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Oracle® Solaris 11.3 ご使用にあたって

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更新: 2016 年 11 月
 
 

Oracle Solaris 11.3 のインストール時の問題

Oracle Solaris 11.3 のインストール中またはインストール後に、次の問題が発生する可能性があります。

多くのメモリーと少ないディスク容量が割り当てられたシステム上で、自動インストーラによるインストールが失敗する (15741363)

自動インストーラ (AI) を使用して Oracle Solaris をインストールする場合、システムの物理 RAM の量がディスク容量よりも多いと、インストールが失敗する可能性があります。スワップデバイスやダンプデバイスに領域を割り当てると、OS のインストールに使用できる容量が少なくなる可能性があります。次のエラーメッセージが表示される場合があります。

ImageInsufficentSpace: Insufficient disk space available (8.84 GB) for
estimated need (9.46 GB) for Root filesystem

回避方法: 次のいずれかを選択してください。

  • ディスクのサイズによる制限がない場合は、ルートプール内で仮想デバイス (vdev) として使用しているスライスに多くの領域を割り当てます。


    注 -  x86 システムの場合は必要に応じて、Solaris2 パーティションに追加領域を割り当てます。
  • スワップボリュームを割り当てないですむようにします。AI マニフェスト内で、<target> セクションの <logical> タグ内の noswap 属性に値 true を指定します。例:

    <logical noswap="true">
    </logical>
  • マニフェスト内で、zpool を定義し、より小さいサイズのスワップとダンプを割り当てます。

    <target>
    	<disk whole_disk="true" in_zpool="rpool">
    		<disk_keyword key="boot_disk"/>
    	</disk>
    	<logical>
    		<zpool name="rpool" root_pool="true">
    			<zvol name="swap" use="swap">
    				<size val="2gb"/>
    			</zvol>
    			<zvol name="dump" use="dump">
    				<size val="4gb"/>
    			</zvol>
    		</zpool>
    	</logical>
    </target>
  • スワップデバイス、ダンプデバイスのいずれかの割り当てを無効にし、残りのデバイス (ダンプまたはスワップ) に特定のサイズを割り当てます。次の例は、スワップを無効にし、4G バイトのダンプサイズを追加する方法を示したものです。

    <target>
    	<disk whole_disk="true" in_zpool="rpool">
    		<disk_keyword key="boot_disk"/>
    	</disk>
    	<logical noswap="true">
    		<zpool name="rpool" root_pool="true">
    			<zvol name="dump" use="dump">
    				<size val="4gb"/>
    			</zvol>
    		</zpool>
    	</logical>
    </target>

AI マニフェストを編集する方法についての詳細は、 ai_manifest (4) のマニュアルページを参照してください。

デュアルパスのブートディスクを使用すると、自動インストーラによるターゲットディスクのマッチングが失敗する (15735929)

デュアルパスの FC ブートディスクに Oracle Solaris OS をインストールすると、次のエラーでインストールが失敗します。

17:22:08 Error occurred during execution of 'target-selection' 
checkpoint.
17:22:08 100% None
17:22:09 Failed Checkpoints:
17:22:09
17:22:09 target-selection
17:22:09
17:22:09 Checkpoint execution error:
17:22:09
17:22:09 Unable to locate the disk
      '[devpath='/pci@0,600000/pci@0/pci@8/pci@0,1/SUNW,
		emlxs@1,1/fp@0,0/ssd@w20350080e517b4da,6']'
		on the system.
17:22:09
17:22:09 Automated Installation Failed. See install log at 
		/system/volatile/install_log
Automated Installation failed
Please refer to the /system/volatile/install_log file for details.

