IPQoS 構成ファイルは、使用の準備ができたら /etc/inet/ipqosinit.conf にコピーする必要があります。新しいインストールで開始する場合は、ドラフト構成ファイルが使用される場所で、このファイルを編集した方が簡単です。次の手順では、Example 3–1 で紹介された IPQoS 構成ファイルの最初のセグメントを構築します。
詳細は、Oracle Solaris 11.2 でのユーザーとプロセスのセキュリティー保護 の割り当てられている管理権利の使用を参照してください。
すべての IPQoS 構成ファイルは、この行から開始する必要があります。
IPQoS 構成ファイルを成す action 文のツリーは、この初期アクションから始まります。たとえば、構成ファイルは、ipgpc クラシファイアを呼び出す冒頭の action 文で始まります。
fmt_version 1.0 action { module ipgpc name ipgpc.classify
IPQoS 構成ファイルを開始する
action 文を開始する
構成ファイル内の最初のアクションとして ipgpc クラシファイアを構成する
クラシファイアの action 文の名前を定義する。名前は常に ipgpc.classify でなければならない
action 文の詳しい構文については、action 文および ipqosconf(1M) のマニュアルページを参照してください。
params { global_stats TRUE }
ipgpc.classify 文のパラメータ global_stats TRUE は、そのアクションに関する統計の収集を可能にします。また、global_stats TRUE を使用し、かつクラス句定義に enable_stats TRUE を指定すれば、そのクラスの統計の収集が可能になります。
統計を有効にすると、パフォーマンスに影響を与えます。新規 IPQoS 構成ファイルを作成したときには、IPQoS が適正に動作するか検証するために、統計収集を有効にしてもかまいません。あとで global_stats の引数を FALSE に変更すれば、統計収集を無効にできます。
グローバル統計は、params 句で定義可能なパラメータの 1 種類に過ぎません。params 句の構文などについては、params 句および ipqosconf(1M) のマニュアルページを参照してください。
class { name goldweb next_action markAF11 enable_stats FALSE }
この文は、class 句と呼ばれます。この class 句には次の内容が含まれます。
goldweb クラスを作成して、Goldweb サーバーに向かうトラフィックを特定する
ipgpc モジュールに対し、goldweb クラスのパケットをアクション文 markAF11 に渡すよう指示する。アクション文 markAF11 は、dscpmk マーカーを呼び出す。
goldweb クラスの統計取得を可能にする。ただし、enable_stats の値が FALSE であるため、このクラスの統計収集は無効になる。
class 句の構文の詳細については、class 句および ipqosconf(1M) のマニュアルページを参照してください。
class { name video next_action markEF enable_stats FALSE }
video クラスを作成して、Goldweb サーバーから発信されるストリーミングビデオのトラフィックを特定する
ipgpc モジュールに対し、ipgpc による処理が完了した video クラスのパケットを、markEF 文に渡すよう指示する。markEF 文は、dscpmk マーカーを呼び出す
video クラスの統計収集を可能にする。ただし、enable_stats の値が FALSE であるため、このクラスの統計収集は無効になる。
サービスの開始または再開の具体的な手順については、ipqos サービスを開始する方法を参照してください。
必要になる可能性のある追加の変更のリストについては、一般的な IPQoS の構成計画のタスクマップを参照してください。