Oracle® Solaris 11.2 でのシステムサービスの管理

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更新: 2014 年 7 月
 
 

状態遷移および FMA イベントの通知の構成

サービスが状態を変更したり、FMA イベントが発生したときに通知するようにシステムを構成できます。Simple Mail Transfer Protocol (SMTP) または Simple Network Management Protocol (SNMP) のどちらかの通知を指定できます。

デフォルトでは、保守の遷移に関して SNMP トラップが送信されます。遷移通知に SNMP を使用する場合、ほかの状態遷移に対し追加トラップを構成できます。

次の例では、SMF および FMA イベントに関する通知パラメータを設定する方法と、通知パラメータを削除する方法を示します。

使用例 3-4  サービス状態イベントに関するグローバル通知の構成

次のコマンドを実行すると、サービスが maintenance 状態に移行したときに電子メールを送信する通知が作成されます。

$ svccfg setnotify -g to-maintenance mailto:sysadmins@example.com
-g

-g オプションは、カスタム値が設定されていないすべてのサービスインスタンスについて、この通知パラメータを設定します。変更したすべてのサービスインスタンスがリフレッシュされます。-g オプションは、サービス状態遷移に関する通知を設定する場合にのみ使用でき、FMA イベントについては使用できません。

to-maintenance

smf(5)のマニュアルページの通知パラメータのセクションに記されているように、to-maintenance 引数は状態遷移イベントです。状態名だけを指定した場合、to-state および from-state の両方の遷移が含まれます。このイベントは、遷移のコンマ区切りのリストになる場合もあります。

mailto:

mailto 引数は、指定されたイベントについて受信する通知を指定します。この引数は snmp も指定できます。snmp 通知値は、snmp:active または snmp:inactive のどちらかにする必要があります。mailto 通知値は、この例に示した形式に加え、mailto:activemailto:inactive にすることができます。通知パラメータを設定すると、そのイベントの既存の値は上書きされます。active および inactive の設定は既存の値を上書きするのではなく、既存の通知が指定したイベントにとって有効かどうかを切り替えます。

使用例 3-5  指定されたサービスインスタンスに関する通知の構成

次のコマンドを実行すると、pkg/mirror サービスが maintenance 状態に遷移したときに電子メールを送信する通知が作成されます。

$ svccfg -s pkg/mirror setnotify to-maintenance mailto:installteam@example.com

次のコマンドを実行すると、http:apache22 サービスが online の状態から遷移したときに電子メールを送信する通知が作成されます。

$ svccfg -s http:apache22 setnotify from-online mailto:webservices@example.com
使用例 3-6  FMA イベントに関する通知の構成

problem-diagnosed 引数は FMA イベントです。この引数は、FMA イベントのコンマ区切りのリストにすることができます。smf(5)のマニュアルページの「通知パラメータ」の FMA イベントのリストを参照してください。

$ svccfg setnotify problem-diagnosed mailto:IT@example.com
使用例 3-7  通知設定の削除

次のコマンドを実行すると、前述の例で設定した通知設定が削除されます。

$ svccfg delnotify -g to-maintenance
$ svccfg -s pkg/mirror delnotify to-maintenance
$ svccfg setnotify problem-diagnosed mailto:root@localhost