Oracle® Solaris 11 セキュリティー開発者ガイド

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更新: 2014 年 7 月
 
 

/etc/pam.d を介した PAM の構成

Oracle Solaris 11.1 以降のリリースでは、pam.conf ファイルに加え、/etc/pam.d ディレクトリ内のサービス別 PAM ポリシーファイルを介して PAM を構成することができます。

/etc/pam.d ディレクトリには、PAM_SERVICE の値を使用して名前が付けられたファイルが入っています。たとえば、/etc/pam.d/telnet は telnet サービスの場合に読み取るファイルです。/etc/pam.conf ファイルの最初の列はサービス名ですが、それが省略される点を除き、/etc/pam.d のファイルの構文は /etc/pam.conf の構文と同じです。

/etc/pam.d のファイルを使用して PAM を構成する利点は次のとおりです。

  • サービス別 PAM ポリシーファイル内の誤りは、そのサービスだけに影響します。

  • /etc/pam.d 内にファイルを作成するだけで、新しい PAM サービスを簡単に追加できます。

  • Linux-PAM や OpenPAM といったほかの多くの PAM 実装が /etc/pam.d をサポートしているため、クロスプラットフォームの PAM アプリケーションとの相互運用性が向上します。

  • システム管理者は、ベンダーから提供された /etc/pam.d ファイルを重ね合わせることによってサイトのセキュリティーポリシーをカスタマイズすることもできます。

構成の検索は次の順序で行われます。

  1. /etc/pam.conf で、指定されたサービスエントリ

  2. /etc/pam.d/servicename

  3. /etc/pam.conf で、ほかのエントリ

  4. /etc/pam.d/other

この検索順序により、システムが pkg(5) によってアップグレードされるときに /etc/pam.conf ファイルに加えられたカスタマイズが保持され、ポリシーが引き続きアクティブになることが保証されます。

追加情報については、Process Rights Management in Securing Users and Processes in Oracle Solaris 11.2 を参照してください。