次に、UUCP 管理ファイルについて説明します。これらのファイルは、デバイスのロック、一時データの保管、リモート転送や実行に関する情報の保存などのために、スプールディレクトリ内に作成されます。
一時データファイル (TM) – これらのデータファイルは、ほかのコンピュータからファイルを受け取るときに、UUCP プロセスによりスプールディレクトリ /var/spool/uucp/x の下に作成されます。ディレクトリ x は、ファイルを送信しているリモートコンピュータと同じ名前です。一時データファイル名の形式は次のとおりです。
TM.pid.ddd
pid はプロセス ID、ddd は 0 から始まる 3 桁のシーケンス番号です。
ファイル全体が受信されると、TM.pid.ddd ファイルは、伝送を発生させた C.sysnxxxx ファイル (次で説明) の中で指定されているパス名に移動されます。処理が異常終了した場合は、TM.pid.ddd ファイルが x ディレクトリ内に残ることがあります。このファイルは、uucleanup を使用することにより自動的に削除されます。
ロックファイル (LCK) – ロックファイルは、使用中のデバイスごとに、/var/spool/locks ディレクトリ内に作成されます。ロックファイルは、対話の重複、複数の試行による同じ呼び出しデバイスの使用が発生するのを防ぎます。次の表に、UUCP ロックファイルの種類を示します。
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通信リンクが予定外のときに切断された場合 (コンピュータがクラッシュしたときなど)、これらのファイルがスプールディレクトリ内に残ることがあります。親プロセスが有効でなくなったあとは、ロックファイルは無視 (削除) されます。ロックファイルには、ロックを引き起こしたプロセスのプロセス ID が入っています。
作業ファイル (C.) – 作業ファイルは、リモートコンピュータを対象とする作業 (ファイル転送やリモートコマンド実行など) がキューに入れられたときに、スプールディレクトリ内に作成されます。作業ファイル名の形式は次のとおりです。
C.sysnxxxx
sys はリモートコンピュータ名、n は作業のグレード (優先順位) を表す ASCII 文字、xxxx は、UUCP が割り当てる 4 桁のジョブシーケンス番号です。作業ファイルには次の情報が含まれています。
送信または要求するファイルのフルパス名
宛先、ユーザー名、またはファイル名を表すフルパス名
ユーザーのログイン名。
オプションのリスト。
スプールディレクトリ内の関連データファイルの名前。uucp –C オプションまたは uuto –p オプションが指定されている場合は、ダミー名 (D.0) が使用されます。
ソースファイルのモードビット
データファイル (D.) – コマンド行でスプールディレクトリへのソースファイルのコピーを指定すると、データファイルが作成されます。作業ファイル名の形式は次のとおりです。
D.systmxxxxyyy – systm はリモートコンピュータ名の最初の 5 文字で、xxxx は uucp が割り当てる 4 桁のジョブシーケンス番号です。4 桁のジョブシーケンス番号のあとにサブシーケンス番号を続けることができます。yyy は、1 つの作業 (C.) ファイルについて複数の D. ファイルが作成された場合に使用されます。
X. (実行ファイル) – 実行ファイルは、リモートコマンドの実行の前にスプールディレクトリ内に作成されます。実行ファイル名の形式は次のとおりです。
X.sysnxxxx