コンピュート・インスタンスの新規ホストへの移動
このトピックでは、再起動移行または手動プロセスを使用して、仮想マシンまたはベア・メタルのインスタンスを再配置する方法について説明します。
Oracle Platform Services
Oracle Platform Servicesで作成され、コンパートメントManagedCompartmentForPaaS
に配置されているインスタンスの場合、特定のプラットフォーム・サービスのインタフェースを使用してインスタンスを再起動する必要があります。
再起動移行
「再起動メンテナンス」フィールドに日付が表示されているインスタンス(コンソール、CLIおよびSDKで確認できる)の場合は、インスタンスを再起動して新しいインフラストラクチャに移動できます。インスタンスを再起動すると、「再起動メンテナンス」フィールドがクリアされます。この変化は、インスタンスが正常に移動されたことを示します。
再起動移行の前提条件
-
インスタンスを再起動移行のために準備します。
/etc/fstab
に定義されているリモート・ブロック・ボリュームで推奨オプションが使用されていることを確認します。- すべてのファイル・ストレージ・サービス(NFS)マウントで
nofail
オプションが使用されていることを確認します。 - Oracle提供のスクリプトを使用してセカンダリVNICを構成する場合は、スクリプトが起動時に自動的に実行されることを確認します。
再起動移行によるインスタンスの移動
前提条件の完了後:
- 実行中のアプリケーションを停止します。
- インスタンスを再起動します。
- 「再起動メンテナンス」フィールドに日付が表示されなくなったことを確認します。
- インスタンス上ですべてのアプリケーションを開始してテストします。
手動移行によるインスタンスの移動
「再起動メンテナンス」フィールドに日付が表示されていないインスタンス(コンソール、CLIおよびSDKで確認できる)の場合は、インスタンスを手動で移動する必要があります。この方法では、インスタンスを終了し他後で、保存されているブート・ボリュームから新しいインスタンスを起動する必要があります。追加のVNIC、セカンダリIPアドレス、リモート接続のブロック・ボリュームを含むインスタンス、またはロード・バランサのバックエンド・セットに属しているインスタンスでは、追加のステップが必要です。
手動移行に関する制限事項と警告
手動移行を実行する場合は、次の制限事項と警告に注意してください:
- 予約済パブリック・プールからインスタンスに割り当てられたパブリックIPアドレスはすべて保持されます。予約済パブリックIPアドレス・プールから割り当てられていないものは変更されます。プライベートIPアドレスは変更されません。
- MACアドレス、CPUID、およびその他の一意のハードウェア識別子は、移行時に変更されます。インスタンスで実行されているアプリケーションが、ライセンスやその他の目的でこれらの識別子を使用している場合は、インスタンスを移行する前にこの情報をメモしておくと、変更の管理に役立ちます。
手動移行の前提条件
-
インスタンスを移動する前に、重要な詳細事項をすべてドキュメント化します:
- インスタンスのリージョン、可用性ドメインおよびフォルト・ドメイン。
- インスタンスの表示名。
- すべてのプライベートIPアドレス、名前およびサブネット。インスタンスは複数のVNICを持つことができ、各VNICには複数のセカンダリIPアドレスがある可能性があることに注意してください。
- すべてのプライベートDNS名。インスタンスは複数のVNICを持つことができ、各VNICには複数のセカンダリIPアドレスがある可能性があります。それぞれのプライベートIPアドレスにDNS名がある可能性があります。
- 予約済パブリック・プールから割り当てられたパブリックIPアドレス。インスタンスは複数のVNICを持つことができ、各VNICには複数のセカンダリ・プライベートIPアドレスがある可能性があることに注意してください。それぞれのVNICおよびセカンダリ・プライベートIPアドレスには、パブリックIPアドレスがアタッチされていることがあります。
- インスタンスにアタッチされたリモート・ブロック・ボリューム。
- インスタンスまたはアタッチされたリソースのタグ。
-
インスタンスを手動移行のために準備します。
/etc/fstab
に定義されているリモート・ブロック・ボリュームで推奨オプションが使用されていることを確認します。- すべてのファイル・ストレージ・サービス(NFS)マウントで
nofail
オプションが使用されていることを確認します。 - MACアドレスを使用してセカンダリVNICに属するネットワーク・インタフェースを静的に定義していた場合(
/etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg*
に定義したインタフェースなど)、MACアドレスの変更のために、そのようなインタフェースは起動しなくなります。静的マッピングを削除します。 - Oracle提供のスクリプトを使用してセカンダリVNICを構成する場合は、スクリプトが起動時に自動的に実行されることを確認します。
インスタンスの手動移動
前提条件の完了後:
- 実行中のアプリケーションを停止します。
-
これらのアプリケーションが自動的に起動しないようにします。
警告
移行したインスタンスが最初に起動するとき、リモート・ブロック・ボリューム、セカンダリVNIC、またはそれらに依存するすべてのリソースは、アタッチされません。これらのリソースがないために、アプリケーションの問題が発生する可能性があります。 - インスタンスにローカルNVMeストレージ(稠密インスタンス)がある場合は、このデータをバックアップする必要があります:
- リモート・ブロック・ボリュームまたはファイル・ストレージ・サービス(NFS)マウントをアンマウントします。
- すべてのリモート・ブロック・ボリュームをバックアップします。詳細は、ブロック・ボリューム・バックアップの概要を参照してください。
-
ルート・ボリュームのバックアップを作成します。
重要
Windowsインスタンスは汎用化または専用化しないでください。 -
インスタンスを終了します:
APIの使用インスタンスを終了するには、TerminateInstance操作を使用し、
true
に設定したpreserveBootVolume
パラメータ・セットをリクエストで渡します。 - 終了したインスタンスのブート・ボリュームを使用して新しいインスタンスを作成します。
- インスタンス起動フローで、プライマリVNICにアタッチされていたプライベートIPアドレスを指定します。パブリックIPアドレスが予約済IPアドレス・プールから割り当てられていた場合は、必ず同じIPアドレスを割り当ててください。
- インスタンスの状態がRUNNINGに変わったら、インスタンスを「停止」します。
- セカンダリVNICアドレスおよびセカンダリIPアドレスを再作成します。
-
リモート・ブロック・ボリュームをアタッチします。
ノート
このステップによって、ローカルNVMeデバイスのバックアップに使用されるすべてのボリュームが組み込まれます。データを新しいインスタンスのNVMeストレージにコピーしてから、ボリュームをデタッチします。 - インスタンスを開始します。
- インスタンス上ですべてのアプリケーションを開始してテストします。
- 必要に応じて、自動的に起動するようにアプリケーションを構成します。
- 必要なタグを再作成します。
- (オプション)インスタンスとアプリケーションが正常であることを確認した後で、ボリュームのバックアップを削除できます。