Oracle® Solaris 11 セキュリティーガイドライン

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更新: 2014 年 9 月
 
 

tmpfs ファイルシステムのサイズを制限する方法

tmpfs ファイルシステムのサイズは、デフォルトでは無制限です。そのため、tmpfs が増大して、使用可能なシステムメモリーやスワップがいっぱいになる可能性があります。/tmp ディレクトリはすべてのアプリケーションおよびユーザーによって使用されるため、使用可能なすべてのシステムメモリーが 1 つのアプリケーションに占有される可能性があります。同様に、悪意のある非特権ユーザーが /tmp ディレクトリ内に大規模ファイルを作成することによって、システムの処理速度が低下する可能性があります。パフォーマンスへの影響を避けるために、それぞれの tmpfs マウントのサイズを制限できます。

最良のシステムパフォーマンスを実現するために、いくつかの値を試してみることをお勧めします。

始める前に

vfstab ファイルを編集するには、solaris.admin.edit/etc/vfstab 権限を割り当てられた管理者になる必要があります。ゾーンをリブートするには、「Maintenance and Repair」権利プロファイルが割り当てられている必要があります。root 役割には、これらの権利がすべて含まれています。詳細は、Oracle Solaris 11.2 でのユーザーとプロセスのセキュリティー保護 の割り当てられている管理権利の使用を参照してください。

  1. システムのメモリー量を調べます。

    注 -  次の例で使用されている SPARC T3 シリーズシステムは、入出力を高速化するソリッドステートディスク (SSD) と 8 台の 279.40M バイトディスクを搭載しています。このシステムにはおよそ 500G バイトのメモリーがあります。
    % prtconf | head
    System Configuration:  Oracle Corporation  sun4v
    Memory size: 523776 Megabytes
    System Peripherals (Software Nodes):
    
    ORCL,SPARC-T3-4
    scsi_vhci, instance #0
    disk, instance #4
    disk, instance #5
    disk, instance #6
    disk, instance #8
  2. tmpfs のメモリー制限を計算します。

    システムメモリーのサイズに応じて、大規模システムではおよそ 20 パーセント、小規模システムではおよそ 30 パーセントのメモリー制限を計算することをお勧めします。

    したがって、小規模システムでは、乗数として .30 を使用します。

    10240M x .30 ≈ 340M

    大規模システムでは、乗数として .20 を使用します。

    523776M x .20 ≈ 10475M
  3. サイズ制限を使って /etc/vfstab ファイルにある swap エントリを変更します。
    # pfedit /etc/vfstab
    #device     device       mount       FS      fsck    mount mount
    #to mount   to fsck      point       type    pass    at boot options
    #
    ...
    #swap       -            /tmp        tmpfs   -       yes     -
    swap        -            /tmp        tmpfs   -       yes     size=10400m
    /dev/zvol/dsk/rpool/swap   -      -  swap    -       no      - 
  4. システムをリブートします。
    # reboot
  5. サイズ制限が有効であることを確認します。
    % mount -v
    swap on /system/volatile type tmpfs
    read/write/setuid/devices/rstchown/xattr/dev=89c0006 on Tues Feb 4 14:07:27 2014
    swap on /tmp type tmpfs
    read/write/setuid/devices/rstchown/xattr/size=10400m/dev=89c0006 on Tues ...
  6. メモリー使用量をモニターし、サイトの要件に合わせて調整します。

    df コマンドは多少役に立ちます。swap コマンドを使用すると、もっとも役立つ統計を得られます。

    % df -h /tmp
    Filesystem Size Used Available Capacity Mounted on
    swap          7.  4G     44M    7.4G 1%       /tmp
    
    % swap -s
    total: 190248k bytes allocated + 30348k reserved = 220596k used,
    7743780k available 

    詳細は、tmpfs(7FS)mount_tmpfs(1M)df(1M)、および swap(1M) のマニュアルページを参照してください。