通信アダプタ用 Java CAPS プロジェクトコンポーネントの構成

TCP/IP HL7 アダプタのインバウンド接続マッププロパティーの設定

接続マップからアクセスされる TCP/IP HL7 サーバーインバウンドアダプタの設定プロパティーは、次の各セクションに編成されています。

一般インバウンド設定

TCP/IP HL7 インバウンドアダプタの接続マッププロパティーの「一般インバウンド設定」セクションには、次の表に示す最上位パラメータが含まれています。

表 1–57 接続マップ - 一般インバウンド設定

名前 

説明 

必要な値 

最大データサイズ

プログラムの内部に格納できるデータの最大量を指定します。有効な範囲は、1 から 2G バイト (Java の整数の最大値) までです。

データの最大量を示す数値。有効な範囲は、1 から 2147483647 (バイト) までです。

デフォルト設定は 2147483647 です。

状態のスコープ

OTD ノードである State オブジェクトのスコープを定義します。このパラメータのオプションは、次のとおりです。 

  • リソースアダプタレベル: State のライフサイクルはリソースアダプタと同じになります。

  • 接続レベル: State のライフサイクルは接続と同じになります。

  • OTD レベル: State のライフサイクルは OTD オブジェクトと同じになります。

    このスコープは State のライフサイクルを表します。

次のいずれかを選択します。 

リソースアダプタレベル

接続レベル

OTD レベル

デフォルト設定は「リソースアダプタレベル」です。

専用セッションモード

サーバーの専用セッションモードが有効、無効のいずれであるかを指定します。サーバーの専用セッションモードが有効な場合、現在のクライアントの要求が接続先のサーバーポートを占有します。同じポートに対する次のクライアントの要求は、その前の要求が完了して接続を解放するまで、ブロックまたは拒否されます。 

true または false を選択します。true は、専用セッションモードが有効であることを示します。

デフォルト設定は false です。

TCPIP インバウンド設定

TCPIP インバウンド設定」セクションは、Java の Socket および ServerSocket のオプションを提供します。TCP/IP HL7 インバウンドアダプタの接続マッププロパティーのこのセクションには、次の表に示す最上位パラメータが含まれています。

表 1–58 接続マップ - TCPIP インバウンド設定

名前 

説明 

必要な値 

接続タイプ

アダプタによる TCP/IP 接続の確立方法を指定します。 

  • クライアント: アダプタは、外部サーバー (ホスト/ポート) に接続して接続を確立します。アダプタは能動モードになります。

  • サーバー: アダプタは、外部クライアントからの接続要求が受信されるまで特定のポート上で待機します。要求が受信されると、アダプタはその要求を受け付け、接続を確立します。アダプタは受動モードになります。

クライアント」または「サーバー」。「サーバー」がデフォルト設定です。「クライアント」モードが特に必要でないかぎり、この値はデフォルトの「サーバー」のままにしておいてください。

ServerSO タイムアウト

ServerSocketSO_TIMEOUT の値を、ミリ秒で設定または取得します。ServerSocket.accept() で使用されます。このオプションをゼロ以外のタイムアウトに設定すると、この ServerSocket 上で accept() を呼び出した際に、その設定された時間の長さだけブロックが発生します。タイムアウトの期限が切れると、java.net.SocketTimeoutException (または java.net.InterruptedIOException) がスローされますが、ServerSocket は有効なままです。ブロック動作に入る前に、このオプションを有効にしてください。このパラメータが使用されるのは、「接続タイプ」が「サーバー」に設定されている場合だけです

