サポートされているメンテナンス・オブジェクトに対するILMの有効化

1つ以上のメンテナンス・オブジェクトに対してILMを有効化するには、構成とデータベースの両方でいくつかのステップが必要になります。この項では、デフォルトで有効になっているいくつかの構成と、ILMを適切に実装するために実行する必要があるいくつかのステップについて説明します。

デフォルトで有効になっている構成がいくつかありますが、ILMが適切に構成されていないかぎり使用されません。製品でILMが構成されている各メンテナンス・オブジェクトに対しては、設定不要で次のように指定されています。

  • 特別な表の列: ILMをサポートするメンテナンス・オブジェクトには、2つの特定の列ILMアーカイブ・スイッチ(ILM_ARCH_SW)とILM日付(ILM_DT)が含まれています。

  • クローラ・バッチ・プロセス: ILMをサポートする各メンテナンス・オブジェクトに対してクローラ・バッチ・プロセスが用意されており、オプションとしてメンテナンス・オブジェクトにプラグインされています。詳細は、「バッチ・プロセス」を参照してください。

  • ILM適用アルゴリズム: ILM用に構成されている各メンテナンス・オブジェクトでは、ILMアーカイブ・スイッチを適切に設定するロジックを実行する適用アルゴリズムを定義します。これは、メンテナンス・オブジェクト・アルゴリズム・コレクションにプラグインされます。

実装においてILMを実装することにした場合、実行する必要があるステップがあり、それについて次に説明します。

マスター構成レコードの作成

ILMを有効化するときの最初のステップはILM構成マスター構成レコードを作成することです。

ILM構成のマスター構成では、すべてのILM適格メンテナンス・オブジェクトに対するグローバル・パラメータを定義します。たとえば、デフォルト保持期間などです。さらに、使用している製品で追加の構成を実行できます。使用している製品のILM構成でサポートされている情報に関する固有の詳細は、埋込みヘルプを参照してください。

さらに、このマスター構成レコードのユーザー・インタフェースには、ILMを使用するよう構成されたすべてのメンテナンス・オブジェクトについての要約情報が表示されます。

メンテナンス・オブジェクトの有効化の確認

ILMマスター構成ページでILMをサポートしているメンテナンス・オブジェクトのリストを表示しているときに、サポートされているメンテナンス・オブジェクトのサブセットに対してのみILMを有効化するよう実装で選択できます。たとえば、メンテナンス・オブジェクトによっては自分の実装と関係がない場合があります。あるいは、メンテナンス・オブジェクトによって提供される機能が使用されるものの、実装において予期されるデータの量が多くないという場合もあります。

実装でILMを使用する必要がある各メンテナンス・オブジェクトに対し、次のステップを実行する必要があります。

  • メンテナンス・オブジェクトに、マスター構成で定義されているシステム全体に対する値とは異なるデフォルト保持日数が必要かどうかを判断します。必要である場合、メンテナンス・オブジェクト・オプション「ILM保持期間日数」を使用してこのメンテナンス・オブジェクトに対する上書きオプションを入力します。

  • このメンテナンス・オブジェクトに対して製品で提供されているILM適用アルゴリズムの機能を確認します。各アルゴリズムではビジネス・ニーズに基づいて追加の構成をサポートできます。組織において、製品で提供されているアルゴリズムでは満たせない特殊なビジネス・ルールがある場合、基本アルゴリズムを上書きするカスタムのアルゴリズムを設定できます。

実装でILMを有効にしない各メンテナンス・オブジェクトについて、この適用アルゴリズムを無効にします。これにより、「ILMクローラ・イニシエータ」バックグラウンド・プロセスによって当該メンテナンス・オブジェクトに対してクローラ・バッチ・ジョブが送信されることはなくなります。

データベース管理タスク

上記の方法で確認した各メンテナンス・オブジェクトに対してILMを実装するには、データベース管理者がデータベースにおいて、各メンテナンス・オブジェクトに関連付けられている表に対していくつかのステップを実行する必要があります。これらのステップの要約を次に示します。使用している製品のデータベース管理者ガイドにある情報ライフサイクル管理に関する項には、さらに詳しい情報が提供されています。
  • ILM日付の初期化: ILMが有効化されている既存の表において、既存のレコードによってはILM日付およびILMアーカイブ・スイッチが初期化されていない場合があります。ILMを有効化するよう選択する場合、最初のステップは、データベース管理者ガイドで提供されている推奨事項に基づいてこのデータを初期化することです。

  • 参照整合性: メンテナンス・オブジェクトの子表の推奨パーティショニング計画は、参照パーティショニングです。これを実装するには、データベース参照整合性機能が有効である必要があります。

  • パーティショニング: データが複数の表パーティションに分類され、データのライフサイクルがより管理しやすくなります。

ILMクローラ・イニシエータのスケジュール

システムでILMを有効化する最後のステップは、実装での必要に基づいて、ILMクローラ・イニシエータF1-ILMINの定期的なスケジュールを設定することです。このバッチ・プロセスは、すべての必要なデータベース活動が完了した後にのみスケジュールすることをお薦めします。