移行シナリオの例

このトピックでは、様々なシナリオで移行スナップショットおよびテンプレートを使用してアプリケーションを移行する方法の情報を提供します。

ベスト・プラクティス

  • ソース環境からターゲット環境にアプリケーションを転送する前に、両方の環境のOracle Enterprise Data Management Cloudが同じバージョンであることを確認してください。

  • 2つの環境間でアプリケーションを転送する場合は必ず、一方の環境でのみ変更(アプリケーション登録の変更やプロパティの作成など)を加え、それをもう一方に転送するようにしてください。ソース環境とターゲット環境の両方で変更を加え、それらをマージしようとしないでください。

    たとえば、両方の環境でプロパティを作成し、テンプレートを使用して、そのプロパティに対する変更を一方の環境からもう一方の環境に移行しようとしないでください。このようにすると、ソース・オブジェクトとターゲット・オブジェクトのIDが同じでないため、システムによってそのプロパティの2つ目のバージョンが作成されます。テンプレートを使用した既存のアプリケーションまたはディメンションの更新を参照してください。

  • オブジェクトのIDが両方の環境で確実に同じになるようにするには、移行スナップショットを使用して再同期します。シナリオ4: 本番データによるテスト環境のリフレッシュを参照してください。

シナリオ1: 稼働開始に備えたテスト環境から本番環境へのアプリケーションの移行

このシナリオでは、テスト環境で開発とテストを進めてきたアプリケーションを稼働開始に備えて本番環境に転送する準備が整っています。

このシナリオについては、テンプレートを使用してアプリケーションのメタデータを移行できます。これにより、アプリケーションが移行される一方で、本番環境に関連しない可能性のある監査履歴またはテスト・データがテスト環境から移行されないことが確実化されます。

その後、ソース環境からユーザーとグループも転送する場合は、ユーザーとグループのみの移行スナップショットを使用してそれらを転送でき、ソース・システムからデータを移行する場合は、ソース環境からターゲット環境へのエクスポートとインポート(または抽出とロード)を使用できます。たとえば、このシナリオの一般的なアプローチは次のとおりです:

  1. ターゲット環境に既存のアプリケーション、データまたは監査履歴がすでに存在しないことを確認します。

    Tip:

    このことを実現するには、ターゲット環境でサービスを再作成します。サービスの再作成を参照してください。
  2. ユーザーとグループがターゲット環境で設定されていることを確認します。

    Tip:

    ターゲット環境のユーザーとグループがソース環境のユーザーと同じであるか、よく似ている場合は、移行を使用して「グループとメンバーシップ」コンポーネントのみをエクスポートし、それをターゲット環境にインポートできます。これにより、ユーザーとグループとともに、割り当てられているアプリケーション・ロールが移行されます。Oracle Enterprise Performance Management Cloud移行の管理アーティファクトのエクスポートを参照してください
  3. テンプレートを使用して、本番環境に移行するソース環境内のアプリケーションを転送します。単一のテンプレート・ファイルを使用して、複数のアプリケーションを転送できます。テンプレートの操作を参照してください。
  4. テスト環境からデータも移行する場合は、次のものを使用してソース環境からターゲット環境にデータを転送します:
  5. テンプレートで転送されないオブジェクトおよび設定について、手動による追加の転送後タスクを実行します。これらには次のものが含まれる場合があります:
    • 場所、アイデンティティ名、ユーザー名、パスワードなど、アプリケーションおよびグローバル接続のパラメータ。
    • ノード・セットの最上位ノード
    • サブスクリプションの最上位ノード・フィルタ

    詳細は、テンプレートのオブジェクトおよび設定を参照してください。

シナリオ2: テスト環境からの新しいアプリケーションによる本番環境の更新

このシナリオでは、テスト環境で新しいアプリケーションを作成してすべての受入テストを納得がいくまで実行し、それを本番環境にロードしてユーザーにロールアウトする準備が整っています。

このシナリオについては、ほとんどの場合、テンプレートを使用します。テンプレートを使用すると、単一のアプリケーションを移行し、他のアプリケーションが含まれている環境にそれをマージできます。ただし、アプリケーションのメタデータのみが転送されることに留意してください。ソース環境のアプリケーションに、ターゲット環境に転送するデータも含まれている場合は、エクスポートしてインポートする(バインドされたデータのみ)か、抽出してロードする(バインドされたデータおよびバインドされていないデータ)必要があります。

シナリオ3: テスト環境からの変更による本番アプリケーションの増分更新

このシナリオでは、本番環境のアプリケーションを変更する必要があります。テスト環境で変更を加え(たとえば、いくつかのカスタム検証を変更し、新しい抽出を作成し、派生プロパティの式を変更したとします)、それらの変更を本番アプリケーションに移行します。

このシナリオについては、テンプレートを使用して、テスト環境からの変更で本番アプリケーションを増分更新します。考慮事項については、テンプレートを使用した既存のアプリケーションまたはディメンションの更新を参照してください。

シナリオ4: 本番データによるテスト環境のリフレッシュ

日々のアクティビティに使用する本番環境と新しいアプリケーションや新機能をテストするテスト環境がある場合は、本番環境からの情報でテスト環境を定期的にリフレッシュしてテスト環境の同期を維持しておくと役立つことがあります。

このシナリオについては、ほとんどの場合、移行スナップショットを使用すると効果的です。これにより、本番環境からのすべてのアプリケーション、設定、データ、ユーザーおよびグループでテスト環境の完全なリフレッシュを行うことができます。

Note:

本番環境の移行スナップショットは、ユーザー受入トレーニング(UAT)サイトで使用することや、障害回復サイトでバックアップとして使用することもできます。