html#ChangingRuntimeMode) を参照してください。
WebLogic コンフィグレーションの作成
[WebLogic コンフィグレーションの作成] ウィンドウでは、コンフィグレーションの詳細を確認し、ドメインの名前とパス名を指定して、作成を開始するように求められます。
WebLogic コンフィグレーションを作成するには
[コンフィグレーションのサマリ] および [コンフィグレーション詳細] 領域でコンフィグレーションの詳細について確認します。情報の変更が必要な場合は、[前へ] をクリックし、変更するコンフィグレーション ウィンドウに戻ります。
必要なコンフィグレーション ディレクトリの名前が [コンフィグレーションの場所およびドメイン名] フィールドに表示されていることを確認します。このフィールド値の変更が必要な場合は、以下の手順に従います。
[参照] をクリックして、[WebLogic コンフィグレーション ディレクトリの選択] ダイアログ ボックスを呼び出します。
このダイアログ ボックスで適切なディレクトリに移動するか、そのディレクトリのパス名を [場所] フィールドに手動で入力します。[OK] をクリックします。
コンフィグレーション ディレクトリは、システム上の任意の場所に配置できます。デフォルトでは、BEA_HOME
\user_projects\domains\
domain
にあります。BEA_HOME
は製品がインストールされているディレクトリ、domain
は選択したコンフィグレーション テンプレートで定義されているドメイン ディレクトリの名前です。
必要なドメインの名前が [コンフィグレーション名] フィールドに表示されていることを確認します。[コンフィグレーション名] フィールドの値を変更する必要がある場合は、フィールド内でクリックし、そこに表示されている文字列を変更します。
注意 : weblogic
という名前のドメインは作成しないでください。この名前は WebLogic Server の内部使用のために予約されています。
ウィンドウに表示された情報を確認したら、[作成] をクリックします。
[コンフィグレーションの作成] ウィンドウが開き、ドメインの作成プロセスのステータス メッセージが表示されます。
config.xml
ファイルと生成されたその他すべてのコンポーネントが、指定したコンフィグレーション ディレクトリに格納されます。
関連トピック
『WebLogic Server のコンフィグレーションと管理』の「ドメインの制限事項」(http://edocs.beasys.co.jp/e-docs/wls/docs81/adminguide/overview_domain.html#DomainRestrictions)
コンフィグレーションの作成
[コンフィグレーションの作成] ウィンドウに、ドメインの作成プロセスのステータス メッセージが表示されます。プロセスが完了すると、新しいドメインを使用する準備が整います。
プラットフォーム
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実行する作業
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UNIX および Linux
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[完了] をクリックする。
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Windows
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次のいずれかを実行する。
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