このドキュメントで説明されているソフトウェアはサポートされていないか、拡張サポートが提供されています。
現在サポートされているリリースにアップグレードすることをお薦めします。

2.2 Dockerのアップグレード

Dockerバージョン1.10では、イメージ・データをディスクに格納する方法に連想機能が導入されています。 この機能により、セキュリティが向上し、Dockerイメージおよびレイヤーについてデータの整合性が確保しやすくなります。 Docker内でファイルをディスクに格納したり、参照する方法が変ったため、前のバージョンのDockerを使用して作成した既存のDockerイメージはすべて新しい形式に移行する必要があります。 この新しい機能および移行プロセスの詳細は、https://github.com/docker/docker/wiki/Engine-v1.10.0-content-addressability-migrationを参照してください。

Dockerイメージの移行は、アップグレード後に初めてDocker Engineを再起動すると、自動的に実行されます。 アップグレード・プロセスの際には、すべてのDockerコンテナがオフラインである必要があり、プロセスが完了するまで長時間かかることがあります。 移行に必要な停止時間をとる余裕がない場合は、前述のリンクで言及されている移行ユーティリティを使用することもできます。 しかし、オラクル社では、このユーティリティをパッケージに含めておらず、サポートもしていないことに注意してください。

Dockerバージョン1.9以降では、Unbreakable Enterprise Kernel Release 4 (UEK R4)を使用するようにシステムを構成し、このカーネルを使用してシステムを起動する必要があります。

バージョン1.8.1以降のDockerパッケージはdocker-engineで、以前のバージョンのDockerで使用されたdockerパッケージと競合しています。

Oracle Linux 6でDockerをアップグレードする手順

  1. Unbreakable Enterprise Kernelリリース4(UEK R4)を使用し、このカーネルでシステムをブートするようにシステムを構成します:

    1. システムがULNに登録されている場合は、ol6_x86_64_UEKR3_latestまたはol6_x86_64_UEK_latestチャネルへのアクセスを無効にし、ol6_x86_64_UEKR4チャネルへのアクセスを有効にします。

      Oracle Linux yumサーバーを使用する場合は、ol6_UEKR3_latestリポジトリを無効にし、/etc/yum.repos.d/uek-ol6.repoのリポジトリ構成ファイルで、次のようにol6_UEKR4リポジトリを有効にします:

      [ol6_UEKR4]
      name=Latest Unbreakable Enterprise Kernel Release 4 for Oracle Linux $releasever ($basearch)
      baseurl=https://yum.oracle.com/repo/OracleLinux/OL6/UEKR4/$basearch/
      gpgkey=file:///etc/pki/rpm-gpg/RPM-GPG-KEY-oracle
      gpgcheck=1
      enabled=1
      
      [ol6_UEKR3_latest]
      name=Latest Unbreakable Enterprise Kernel for Oracle Linux $releasever ($basearch)
      baseurl=https://yum.oracle.com/repo/OracleLinux/OL6/UEKR3/latest/$basearch/
      gpgkey=file:///etc/pki/rpm-gpg/RPM-GPG-KEY-oracle
      gpgcheck=1
      enabled=0
      
      [ol6_UEK_latest]
      name=Latest Unbreakable Enterprise Kernel for Oracle Linux $releasever ($basearch)
      baseurl=https://yum.oracle.com/repo/OracleLinux/OL6/UEK/latest/$basearch/
      gpgkey=file:///etc/pki/rpm-gpg/RPM-GPG-KEY-oracle
      gpgcheck=1
      enabled=0 
    2. 次のコマンドを実行して、システムをUEK R4にアップグレードします。

      # yum update
    3. UEK R4を確実にデフォルトの起動カーネルにするには、/boot/grub/grub.confを編集してdefaultディレクティブの値を変更し、UEK R4カーネルのエントリの索引を作成します。 たとえば、UEK R4カーネルが最初のエントリの場合、defaultの値を0に設定します。

    4. UEK R4カーネル(バージョン4.1.12)がデフォルトの起動カーネルでない場合は選択して、システムを再起動します。

      # reboot
  2. dockerサービスを停止します。

    # service docker stop
  3. 古いdockerパッケージがインストールされている場合は、これを削除してdocker-engineパッケージをインストールします。

    # yum remove docker
    # yum install docker-engine
  4. dockerサービスを起動します。

    # service docker start