ServerSO タイムアウトを示す数値 (ミリ秒)。

このタイムアウトはゼロ (0) より大きくする必要があります。ゼロのタイムアウトは、タイムアウトが無限であると解釈されます。

デフォルト設定は 60000 (60 秒) です。

サーバーソケットファクトリ実装クラス名

サーバーソケットファクトリを実装した Java クラスの名前を指定します。このクラスは、サーバーソケットを作成するために使用されます。ユーザー独自のサーバーソケット実装を用意した場合には、その実装を含む Java クラスの名前をここで入力します。ファクトリ実装クラスは、次のインタフェースを実装する必要があります。 


com.stc.connector.tcpip.model.factory.TCPIPSocketFactory

有効な Java クラス名。デフォルトは次のとおりです。 


com.stc.connector.tcpip.model.
factory.TCPIPSocketFactoryIm
pl

キープアライブ

クライアントの SO_KEEPALIVE オプションが有効、無効のいずれであるかを指定します。ある TCP ソケットでこのオプションが設定されており、そのソケット経由で2 時間、どちらの方向にもデータがまったく交換されなかった場合、TCP は自動的に KEEPALIVE プローブをピアに送信します (実際の値は実装に依存する)。このプローブは TCP セグメントであり、ピアはこれに応答する必要があります。次の 3 つの応答のいずれかが予期されます。 

  1. ピアが期待どおりの ACK で応答する。アプリケーションへの通知は行われません (何も問題がないため)。その後さらに 2 時間非活動状態が続くと、TCP は再度プローブを送信します。

  2. ピアが RST で応答する。これは、ピアのホストがクラッシュしてリブートしたことをことを、ローカルの TCP に通知します。ソケットが閉じられます。

  3. ピアからの応答がない。ソケットが閉じられます。このオプションの目的は、ピアのホストがクラッシュしたかどうかを検出することです。これは、受け付けられたクライアント Socket で使用されます。

true または false。true は、サーバーの SO_KEEPALIVE オプションが有効であることを示します。


注 –

一部のプロパティーについては、その設定がサーバーソケット自体には直接関連付けられません。代わりに、それらのプロパティーは受け付けられたクライアントソケットにマップされます。


受信バッファーサイズ

現在のソケットの SO_RCVBUF オプションの値を設定または取得します。これは、オペレーティングシステムがこのソケットの入力用に使用するバッファーのサイズです。これは、プラットフォームが受信ネットワーク入出力用に使用する配下のバッファーの概算サイズを提供します。これを設定に使用すると、その値は、このソケット経由で受信されるデータ用に使用するバッファーのサイズに関する、アプリケーションからカーネルへの提案値になります。これを取得に使用すると、プラットフォームがこのソケット上でのデータ受信時に使用するバッファーの実際のサイズが返されます。

受信バッファーサイズを示す数値。 

デフォルト設定は 8192 です。

送信バッファーサイズ

現在のソケットの SO_SNDBUF オプションの値を設定または取得します。これは、オペレーティングシステムがこのソケットの出力用に使用するバッファーのサイズです。これは、プラットフォームが送信ネットワーク入出力用に使用する配下のバッファーの概算サイズを提供します。これを設定に使用すると、その値は、このソケット経由で送信されるデータ用に使用するバッファーのサイズに関する、アプリケーションからカーネルへの提案値になります。これを取得に使用すると、プラットフォームがこのソケット上でのデータ送信時に使用するバッファーの実際のサイズが返されます。

送信バッファーサイズを示す数値。 

デフォルト設定は 8192 です。

SoLinger

アダプタが linger-on-close タイムアウトを実行するかどうかを指定します。このオプションは、TCP Socket の close() からの即時リターンを無効化/有効化します。このパラメータは「SoLinger タイムアウト」と組み合わせて使用されます。

  • true で、かつ「SoLinger タイムアウト」がゼロ以外の整数タイムアウトに設定された場合: これは、ピアに書き込まれたすべてのデータの送信と肯定応答が完了するまで、close() がブロックされることを意味します。それが完了した時点で、ソケットは正常に閉じられます。linger タイムアウトに達すると、ソケットは TCP RST で強制的に閉じられます。

  • true で、かつ「SoLinger タイムアウト」がゼロのタイムアウトに設定された場合: 強制的なクローズが即時に行われることを示します。「SoLinger タイムアウト」プロパティーを参照してください。

true または false。true の場合、SO_Linger オプションが有効になります。

SoLinger タイムアウト

サーバーの SoLinger タイムアウトを秒で指定します。「SoLinger タイムアウト」は「linger-on-close」タイムアウトを設定するために、「SoLinger」 (「SoLinger」プロパティー値を参照) と組み合わせて使用されます。

