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以下の節では、Oracle Tuxedo 製品のアーキテクチャと主要な特長について説明します。
Oracle Tuxedo は、Web からエンタープライズにわたる異種、分散環境にスケーラブルな多層クライアント/サーバ アプリケーションをビルドするためのフレームワーク (ミドルウェア) です。Oracle Tuxedo を使用すると、基底のハードウェア、ネットワーク、およびデータベース環境に依存することなく分散アプリケーションを開発、管理、およびデプロイできます。
次の図に示すように、ミドルウェアは、ネットワーク内のシステム ノード上で、クライアント/サーバ アプリケーションとオペレーティング システムおよびネットワーク サービスの間に存在するソフトウェア サービス群です。
ミドルウェア サービスは、オペレーティング システムおよびネットワーク サービスに比べてより多くのアプリケーション プログラミング インタフェース (API) セットを提供します。ミドルウェア サービスの主な目的は、アプリケーションの接続性と相互運用性の問題の解決を支援することです。
Oracle Tuxedo には、次のミドルウェア サービスが用意されています。
ATMI (アプリケーション トランザクション モニタ インタフェース) は、Tuxedo システムの主要な API です。ATMI には、トランザクション管理機能 (ルーチン、関数)、要求/応答、会話、キュー、パブリッシュ アンド サブスクライブのメッセージ処理機能、サービス インタフェース機能、および分散アプリケーション通信用のバッファ管理機能が含まれます。
CORBA (Common Object Request Broker Architecture) は、OMG (Object Management Group) によって規定された言語に依存しない分散オブジェクト モデルです。CORBA プログラミング インタフェースは、C++ ORB と Java ORB で構成されます。ORB (オブジェクト リクエスト ブローカ) は、CORBA オブジェクトがお互いを識別して通信するためのライブラリです。
注意 : | Oracle Tuxedo CORBA Java クライアントと Oracle Tuxedo CORBA Java クライアント ORB は Tuxedo 8.1 で非推奨になり、サポートされなくなりました。Oracle Tuxedo CORBA Java クライアントおよび Oracle Tuxedo CORBA Java クライアント ORB のテキスト参照、関連するコード サンプルはすべてサードパーティの Java ORB ライブラリの実装/実行の簡易化とプログラマによる参照だけに使用する必要があります。 |
注意 : | サード パーティの CORBA Java ORB のテクニカル サポートは、各ベンダによって提供されます。Oracle Tuxedo では、サード パーティの CORBA Java ORB に関する技術的なサポートやマニュアルは提供していません。 |
トランザクション処理アプリケーション サーバは、使用しているシステムやリソース マネージャに関係なく、分散 ATMI トランザクションのあらゆる側面をモニタします。トランザクション処理アプリケーション サーバは、通常のコンピュータ ハードウェアとオペレーティング システム上で ATMI トランザクションを実行するための実行時エンジンを備えています。
CORBA オブジェクト トランザクション サービス (OTS) をベースとしたオブジェクト アプリケーション サーバは、Tuxedo ATMI トランザクション処理技術と Oracle CORBA C++ ORB を組み合わせて、トランザクションを使用する分散オブジェクト アプリケーションのパフォーマンスを向上させます。
Oracle Tuxedo には、トランザクション管理、セキュリティ、メッセージ転送、管理と管理容易性、および 2 フェーズ コミット処理のための XA 準拠データベース サポートに必要な ATMI サービスと CORBA C++ オブジェクトが組み込まれています。また、多数のサーバ マシンにまたがる分散トランザクション向けに設計された高速で信頼性の高いサーバサイド メッセージ スイッチも用意されています。
Oracle Tuxedo は、20 年以上にわたるたゆみない開発と拡張を通して高い評価と完成度を獲得したシステムです。
1983 年のリリース 1.0 から 2000 年のリリース 7.1 に至るまで、Tuxedo システムにはいくつもの重要な拡張と改良が重ねられました。これらは常に、クライアント プロセスとサーバ プロセス間の通信を簡素化および柔軟化することを目的としたものでした。進化を重ねた Tuxedo システムは、オープンな (オープン スタンダードの) オンライン トランザクション処理 (OLTP) ソリューションの業界標準となりました。
リリース 4.0 では、ATMI API とトランザクション処理を採用しました。リリース 5.0 では、Tuxedo アプリケーションのフェデレーション (連合) とアプリケーション間トランザクション処理を実現する Domains コンポーネントを導入しました。リリース 7.1 では、サード パーティ製システムのインストールを可能にするセキュリティ プラグイン アーキテクチャを採用しました。
