既存のファイルシステムのバックアップ

ソフトウェアをアップグレードする前に、既存のファイルシステムをバックアップするようにしてください。次の条件が存在する場合は、既存のファイルシステムをバックアップすることが特に重要です:

現在バージョン 1 のスーパーブロックで Sun StorageTek QFS 4U0 システムを使用しており、バージョン 2A スーパーブロックでファイルシステムを再初期化する場合。ファイルシステムを再初期化しデータを復元する方法の詳細については、「ファイルシステムを再初期化し、復元する方法」を参照してください。
qfsdump ファイルが正しくないか古いと思われる場合。

次のセクションでは、スーパーブロックのバージョン間の相違について説明し、ファイルシステムをバックアップするための手順を示します。

Version 1、Version 2、および Version 2A スーパーブロックのバックアップ

デフォルトでは、Sun QFS および SAM-QFS 5.0 以降のリリースでは、バージョン 2A スーパーブロックを持つ新しいファイルシステムが作成されます。これにより、次の機能を使用できるようになります:

大きいホストテーブル (16K バイト超)
samadm eq-add または samu add コマンドを使用したオンライン拡張

バージョン 2A ファイルシステムには以前の製品バージョンとの互換性がありません。たとえば、SAM-QFS 4.6 でバージョン 2A ファイルシステムをマウントすることはできません。製品の以前のリリースでマウントできるファイルシステムを作成する必要がある場合は、sammkfs -P コマンドを使用してください。

注 - sammkfs -P コマンドを使用してファイルシステムを作成する場合、そのファイルシステムでは大きいホストテーブルやオンライン拡張はサポートされません。

既存のバージョン 2 ファイルシステムで大きいホストテーブルやオンライン拡張をサポートするには、samfsck -u 2A file-system コマンドを使用してファイルシステムをバージョン 2A にアップグレードします。

注 - ファイルシステムに機能を追加すると、5.0 より前のバージョンの SAM-QFS との下位互換性がなくなり、元に戻すこともできません。

ファイルシステムをバックアップする方法 (Sun QFS 構成)

環境内のファイルシステムごとに、これらの手順を実行します。

注 - 既存のアーカイブ環境からアップグレードする場合、バックアップする必要があるのはファイルシステムのメタデータだけです。

コンソール接続からスーパーユーザーになります。
root でログインしていない場合は、ログインします。
システムをシングルユーザーモードでブートします。
```
# boot -s
```
ファイルシステムをマウントします。
次に例を示します。
```
# mount /qfs1
```
qfsdump コマンドを使用して、ファイルシステムのファイルデータとメタデータを既存のファイルシステム以外の場所にバックアップします。
qfsdump コマンドでは、ファイル名、i ノードの情報、およびファイルデータがダンプされます。qfsdump の出力先 (通常はファイル) のサイズは、少なくともバックアップ対象のファイルシステムと同じであることが必要です。出力先のディスクまたはテープには、ダンプするファイルデータとメタデータを保持するだけの十分な容量が必要です。qfsdump コマンドの使い方については、「ダンプファイルの設定」または qfsdump(1M) のマニュアルページを参照してください。
たとえば、qfs1 という名前のファイルシステム (/qfs1 にマウントされている) をバックアップするには、次の例のような選択肢があります。

例 10-3 qfsdump の出力をテープデバイスに書き込む

次の例は、デバイス /dev/rmt/1cbn のテープに書き込む方法を示しています。

# cd /qfs1
# qfsdump -f /dev/rmt/1cbn

例 10-4 qfsdump の出力を UNIX ファイルシステム (UFS) 内のファイルに書き込む

次の例は、UFS 内のファイルに書き込む方法を示しています。

# cd /qfs1
# qfsdump -f /save/qfs/qfs1.bak

例 10-5 新しい Sun QFS ファイルシステムを初期化し、その新しいファイルシステムで qfsrestore コマンドを直接実行する

この方法を使用するには、Sun QFS 5.0 ソフトウェアが環境内にすでにインストールされている必要があります。

たとえば、ダンプファイルを qfs2 という 2 番目のファイルシステム (/qfs2 にマウントされている) に書き込み、しかも、qfs2 ファイルシステムを 5.0 ソフトウェアで初期化してあるとします。次の例は、コマンドを使用してこれを行う方法を示しています。

# mount /qfs2
# cd /qfs1
# qfsdump -f - | (cd /qfs2; qfsrestore -f -)

ファイルシステムをバックアップする方法 (SAM-QFS 構成)

コンソール接続からスーパーユーザーになります。
root でログインしていない場合は、ログインします。
すべてのファイルをアーカイブに保存していることを確認します。
次の例は、sam1 がファイルシステムのマウントポイントであると仮定しています。この場合は、次のようなコマンドを入力して確認します。
```
# sfind /sam1 ! -type d ! -archived > /tmp/notarchived.list
```
このコマンドは、アーカイブされていないすべてのファイルを検出し、ファイルに出力します。ファイルシステムのサイズによって、このコマンドが完了するまでに長い時間がかかることがあります。
このコマンドの出力を確認します。
- これらのアーカイブされていないファイルをダンプファイルに含める場合は、アーカイブします。
- まだアーカイブされていないファイルがあると思われる場合は、samfsdump コマンドの -u オプションを使用して、アーカイブに保存されていないデータをダンプします。ただし、-u オプションを使用すると、非常に大きなダンプファイルが作成される可能性があります。したがって、このオプションを使用するときは、容量制限を考慮する必要があります。
samfsdump コマンドを使用して、各ファイルシステムのメタデータを既存のファイルシステム以外の場所にバックアップします。
回復ポイントの詳細は、「アーカイブ回復ポイントの作成」を参照してください。
samfsdump コマンドでは、データではなく、ファイル名と i ノードの情報がダンプされます。詳細は、samfsdump(1M) のマニュアルページを参照してください。

`samfsdump` コマンドの使用例

この例では、/sam1 にマウントされたファイルシステムを、現在のファイルシステムの外部にある samfs1.dump にバックアップします。

# cd /sam1
# samfsdump -f /csd_dump_dir/samfs1.dump

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	Sun QFS および Sun Storage Archive Manager 5.3 インストールガイド Sun QFS and Sun Storage Archive Manager 5.3 Information Library (日本語)