Oracle® Solaris 11 セキュリティー開発者ガイド

印刷ビューの終了

更新: 2014 年 7 月
 
 

GSS-API のセキュリティーサービス

    GSS-API は次の 3 種類のセキュリティーサービスを提供します。

  • 認証 – 認証は、GSS-API によって提供される基本的なセキュリティー機能です。認証とは相手の身元を確認することです。あるユーザーが認証されると、システムは、そのユーザーがそのユーザー名で活動する権利を持つ人であるとみなします。

  • 整合性 – 整合性は、データの有効性を検証することです。データが有効なユーザーから送られてきたとしても、そのデータ自体が破壊または改ざんされている可能性があります。整合性は、メッセージが完全に意図されたとおりの内容であり、情報の追加や削除がまったく行われていないことを保証します。GSS-API では、メッセージ整合性コード (Message Integrity Code、MIC) と呼ばれる暗号タグを、データに添付できるようになっています。MIC は、ユーザーが受信したデータが、送信側が送信したデータと同一であることを証明します。

  • 機密性 – 機密性は、メッセージを傍受した第三者がその内容を読み取ろうとしても読み取れないことを保証します。認証と整合性のどちらも、データに変更を施すわけではありません。したがって、データが何らかの方法で傍受された場合、そのデータの内容が他人に読み取られてしまいます。したがって、GSS-API ではデータを暗号化できるようになっています。ただしそれには、暗号化をサポートするメカニズムが利用可能である必要があります。このようにデータを暗号化することを機密性と呼びます。