またリリース 7.1 では、マルチスレッドおよびマルチコンテキストのアプリケーション クライアントおよびサーバを開発するための ATMI 機能であるマルチスレッドとマルチコンテキストと、eXtensible Markup Language (XML) 型付きバッファを使用して ATMI アプリケーションの内部または間で XML データを交換するための XML バッファ サポートを採用しました。リリース 7.1 では、Oracle Tuxedo に初めて Oracle Jolt 製品が同梱されました。
Oracle Tuxedo ATMI の概要については、「Oracle Tuxedo ATMI のコア コンポーネント」を参照してください。
リリース 8.0 では、Oracle CORBA API と CORBA OTM (Object Transaction Manager) 機能が搭載されました。CORBA OTM は、CORBA 準拠のプログラミング モデルのメリットと Oracle Tuxedo コア技術インフラストラクチャの実証された能力と信頼性を兼ね備えています。
Oracle Tuxedo CORBA の概要については、「Oracle Tuxedo CORBA の構成要素」を参照してください。
Tuxedo システムを英語または日本語でインストールして対話できます。
マルチバイト文字のエンコーディングを処理するための新しい ATMI アプリケーション バッファ タイプが用意されています。
Apache Xerces C++ バージョン 1.7 パーサが Tuxedo に組み込まれ、ユーザ アプリケーションで XML データを読み書きできるようになりました。
Oracle WebLogic Server の Administration Console を使用して Oracle Tuxedo と Oracle WebLogic Server のセキュリティを管理できます。
Tuxedo ドメイン ゲートウェイ プロセスのパフォーマンスが、ユーザ インタフェースを変更することなく向上します。
Tuxedo ドメイン ゲートウェイ プロセスの ON_STARTUP
接続ポリシーが変更され、リモート ドメインごとに選択して接続を行うことができるようになりました。
アプリケーション アクティビティが長期にわたって存在しない場合でもファイアウォールを介したドメイン間接続を保持し、Tuxedo ドメイン ゲートウェイ プロセスでドメイン間接続の障害を迅速に検出できます。
Tuxedo ブリッジ プロセスを (シングル スレッド実行とは反対に) マルチスレッド実行向けにコンフィグレーションしてブリッジのパフォーマンスを向上させることができます。
特定の Tuxedo コンフィグレーション パラメータの許容長が 64 または 78 文字から 256 文字に増加しました。
グローバル最大トランザクション タイムアウト パラメータを追加して、非常に長い ATMI トランザクション タイムアウト値を防ぐことができます。
CORBA C++ クライアントは、WebLogic Server T3 クライアントと同じ方法で WebLogic Server アプリケーション サーバとのグローバル トランザクションに参加できます。
さらに、Oracle Tuxedo 8.1 には Oracle Jolt 製品と Oracle SNMP Agent 製品が同梱されています。Oracle Tuxedo 8.1 の新機能と拡張の詳細については、『Oracle Tuxedo リリース ノート』を参照してください。
XML スキーマと変換 (XML と FML/FML32 間) をサポートします。また、Tuxedo サービス定義へのアクセスを可能にする Tuxedo サービス メタデータ リポジトリも利用できます。Tuxedo サービス メタデータ リポジトリは、アプリケーションの開発または変更時に開発者と管理者による対話形式のクエリを処理することを目的に設計されました。アプリケーションのプロダクション過程で、自動化された大量のクエリを処理するためのものではありません。
Tuxedo .NET ワークステーション クライアントを使用すると、.NET Framework 環境で Tuxedo システムにアクセスできます。開発者用に、一連の API および開発ユーティリティとして実装されています。
さらに、Oracle Tuxedo 9.0 には Oracle Jolt 製品と Oracle SNMP Agent 製品が同梱されています。Oracle Tuxedo 9.0 の新機能と拡張の詳細については、『Oracle Tuxedo リリース ノート』および「Oracle Tuxedo ドキュメント」ページの「新機能」リンクを参照してください。
複製された Oracle データベース サービスを使用して同一の Oracle データベースにアクセスするマシンのクラスタ化をサポートします。詳細については、『Oracle Tuxedo アプリケーションの設定』の「Tuxedo を Oracle Real Application Clusters (RAC) と共に使用」を参照してください。
Microsoft の .NET Framework 機能を使用する Tuxedo .NET ワークステーション クライアント アプリケーションを効率よく開発するためのツールです。詳細については、『Tuxedo .NET ワークステーション クライアント』の「Tuxedo .NET ワークステーション クライアント アプリケーションの作成」を参照してください。