SoLinger」が true (有効) に設定された場合、「SoLinger タイムアウト」値の意味は、次のようになります。

  • ゼロ以外の整数は、ピアに書き込まれたすべてのデータの送信と肯定応答が完了するまで、close() 呼び出しがブロックされることを意味します。それが完了した時点で、ソケットは正常に閉じられます。linger タイムアウトに達すると、ソケットは TCP RST で強制的に閉じられます。指定したタイムアウト値が 65,535 を超えていると、その値は 65,535 に減らされます。

  • 整数ゼロは、強制的なクローズが即時に行われることを示します。

-1 から 65535 までの整数。デフォルトは -1 秒ですが、これは、「SoLinger」オプションが無効化される (false に設定される) ことを示します。

ゼロ (0) は、SoLinger が即時に強制的なクローズを実行することを示します。整数 1 から 65535 までは、タイムアウトの秒数を示します。

SoTimeout

SoTimeout の値をミリ秒で設定または取得します。受け付けられたクライアントソケットで使用されます。このオプションをゼロ以外のタイムアウトに設定すると、このソケットに関連付けられた InputStream 上で read() を呼び出した際に、設定された時間だけブロックが発生します。タイムアウトの期限が切れると、java.io.InterruptedIOException (または java.net.SocketTimeoutException) がスローされますが、Socket は有効なままです。

ブロック動作に入る前に、このオプションを有効にしてください。 

SoTimeout の値 (ミリ秒)。デフォルト設定は 10000 (10 秒) です。

このタイムアウトは 0 (ゼロ) より大きくする必要があります。ゼロのタイムアウトは、タイムアウトが無限であると解釈されます。

TcpNoDelay

サーバーの TcpNoDelay オプション (つまり、Nagle のアルゴリズム) が有効、無効のいずれであるかを指定します。

  • true: 最大転送単位 (MTU) のサイズより小さいデータパケットがネットワーク経由で即時に送信されるのを、サーバーが許可することを示します。高速ネットワークでは、true を設定するとパフォーマンスが改善される可能性があります。

  • false: MTU サイズより小さいデータパケットがネットワーク経由で即時に送信されるのを、サーバーが許可しないことを示します。

    これは、受け付けられたクライアントソケットで使用されます。

true または false

デフォルト設定は false です。

TCPIP インバウンド設定 - サーバーポートのバインディング

「TCPIP インバウンド設定」 - 「サーバーポートのバインディング」セクションは、サーバーポートバインディングの制御に使用されるパラメータを定義します。このセクションが使用されるのは、「接続タイプ」が「サーバー」に設定されている場合だけです。

TCP/IP HL7 インバウンドアダプタの接続マッププロパティーのこのセクションには、次の表に示す最上位パラメータが含まれています。


注 –

このセクションが使用されるのは、「接続タイプ」が「サーバー」に設定されている場合だけです。


表 1–59 接続マップ - TCPIP インバウンド設定 - サーバーポートのバインディング

名前 

説明 

必要な値 

バインディングの最大再試行回数

localhost 上の指定された TCP/IP ポートへのバインドをアダプタが試みる最大回数を指定します。 

バインドの試行回数を示す整数。 

デフォルト設定は 3 です。

バインディングの再試行間隔

localhost 上の指定された TCP/IP ポートへの複数のバインド試行間でのアダプタの待機時間の長さ (ミリ秒) を指定します。 

複数の試行間でのアダプタの待機時間の長さをミリ秒で示す整数。 

デフォルト設定は 30000 (30 秒) です。

TCPIP インバウンド設定 - クライアント接続の確立

「TCPIP インバウンド設定」 - 「クライアント接続の確立」セクションは、接続の確立を制御するために使用される構成パラメータをいくつか定義します。このセクションが使用されるのは、「接続タイプ」が「クライアント」に設定されている場合だけです。

