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Oracle® Solaris 11.3 での UUCP および PPP を使用したシリアルネットワークの管理

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更新: 2015 年 10 月
 
 

UUCP ソフトウェア

Oracle Solaris インストールプログラムを実行するときに全体ディストリビューションを選択していれば、UUCP ソフトウェアは自動的に組み込まれています。あるいは、pkgadd を使用して UUCP を単独で追加することもできます。UUCP のプログラムは、 デーモン、管理プログラム、およびユーザープログラムの 3 種類に分類されます。

UUCP デーモン

UUCP システムには、uucicouuxqtuusched、および in.uucpd の 4 つのデーモンがあります。これらのデーモンは、UUCP のファイル転送とコマンド実行を処理します。これらのデーモンは、必要に応じて、シェルから手動で実行することもできます。

uucico

リンクに使用するデバイスを選択し、リモートコンピュータへのリンクを確立し、必要なログインシーケンスとアクセス権を検査します。また、データファイルを転送し、ファイルを実行し、結果をログに記録し、転送の完了をメールによりユーザーに通知します。uucico は、UUCP ログインアカウント用の「ログインシェル」として働きます。ローカル uucico デーモンはリモートマシンを呼び出して、セッションの間、リモート uucico デーモンと直接通信します。

必要なファイルがすべて作成されたら、uucpuuto、および uux プログラムが uucico デーモンを実行してリモートコンピュータに接続します。uuschedUutry は、どちらも uucico を実行します。詳細は、uucico(1M) のマニュアルページを参照してください。

uuxqt

リモート実行要求を実行します。このデーモンは、スプールディレクトリを検索して、リモートコンピュータから送られた実行ファイル (名前は常に X. file) を見つけます。X.file ファイルが見つかると、uuxqt はそのファイルを開いて、実行に必要なデータファイルのリストを取得します。次に、uuxqt は必要なデータファイルが使用可能でアクセスできるかどうかを確認します。ファイルが使用可能であれば、uuxqtPermissions ファイルを調べて、要求されたコマンドを実行する権限があるかどうかを確認します。uuxqt デーモンは、cron により起動される uudemon.hour シェルスクリプトから実行されます。詳細は、uuxqt(1M) のマニュアルページを参照してください。

uusched

スプールディレクトリ内でキューに入っている作業をスケジュールします。uusched デーモンは、cron により起動される uudemon.hour シェルスクリプトによって、ブート時に最初に実行されます。詳細は、uusched(1M) のマニュアルページを参照してください。uuscheduucico デーモンを起動する前に、リモートコンピュータを呼び出す順序をランダム化します。

in.uucpd

ネットワークを介した UUCP 接続をサポートします。リモートホスト上の inetd は、UUCP 接続が確立されるたびに in.uucpd を呼び出します。次に、uucpd がログイン名を要求します。呼び出し側ホストの uucico は、これに対してログイン名を応答しなければなりません。次に in.uucpd はパスワードを要求します (不要な場合を除く)。詳細は、in.uucpd(1M) のマニュアルページを参照してください。

UUCP 管理プログラム

ほとんどの UUCP 管理プログラムは /usr/lib/uucp に置かれています。基本データベースファイルの多くは、/etc/uucp に置かれています。ただし、uulog だけは例外で、これは /usr/bin に置かれています。uucp ログイン ID のホームディレクトリは /usr/lib/uucp です。su または login を使用して管理プログラムを実行するときには、uucp ユーザー ID を使用します。このユーザー ID は、プログラムとスプールデータファイルを所有しています。

uulog

指定したコンピュータのログファイルの内容を表示します。ログファイルは、このマシンが通信する各リモートコンピュータごとに作成される。ログファイルには、uucpuutouux の使用が記録されます。詳細は、uucp(1C) のマニュアルページを参照してください。

uucleanup

スプールディレクトリをクリーンアップします。uucleanup は通常、cron によって起動される uudemon.cleanup シェルスクリプトから実行されます。詳細は、uucleanup(1M) のマニュアルページを参照してください。

Uutry

呼び出し処理機能をテストし、簡単なデバッグを行うことができます。Uutryuucico デーモンを呼び出して、このマシンと指定されたリモートコンピュータとの間の通信リンクを確立します。詳細は、Uutry(1M) のマニュアルページを参照してください。

uucheck

UUCP のディレクトリ、プログラム、およびサポートファイルの有無を検査します。uucheck はまた、/etc/uucp/Permissions ファイルの所定の部分に、明らかな構文エラーがないかどうかも検査します。詳細は、uucheck(1M) のマニュアルページを参照してください。

UUCP ユーザープログラム

UUCP ユーザープログラムは /usr/bin にあります。これらのプログラムを使用するのに、特別な権限は必要ありません。

cu

このマシンをリモートコンピュータに接続して、ユーザーが両方のマシンに同時にログインできるようにします。cu を使用すれば、初期リンクを切断することなく、どちらのマシンでもファイルを転送したり、コマンドを実行したりできます。詳細は、cu(1C) のマニュアルページを参照してください。

uucp

あるマシンから別のマシンへファイルをコピーします。uucp は作業ファイルとデータファイルを作成し、転送するジョブをキューに入れ、uucico デーモンを呼び出し、このデーモンは、リモートコンピュータへの接続を試みます。詳細は、uucp(1C) のマニュアルページを参照してください。

uuto

ローカルマシンから、リモートマシン上の公開スプールディレクトリ /var/spool/uucppublic/receive にファイルをコピーします。uucp はリモートマシン上のアクセス可能な任意のディレクトリにファイルをコピーするのに対して、uuto は所定のスプールディレクトリにファイルを格納し、リモートユーザーに uupick を使用してそのファイルを取り出すように指示する。詳細は、uuto(1C) のマニュアルページを参照してください。

uupick

uuto を使用してコンピュータにファイルが転送されてきたときに、/var/spool/uucppublic/receive からファイルを取得します。uuto(1C) のマニュアルページを参照してください。

uux

リモートマシン上でコマンドを実行するために必要な作業ファイル、データファイル、および実行ファイルを作成します。詳細は、uux(1C) のマニュアルページを参照してください。

uustat

リクエストされた転送 (uucpuutouux) のステータスを表示します。また、uustat はキューに入っている転送を制御する手段も提供します。詳細は、uustat(1C) のマニュアルページを参照してください。