MS Windows のリモート デスクトップを使用した Tuxedo の起動、アクセス、および停止が可能になります。
Oracle Tuxedo 製品の現行リリースである 10.0 では、以下の機能と拡張が追加されています。
Oracle TSAM は、Oracle Tuxedo のシステムおよびアプリケーションに、包括的なモニタおよびレポート機能を提供します。TSAM には、TSAM エージェントと TSAM マネージャという 2 つのコンポーネントが含まれています。
Oracle TSAM エージェントを使用すると、アプリケーションのさまざまなパフォーマンス メトリクス (XA トランザクション、非 XA トランザクション、サービス、システム サーバなど) を収集できます。Oracle TSAM エージェントは、パフォーマンス メトリクス収集のカスタマイズに使用できるオープンなプラグイン フレームワークを提供します。また、収集した情報を、Oracle TSAM マネージャ以外の管理ツールに送信することもできます。
Oracle TSAM エージェントは、Oracle TSAM マネージャと組み合わせて使用できます。Oracle TSAM マネージャは、1 つまたは複数の Tuxedo ドメインから収集されたパフォーマンス メトリクスを、関連付けたり集計したりするためのグラフィカルなユーザ インタフェースを提供します。なお、これらの情報はリアルタイムで表示されます。
この機能は、Tuxedo 内のすべてのネットワーク リンク (LLE 暗号化が可能な場所) に対して、SSL 暗号化のサポートを提供します。詳細については、『Oracle Tuxedo のセキュリティ機能』の「ATMI のセキュリティについて」を参照してください。
MQ Adapter は WebSphere MQSeries との双方向、トランザクション対応の接続性を提供します。詳細については、「Tuxedo MQ Adapter の実行」を参照してください。
汎用 AUTHSVR (GAUTHSVR : Generic AUTHSVR) は、カスタム コードを記述しなくても、Tuxedo ユーザを LDAP ベースのディレクトリ サーバで認証できる新しい Tuxedo システム サーバです。詳細については、『Oracle Tuxedo のセキュリティ機能』の「シングル ポイント セキュリティ管理の実装」を参照してください。
DoS 攻撃を防御するための Tuxedo TDomain ドメイン ゲートウェイを提供します。Tuxedo ドメインではパスワード ペアのコンフィグレーションが改良されて、柔軟性が高まりました。詳細については、『Oracle Tuxedo のセキュリティ機能』の「ATMI のセキュリティについて」を参照してください。
Tuxedo 10.0 では、buildclient/buildserver が COBOL ソース ファイルを受け付け、ACUCOBOL コンパイラ バージョン 6.2.0 以上を使用して C スタブ コードを自動的に生成することができます。
Tuxedo 10.0 PKI プラグインには、X.509 証明書ルックアップに対応する OpenLDAP のサポートが追加されました。詳細については、『Oracle Tuxedo のセキュリティ機能』の「セキュリティの管理」、「Cert-C PKI 暗号化プラグインのコンフィグレーション」、「証明書ルックアップのコンフィグレーション」を参照してください。
IPv6 は、IETF によって設計された次世代のプロトコルであり、現在のインターネット プロトコル (IP) バージョン 4 (IPv4) の後継に当たります。IPv4 と異なる IPv6 の最大の改良点は、IP アドレスが 32 ビットから 128 ビットに拡張されていることです。また、ルーティングやネットワーク自動コンフィグレーションなどにおいて IPv4 に多くの改良が加えられています。
Oracle Tuxedo 10g R3 での IPv6 の使用については、『Oracle Tuxedo アプリケーションの設定』の「IPv6 の有効化」を参照してください。
ATMI サーバのアプリケーション生成のスレッドで個別の Tuxedo コンテキストを作成および終了できるように、2 つの新しい API (tpappthrinit(3c) および tpappthrterm(3c)) が提供されました。tpappthrinit(3c)
を使用して作成されたコンテキストでは、アプリケーション生成のサーバ スレッドがサービス要求を開始し、トランザクションを定義します。
詳細については、『C 言語を使用した Oracle Tuxedo アプリケーションのプログラミング』の「マルチスレッドおよびマルチコンテキスト アプリケーションのプログラミング」を参照してください。
Tuxedo クライアント管理者が実行時にアプリケーションの有効性をモニタする場合に役立ちます。アプリケーションの最大クライアント数、現在のクライアント数、および名前付きユーザを記録できます。
tlisten
パスワード暗号化
tlisten.pw
ファイルはシステムによって暗号化されています。パスワードを変更するには、tlistpwd(1)
を使用する必要があります。
ローカル ドメインを停止することなく、リモート ドメイン ゲートウェイのリスン アドレスを再コンフィグレーションできます。
