現在のクラッシュダンプ構成を変更するには、root 役割になり、dumpadm コマンドを使用します。
dumpadm コマンドの構文は次のとおりです。
# /usr/sbin/dumpadm [-nuy] [-c content-type] [-d dump-device] [-m mink | minm | min%] [-s savecore-dir] [-r root-dir] [-z on | off]
ダンプするデータの種類を指定する。このオプションの値は、Oracle Solaris 11.2 リリースでは変更されています。カーネルメモリーページのみをダンプするには kernel、すべてのメモリーページをダンプするには all、カーネルメモリーと、クラッシュの発生時にスレッドが実行されていたプロセスのメモリーページをダンプするには curproc、カーネルメモリーページとすべてのプロセスページをダンプするには allproc、ZFS メタデータを格納するカーネルページをダンプするには zfs を使用します。デフォルトはカーネルメモリー
–c オプションの次の例を参照してください。
# dumpadm -c kernel # dumpadm -c +zfs # dumpadm -c -zfs # dumpadm -c curproc+zfs
システムがクラッシュしたときに、ダンプデータを一時的に保存するデバイスを指定します。デフォルトのダンプデバイスはプライマリダンプデバイスです。ダンプデバイスがスワップ領域でない場合は、savecore がバックグラウンドで実行されるため、ブートプロセスの速度が上がる
圧縮されたクラッシュダンプの格納に必要なディスク容量の概算を出力します。この値は、現在の構成および現在実行中のシステムを使用して算出されます。
現在の savecore ディレクトリに minfree ファイルを作成することにより、クラッシュダンプファイルを保存する最小限の空き容量を指定します。このパラメータは K バイト (mink)、M バイト (minm)、またはファイルシステムサイズのパーセント (min%) で指定できます。最小の空き容量を構成しないと、デフォルトで 1M バイトになります。
savecore コマンドは、クラッシュダンプファイルを書き込む前にこのファイルを調べる。クラッシュダンプファイルを書き込むと、サイズにより空き容量が minfree しきい値より少なくなる場合、ダンプファイルは書き込まれず、エラーメッセージが記録されます。このシナリオからの回復については、クラッシュダンプファイルディレクトリがいっぱいになった場合のデータの保存を参照してください。
システムがリブートするときに、savecore を実行しないように指定する。このダンプ構成は推奨できない。システムクラッシュ情報がスワップデバイスに書き込まれているときに、savecore が有効でないと、クラッシュダンプ情報はシステムがスワップを開始すると上書きされます。
マシン解析可能な出力を生成します。
クラッシュダンプファイルを保存する別のディレクトリを指定する。Oracle Solaris 11 では、デフォルトのディレクトリは /var/crash です。
/etc/dumpadm.conf ファイルの内容に基づいてカーネルダンプ構成を強制的に更新します。
リブート時に自動的に savecore コマンドを実行するようにダンプ構成を変更します。このダンプ設定では、このコマンドの自動実行がデフォルトです。
リブート時の savecore コマンドの動作を制御するために、ダンプ構成を変更します。on 設定では、圧縮した形式でのコアファイルの保存が有効になります。off 設定では、クラッシュダンプファイルを自動的に圧縮解除します。クラッシュダンプファイルはサイズが非常に大きくなる場合があり、圧縮した形式で保存すれば必要なシステム領域が小さくなるため、デフォルトは on です。
次の例は、すべてのメモリーを専用のダンプデバイス /dev/zvol/dsk/rpool/dump にダンプし、クラッシュダンプファイルを保存したあとに残っていなければならない最小空き容量は、ファイルシステム容量の 10% です。
# dumpadm Dump content: kernel pages Dump device: /dev/zvol/dsk/rpool/dump (dedicated) Savecore directory: /var/crash Savecore enabled: yes Save compressed: on # dumpadm -c all -d /dev/zvol/dsk/rpool/dump -m 10% Dump content: all pages Dump device: /dev/zvol/dsk/rpool/dump (dedicated) Savecore directory: /var/crash (minfree = 5697105KB) Savecore enabled: yes Save compressed: on