回避方法: デュアルパス FC ケーブルのいずれか 1 つを切り離します。

SPARC: 64 ビット: ラベルなしデュアルパス FC ブートディスクが原因で自動インストーラが失敗する (15656484)

SPARC システムで、デュアルパスの FC ブートディスクに Oracle Solaris OS をインストールすると、次のエラーでインストールが失敗します。

Automated Installation failed 
Please refer to the /system/volatile/install_log file for details 

Apr 19 23:12:12 ssra00u23.us.abc.com svc.startd[9]: 
application/auto-installer:default failed fatally: transitioned to 
maintenance (see 'svcs -xv' for details)

回避方法: Oracle Solaris をインストールする前に、boot net -s コマンドを使用してディスクをフォーマットし、ディスクにラベルを付けてから、インストールに進みます。

AI サーバーでの複数の AI サービス名の競合 (15713975)

複数のネットワークにサービスを提供するように構成された AI サーバー上で、mdns デーモンから、AI サービス名の同一のインスタンスが登録されているという警告が発行される可能性があります。次のエラーメッセージが表示される場合があります。

mDNSResponder: [ID 702911 daemon.error] 
Client application registered 2 identical instances of service some-service._
OSInstall._tcp.local. port 5555.

mDNSResponder: [ID 702911 daemon.error] 
Excessive name conflicts (10) for some-service._
OSInstall._tcp.local. (SRV); rate limiting in effect 

注 -  AI クライアントは引き続き、インストールに必要な情報を取得できます。

回避方法: 複数の AI サービス名の競合を回避するには、svc:/system/install/server:default SMF サービスの exclusion または inclusion プロパティーを設定します。

次の例では、システム上で構成されたすべてのネットワークが含まれるように all_services/exclude_networks および all_services/networks プロパティーを設定する方法を示します。

# svccfg -s svc:/system/install/server:default \
setprop all_services/exclude_networks = false

# svccfg -s svc:/system/install/server:default \
delprop all_services/networks #1.#1.#1.#1/#1

# svccfg -s svc:/system/install/server:default \
delprop all_services/networks #2.#2.#2.#2/#2

...

# svccfg -s svc:/system/install/server:default \
addprop all_services/networks 0.0.0.0/0

# svcadm refresh svc:/system/install/server:default
# svcadm restart svc:/system/install/server:default

#1.#1.#1.#1/#1#2.#2.#2.#2/#2 は、構成されているネットワークインタフェースの IP アドレスです。

mDNS の詳細は、Oracle Solaris 11.3 ディレクトリサービスとネームサービスでの作業: DNS と NIS の マルチキャスト DNS の管理を参照してください。

テキストインストーラが、別の言語が選択されていても英語で表示される (15744356)

Web ベースのリモートキーボード、ビデオモニター、マウス、VirtualBox コンソールなどの、物理コンソールと同等のコンソール上でテキストインストーラを使用するときは、インストールメディアからのブート中に別の言語を選択した場合でも、インストーラはテキストを英語で表示します。インストーラのテキストが英語で表示されるのは、非 ASCII 文字が文字化けして表示されるのを防ぐためです。

テキストインストーラは、シリアルコンソールと同等のコンソール (たとえば、SSH または telnet に基づいたサービスコンソール) 上でのみローカライズされたテキストを表示します。

回避方法: ありません。

x86: 拡張ファームウェアインタフェースが有効な場合に Xorg VESA ドライバが Oracle VM VirtualBox で機能しない (15782245)

拡張ファームウェアインタフェース (EFI) が有効な場合に Xorg VESA ドライバが Oracle VM VirtualBox で機能しません (Live Media が Xorg にブートしないことを意味します)。そのため、GUI のインストールができません。

回避方法: 次の手順を実行します。

  1. テキストインストーラまたは自動インストーラ (AI) を使用して Oracle Solaris 11.3 をインストールします。

    Oracle Solaris 11.3 のインストール手順については、Oracle Solaris 11.3 システムのインストールを参照してください。

  2. pkg コマンドを使用して solaris-desktop グループパッケージをインストールします。

    solaris-desktop グループパッケージのインストール手順については、Oracle Solaris 11.3 システムのインストール の Live Media インストール後のソフトウェアの追加を参照してください。