TCP/IP HL7 インバウンドアダプタの接続マッププロパティーのこのセクションには、次の表に示す最上位パラメータが含まれています。


注 –

このセクションが使用されるのは、「接続タイプ」が「クライアント」に設定されている場合だけです。


表 1–60 接続マップ - TCPIP インバウンド設定 - クライアント接続の確立

名前 

説明 

必要な値 

接続試行までの待機時間

外部システムへの接続を試みるまでにアダプタが待機する時間の長さ (ミリ秒) を指定します。 

外部システムへの接続を試みるまでの待機時間の長さ (ミリ秒) を示す数値。 

デフォルト設定は 30000 (30 秒) です。

TCPIP インバウンド設定 - インバウンド接続の管理

「TCPIP インバウンド設定」 - 「インバウンド接続の管理」セクションは、インバウンドサーバー接続の管理に使用されるパラメータを定義します。たとえば、受け付けられた接続の接続プールやライフサイクルなどです。

TCP/IP HL7 インバウンドアダプタの接続マッププロパティーのこのセクションには、次の表に示す最上位パラメータが含まれています。

表 1–61 接続マップ - TCPIP インバウンド設定 - インバウンド接続の管理

名前 

説明 

必要な値 

最大接続プールサイズ

指定された TCP/IP ポート上で待機しているかそのポートを監視している特定のリスナー/モニターに許可される、同時接続の最大数を指定します。これは、このサーバーのサービスの能力または可用性を表します。クライアントからの接続要求ごとに 1 つの同時接続が割り当てられます。また、このパラメータは、このサーバーのサービスに同時に接続し、特定のリスナー/モニターのサービスを同時に受けることができるクライアントの最大数も表します。 

特定の TCP/IP ポートで 1 つのリスナー/モニターから使用可能な同時接続の最大数を示す数値。0 は、制限がないことを示します。

デフォルト設定は 50 です。

接続のスコープ

アダプタが使用している受け付けられた接続のスコープを指定します。次の 2 つのオプションがあります。 

  • リソースアダプタレベル: リソースアダプタが (ClosureCommandMessage 経由で) クローズ要求を受け取ると、リソースアダプタは接続を閉じます。したがって、コラボレーションが複数回実行される間、接続が「キープアライブ」状態に保たれる可能性があります。

    コラボレーションレベル: コラボレーションの実行が完了すると接続が閉じられます。したがって、接続のライフサイクルはコラボレーションと同じになります。

リソースアダプタレベル」または「コラボレーションレベル」を選択します。

デフォルト設定値は「リソースアダプタレベル」です。

クローズ通知

クローズ通知の値を指定します。サーバーは、このパラメータの値に一致する内容を含む通知を受け取ると、接続を安全に閉じ、対応するすべてのスケジュールを取り消します。 

接続を閉じるようにサーバーに通知するトリガー値を示す文字列。 

デフォルト設定は「QUIT」です。

アイドルタイムアウト

リクエスタ (クライアント) の非活動時間の長さ (ミリ秒) を指定します。アダプタは、クライアント側 (接続の反対側) の活動状態の検出を試みます。指定された期間中にクライアントの活動がなかった場合 (その接続経由でクライアントから入出力要求が到着しなかった場合)、その接続はサーバー側から閉じられ、リソースが解放されます。値の単位はミリ秒です。このアイドルタイムアウトチェック機能を無効にするには、このパラメータに 0 を指定します。 

時間の長さをミリ秒で示す整数。値 0 を指定すると、アイドルタイムアウトは無効になります。

デフォルト設定は 60000 です。

TCPIP インバウンドスケジュール - リスナースケジュール

このセクションでは、インバウンド TCP/IP サーバーによって使用されるスケジューラを設定します。サーバーは、新しいクライアント接続確立要求の到着を待ちます。これらのパラメータは、指定されたポート上で待機するリスナー/モニターを設定するために使用されます。

