Oracle® Solaris 11.2 でのシステムサービスの管理

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更新: 2014 年 7 月
 
 

SMF サービス

SMF サービスは、永続的に実行するアプリケーションであり、次のようなシステムエンティティーを表します。

  • データベースや Web サーバーなどのアプリケーションサービス

  • 基本的なシステムサービス

  • デバイスのソフトウェア状態

  • カーネル構成情報

  • システム init 状態に対応するマイルストーン

サービスインスタンスはサービスの子であり、アプリケーションとほかのサービスインスタンスに機能および依存関係をもたらします。インスタンスだけが状態を保有し、起動および停止できます。ハードウェアまたはソフトウェアの障害など何らかの理由でインスタンスが失敗した場合、SMF は自動的に障害を検出し、インスタンスと依存インスタンスを再起動します。

サービスのインスタンスでは、サービスの複数の構成を同時に実行することができます。サービスインスタンスは、共通のサービス構成を継承してカスタマイズします。たとえば、あるインスタンスはポート 80 で待機するように構成され、別のインスタンスはポート 1008 で待機するように構成された Web サーバーサービスを定義できます。ほとんどのサービスには default インスタンスがあります。プログラムの実行ではなく構成の格納に SMF を使用するサービスなど、一部のサービスにはインスタンスはありません。たとえば、x11/x11-server サービスにはインスタンスがありません。

SMF サービスは、サービスマニフェストと呼ばれるファイルに記述されています。マニフェストには、サービスインスタンス、依存関係、構成プロパティー、およびメソッドが記述されます。サービスメソッドはサービスインスタンスの起動、停止、リフレッシュを行います。メソッドは、デーモン、ほかのバイナリ実行可能ファイル、または実行可能スクリプトの場合があります。サービスプロファイルファイルでは、主にプロパティーを追加し、プロパティー値を追加およびオーバーライドすることによって、既存のサービスをカスタマイズできます。リポジトリレイヤーで説明しているように、新しいプロパティーと値は、マニフェストで割り当てられた値の上にレイヤー化されます。マニフェストとプロファイルの詳細は、サービスバンドルを参照してください。プロファイルは、複数のシステムの構成で説明しているように、複数のシステムに同じカスタム構成を適用するための優れたツールでもあります。

サービス情報は、SMF データベースとも呼ばれるサービス構成リポジトリに格納されています。サービス構成リポジトリは、システム上の各サービスインスタンスの現在の状態と、サービスおよびサービスインスタンスごとの構成データを格納します。データは、リポジトリレイヤーで説明しているように、値がどのように変更されたかに応じてレイヤーに格納されます。

SMF には、有効化、無効化、リフレッシュ、再起動など、サービスインスタンスで呼び出すことのできるアクションが用意されています。各サービスインスタンスは、リスタータがこれらの管理アクションを実行することによって管理されます。通常、リスタータは、メソッドを実行してサービスインスタンスをある状態から別の状態に移行させることによってアクションを実行します。リスタータの詳細は、サービスリスタータを参照してください。

マイルストーンサービスは、システムの即応性のレベルを表す特殊なサービスです。マイルストーンは、ほかのサービスインスタンスが起動するときに依存するサービスです。たとえば、実行レベルは、svc:/milestone/multi-user-server などのマイルストーンサービスによって表されます。マイルストーンはまた、svc:/milestone/devicessvc:/milestone/networksvc:/milestone/name-services などのサービスグループの即応性を示すために使用することもできます。