Oracle® Solaris 11.2 システムのブートとシャットダウン

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更新: 2014 年 7 月
 
 

x86: GRUB Legacy メニューエントリが GRUB 2 に移行される方法

GRUB 2 をサポートする Oracle Solaris のバージョンへのアップグレード後、すべての Oracle Solaris メニューエントリが GRUB Legacy menu.lst ファイルから新しい grub.cfg ファイルに自動的に移行されます。すべてのチェーンローダーエントリも移行されます。システムのリブート時に、移行されたブートエントリのみがメイン GRUB メニューに表示されます。メイン GRUB メニューに表示したいほかのブートエントリを手動で変換し、custom.cfg ファイルに追加する必要があります。GRUB 構成のカスタマイズを参照してください。


注 - menu.lst ファイルのすべてのブートエントリが、そのルートプールの GRUB Legacy サブメニューに存在します。

重要な点として、GRUB 2 では、Solaris 10 1/06 リリース以降、Oracle Solaris 10 リリースに加えて、Oracle Solaris 11 のサポートされるすべてのリリースを直接ブートできます。以前の Oracle Solaris リリースは チェーンロードメカニズムを使用して、間接的にブートできます。他のカスタムエントリを追加する同じ方法で、チェーンロードを使用するメニューエントリを custom.cfg ファイルに追加できます。

GRUB Legacy の場合と同様に、チェーンロードの原則はGRUB 2 でも同じですが、構文はやや異なります。次の例で、エントリはディスク 0 上のマスターブートレコード (MBR) にチェーンロードされます。このタイプのチェーンロードは、GRUB 2 がその場所にインストールされていない場合のみ役立ちます。このようなチェーンロードは BIOS ファームウェアを搭載するシステム (すべての Oracle Solaris 10 システムを含む) でのみ機能します。

menuentry "Boot from Hard Disk" {
               set root=(hd0)
               chainloader --force +1
       }

次の例では、2 番目の DOS パーティションに Oracle Solaris 10 がインストールされています。さらに、GRUB Legacy の Oracle Solaris 10 バージョンがそのパーティションのパーティションブートレコード (PBR) にインストールされます。

menuentry "Solaris 10" {
               set root=(hd0,msdos2)
               chainloader --force +1
       }

この例では、エントリが Oracle Solaris 10 GRUB Legacy メニューにチェーンロードされます。結果として 2 つのメニューのレベルが存在します: 1 つは GRUB 2 から Oracle Solaris 10 GRUB Legacy メニューにチェーンロードし、1 つは Oracle Solaris 10 GRUB Legacy メニューから Oracle Solaris 10 カーネルをブートします。システムをブートするには、該当する Oracle Solaris 10 メニューエントリを選択する必要があります。

menu.lst ファイルから変換された Oracle Solaris メニューエントリに加えて、ルートプールごとに、GRUB Legacy menu.lst ファイルを格納する 1 つのサブメニューがあります。このサブメニューには、各 menu.lst ファイル内のすべてのメニューエントリが含まれ、最大の下位互換性のため、すべての menu.lst エントリにアクセスできます。

GRUB 2 の前提条件のパッケージを含まない Oracle Solaris ブート環境に戻すと、beadm コマンドや bootadm コマンドを使用して実行された変更など、ブート構成の変更のみが該当するルートプールの menu.lst ファイルに対して行われます。次にシステムをリブートしても、GRUB 2 メニューにそれらの変更は反映されません。該当するルートプールの Legacy GRUB サブメニューのみに変更が反映されます。

さらに、GRUB 2 対応のブート環境がブートされ、grub.cfg ファイルが再生成されるまで、これらの変更は main GRUB メニューに表示されません。システムで GRUB 2 を使用するブート環境が実行されると、可能であれば常に、menu.lst ファイルが grub.cfg ファイルと同期されます。この同期は、beadm または bootadm コマンドを使用して、GRUB 2 構成が変更されると常に実行されます。