ローリング需要

このルールは、使用連係のすべてのサービス・ポイントのローリング需要を計算するために使用されます。需要は消費量から計算されます。電気サービス市場では、これらは通常、それぞれキロワット(kW)およびキロワット時(kWh)で表されます。ここで、需要値は、消費量のインターバル値に1時間当たりのインターバル数を乗算して計算されます。たとえば、25kWhという15分のインターバル値に関連付けられる需要は、100kW (25 x 4 (1時間当たりのインターバル数))になります。

このルールには、ローリング消費量合計(合計)またはローリング消費量平均(平均)に基づいた使用連係のローリング需要の計算と、ローリング消費量合計(合計 - 同時ピーク)またはローリング消費量平均(平均 - 同時ピーク)に基づいた使用連係のすべてのサービス・ポイント間の同時ピークの計算の2つの主要モードがあります。同時ピーク計算は、すべての検針に対して実行することも、「同時オンピーク」または「同時オフピーク」関数を使用して、TOUマッピングを介して"ピーク"または"オフピーク"として指定された検針に対して実行することもできます。TOUマッピングの詳細は、「TOUマッピング・オプションの定義」を参照してください。

ローリング合計またはローリング平均のインターバル数は、ルール構成によって決定されます。「ロール・インターバル・サイズ」パラメータ(「計算詳細」セクション内)を「共通インターバル・サイズ」パラメータ(「インターバル・データ取得パラメータ」セクション内)で除算します。たとえば、「ロール・インターバル・サイズ」が01:00:00 (1時間)で、「共通インターバル・サイズ」が00:15:00 (15分)だとすると、ローリング合計または平均は4つのインターバル(1時間を15分で除算)のセットに基づきます。

ローリング需要合計

「ローリング需要合計」ロール計算関数は、ローリング消費量合計に基づいて使用連係のピーク需要を識別します。 

たとえば、下の表は、12時間の計算期間における、単一使用連係に属する2つのサービス・ポイントのサンプル時間単位インターバル・データを示したものです。この表には次のものが含まれています。

  • 日時: 各インターバルの日時

  • サービス・ポイントn: 特定のサービス・ポイントにおける各インターバルのkWh値

  • 合計: 使用連係のサービス・ポイントにおける消費量を結合した合計

  • ローリング合計: 4つの合計値のローリング合計(01:00:00 (1時間)の「ロール・インターバル・サイズ」および00:15:00 (15分)の「共通インターバル・サイズ」に基づく)

  • 需要: ローリング合計から計算された需要(累積合計に1時間当たりのインターバル数を乗算して計算されます。この例では、時間単位のデータであるため、合計は需要と同じです)。

このルールは、計算期間中の使用連係の最大需要を識別します(太字で示されています)。

日時

サービス・ポイント1

サービス・ポイント2

合計

ローリング合計

需要

10/27/2022 12:00 PM

12

11

23

10/27/2022 1:00 PM

10

12

22

10/27/2022 2:00 PM

11

13

24

10/27/2022 3:00 PM

13

13

26

95

95

10/27/2022 4:00 PM

14

14

28

100

100

10/27/2022 5:00 PM

13

13

26

104

104

10/27/2022 6:00 PM

12

13

25

105

105

10/27/2022 7:00 PM

11

12

23

102

102

10/27/2022 8:00 PM

12

13

25

99

99

10/27/2022 9:00 PM

13

14

27

100

100

10/27/2022 10:00 PM

12

14

26

101

101

10/27/2022 11:00 PM

12

12

24

102

102

このルールは、計算期間中のピーク需要値を表す、使用トランザクション使用量リストの次の値を返します。

日時

需要

10/27/2022 6:00 PM

105

注意: このオプションは、情報およびレポート目的でのみ使用してください。これらの値を請求目的で使用することはできません。

ローリング需要合計 - 同時ピーク / ローリング需要合計 - 同時オンピーク / ローリング需要合計 - 同時オフピーク

「ローリング需要合計 - 同時ピーク」 / 「ローリング需要合計 - 同時オンピーク」 / 「ローリング需要合計 - 同時オフピーク」ロール計算関数は、使用連係のすべてのサービス・ポイントの同時ピーク需要を識別します。"同時ピーク"は、複数のサービス・ポイントの結合値が最も高くなるタイミングです(必ずしも個々のサービス・ポイントのピークではありません)。同時ピーク需要は、同時ピーク時のローリング合計に基づく需要です。

