サービス・オーダー・フィールド活動通信

この項では、サービス・オーダー・フィールド活動がフィールド作業システムと通信する方法の概要を示します。

サービス・オーダー・フィールド活動は、「通信進行中」状態になるとフィールド作業システムにアウトバウンド通信を送信し、インバウンド通信応答を待機します。

サービス・オーダー・フィールド活動通信プロセスにおける通信の役割の詳細は、後述の「サービス・オーダー・フィールド活動通信プロセスの理解」を参照してください。

アウトバウンド通信

アウトバウンド通信は、サービス・オーダー管理から外部フィールド作業システムに送信されるメッセージを表します。アウトバウンド通信は、次のタイプのオブジェクトを使用します。

アウトバウンド通信ビジネス・オブジェクト

アウトバウンド通信ビジネス・オブジェクトは、外部システムに送信されるメッセージのタイプごとに存在します。サービス・オーダー・フィールド活動では、次の基本パッケージのアウトバウンド通信オブジェクトを使用できます。

アウトバウンド通信のタイプ

アウトバウンド通信ビジネス・オブジェクト

初期サービス・オーダー・フィールド活動アウトバウンド通信

フィールド活動アウトバウンド通信(D1-FieldActivityOBComm)

アウトバウンド通信の変更

以前にフィールド作業システムに送信されたサービス・オーダー・フィールド活動に対する更新を送信するために使用されます。

フィールド活動アウトバウンド通信(D1-ActivityModifyOBComm)

アウトバウンド・メッセージ・タイプ

外部システムに送信されるメッセージの各タイプに対してアウトバウンド・メッセージ・タイプも作成する必要があります。また、これはシステムが受け入れるように設計されているメッセージのタイプに基づきます。サービス・オーダー・フィールド活動では、次のアウトバウンド・メッセージ・タイプが必要です。

アウトバウンド通信のタイプ

アウトバウンド・メッセージ・タイプ

初期サービス・オーダー・フィールド活動メッセージ

フィールド活動アウトバウンド・メッセージ

既存のサービス・オーダー・フィールド活動の変更

変更フィールド活動アウトバウンド・メッセージ

アウトバウンド・メッセージ・タイプの詳細は、Oracle Utilities Application Frameworkのドキュメントを参照してください。

外部システム

サービス・オーダー管理がメッセージを送信する各外部システムに対して外部システムを作成する必要もあります。各外部システムでは、そのシステムに送信されるアウトバウンド・メッセージ・タイプのセットを定義します。各外部システム・アウトバウンド・メッセージ・タイプにより次も指定されます。

  • メッセージの送信に使用される処理方法(「バッチ」、「XAI」または「リアルタイム」)

  • メッセージ・センダー(「処理方法」が「リアルタイム」または「XAI」に設定されている場合)

  • バッチ管理(「処理方法」が「バッチ」に設定されている場合)

  • メッセージXSL、W3Cスキーマおよび応答XSL(該当する場合)

この例を続行するには、次の外部システムを作成できます。

外部アプリケーション

アウトバウンド・メッセージ・タイプ

処理方法

バッチ管理

フィールド活動アウトバウンド・メッセージ

バッチ

同期要求モニター(F1-SYNRQ)

変更フィールド活動アウトバウンド・メッセージ

バッチ

同期要求モニター(F1-SYNRQ)

外部システムの詳細は、Oracle Utilities Application Frameworkのドキュメントを参照してください。

インバウンド通信

インバウンド通信は、外部フィールド作業システムからサービス・オーダー管理に送信されるメッセージを表します。インバウンド通信は、通常、サービス・オーダー・フィールド活動への応答として送信されます。インバウンド通信では、次のタイプのオブジェクトを使用します。

インバウンド通信ビジネス・オブジェクト

外部システムから受信するメッセージの各タイプに対してインバウンド通信ビジネス・オブジェクトを作成する必要があります。サービス・オーダー・フィールド活動では、次の基本パッケージ・インバウンド通信オブジェクトを使用できます。

インバウンド通信ビジネス・オブジェクト

フィールド活動インバウンド通信(D1-FieldActivityIBComm)

インバウンドWebサービス

外部システムから受信するメッセージの各タイプに対してインバウンドWebサービスを作成する必要もあります。インバウンドWebサービスでは、応答メッセージを受信したときに起動されるインバウンド通信ビジネス・オブジェクト(またはビジネス・サービスやサービス・スクリプト)など、外部システムからメッセージを受信する方法の詳細を定義します。インバウンド通信ビジネス・オブジェクトの場合と同様に、作成する必要があるインバウンドWebサービスのセットは、システムが送信するように設計されているメッセージのタイプに基づきます。この例を続行するには、次のインバウンドWebサービスを作成できます。

インバウンドWebサービス

スキーマ

(インバウンド通信ビジネス・オブジェクト)

