Oracle® Solaris 11 セキュリティー開発者ガイド

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更新: 2014 年 7 月
 
 

スーパーユーザーモデルと特権モデルの互換性

従来のアプリケーションにも対応できるように、特権の実装は、スーパーユーザーモデルと特権モデルのどちらでも動作します。この対応は、PRIV_AWARE フラグを使用することで実現されます。このフラグは、プログラムが特権に対応していることを示します。PRIV_AWARE フラグは、オペレーティングシステムによって自動的に処理されます。

特権を認識しない子プロセスについて検討してください。このプロセスの PRIV_AWARE フラグは false になっています。親プロセスから継承された特権のすべてが、許可されたセットと実効セットに含まれます。子プロセスが UID を 0 に設定した場合、その実効セットと許可されたセットは、制限セット内の特権に制限されます。子プロセスはスーパーユーザーの力を完全には行使できません。したがって、特権に対応したプロセスの制限セットが、特権に対応していないすべての子プロセスのスーパーユーザー特権を制限することになります。子プロセスが特権セットをいずれか 1 つでも変更すると、PRIV_AWARE フラグが true に設定されます。