計算で使用されるデータは、選択した特定の「ロール計算関数」に基づきます。

  • 合計 - 同時ピーク: 構成済単位と一致するすべての測定を評価します

  • 合計 - 同時オンピーク: 指定されたTOUマップ・テンプレートに基づいて「結果」セクションで定義された"ピーク" TOU期間に該当する構成済単位と一致する測定を評価します。

  • 合計 - 同時オフピーク: 指定されたTOUマップ・テンプレートに基づいて「結果」セクションで定義された"オフピーク" TOU期間に該当する構成済単位と一致する測定を評価します。

たとえば、下の表は、12時間の計算期間における、単一使用連係に属する2つのサービス・ポイントのサンプル時間単位インターバル・データを示したものです。この表には次のものが含まれています。

  • 日時: 各インターバルの日時

  • サービス・ポイントn: 特定のサービス・ポイントにおける各インターバルのkWh値

  • 合計: 使用連係のサービス・ポイントにおける消費量を結合した合計

  • ローリング合計: 4つの合計値のローリング合計(01:00:00 (1時間)の「ロール・インターバル・サイズ」および00:15:00 (15分)の「共通インターバル・サイズ」に基づく)

  • 需要: ローリング合計から計算された需要(累積合計に1時間当たりのインターバル数を乗算して計算されます。この例では、時間単位のデータであるため、合計は需要と同じです)。

このルールは、計算期間内のすべてのサービス・ポイントの最大合計を識別します(太字で示されています)。

日時

サービス・ポイント1

サービス・ポイント2

合計

ローリング合計

需要

10/27/2022 12:00 PM

12

11

23

10/27/2022 1:00 PM

10

12

22

10/27/2022 2:00 PM

11

13

24

10/27/2022 3:00 PM

13

13

26

95

95

10/27/2022 4:00 PM

14

14

28

100

100

10/27/2022 5:00 PM

13

13

26

104

104

10/27/2022 6:00 PM

12

13

25

105

105

10/27/2022 7:00 PM

11

12

23

102

102

10/27/2022 8:00 PM

12

13

25

99

99

10/27/2022 9:00 PM

13

14

27

100

100

10/27/2022 10:00 PM

12

14

26

101

101

10/27/2022 11:00 PM

12

12

24

102

102

このルールは、同時ピーク時の需要を表す、使用トランザクション使用量リストの次の値を返します。

日時

同時ピーク需要

10/27/2022 4:00 PM

100

注意: このオプションは、情報およびレポート目的でのみ使用してください。これらの値を請求目的で使用することはできません。

ローリング需要平均

「ローリング需要平均」ロール計算関数は、ローリング平均(ローリング合計から計算される)に基づいて使用連係のピーク需要を識別します。 

たとえば、下の表は、12時間の計算期間における、単一使用連係に属する2つのサービス・ポイントのサンプル時間単位インターバル・データを示したものです。この表には次のものが含まれています。

  • 日時: 各インターバルの日時

  • サービス・ポイントn: 特定のサービス・ポイントにおける各インターバルのkWh値

  • 合計: 使用連係のサービス・ポイントにおける消費量を結合した合計

  • ローリング合計: 4つの合計値のローリング合計(01:00:00 (1時間)の「ロール・インターバル・サイズ」および00:15:00 (15分)の「共通インターバル・サイズ」に基づく)

  • ローリング平均: 4つの合計値のローリング平均(01:00:00 (1時間)の「ロール・インターバル・サイズ」および00:15:00 (15分)の「共通インターバル・サイズ」に基づく)