PERSISTENT_DISCONNECT
接続ポリシーを持つローカル ドメインは、リモート ドメインに接続することもリモート ドメインからの接続要求を受け付けることもしません。
Oracle Tuxedo システムは、The Open Group の X/Open 標準に準拠しています。これには、2 フェーズ コミット処理のための XA 標準、X/Open ATMI API、言語国際化のための X/Open Portability Guide (XPG) 標準が含まれます。また、Oracle Tuxedo は分散アプリケーション開発向けの CORBA 仕様と、あらゆるリレーショナル データベース管理システム、オブジェクト指向データベース管理システム、ファイル マネージャ、キュー マネージャをサポートしています。
Oracle Tuxedo システムと ATMI は、オンライン トランザクション処理 (OLTP) の X/Open 分散トランザクション処理 (DTP) モデルを実装しています。DTP モデルにより、クライアント/サーバ アプリケーションで行われる作業のアトミックな完了が保証されます。つまり、作業が正常に行われれば関連するすべてのデータベースが適切に更新され、作業が正常に行われなければ関連するすべてのデータベースが元の状態に「ロールバック」されます。
Oracle Tuxedo システムがサポートしているその他の標準は次のとおりです。
クライアント/サーバ アプリケーションは、呼び出す (クライアント) ソフトウェアと呼び出される (サーバ) ソフトウェアを独立したプログラムに分離します。クライアント/サーバ アプリケーションのメリットは、複数のクライアント プロセスが 1 つのサーバ プロセスと対話でき、それらのプロセスを同じホスト マシンで実行する必要がないことです。このため、クライアントとサーバは、それぞれの機能に適したハードウェアおよびソフトウェア プラットフォーム上で実行できます。たとえば、クライアントはワークステーションやパーソナル コンピュータなどの安価なプラットフォームで実行し、データベース管理サーバはクエリ専用に設計およびコンフィグレーションされたプラットフォームで実行することができます。
Oracle Tuxedo システムは、Microsoft Windows Server や XP などの最も一般的なクライアント プラットフォームとさまざまな UNIX ワークステーションに移植されています。また、Oracle Tuxedo システムは、Microsoft Windows Server、HP-UX、IBM AIX、Sun Solaris などの主要なサーバ プラットフォームに移植されています。
Oracle Tuxedo 10g リリース 3 (10.3) でサポートされているプラットフォームのリストについては、『Oracle Tuxedo システムのインストール』の「Oracle Tuxedo 10g リリース 3 (10.3) プラットフォーム データ シート」を参照してください。
Oracle Tuxedo では、2 つのプログラミング モデルと 5 つのプログラミング言語がサポートされています。サポートされているプログラミング モデルは ATMI と CORBA です。以下のプログラミング言語がサポートされています。
注意 : | Oracle Tuxedo CORBA Java クライアントと Oracle Tuxedo CORBA Java クライアント ORB は Tuxedo 8.1 で非推奨になり、サポートされなくなりました。Oracle Tuxedo CORBA Java クライアントおよび Oracle Tuxedo CORBA Java クライアント ORB のテキスト参照、関連するコード サンプルはすべてサードパーティの Java ORB ライブラリの実装/実行の簡易化とプログラマによる参照だけに使用する必要があります。 |
注意 : | サード パーティの CORBA Java ORB のテクニカル サポートは、各ベンダによって提供されます。Oracle Tuxedo では、サード パーティの CORBA Java ORB に関する技術的なサポートやマニュアルは提供していません。 |
Oracle Tuxedo で開発した ATMI および CORBA アプリケーションはミッション クリティカル、つまり、高い信頼性、スケーラビリティ、セキュリティ、および管理性能を備えています。アプリケーションは企業の成長と共に発展させることができ、ネットワークのさまざまな箇所で障害が発生しても正常に実行できます。また、必要に応じて拡張および縮小できます。
Oracle Tuxedo は、ATMI および CORBA アプリケーションに代わって、トランザクションをその起点 (通常クライアント) から 1 つまたは複数のサーバ マシン、そして元のクライアントにわたって管理できます。トランザクションが完了したとき、Tuxedo はそのトランザクションに関与したすべてのシステムの状態の一貫性を保証します。Tuxedo は、トランザクションを実行し、それらをシステム間でルーティングし、それらの実行のロード バランシングを行い、障害後にそれらを再開する方法を知っています。
Oracle Tuxedo は、複数のサイトの間でアクセスされ、さまざまなデータベース製品によって管理されるデータの整合性を保証します。また、トランザクションに関与したシステムを追跡し、2 フェーズ コミット プロトコルをモニタして、トランザクションのコミットとロールバックが各サイトで正常に処理されたことを確認します。