フィールド活動インバウンド通信

フィールド活動インバウンド通信D1-FieldActivityIBComm

インバウンドWebサービスの詳細は、Oracle Utilities Application Frameworkのドキュメントを参照してください。

フィールド活動備考

インバウンド通信には、フィールド作業者がフィールド作業を実行および完了する際に入力したノートを表す活動備考を含めることができます。これらは、単に情報とするか、または「フィールド活動備考タイプ」拡張可能参照の「備考処理」セクションを使用して完了イベントを参照することができます。これにより、インバウンド通信とともに送信される情報によって、必要に応じてビジネス処理を開始できます。

この拡張可能参照で指定された完了イベントはインバウンド通信によって作成され、サービス・オーダー・フィールド活動が「完了イベントの実行」状態になると実行されます。

サービス・オーダー・フィールド活動通信プロセスの理解

この項では、サービス・オーダー・フィールド活動が開始された場合に発生する通信プロセスの概要を示します。次の表は、プロセスのステップごとに、発生する処理の簡単な説明を示し、サービス・オーダー管理で使用される特定の基本パッケージをリストしています

次に示すプロセスは説明のために簡素化されており、このプロセスで実行されるすべてのステップを表しているわけではないことに注意してください。

ステップ

プロセス

基本パッケージ・オブジェクト

1.

オーケストレーション活動がその処理の一部としてサービス・オーダー・フィールド活動を作成します。

サービス・オーダー・フィールド活動ビジネス・オブジェクトがコマンド用にインスタンス化されます。

フィールド活動ビジネス・オブジェクト: フィールド活動(D1-FieldActivity)

2.

サービス・オーダー・フィールド活動が「通信進行中」状態になると、アウトバウンド通信が作成されます。

アウトバウンド通信ビジネス・オブジェクト: フィールド活動アウトバウンド通信

(D1-FieldActivityOBComm)

3.

アウトバウンド通信の「応答待ち」状態の入力アルゴリズムが、フィールド・タスク・タイプで指定された処理スクリプトに基づいてフィールド作業システムに送信されるアウトバウンド・メッセージに必要な情報を取得します。

入力アルゴリズム: フィールド活動に対する送信詳細の移入(D1-POPSNDDTL)

4.

アウトバウンド通信の「応答待ち」状態の入力アルゴリズムにより、アウトバウンド・メッセージが作成されます。

入力アルゴリズム: アウトバウンド・メッセージの作成(D1-COUTMSG)

注意: このメッセージのアウトバウンド・メッセージ・タイプは基本パッケージに含まれていません。

5.

アウトバウンド・メッセージが外部システムとバッチ管理によってミドルウェア・コンポーネントに送信されます。

ミドルウェア・コンポーネントではBusiness Process Execution Language (BPEL)が利用されます。

外部システム: MWM

バッチ管理: 同期要求モニター

(F1-SYNRQ)

6.

ミドルウェアはアウトバウンド・メッセージをSOM書式からフィールド作業システムで使用される書式に変換し、フィールド作業システムにメッセージを送信します。

7.

フィールド作業システムが応答を送信すると、ミドルウェアはフィールド作業システムから応答メッセージを受信し、応答メッセージをフィールド作業システムで使用される書式からSOM書式に変換し、インバウンドWebサービスを起動します。

インバウンドWebサービス: D1-FieldActivityIBComm

8.

インバウンドWebサービスはメッセージを選択し、対応するインバウンド通信を作成します。

作成される特定のタイプのインバウンド通信ビジネス・オブジェクトは、インバウンドWebサービスによって決定されます。

インバウンドWebサービス: D1-FieldActivityIBComm

インバウンド通信ビジネス・オブジェクト: フィールド活動インバウンド通信

(D1-FieldActivityIBComm)

9.

インバウンド通信が親アウトバウンド通信を識別します。

アウトバウンド通信ビジネス・オブジェクト: フィールド活動アウトバウンド通信

(D1-FieldActivityOBComm)

10.

インバウンド通信は、フィールド活動フィールド・タスク・タイプで定義された完了イベント(必要に応じて「成功」または「取消済」)を「保留」状態で作成します。

インバウンド通信にフィールド活動備考が含まれている場合は、フィールド活動備考完了イベントも実行します。

インバウンド通信ビジネス・オブジェクト: フィールド活動インバウンド通信

D1-FieldActivityIBComm

11.

インバウンド通信がアウトバウンド通信を更新します。

この更新は、インバウンド通信ビジネス・オブジェクトのライフサイクルの「完了」ステータスの入力アルゴリズムによって実行されます。

インバウンド通信ビジネス・オブジェクト: フィールド活動インバウンド通信

D1-FieldActivityIBComm

アウトバウンド通信ビジネス・オブジェクト: フィールド活動アウトバウンド通信

(D1-FieldActivityOBComm)

12.

アウトバウンド通信は、「完了フラグ」および元のサービス・オーダー・フィールド活動ビジネス・オブジェクトを更新します。

この更新は、アウトバウンド通信ビジネス・オブジェクトのライフサイクルの「完了」ステータスの入力アルゴリズムによって実行されます。

アウトバウンド通信ビジネス・オブジェクト: 接続/切断の開始(D3-InitiateConnectDisconnect)

フィールド活動ビジネス・オブジェクト: フィールド活動(D1-FieldActivity)