使用可能な J2EE スケジューラは次の 2 つです (次の表を参照)。

どちらのスケジューラも、インバウンド TCP/IP サーバーが必要とする機能を提供します。

TCP/IP HL7 インバウンドアダプタの接続マッププロパティーのこのセクションには、次の表に示す最上位パラメータが含まれています。

表 1–62 接続マップ - TCPIP インバウンドスケジュール - リスナースケジュール

名前 

説明 

必要な値 

スケジューラ

このインバウンド通信のスケジューラのタイプを指定します。次の 2 つのオプションがあります。 

  • タイマーサービス: J2EE のタイマーサービス経由でタスクのスケジューリングが行われます。タイマーサービスは J2EE でサポートされます。

  • 作業マネージャー: J2EE の作業マネージャー経由でタスクのスケジューリングが行われます。作業マネージャーは J2EE (JCA 1.5 以上) でサポートされます。

タイマーサービス」または「作業マネージャー」を選択します。使用するコンテナが JCA 作業マネージャーをサポートしていない場合は、「タイマーサービス」を選択します。

スケジュール型

このプロパティーの設定は、プロパティーエディタから確認はできるものの、無効になっています。使用できるスケジュール型は「繰り返し」だけですが、これは、このセクションの「期間」プロパティー (「期間」プロパティーを参照) で定義される一定間隔でタスクが繰り返し実行されるようにスケジューリングされることを示します。

このフィールドは有効化されません。 

遅延

タイマーサービス作業マネージャーの両方に適用されます。タスクが実行されるまでの遅延時間の長さをミリ秒で指定します。

タスクが実行されるまでの時間の長さをミリ秒で示す整数。 

期間

タイマーサービス作業マネージャーの両方に適用されます。連続するタスク実行間の一定間隔をミリ秒で指定します。

連続するタスク実行間の時間の長さをミリ秒で示す整数。 

固定レートで

タイマーサービスだけに固有です。固定レート実行、固定遅延実行のいずれを使用するかを指定します。

  • 固定レート: 固定レート実行は、初期実行のスケジュール時刻を基準にして各実行のスケジューリングが行われることを意味します。ある実行が、ガベージコレクションやその他のバックグラウンドアクティビティーなど、何らかの理由によって遅れると、その遅れを取り戻すために、すぐに続けて 2 つまたはそれ以上の実行が発生します。長期的には、実行頻度は指定された期間のちょうど逆数になります (ただし、Object.wait(long) の配下のシステムクロックが正確である場合)。

  • 固定遅延: 固定遅延実行は、1 つ前の実行の実際の時刻を基準にして各実行のスケジューリングが行われることを意味します。ある実行が、ガベージコレクションやその他のバックグラウンドアクティビティーなど、何らかの理由によって遅れると、後続の実行も遅れませす。その結果、Object.wait(long) の配下のシステムクロックが正確であると仮定すると、実行頻度は通常、指定された期間の逆数よりもやや低くなります。

true または false。true は、固定レート実行が使用されることを示します。false は、固定遅延実行が使用されることを示します。

TCPIP インバウンドスケジュール - サービススケジュール

このセクションでは、既存の接続上でビジネスタスク (コラボレーションルール) を実行する TCP/IP サーバーによって使用されるスケジューラを設定します。このスケジューラは、ユーザーが定義した実際のビジネスルールに影響を与えます。

使用可能な J2EE スケジューラは次の 2 つです (表 1–62 の表を参照)。

どちらのスケジューラも、インバウンド TCP/IP サーバーが必要とする機能を提供します。

TCP/IP HL7 インバウンドアダプタの接続マッププロパティーのこのセクションには、次の表に示す最上位パラメータが含まれています。

表 1–63 接続マップ - TCPIP インバウンドスケジュール - サービススケジュール

名前 

説明 

必要な値 

スケジューラ

このインバウンド通信のスケジューラのタイプを指定します。次の 2 つのオプションがあります。 

  • タイマーサービス: J2EE のタイマーサービス経由でタスクのスケジューリングが行われます。タイマーサービスは J2EE でサポートされます。

  • 作業マネージャー: J2EE の作業マネージャー経由でタスクのスケジューリングが行われます。作業マネージャーは J2EE (JCA 1.5 以上) でサポートされます。

