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Oracle® Solaris 11.3 での UUCP および PPP を使用したシリアルネットワークの管理

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更新: 2015 年 10 月
 
 

専用回線上のマシンの構成方法

  1. ローカルマシン (ルーター) 上で管理者になります。

    詳細は、Oracle Solaris 11.3 でのユーザーとプロセスのセキュリティー保護 の割り当てられている管理権利の使用を参照してください。

  2. リモートピア用のエントリをルーターの /etc/hosts ファイルに追加します。
    # cat /etc/hosts
    #
    # Internet host table
    #
    127.0.0.1       localhost
    192.168.130.10  local2-peer        loghost
    192.168.130.11  local1-net
    10.0.0.25       farISP

    /etc/hosts の例は、架空の LocalCorp のローカルルーター用のファイルです。サービスプロバイダのリモートピア farISP の IP アドレスおよびホスト名をメモしておきます。

  3. プロバイダのピアに関する情報を保持する /etc/ppp/peers/peer-name ファイルを作成します。

    この例の専用回線への接続用に、/etc/ppp/peers/farISP ファイルを作成します。

    # cat /etc/ppp/peers/farISP
    init '/etc/ppp/conf_hsi'
    local
    /dev/hihp1
    sync
    noauth
    192.168.130.10:10.0.0.25
    passive
    persist
    noccp
    nopcomp
    novj
    noaccomp

    次の表では、/etc/ppp/peers/farISP で使用されているオプションおよびパラメータについて説明しています。

    オプション
    定義
    init '/etc/ppp/conf_hsi'
    リンクを開始する。次に、init はスクリプト /etc/ppp/conf_hsi のパラメータを使用して、HSI インタフェースを構成します。
    local
    データ端末レディー (DTR) 信号の状態を変更しないように、pppd デーモンに指示します。また、データキャリア検出 (DCD) 入力信号を無視することも pppd に指示する
    /dev/hihp1
    同期インタフェースのデバイス名を指定する
    sync
    リンクの同期エンコーディングを確立します。
    noauth
    ローカルシステムがピアに認証を要求する必要がないように設定します。ただし、ピアは認証を要求することができる
    192.168.130.10:10.0.0.25
    ローカルピアおよびリモートピアの IP アドレスをコロンで区切って定義する
    passive
    最大数の LCP Configure-Request を発行したら、ピアが起動するまで待機するように、ローカルマシンの pppd デーモンに指示します。
    persist
    リンクが解除されたあとでもう一度リンクを開始するように、pppd デーモンに指示します。
    noccp、nopcomp、novj、noaccomp
    CCP (Compression Control Protocol)、プロトコルフィールドの圧縮、Van Jacobson 圧縮、およびアドレスとコントロールフィールドの圧縮をそれぞれ無効にする。これらの圧縮形式を使用すると、ダイアルアップリンクでの伝送速度は速くなるが、専用回線での伝送速度は遅くなる可能性がある
  4. ブートプロセスの一部として PPP リンクを作成する demand という初期設定スクリプトを作成します。
    # cat /etc/ppp/demand
    #!/bin/sh
    if [ -f /system/volatile/ppp-demand.pid ] &&
       /usr/bin/kill -s 0 `/bin/cat /system/volatile/ppp-demand.pid`
    then
            :
    else
            /usr/bin/pppd call farISP
    fi

    demand スクリプトには、専用回線リンクを確立するための pppd コマンドが含まれています。次の表では、$PPPDIR/demand の内容について説明しています。

    コーディング例
    説明
    if [ -f /system/volatile/ppp-demand.pid ] && /usr/bin/kill -s 0 `/bin/cat /system/volatile/ppp-demand.pid`
    これらの行は、pppd が動作しているかどうかを確認する。pppd が動作している場合は、起動する必要はない
    /usr/bin/pppd call farISP
    この行は、pppd を起動する。pppd は、/etc/ppp/options からオプションを読み取る。call farISP オプションをコマンド行で指定すると、/etc/ppp/peers/farISP も読み取られます。

    Solaris PPP 4.0 の起動スクリプト /etc/rc2.d/S47pppd によって、demand スクリプトがブートプロセスの一部として呼び出されます。/etc/rc2.dS47pppd にある次の行は、$PPPDIR/demand というファイルが存在するかどうかを調べます。

        if [ -f $PPPDIR/demand ]; then
                    . $PPPDIR/demand
            fi
            

    $PPPDIR/demand が検出された場合は、それが実行されます。$PPPDIR/demand の一連の処理の実行中に、接続が確立されます。


    注 - ローカルネットワークの外部にあるマシンにアクセスするためには、ユーザーに、telnetftprsh、または 同様のコマンドを実行させます。

関連項目

この章のすべての手順を実行すると、専用回線接続の構成が完了します。関連情報の参照先は次のとおりです。