ファイル統合を使用した抽出

製品には、データの抽出方法および書式設定方法の定義に使用できる個別の構成が用意されています。この構成では、抽出するデータの取得方法およびデータの書式設定方法の定義に関連する追加のメタデータが提供されます。多くのユース・ケースで、すべてのロジックをレコードの処理アルゴリズムで直接処理するのではなく、この構成を使用することができます。

この構成では、単一のレコード・タイプ(および場合によってはヘッダーまたはフッター・レコード)を含む、単純な抽出をサポートできます。また、複数のレコード・タイプとレコード間の親/子関係を含む、より複雑な統合もサポートされます。

ファイル統合タイプの構成

フレームワークには、次の2つのオブジェクトが用意されており、これらが連携して特定のタイプの抽出を作成するために必要な処理を定義します。
  • ファイル統合タイプ。抽出構成を記述および分類します。

  • ファイル統合レコード。特定のレコード・タイプに必要なデータを抽出するためのシーケンス、フォーマットおよびロジックが取得されます。

ファイル統合タイプ

ファイル統合タイプは、統合区分を定義します。現在は、抽出のみがサポートされています。また、ファイル統合タイプをカテゴリに割り当てることができます。カテゴリは、回収業者照会などの共通の目的やターゲットを持つ抽出を識別するために使用できます。エッジ製品で多数のカテゴリが提供されていることもありますが、独自のカテゴリを定義することもできます。

システムには、抽出ファイル統合タイプのためのビジネス・オブジェクト(F1-ExtractFileIntegrationType)が用意されており、これはほとんどのユース・ケースでの使用が想定されています

ファイル統合レコード

ファイル統合レコードは、レコードの書式の定義とレコード詳細の取得を行うオブジェクトです。抽出に含まれるレコード・タイプごとに、個別の統合レコードを定義する必要があります。

レコード・シーケンスは、システムでレコードを処理する順序を定義します。親シーケンスは、このレコードが子であるレコード・タイプを定義します。子レコードは、それより下位レベルの子レコードの親としても参照できます。フレームワークで提供されている基本のレコードの処理アルゴリズムでは、1つのレコード・タイプのすべての子レコードを処理してから、次のレコード・タイプを順に処理します。

XML書式の抽出では、同じエンティティに属するすべての出力を囲むグループ化ノードを作成することがサポートされています。ファイル統合レコードは、グループ化ノードとして使用されるレコードXMLノードを定義します。同じグループに属するリスト内の各レコード・タイプは、レコードXMLノード内の同じ値を示します。詳細は、「レコードXMLノードによるグループ化」の項を参照してください。
注意: システムでは、ネストされたレコードXMLノードはサポートされていません。1つのレコード・タイプのすべての子レコードで、親と同じレコードXMLノードを定義する必要があります。

各ファイル統合レコードは、抽出レコードの書式を定義するデータ領域を参照するため、データの拡張が可能になります。レコードの抽出アルゴリズムは、データ領域を移入します。ファイル統合レコードでは、カスタム情報も移入できるように、複数の抽出処理アルゴリズムがサポートされています。

システムには、抽出ファイル統合レコードのためのビジネス・オブジェクト(F1-ExtractFileIntegrationRec)が用意されており、これはほとんどの抽出レコード・ユース・ケースでの使用が想定されています。

ファイル統合タイプを使用した抽出プロセスの構成

次のポイントでは、ファイル統合タイプを使用して特定の機能を定義する新しい抽出バックグラウンド・プロセスを実装するために必要な追加ステップを要約します。

  • 抽出レコード書式を定義するデータ領域オブジェクトを選択または作成します。

  • 各抽出レコード・タイプの移入に必要なロジックを定義します。エッジ製品で適切なプラグインが提供されていることもあれば、アルゴリズム・エンティティが「ファイル統合レコード - 抽出レコード」であるプラグイン・スクリプトを作成する必要があることもあります。「抽出レコード」プラグインは、「バッチ管理 - レコードの処理」プラグインで定義されているほとんどの情報を受け取ります。

  • 新しく作成した各スクリプトについて、アルゴリズム・タイプおよびアルゴリズムを定義します。

  • 参照FILE_​INT_​OBJ_​FLGを使用して、ファイル統合タイプのカテゴリを選択または作成します。

  • ファイル統合タイプを作成し、定義済のデータ領域およびアルゴリズムを使用してファイル統合レコードを構成します。

  • 抽出バックグラウンド・プロセスに適切な基本テンプレートを複製することで、バッチ管理を作成します。バッチ管理に「ファイル統合タイプ」パラメータを含めて、適切なファイル統合タイプを参照します。

  • ファイル統合タイプ構成を読み取ってレコード・タイプを処理する、レコードの処理アルゴリズムをプラグインします。システムには、基本のファイル統合レコード抽出アルゴリズム(F1-FILEX-PR)が用意されており、これはほとんどのファイル統合プラグイン抽出プロセスでの使用が想定されています。

ファイル統合抽出プロセスの拡張

エッジ製品で、標準の抽出プロセス用に設計されたファイル統合タイプおよびバッチ管理が提供されていることがあります。ただし、ほとんどの実装では、提供されている抽出を拡張してカスタム・データを追加することが一般的です。提供されている抽出からの出力を、次の方法でカスタマイズできます。

  • 追加の詳細を必要とするレコード・タイプを特定します

  • 追加の詳細を定義するデータ領域を作成し、それを使用して、レコード・タイプに構成されているデータ領域を拡張します

  • 「ファイル統合レコード - 抽出レコード」のプラグイン・スクリプト、アルゴリズム・タイプ、および追加詳細を移入するアルゴリズムを作成します

  • 統合レコードの抽出アルゴリズム・コレクションにそのアルゴリズムを追加します

レコード・タイプを追加して抽出を拡張することが必要な場合もあります。これを行うには、「ファイル統合タイプを使用した抽出プロセスの構成」で説明されているステップに従って、カスタム・ファイル統合レコードをファイル統合タイプに追加します。