Oracle® Solaris 11.2 ブート環境の作成と管理

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更新: 2014 年 7 月
 
 

ブート環境の破棄

システムの空き容量を増やすには、beadm コマンドを使用して既存のブート環境を破棄します。このコマンドの構文は次のとおりです。

beadm destroy [-fF] BeName | BeName@snapshot

このコマンドは、指定されたブート環境またはスナップショットを破棄します。このコマンドは、ブート環境を破棄する前に、ユーザーに確認を求めます。

  • –f - ブート環境がマウントされている場合でも強制的に破棄します。

  • –F - 確認を求めずにブート環境を強制的に破棄します。

    次のような仕様があります。

  • 現在ブートされているブート環境を破棄することはできません。

  • beadm destroy コマンドを使用すると、x86 用 GRUB メニューまたは SPARC 用ブートメニューから破棄されたブート環境のエントリが自動的に削除されます。

  • 非アクティブなブート環境を破棄すると、その非アクティブなブート環境に関連付けられたすべてのゾーンブート環境も破棄されます。

  • beadm destroy コマンドは、ブート環境の非共有データセットのみ破棄します。共有データセットは、ブート環境のルートデータセット領域の外側にあり、ブート環境が破棄される際に影響を受けません。

    次の例で、BE1 と BE2 は /tank データセットと /tank/home データセットを共有しています。データセットには、次のものがあります。

    # zfs list
    NAME                      USED  AVAIL  REFER  MOUNTPOINT
    rpool                    42.5G  24.4G  4.65M  /rpool
    rpool/ROOT               25.6G  24.4G    31K  legacy
    rpool/ROOT/BE1           8.91M  24.4G  4.17G  /
    rpool/ROOT/BE1/var       3.96M  24.4G   276M  /var
    rpool/ROOT/BE2           8.91M  24.4G  4.17G  /
    rpool/ROOT/BE2/var       3.96M  24.4G   276M  /var
    tank                      450K   457G    18K  /export
    tank/home                 315K   457G    21K  /export/home
    

    次のコマンドを使用して BE2 を破棄します。

    # beadm destroy BE2

    ブート環境 BE2 が破棄されても、共有データセット rpool/exportrpool/export/home は破棄されません。次のデータセットが残ります。

    # zfs list
    NAME                      USED  AVAIL  REFER  MOUNTPOINT
    rpool                    42.5G  24.4G  4.65M  /rpool
    rpool/ROOT               25.6G  24.4G    31K  legacy
    rpool/ROOT/BE1           8.91M  24.4G  4.17G  /
    rpool/ROOT/BE1/var       3.96M  24.4G   276M  /var
    tank                      450K   457G    18K  /export
    tank/home                 315K   457G    21K  /export/home