Oracle Tuxedo システムは、サイト障害、ネットワーク障害、またはグローバル リソース デッドロック時のトランザクションの回復を管理します。Oracle Tuxedo システムは、X/Open XA インタフェースを使用してさまざまなリソース マネージャと通信します。Tuxedo の開発者によって提唱され、X/Open によって認定されたこのインタフェースは、トランザクション マネージャとリソース マネージャ間の分散トランザクションを制御するための標準インタフェースす。
Oracle Tuxedo システムは、独自の ATMI トランザクション管理機能 (ルーチン、関数) に加え、トランザクション境界を判定するための X/Open TX インタフェースを搭載しています。このインタフェースを使用すると、アプリケーション開発者はアプリケーション内のオペレーションを 1 つにまとめ (トランザクション境界を定義し)、それらのオペレーションがすべて実行されるか、またはすべて実行されないようにできます。つまり、トランザクションは 1 つの基本作業単位としてコミットまたはロールバックされるので、マシンに障害が発生した場合でも関連するすべてのデータベースの同期が取られます。
トランザクションの詳細については、『Oracle Tuxedo システム入門』と『Tuxedo CORBA トランザクション』を参照してください。
ビジネス環境では、アプリケーションは数百の実行コンテキスト (コンテキストはこの場合はスレッドまたはプロセス)、数万のクライアント アプリケーション、および数百万のオブジェクトを十分なパフォーマンス水準でサポートしなければならない場合があります。急激に増加する要求に晒されると、アプリケーションではリソースの不足やパフォーマンスのボトルネックがすぐに明らかになります。したがって、スケーラビリティは Oracle Tuxedo アプリケーションの極めて重要な特性です。
Oracle Tuxedo では、作業負荷の要求を満たすためにサーバを動的に生成および終了させるか (ATMI)、またはオブジェクトを動的に活性化または非活性化させる (CORBA) ことによって、トランザクション負荷の変更に応じて分散アプリケーションを拡張できます。Oracle Tuxedo は、利用可能なすべてのサービスまたはオブジェクトの間で作業負荷を分散します。
Oracle Tuxedo をベースにビルドされたアプリケーションは、単一のサーバに存在する単一のクライアントでも、または数千のクライアントとサーバでも、アプリケーション コードを変更せずにサポートできます。Oracle Tuxedo システムは、アプリケーションの拡張に応じてエンド ユーザに高いパフォーマンスと応答性を提供し続けます。
スケーラビリティの詳細については、『Oracle Tuxedo アプリケーション実行時の管理』の「Oracle Tuxedo ATMI アプリケーションのチューニング」と『Oracle Tuxedo CORBA アプリケーションのスケーリング、分散、およびチューニング』を参照してください。
分散クライアント/サーバ環境では、数千個もの独立したプロセッサとプロセスが連係してアプリケーションを実行する必要があります。こうした環境では、多くの障害が発生する可能性があります。Oracle Tuxedo は、障害が発生した場合でも、次の方法でアプリケーションの実行を継続します。
e- ビジネス アプリケーションへの常時アクセスの保証は、Oracle Tuxedo の大きな特長です。システム コンポーネントに対しては、アプリケーション、トランザクション、ネットワーク、およびハードウェアの障害がモニタされます。障害が発生すると、Oracle Tuxedo はそのコンポーネントをシステムから論理的に削除し、必要な回復手続きを管理し、メッセージとトランザクションを正常なシステムに再ルーティングします。これらはすべてエンド ユーザに対して透過的であり、サービスの中断もありません。
Oracle Tuxedo のセキュリティには、認証、認可、および Oracle Tuxedo アプリケーションをネットワークにデプロイするときのデータのプライバシを保証するための暗号化が含まれています。サポートされている暗号化は 2 レベルです。1 つは Oracle Tuxedo 独自のリンクレベルの暗号化 (LLE) またはセキュア ソケット レイヤ (SSL) を使用したネットワークレベルの暗号化で、もう 1 つは SSL プロトコルと公開鍵暗号化を使用したアプリケーションレベルの暗号化です。
Oracle Tuxedo セキュリティを他のセキュリティ システムと統合するために、Oracle Tuxedo は次のセキュリティ プラグイン インタフェースを備えています。このプラグイン インタフェースを使用すると、独自のセキュリティ プラグインを自由に定義して動的に追加できます。
ATMI および CORBA アプリケーションのセキュリティの詳細については、『Oracle Tuxedo のセキュリティ機能』と『Tuxedo CORBA アプリケーションのセキュリティ機能』を参照してください。
Oracle Tuxedo ソフトウェアの旧リリースまたは Oracle WebLogic Enterprise と相互運用するときのセキュリティ、または Oracle WebLogic Server と相互運用するときのセキュリティについては、『Tuxedo の相互運用性』を参照してください。