  3. VirtualBox Xorg ネイティブドライバが含まれている VirtualBox ゲストツールをインストールします。

nge ドライバを含む x2100 プラットフォームでネットワークベースの自動インストーラが失敗する (15681004)

nge ドライバを含む x2100 プラットフォームでネットワークベースの自動インストーラを使用して Oracle Solaris をインストールすると、しばらくして次のエラーメッセージが表示される可能性があります。

kernel$ /s11-173-x86/platform/i86pc/kernel/$ISADIR/unix -B install_media=http://
$serverIP:5555//install/images/s11-x86,install_service=s11-173-x86,install_svc_address=
$serverIP:5555
loading '/s11-173-x86/platform/i86pc/kernel/$ISADIR/unix -B install_media=http://
$serverIP:5555//install/images/s11-x86,install_service=s11-173-x86,install_svc_address=
$serverIP:5555'
module$ /s11-173-x86/platform/i86pc/$ISADIR/boot-archive
loading ' /s11-173-x86/platform/i86pc/$ISADIR/boot-archive' ...

Error 20: Mulitboot kernel must be loaded before modules

Press any key to continue...

この問題は、BIOS バージョン 1.1.1 以降を使用する PXE インストールで、x2100 BIOS を nge ドライバとともに使用したときに発生します。

回避方法: nge ドライバを含む x2100 プラットフォームに Oracle Solaris をインストールするには、次のいずれかの回避方法を選択します。

  • 次のいずれかの方法を使用して Oracle Solaris をインストールします。

    • Live Media

    • テキストインストーラ

  • BIOS のバージョンをバージョン 1.0.9 に変更します。

x86: 大規模なシステム構成でのネットワークインストール中に ixgbe ドライバから FMA エラーメッセージが表示される (20724005)

大規模な構成を持つ一部の x86 システムでは、ネットワークインストール中に ixgbe ドライバから MSI-X 割り込みベクトルの不足に関する FMA エラーメッセージが表示されることがあります。インストールが完了し、システムがリブートされると、これらのメッセージは表示されなくなります。次のエラーメッセージが表示されます。

fault.io.nic.config
The network device failed to configure a feature. A(n) unsupported
error has been detected during driver's attach context causing a(n)
config service impact while involving the device's rx_ring subsystem.

回避方法: ブート時に GRUB ブート引数のリストに次の制限を追加することにより、ネットワークデバイスによって使用される割り込みの最大数を制限します。

-B ddi-msix-alloc-limit=X

X は、12 などの小さい数字です。


注 -  ブート時にこの変数を設定してもシステムがリブートされるまでしか持続せず、これは永続的な設定ではありません。

統合アーカイブでは共有ストレージ上のゾーンがサポートされない (19627821)

統合アーカイブでは、共有ストレージ (ZOSS) 上のゾーンを含むアーカイブがサポートされません。archiveadm create コマンドを使用して、共有ストレージ上のゾーンを含む回復用のアーカイブまたはクローンアーカイブを作成することは可能ですが、作成されるアーカイブはインストールに失敗する可能性があります。

回避方法: 次のいずれかを選択してください。

  • 統合アーカイブでのインストールの問題を回避するには、アーカイブに含まれる共有ストレージ上のゾーンを除外する必要があります。

  • クローンアーカイブを生成する場合は、–Z excluded_zone オプションを使用して、共有ストレージ上の指定されたゾーンを除外できます。

  • 共有ストレージ上のゾーンを含むシステム上の回復用のアーカイブの場合は、すべての非共有ストレージゾーンを個別にアーカイブするようにしてください。

  • 大域ゾーンのクローンアーカイブまたは回復用のアーカイブを生成する場合は、大域ゾーンに表示される共有ストレージ zpools 上のすべてのゾーンを除外するために、–D excluded-dataset オプションを使用する必要があります。

SPARC: NFSv4 がトランスポート TCP6 用のローカルホスト名のバインディングを特定できない (19664353、19716203)

システムで IPv6 アドレスがサポートされていないときに /etc/netconfig 内の tcp6 を有効にすると、インストール中に次の NFC 警告メッセージが表示されます。

nfs4cbd[3806]: [ID 867284 daemon.notice] nfsv4 cannot determine local hostname binding for transport
tcp6 - delegations will not be available on this transport

回避方法: ありません。

SPARC: シャットダウン中に ilomconfig-interconnect サービスの stop メソッドがタイムアウトする (20696474)

init 6 コマンドを使用してシステムをリブートすると、SVC 依存関係規則を使用しているサービスは ilomconfig-interconnect サービスの前にシャットダウンされます。次のメッセージが表示されます。

[ID 122153 daemon.warning] svc:/network/ilomconfig-interconnect:default: Method or service exit timed out.  Killing contract 179.

