状態開始の事由の取得

一部のビジネス・オブジェクトでは、特定の状態について、オブジェクトがその状態になったときに、ステータス事由が許容または要求されるように構成できます。製品に備えられた、一元管理されたステータス事由表を使用して、様々なビジネス・オブジェクトや様々な状態に対して、有効なビジネス・オブジェクト・ステータス事由を定義できます。ステータス事由は、ステータス事由ポータルを使用して定義します。

次の項では、ビジネス・オブジェクト・ステータス事由機能に関する追加情報を示します。

メンテナンス・オブジェクトによるステータス事由のサポート(必須)

ビジネス・オブジェクトで、一元管理されたステータス事由表を使用して事由を定義するには、最初に、メンテナンス・オブジェクトでそのステータス事由がサポートされている必要があります。ステータス事由をサポートするメンテナンス・オブジェクトには、次の特性があります。

  • 主表に、「ステータス事由」の列が含まれます。これはレコードの現在のステータスについてのステータス事由を表します(適用可能な場合)。

  • ログ表に、「ステータス事由」の列が含まれます。状態の開始時にログ・レコードを取得するための標準ロジックにより、ステータス事由も取得されます(適用可能な場合)。これにより、ユーザーはステータスの変更履歴と、前の状態遷移に対して取得されたステータス事由(該当する場合)をレビューできます。

  • メンテナンス・オブジェクト・オプション・コレクションには、「ステータス事由」フィールドを定義するオプションが含まれます。この設定によって、このメンテナンス・オブジェクトのビジネス・オブジェクトで、ある状態に対してステータス事由が許容または要求されるように構成できるようになります。

ビジネス・オブジェクト状態が示す事由の適用可否

ステータス事由がサポートされるようにメンテナンス・オブジェクトを構成した後、ビジネス・オブジェクトで、事由が適用可能な状態を示す構成が必要となります。状態はステータス事由を必須にしたり、ステータス事由をオプションにしたり、ステータス事由を許可しないように構成できます。このように構成すると、フレームワークで事由を許可または必須とする状態について有効な事由のリストが自動的に取得され、その状態に手動の状態遷移が発生した場合に、ユーザーにステータス事由の入力を求めます。また、その状態にステータス事由が必須で、かつ事由が指定されていない場合には、自動的にエラーがトリガーされます。

注意: ビジネス・オブジェクト状態のステータス事由構成はカスタマイズできます。つまり、製品所有のビジネス・オブジェクトの場合、実装で付属の構成を変更することを選択できます。

ステータス事由は、親(またはライフサイクル)ビジネス・オブジェクトに対して定義されます。親ビジネス・オブジェクトの階層内にあるすべてのビジネス・オブジェクトには、その状態に対する同じ有効な事由を持ちます。

ステータス事由コードは、一元管理されたステータス事由表に対して一意である必要があります。ビジネス・オブジェクトとステータスは必須フィールドであるため、複数のビジネス・オブジェクトまたは状態の間で、共通の事由コード(「適用しない」など)を共有することはできません。複数のビジネス・オブジェクトや状態で事由「適用しない」をサポートする必要がある場合は、それぞれがこの事由に一意のレコードを定義する必要があります。これは、ステータス事由の計画において考慮する必要があります。

選択可能と選択不可の相違

ステータス事由を定義するとき、ステータス事由が選択可能選択不可かを指定できます。手動遷移を実行して、ステータス事由の指定をユーザーに求めるプロンプトが表示されるときには、選択可能な事由のみが表示されます。アルゴリズム処理によって発生する遷移をサポートするために、選択不可の事由を定義できます。

注意: 選択可能な設定はカスタマイズできます。つまり、製品でビジネス・オブジェクト状態の基本となる固有のステータス事由が指定される場合、実装で事由が選択可能か否かを選択して変更できます。提供されている基本のステータス事由を「選択不可」から「選択可能」に変更する前に熟考する必要があります。これは変更によって、「選択不可」の設定に依存する可能性のある、提供された基本のアルゴリズム機能に影響を与える場合があるためです。

ステータス事由ビジネス・オブジェクト

ステータス事由メンテナンス・オブジェクトは、製品内の多くのメンテナンス・オブジェクトと同様にビジネス・オブジェクトを参照し、ステータス事由の定義に関連する属性および動作を定義するために使用されます。フレームワークには、ステータス事由用のビジネス・オブジェクト(F1-BOStatusReason)が備えられています。ステータス事由を必要とする状態があるビジネス・オブジェクト(これらをトランザクション・ビジネス・オブジェクトとトランザクションと呼びます)について、ステータス事由の定義になんらかの特別なロジックが必要である場合、異なるステータス事由ビジネス・オブジェクトを定義できます。この場合、「ステータス事由ビジネス・オブジェクト」オプション・タイプを使用し、トランザクション・ビジネス・オブジェクトのビジネス・オブジェクト・オプションとして、ステータス事由の取得に使用する上書きステータス事由ビジネス・オブジェクトを定義する必要があります。トランザクション・ビジネス・オブジェクトでステータス事由ビジネス・オブジェクト・オプションが何も定義されていない場合は、ステータス事由を追加するとき、F1-BOStatusReasonが使用されます。

使用の定義

基本製品のステータス事由ビジネス・オブジェクトには、使用値を定義する機能があります。これは、ステータス事由を必要とする状態遷移を実行し、かつ複数のビジネス・オブジェクトで使用可能なアルゴリズムの場合に役立ちます。この場合、各ビジネス・オブジェクトで状態ごとに一連のステータス事由を独自に定義する必要があるため、使用するステータス事由をパラメータとして指定することはできません。かわりに、使用量値を使用できます。ビジネス・オブジェクトごとに、アルゴリズムで使用するステータス事由を構成し、適切な使用量値を設定できます。アルゴリズムで使用量値を参照し、レコードのトランザクション・ビジネス・オブジェクトに基づいて、使用する適切なステータス事由を取得できます。

フレームワーク製品に付属しているステータス事由ビジネス・オブジェクト(F1-BOStatusReason)では、使用の取得がサポートされています。有効な使用量値は、「ステータス事由使用」特性タイプで定義されます。

事由の定義の代替

システムには、ビジネス・オブジェクト・ステータス事由表以外の別の場所で定義された事由を取得するビジネス・オブジェクトが存在する場合があります。たとえば、オブジェクトの中には、ステータス事由のための明示的な管理表が含まれるものがあります。また、事由の取得に参照または拡張可能参照を使用するオブジェクトもあります。有効な事由の定義方法の詳細は、ビジネス・オブジェクト摘要を参照してください(適用可能な場合)。

ビジネス・オブジェクトで状態遷移に関連しない事由(作成事由など)がサポートされている場合、ビジネス・オブジェクト・ステータス事由は使用されないことがあります。前述した事由を定義する代替方法のいずれかが使用されます。