  • 需要: ローリング平均から計算された需要(ローリング平均に1時間当たりのインターバル数を乗算して計算されます。この例では、時間単位のデータであるため、合計は需要と同じです)。

このルールは、計算期間中の使用連係の最大需要を識別します(太字で示されています)。

日時

サービス・ポイント1

サービス・ポイント2

合計

ローリング合計

ローリング平均

需要

10/27/2022 12:00 PM

12

11

23

10/27/2022 1:00 PM

10

12

22

10/27/2022 2:00 PM

11

13

24

10/27/2022 3:00 PM

13

13

26

95

23.75

23.75

10/27/2022 4:00 PM

14

14

28

100

25

25

10/27/2022 5:00 PM

13

13

26

104

26

26

10/27/2022 6:00 PM

12

13

25

105

26.25

26.25

10/27/2022 7:00 PM

11

12

23

102

25.5

25.5

10/27/2022 8:00 PM

12

13

25

99

24.75

24.75

10/27/2022 9:00 PM

13

14

27

100

25

25

10/27/2022 10:00 PM

12

14

26

101

25.25

25.25

10/27/2022 11:00 PM

12

12

24

102

25.5

25.5

このルールは、計算期間中のピーク需要値を表す、使用トランザクション使用量リストの次の値を返します。

日時

需要

10/27/2022 6:00 PM

26.25

注意: このオプションは、情報およびレポート目的でのみ使用してください。これらの値を請求目的で使用することはできません。

ローリング需要平均 - 同時ピーク / ローリング需要平均 - 同時オンピーク / ローリング需要平均 - 同時オフピーク

「平均 - 同時ピーク」 / 「平均 - 同時オンピーク」 / 「平均 - 同時オフピーク」計算関数は、使用連係のすべてのサービス・ポイントの同時ピーク需要を識別します。"同時ピーク"は、複数のサービス・ポイントの結合値が最も高くなるタイミングです(必ずしも個々のサービス・ポイントのピークではありません)。同時ピーク需要は、同時ピーク時のローリング平均に基づく需要です。

計算で使用されるデータは、選択した特定の「ロール計算関数」に基づきます。

  • ローリング需要合計 - 同時ピーク: 構成済単位と一致するすべての測定を評価します

  • ローリング需要合計 - 同時オンピーク: 指定されたTOUマップ・テンプレートに基づいて「結果」セクションで定義された"ピーク" TOU期間に該当する構成済単位と一致する測定を評価します。

  • ローリング需要合計 - 同時オフピーク: 指定されたTOUマップ・テンプレートに基づいて「結果」セクションで定義された"オフピーク" TOU期間に該当する構成済単位と一致する測定を評価します。

たとえば、下の表は、12時間の計算期間における、単一使用連係に属する2つのサービス・ポイントのサンプル時間単位インターバル・データを示したものです。この表には次のものが含まれています。

  • 日時: 各インターバルの日時

  • サービス・ポイントn: 特定のサービス・ポイントにおける各インターバルのkWh値

  • 合計: 使用連係のサービス・ポイントにおける消費量を結合した合計

  • ローリング合計: 4つの合計値のローリング合計(01:00:00 (1時間)の「ロール・インターバル・サイズ」および00:15:00 (15分)の「共通インターバル・サイズ」に基づく)

  • ローリング平均: 4つの合計値のローリング平均(01:00:00 (1時間)の「ロール・インターバル・サイズ」および00:15:00 (15分)の「共通インターバル・サイズ」に基づく)

  • 需要: ローリング平均から計算された需要(ローリング平均に1時間当たりのインターバル数を乗算して計算されます。この例では、時間単位のデータであるため、合計は需要と同じです)。