Oracle Tuxedo システムでは、Oracle Tuxedo ATMI または CORBA 環境において、同じ管理タスクを行うための複数の手段が用意されています。次の図に、アプリケーションのコンフィグレーション ファイルへの書き込みや、実行時の Oracle Tuxedo アプリケーション管理に使用できる Oracle Tuxedo ツールを示します。
これらのツール使用すると、Oracle Tuxedo アプリケーションの管理に加え、アプリケーション障害が発生したときに障害の分離と回復を行うことができます。Oracle Tuxedo は、さまざまなタイプの障害から自動的に回復できます。ただし、一部の障害 (ほとんどは最も重大な障害) では、実際にどのような障害が発生したかをユーザが調べる必要があります。
Oracle Tuxedo Administration Console は、Oracle Tuxedo アプリケーションに関するほとんどの管理タスクとコンフィグレーション タスクを実行するためのグラフィカル ユーザ インタフェースです。管理者は、コンフィグレーション情報を表示および変更し、システム内の各コンポーネントの状態を把握し、さまざまな項目 (実行された要求やキューに登録された要求など) に関する統計情報を取得できます。
Oracle Tuxedo Administration Console は、Java アプレットのセットとして実装されているので、Java 対応の Web ブラウザをサポートするほとんどのプラットフォームで実行できます。Oracle Tuxedo Administration Console のサーバサイド コンポーネントは、Oracle Tuxedo アプリケーションのサーバ マシンの 1 つに存在します。Administration Console を使用するには、そのサーバの URL を入力し、Java アプレットをダウンロードする必要があります。
Oracle Tuxedo Administration Console の起動手順については、『Oracle Tuxedo システムのインストール』の「Oracle Tuxedo Administration Console の起動」を参照してください。Oracle Tuxedo Administration Console の使い方については、コンソールから直接ヘルプを参照するか、または『Oracle Tuxedo Administration Console Online Help』(英語版) を参照してください。また、『Oracle Tuxedo システム入門』の「Oracle Tuxedo の管理ツール」も参照してください。
注意 : | 制限 : Oracle Tuxedo Administration Console は、Oracle Tuxedo リリース 7.1 の後に追加された新機能に合わせて更新されていません。 |
Oracle Tuxedo アプリケーションを動的に変更するために必要な機能のほとんどは、tmadmin
コマンドと tmconfig
コマンドによって提供されます。Oracle Tuxedo Domains コンフィグレーションを動的に変更するために必要な機能のほとんどは、dmadmin
コマンドによって提供されます。各コマンドは、さまざまな管理タスク (システム実行時のコンフィグレーション エントリの変更など) を実行するためのサブコマンドを持つ対話型のメタコマンドです。
これらのコマンドの詳細については、『Tuxedo コマンド リファレンス』の「tmadmin(1)」、「tmconfig、wtmconfig(1)」、および「dmadmin(1)」を参照してください。また、『Oracle Tuxedo システム入門』の「Oracle Tuxedo の管理ツール」も参照してください。
MIB インタフェースは、Oracle Tuxedo 管理情報ベース内のシステム設定を直接アクセスおよび操作するためのアプリケーション プログラミング インタフェースです。このインタフェースを使用すると、Tuxedo アプリケーションを一括管理できます。MIB インタフェースは、Tuxedo 開発者がビジネス クリティカルなクライアント/サーバ アプリケーションを開発するために使用するのと同じ API を使用するため、非常に強力です。
Tuxedo には、アクセス制御リスト、ディスクベースのキュー、Domains、イベント、コア Tuxedo、およびワークステーション拡張を管理するための MIB インタフェースが用意されています。対応する MIB コンポーネント名は、ACL_MIB
、APPQ_MIB
、DM_MIB
、EVENT_MIB
、TM_MIB
、および WS_MIB
です。MIB インタフェースを通して、管理者は Tuxedo 掲示板に MIB オブジェクトの現在の状態をプログラマティックにクエリし、次に特定の MIB 値を設定およびリセットするか、新しい MIB オブジェクトを作成して管理上の変更を加えることによってアプリケーションを管理します。
MIB インタフェースを通して実行できる管理機能は、フェイルオーバおよびフォールバック状態のときに非常に役立ちます。MIB プログラミング インタフェースは、フェイルオーバ状態で発生するあらゆる問題を処理するための唯一の手段です。フェイルオーバ時には、スクリプトを使用してクライアント MIB プログラムを実行して、停止、サーバ グループの移行、アプリケーションの状態の検証などのタスクを行うことができます。
