ベストエフォート Web サーバー用の IPQoS 構成ファイルは、プレミアム Web サーバー用の IPQoS 構成ファイルとは少し違います。この手順では、Example 3–2 からの構成ファイルを使用します。
詳細は、Oracle Solaris 11.2 でのユーザーとプロセスのセキュリティー保護 の割り当てられている管理権利の使用を参照してください。
fmt_version 1.0 action { module ipgpc name ipgpc.classify params { global_stats TRUE }
ファイルは、ipgpc クラシファイアを呼び出す部分 action 文から始める必要があります。また、action 文には、統計収集を有効にする params 句も含めています。この action 文については、IPQoS 構成ファイルを作成し、トラフィッククラスを定義する方法を参照してください。
class { name userweb next_action markAF12 enable_stats FALSE }
userweb クラスを作成して、ユーザーから Userweb サーバーに向かうトラフィックを特定する
ipgpc モジュールに対し、ipgpc による処理が完了した userweb クラスのパケットを、action 文 markAF12 に渡すよう指示する。action 文 markAF12 は、dscpmk マーカーを呼び出す
userweb クラスの統計収集を可能にする。ただし、enable_stats の値が FALSE であるため、このクラスの統計は収集されない
class 句の処理については、IPQoS 構成ファイルを作成し、トラフィッククラスを定義する方法を参照してください。
filter { name webout sport 80 direction LOCAL_OUT class userweb } }
フィルタに webout という名前を割り当てる。
ソースポート 80 (既知の HTTP (Web) トラフィック用ポート) のトラフィックを選択する。
ローカルシステムから発信されるトラフィックを選択する
フィルタが所属するクラス (このインスタンスでは userweb クラス) を特定する
filter 句の処理については、IPQoS 構成ファイル内でフィルタを定義する方法を参照してください。
action { module dscpmk name markAF12
dscpmk マーカーモジュールを呼び出す
action 文に markAF12 という名前を割り当てる。
以前に定義した userweb クラスには next_action markAF12 という文が含まれています。この文は、クラシファイアによる処理が完了したトラフィックフローを、 action 文 markAF12 に送信します。
params { global_stats FALSE dscp_map{0-63:12} next_action continue } }
マーカー action 文 markAF12 の統計収集を可能にする。ただし、enable_stats の値が FALSE であるため、統計は収集されない。
DSCP 12 を、マーカーにより処理中の userweb クラスのパケットヘッダーに割り当てる
userweb クラスのパケットに対しこれ以上処理を行う必要がないこと、およびこれらのパケットをネットワークストリームに戻してもよいことを示す
DSCP 12 は、マーカーに対し、dscp マップ内のすべてのエントリを 10 進数値の 12 (バイナリ値 001100) に設定するよう指示します。このコードポイントは、userweb トラフィッククラスのパケットが AF12 ホップ単位動作 (PHB) に従うことを示します。AF12 は、DS フィールド内に DSCP 12 を持つすべてのパケットが、中程度のドロップ、および高い優先順位のサービスを受けることを保証します。
サービスの開始または再開の具体的な手順については、ipqos サービスを開始する方法を参照してください。
必要になる可能性のある追加の変更のリストについては、一般的な IPQoS の構成計画のタスクマップを参照してください。