このルールは、計算期間中の使用連係の最大需要を識別します(太字で示されています)。

日時

サービス・ポイント1

サービス・ポイント2

合計

ローリング合計

ローリング平均

需要

10/27/2022 12:00 PM

12

11

23

10/27/2022 1:00 PM

10

12

22

10/27/2022 2:00 PM

11

13

24

10/27/2022 3:00 PM

13

13

26

95

23.75

23.75

10/27/2022 4:00 PM

14

14

28

100

25

25

10/27/2022 5:00 PM

13

13

26

104

26

26

10/27/2022 6:00 PM

12

13

25

105

26.25

26.25

10/27/2022 7:00 PM

11

12

23

102

25.5

25.5

10/27/2022 8:00 PM

12

13

25

99

24.75

24.75

10/27/2022 9:00 PM

13

14

27

100

25

25

10/27/2022 10:00 PM

12

14

26

101

25.25

25.25

10/27/2022 11:00 PM

12

12

24

102

25.5

25.5

このルールは、計算期間中のピーク需要値を表す、使用トランザクション使用量リストの次の値を返します。

日時

需要

10/27/2022 4:00 PM

25

注意: このオプションは、情報およびレポート目的でのみ使用してください。これらの値を請求目的で使用することはできません。

注意と推奨事項

  • 「同時オンピーク」または「同時オフピーク」ロール計算関数を使用する場合は、「計算詳細」セクションでTOUマップ(「TOUマップ」フィールド)またはTOUマップ・テンプレート(「ピーク/オフピーク・スケジュール」ドロップダウン・リスト)を指定し、「結果」セクションの「TOU」フィールドで適切なTOU期間(それぞれ「ピーク」または「オフピーク」)を指定する必要があります。

  • 同時ピーク・データを一意に識別するように使用量識別子(SQI)を構成し、「結果」セクションの「使用量識別子」フィールドでそれを指定することをお薦めします。

注意: このルールのロジックの追加詳細は、D1-CALROLDEMアルゴリズム・タイプの詳細摘要を参照してください。

特定の構成フィールドの意味については、ルールを追加または編集する際の画面にある埋込みヘルプを参照してください。

ビジネス・オブジェクト

D1-CalcRollingDemandRule

シナリオ例

このルールの構成に基づいて実行可能なシナリオの例を次に示します。

シナリオ1: ローリング合計に基づいたサービス・ポイントの需要の計算

  • インターバル・データ取得パラメータ:

    • 単位: キロワット時

    • 共通インターバル・サイズ: 00:15:00

  • 計算詳細:

    • ロール計算関数: ローリング需要合計

    • ロール・インターバル・サイズ: 01:00:00

  • 結果

    • 単位: キロワット

    • TOU

    • 使用量識別子

シナリオ2: ローリング平均に基づいたサービス・ポイントの需要の計算

  • インターバル・データ取得パラメータ:

    • 単位: キロワット時

    • 共通インターバル・サイズ: 00:15:00

  • 計算詳細:

    • ロール計算関数: ローリング需要平均

    • ロール・インターバル・サイズ: 01:00:00

  • 結果

    • 単位: キロワット

    • TOU

    • 使用量識別子

シナリオ3: 合計 - 同時ピーク 

  • インターバル・データ取得パラメータ:

    • 単位: キロワット時

    • 共通インターバル・サイズ: 00:15:00

  • 計算詳細:

    • ロール計算関数: ローリング需要合計、同時ピーク

    • ロール・インターバル・サイズ: 01:00:00

  • 結果

    • 単位: キロワット

    • TOU

    • 使用量識別子: 同時ピーク

シナリオ4: 平均 - 同時オンピーク 

  • インターバル・データ取得パラメータ:

    • 単位: キロワット時

  • 計算詳細:

    • ロール計算関数: ローリング需要平均、同時、ピーク

    • ロール・インターバル・サイズ: 01:00:00

    • テンプレートによるTOUマップの参照: Yes

    • ピーク/オフピーク・スケジュール: <TOUマップ・テンプレート>

  • 結果

    • 単位: キロワット

    • TOU: ピーク

    • 使用量識別子: 同時オンピーク