Oracle Tuxedo MIB の詳細については、『Oracle Tuxedo のファイル形式とデータ記述方法』の「ACL_MIB(5)」、「APPQ_MIB(5)」、「DM_MIB(5)」、「EVENT_MIB(5)」「MIB(5)」、「TM_MIB(5)」、および「WS_MIB(5)」を (「MIB(5)
」ページから) 参照してください。また、『Oracle Tuxedo システム入門』の「Oracle Tuxedo の管理ツール」も参照してください。
次の図に、Oracle Tuxedo のクライアントおよびサーバ コンポーネントと、クライアントとサーバ間の接続を示します。この図には、リモート Tuxedo クライアントだけが示されています。
リモート Tuxedo クライアント (ATMI (/WS)、Jolt、CORBA C++) は、ネットワーク接続と 1 組の Tuxedo ゲートウェイ プロセス (Workstation Listener/Handler (WSL/WSH)、Jolt Server Listener/Handler (JSL/JSH)、または IIOP Listener/Handler (ISL/ISH)) を介して Tuxedo サーバに接続します。リモート Tuxedo クライアントは、Tuxedo サーバ アプリケーションの一部ではないマシン (通常ワークステーションまたはパーソナル コンピュータ) で動作することも、Tuxedo サーバ アプリケーションの一部であるマシン上で動作することもあります。後者のケースでは、ローカル オペレーティング システムはネットワークに送信されるメッセージをインターセプトし、ローカルに実行されている目的のプロセス (Tuxedo リモート クライアントまたはハンドラ プロセス) にリダイレクトします。
ネイティブ Tuxedo クライアント (ネイティブ ATMI クライアントまたはネイティブ CORBA C++ クライアント) は、Tuxedo サーバ アプリケーションの一部であるマシンに存在し、プロセス間通信を使用して Tuxedo インフラストラクチャを介して Tuxedo サーバに接続します。ネイティブ Jolt クライアントはサポートされていません。これらのクライアントは、1 組の JSL/JSH ゲートウェイ プロセスを通してのみ Tuxedo サーバにアクセスできます。
次に、Oracle Tuxedo のクライアントとサーバ間の接続をより詳しく理解できるよう、前の図に示したその他のコンポーネントについて簡単に説明します。
Oracle Tuxedo 10g リリース 3 (10.3) には、次のクライアント コンポーネント ソフトウェアが組み込まれています。
Oracle Tuxedo 10g リリース 3 (10.3) には、次のサーバ コンポーネント ソフトウェアが組み込まれています。
次の表に、Oracle システム上にビルドされるアプリケーションの呼び出し機能を示します。Oracle Tuxedo アプリケーションは、複数の Oracle Tuxedo サーバ マシンにまたがることができ、ATMI サービス、CORBA オブジェクト、またはその両方を提供できます。
Oracle Tuxedo 10g リリース 3 (10.3) と Oracle Tuxedo ソフトウェアの旧リリース、Oracle WebLogic Enterprise、およびサード パーティ製品を相互運用する方法、および Oracle Tuxedo 10g リリース 3 (10.3) と Oracle WebLogic Server を相互運用する方法については、『Tuxedo の相互運用性』を参照してください。
注意 : | Oracle Tuxedo クライアントは、別の Oracle Tuxedo クライアントを呼び出すことができません。 |
Oracle Tuxedo アプリケーションでは、次のクライアント - サーバ間呼び出しがサポートされています。
リモート ATMI クライアントの詳細については、『Oracle Tuxedo Workstation コンポーネント』を参照してください。
Jolt の詳細については、『Oracle Jolt』と Oracle Jolt API Javadoc リファレンスの情報を参照してください。
詳細については、『Tuxedo CORBA クライアント アプリケーションの開発方法』を参照してください。
次の表に、Oracle Tuxedo ATMI および CORBA C++ アプリケーション サーバ間の呼び出し機能を示します。
図に示すように、CORBA C++ オブジェクトには Oracle Tuxedo サービスの AMI 呼び出しを含めることができます。例については、『Tuxedo CORBA University サンプル アプリケーション』の Wrapper University サンプル アプリケーションを参照してください。
Oracle Tuxedo ドメイン (アプリケーション) は、1 個のコンフィグレーション ファイルによって定義および制御されます。Tuxedo ドメインは、ネットワークで接続された多くの Tuxedo システム プロセス、1 つまたは複数のアプリケーション クライアント プロセス、1 つまたは複数のアプリケーション サーバ プロセス、および 1 台または複数台のマシンで構成されます。Tuxedo ドメインは 1 つの単位として管理されます。
