XML埋込みリンク付きオブジェクトの移行計画

外部キー参照がオブジェクトのXMLベースのフィールドで取得されるオブジェクトを移行する場合、コンテンツ移行アシスタントによって関係が理解されるように、外部キー参照を定義するための従属指示が必要です。これは、コンテンツ移行アシスタントで制約を使用して関係を判断できる直接外部キーとは対照的です。この指示には2つの目的があります。指示を定義することにより、必要に応じて関連オブジェクトを確実に移行に組み込むことができます。他の基準のために関連オブジェクトが含まれることがわかっている場合、指示により、コンテンツ移行アシスタントで関連オブジェクトをトランザクションにグループ化できます。これは、インポート時の適用プロセスで、関連オブジェクトを確実にグループ化するために役立ちます。ただし、適用プロセスには、このような依存関係への対処を試行する反復ステップが含まれるため、この目的のためには指示を定義することはクリティカルではありません。

XML埋込みリンク付きの移行計画を作成する場合のオプションは、次のとおりです。

  • 1つのオプションでは、特定の論理(ビジネス)ビジネス・オブジェクトを主指示で使用して、コピーするオブジェクトを定義します。このオプションを使用すると、従属指示でXPath基準を使用して、関連する外部キーを定義できます。この方法を使用する場合は、論理ビジネス・オブジェクトごとに個別の移行計画を作成する必要があります。(詳細は、「ビジネス・オブジェクト・フィルタ・プロセスの理解」を参照してください。)このオプションは個別的なケースでのみ使用します。
  • 物理ビジネス・オブジェクトを主指示として使用する移行計画を作成し、オブジェクトをその主キーでそれ自体に結合するSQLトラバースを使用して、実論理ビジネス・オブジェクトに対する従属指示を含めるという方法もあります。この技法でも、論理ビジネス・オブジェクトを参照するレコードは依然として1回のみエクスポート・ファイルに含められることに注意してください。この時点で、さらに別の従属指示でXPath表記を使用し、外部キー・データを定義できます。物理ビジネス・オブジェクトを主指示として使用することで、メンテナンス・オブジェクト内のすべてのレコードが確実に考慮されます。論理ビジネス・オブジェクトおよびXPath表記を含む従属指示は、該当するビジネス・オブジェクトに適用可能なレコードにのみ適用されます。このオプションは、メンテナンス・オブジェクトに、異なる外部キーを含む少数の論理ビジネス・オブジェクトが存在する場合に役立ちます。
  • 主指示で物理ビジネス・オブジェクトを、従属指示のトラバース基準で未加工SQLを使用して、従属文字列によって外部キーを識別するという方法もあります。各要素の出現に対応するSQLごとに、個別の従属指示が必要となります。この技法を使用する利点として、前述のオプションと同様、メンテナンス・オブジェクトに関するすべてのレコードが移行に含まれることがあげられます。ただし、この技法は、メンテナンス・オブジェクトに多数のビジネス・オブジェクトが存在し、各ビジネス・オブジェクトに1つ以上の外部キーが含まれることが想定される場合に役立つことがあります。多数のビジネス・オブジェクトが同じ外部キーを参照する場合には、特に役立ちます。この場合、その外部キーについて1つの指示のみが必要となります。単一の移行計画では、この技法およびXPath技法を様々な要素について使用する場合があることに注意してください。

移行要求には、同じメンテナンス・オブジェクトを対象とした複数の移行計画を含めることができます。これにより、前述の技法を複数の移行計画で使用できるため、一定の柔軟性と長期的な保守容易性が実現されます。次のような例について考えてみます。

  • 製品には、外部キーがXMLフィールドで定義されている基本ビジネス・オブジェクトが用意されており、指示のある適切な移行計画が提供されています。実装で、このビジネス・オブジェクトを拡張したり、場合によっては、同じメンテナンス・オブジェクトについて独自のビジネス・オブジェクトを作成し、XMLには様々な追加の外部キーが含まれます。基本の移行計画を複製して追加の外部キー用に指示を追加するかわりに、実装によって、追加の外部キーが定義されたメンテナンス・オブジェクトを対象とする第2の移行計画を作成できます。両方の移行計画を含めた移行要求を定義する必要があります。このとき、実装に1つのカスタム・ビジネス・オブジェクトのみが含まれている場合は、最初のオプションで前述したとおり、移行計画でこのカスタム・ビジネス・オブジェクトを主指示として使用することを選択できます。