Oracle® Solaris 11.2 での IP サービス品質の管理

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更新: 2014 年 7 月
 
 

ベストエフォート Web サーバー用の IPQoS 構成ファイルを作成する方法

ベストエフォート Web サーバー用の IPQoS 構成ファイルは、プレミアム Web サーバー用の IPQoS 構成ファイルとは少し違います。この手順では、Example 3–2 からの構成ファイルを使用します。

  1. 管理者になります。

    詳細は、Oracle Solaris 11.2 でのユーザーとプロセスのセキュリティー保護 の割り当てられている管理権利の使用を参照してください。

  2. ベストエフォート Web サーバーにログインします。
  3. 新規 IPQoS 構成ファイルを拡張子 .qos を付けて作成します。
    fmt_version 1.0
    action {
        module ipgpc
        name ipgpc.classify
        params {
            global_stats TRUE
       }

    ファイルは、ipgpc クラシファイアを呼び出す部分 action 文から始める必要があります。また、action 文には、統計収集を有効にする params 句も含めています。この action 文については、IPQoS 構成ファイルを作成し、トラフィッククラスを定義する方法を参照してください。

  4. ベストエフォート Web サーバーに向かうトラフィックを特定するクラスを定義します。
    class {
            name userweb
            next_action markAF12
            enable_stats FALSE
        }
    name userweb

    userweb クラスを作成して、ユーザーから Userweb サーバーに向かうトラフィックを特定する

    next_action markAF1

    ipgpc モジュールに対し、ipgpc による処理が完了した userweb クラスのパケットを、actionmarkAF12 に渡すよう指示する。actionmarkAF12 は、dscpmk マーカーを呼び出す

    enable_stats FALSE

    userweb クラスの統計収集を可能にする。ただし、enable_stats の値が FALSE であるため、このクラスの統計は収集されない

    class 句の処理については、IPQoS 構成ファイルを作成し、トラフィッククラスを定義する方法を参照してください。

  5. userweb クラスのトラフィックフローを選択する filter 句を定義します。
        filter {
           name webout
           sport 80
           direction LOCAL_OUT
           class userweb
       }
    }
    name webout

    フィルタに webout という名前を割り当てる。

    sport 80

    ソースポート 80 (既知の HTTP (Web) トラフィック用ポート) のトラフィックを選択する。

    direction LOCAL_OUT

    ローカルシステムから発信されるトラフィックを選択する

    class userweb

    フィルタが所属するクラス (このインスタンスでは userweb クラス) を特定する

    filter 句の処理については、IPQoS 構成ファイル内でフィルタを定義する方法を参照してください。

  6. dscpmk マーカーを呼び出す action 文を開始します。
    action {
        module dscpmk
        name markAF12
    module dscpmk

    dscpmk マーカーモジュールを呼び出す

    name markAF12

    action 文に markAF12 という名前を割り当てる。

    以前に定義した userweb クラスには next_action markAF12 という文が含まれています。この文は、クラシファイアによる処理が完了したトラフィックフローを、 actionmarkAF12 に送信します。

  7. トラフィックフローの処理に使用する、マーカーのパラメータを定義します。
        params {
            global_stats FALSE
            dscp_map{0-63:12}
            next_action continue
        }
    }
    global_stats FALSE

    マーカー actionmarkAF12 の統計収集を可能にする。ただし、enable_stats の値が FALSE であるため、統計は収集されない。

    dscp_map{0–63:12}

    DSCP 12 を、マーカーにより処理中の userweb クラスのパケットヘッダーに割り当てる

    next_action continue

    userweb クラスのパケットに対しこれ以上処理を行う必要がないこと、およびこれらのパケットをネットワークストリームに戻してもよいことを示す

    DSCP 12 は、マーカーに対し、dscp マップ内のすべてのエントリを 10 進数値の 12 (バイナリ値 001100) に設定するよう指示します。このコードポイントは、userweb トラフィッククラスのパケットが AF12 ホップ単位動作 (PHB) に従うことを示します。AF12 は、DS フィールド内に DSCP 12 を持つすべてのパケットが、中程度のドロップ、および高い優先順位のサービスを受けることを保証します。

  8. 変更を /etc/inet/ipqosinit.conf ファイルに保存します。
    • 変更する場合は、ipqos サービスを開始します。

      サービスの開始または再開の具体的な手順については、ipqos サービスを開始する方法を参照してください。

    • IPQoS 構成ファイルで変更を続行する場合は、別のタスクを選択します。

      必要になる可能性のある追加の変更のリストについては、一般的な IPQoS の構成計画のタスクマップを参照してください。