Oracle Tuxedo ドメインは、ATMI サービス、CORBA オブジェクト、またはその両方を提供できます。次の例の Tuxedo ドメインでは、ATMI サービスと CORBA オブジェクトが混在しています。
Oracle Tuxedo の用語で、ドメインはアプリケーション (ビジネス アプリケーション) と同じ意味です。両方とも、Oracle Tuxedo のマニュアル全体で同義で使用されます。現在 Tuxedo 上で実行されているビジネス アプリケーションの例には、空港とホテルの予約システム、クレジット認可システム、株式売買システム、銀行業務システム、および現金自動預入支払機があります。
Tuxedo ドメインの詳細については、「Oracle Tuxedo の重要な用語と概念」を参照してください。Tuxedo ドメイン間の相互接続については、「Oracle Tuxedo Domains」を参照してください。
Oracle Tuxedo システム/アプリケーション モニタ (TSAM) は、Oracle Tuxedo のシステムおよびアプリケーションに、包括的なモニタおよびレポート機能を提供します。TSAM には、Oracle TSAM エージェントと Oracle TSAM マネージャという 2 つのコンポーネントが含まれています。Oracle TSAM エージェントを使用すると、アプリケーションのさまざまなパフォーマンス メトリクス (XA トランザクション、非 XA トランザクション、サービス、システム サーバなど) を収集できます。
Oracle TSAM マネージャは、1 つまたは複数の Tuxedo ドメインから収集されたパフォーマンス メトリクスの関連付けおよび集計を行い、それらをリアルタイムで表示するためのグラフィカルなユーザ インタフェースを提供します。
Oracle TSAM の詳細については、http://www.oracle.com/technology/documentation/index.html に記載されているマニュアルを参照してください。
Oracle Service Architecture Leveraging Tuxedo (SALT) は Tuxedo のアドオン製品オプションです。このオプションを使用すると、Tuxedo アプリケーションを SOA 環境に参加させることができます。Oracle SALT には、ネイティブ Web サービス スタックと SCA コンテナの 2 つの主要なコンポーネントがあります。
Oracle SALT を使用すると、外部の Web サービス アプリケーションから Tuxedo サービスを Web サービスとして呼び出したり、Tuxedo アプリケーションから外部の Web サービスを呼び出したりできます。これを実現するために Oracle SALT で何らかのコーディングを行う必要はありません。また、Oracle SALT には SOA アプリケーションを新たに開発できる SCA コンテナが含まれています。開発者はビジネス ロジックに専念ながら Tuxedo インフラストラクチャを利用できます。SCA コンテナは、既存のアプリケーション資産を効果的に再利用するのにも役立ちます。
Oracle SALT の詳細については、次のマニュアルを参照してください。
http://www.oracle.com/technology/documentation/index.html
Oracle Jolt は、リモート Java クライアントが既存の Oracle Tuxedo ATMI サービスにアクセスするための Java クラス ライブラリと API です。Oracle Jolt を使用すると、Tuxedo ATMI サービス (アプリケーション メッセージング、コンポーネント管理、分散トランザクション処理など) を通常の Web ブラウザからリモートに呼び出せるクライアント アプレットおよびアプリケーションをビルドできます。
Oracle Jolt は既存の Tuxedo ATMI アプリケーションの機能を拡張し、イントラネットやインターネットにも対応できます。また、Oracle WebLogic Server から Tuxedo ATMI サービスを呼び出せるようになります。詳細については、「Oracle Jolt によって Tuxedo サービスを Web アクセス可能にする」を参照してください。
Oracle Jolt の詳細については、次のマニュアルを参照してください。
Oracle Tuxedo の Oracle SNMP エージェントを使用すると、SNMP 準拠のネットワーク管理フレームワークで Oracle Tuxedo システムと Oracle Tuxedo アプリケーションを管理できます。Oracle SNMP エージェントは、Simple Network Management Protocol バージョン 1 (SNMPv1) 仕様に準拠しています。
Oracle SNMP エージェントは、Tuxedo アプリケーションから SNMP ベースのシステム管理コンソールへの SNMP リンクを提供します。また、任意のベンダの複数の SNMP エージェントとサブエージェントを同じマシンで実行できます。
Oracle SNMP エージェントの詳細については、次のマニュアルを参照してください。
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