回避方法: ありません。

SPARC: バニティー名がインストールとリブートの間に変更される (20747264)

バニティー名は、システムのインストールとリブートの間に変更されます。たとえば、インストール中に次のバニティー名

vanity_map=net0:e1000g0 net1:bge0 net2:bge1 net3:e1000g1

は次に変更されます。

vanity_map=net0:bge0 net1:bge1 net2:e1000g0 net3:e1000g1

回避方法: ありません。

SPARC: 初回ブートアップ中に警告メッセージが表示される (21503898)

SPARC システム上の初回ブートアップ中に、次の警告メッセージが表示されます。

Jul 23 14:41:38 xxx.com fctl: [ID 517869 kern.warning]
WARNING: fp(3)::Topology discovery failederror=0x7

回避方法: このメッセージは無視しても安全です。

SPARC: 1 つまたは複数のホストの電源切断または投入メッセージがほかのホストに表示される (21511552)

M5 シャーシ内では、1 つまたは複数の Oracle Solaris ホストからの ILOM メッセージが別のホストの /var/adm/messages ファイルに表示されます。次のメッセージが表示されます。

Jul 23 15:03:41 HOST2-pd2.com SC Alert: [ID 552608
daemon.error] Power | major: Power to /HOST1 has been turned off by: Shell session, Username:root
Jul 23 15:03:41 HOST2-pd2.com SC Alert: [ID 936275
daemon.notice] SDM | minor: Power to /Servers/PDomains/PDomain_1/System
(Hardware Domain 1) has been turned off by Shell session, Username:root.
Jul 23 15:03:41 HOST2-pd2.com SC Alert: [ID 555134
daemon.notice] Audit | minor: root : Set : object =
"/Servers/PDomains/PDomain_1/HOST/power_state" : value = "off" : success

回避方法: このメッセージは無視しても安全です。

SPARC: mpt_sas ホストドライバの suriadm check raid コマンドの使用中にエラーメッセージが表示される (21366581)

mpt_sas ホストドライバの suriadm コマンドの check raid オプションを使用すると、次のエラーメッセージが表示されます。

Failing case:
# suriadm lookup-uri
/dev/dsk/c1t3E8234F87E7DC134d0 Assertion failed: parent_iport != NULL,
 file /export/builds/s11u3_23/usr/src/lib/libsuri/common/suri_devinfo.c, line 995,
    function lookup_lu_uri Abort(coredump)
Working case:
# suriadm lookup-uri
/dev/dsk/c1t3E8234F87E7DC134d0s2 dev:dsk/c1t3E8234F87E7DC134d0s2

回避方法: このメッセージは無視しても安全です。

SAS ストレージアレイ LUN に接続された estes カードがブートデバイスとして使用されていると、警告メッセージが表示される (21651971)

SAS ストレージアレイ LUN に接続されたいずれかの estes カード (lsc ドライバ) がブートデバイスとして使用されていると、システムブートアップ中に次の警告メッセージが表示されます。

WARNING: scsi_enumeration_failed: lsc4/enclosure

エンクロージャーデバイスは接続に失敗しますが、インストールとブートは引き続き成功します。

回避方法: /etc/system ファイルに forceload drv/ses という行を追加します。

SPARC: stmsboot のマニュアルページに pmcs ドライバの情報が含まれていない (20157402)

stmsboot のマニュアルページは、pmcs ドライバが stmsboot コマンドの有効なオプションであることを示していないため、このコマンドを完全にはドキュメント化していません。ただし、–D オプションを使用して pmcs ドライバを指定できます。例:

man stmsboot
System Administration Commands                        stmsboot(1M)
NAME       stmsboot - administration program for the Solaris I/O multipathing feature
SYNOPSIS       /usr/sbin/stmsboot [[-D (fp | mpt | mpt_sas | iscsi) ] -d | -e | -u] | -L | -l controller_number]

回避方法: ありません。