タイマーサービス」または「作業マネージャー」を選択します。使用するコンテナが JCA 作業マネージャーをサポートしていない場合は、「タイマーサービス」を選択します。

スケジュール型

タイマーサービス作業マネージャーの両方に適用されます。タスクが 1 回実行されるようにスケジューリングするか、あるいは繰り返し実行されるようにスケジューリングするかを指定します。

  • 1 回: タスクが 1 回実行されるようにスケジューリングされます。

  • 繰り返し:期間」プロパティー (表 1–62 の表の「期間」プロパティーを参照) で定義される一定間隔でタスクが繰り返し実行されるようにスケジューリングされます。

1 回」または「繰り返し」を選択します。

遅延

タイマーサービス作業マネージャーの両方に適用されます。タスクが実行されるまでの遅延時間の長さをミリ秒で指定します。

タスクが実行されるまでの時間の長さをミリ秒で示す整数。 

期間

タイマーサービス作業マネージャーの両方に適用されます。連続するタスク実行間の一定間隔をミリ秒で指定します。これは、スケジュール型が「繰り返し」の場合に使用されます (表 1–62 の表の「スケジュール型」プロパティーを参照)

連続するタスク実行間の時間の長さをミリ秒で示す整数。 

固定レートで

タイマーサービスだけに固有です。固定レート実行、固定遅延実行のいずれを使用するかを指定します。これは、「タイマーサービス」スケジューラの「繰り返し」スケジュール型で使用されます。

  • 固定レート: 固定レート実行は、初期実行のスケジュール時刻を基準にして各実行のスケジューリングが行われることを意味します。ある実行が、ガベージコレクションやその他のバックグラウンドアクティビティーなど、何らかの理由によって遅れると、その遅れを取り戻すために、すぐに続けて 2 つまたはそれ以上の実行が発生します。長期的には、実行頻度は指定された期間のちょうど逆数になります (ただし、Object.wait(long) の配下のシステムクロックが正確である場合)。

  • 固定遅延: 固定遅延実行は、1 つ前の実行の実際の時刻を基準にして各実行のスケジューリングが行われることを意味します。ある実行が、ガベージコレクションやその他のバックグラウンドアクティビティーなど、何らかの理由によって遅れると、後続の実行も遅れませす。その結果、Object.wait(long) の配下のシステムクロックが正確であると仮定すると、実行頻度は通常、指定された期間の逆数よりもやや低くなります。

true または falsetrue は、固定レート実行が使用されることを示します。false は、固定遅延実行が使用されることを示します。

HL7 肯定応答

アプリケーション肯定応答イベントの処理方法を指定します。TCP/IP HL7 インバウンドアダプタの接続マッププロパティーのこのセクションには、次の表に示す最上位パラメータが含まれています。

表 1–64 接続マップ - HL7 肯定応答

名前 

説明 

必要な値 

肯定応答レベル

外部アプリケーションが HL7 アプリケーション肯定応答を、メッセージの受信に成功したあとで送信するか、あるいはアプリケーションデータベースにメッセージが正常にコミットされたあとで送信するかを指定します。オプションは次のとおりです。 

  • A: アプリケーション肯定応答。この肯定応答は、メッセージが 1 つの受信システムによって正常かつ機能的に処理されたあとで送信されます。

  • C: コミット (受け付け) 肯定応答。この肯定応答は、メッセージの受信に成功した際に送信されます。

A」または「C」。

デフォルト設定は「A」です。

eGate がアプリケーション ACK を送信

外部システムに送信される HL7 アプリケーション肯定応答が、アダプタで生成されるか、あるいはアプリケーションサーバーから転送されるかを指定します。 

  • true は、アプリケーションサーバーが HL7 アプリケーション肯定応答を受信または作成してアダプタに送信し、アダプタがそれを外部システムに転送することを示します。

  • false は、アダプタが直接 HL7 アプリケーション肯定応答を作成して外部システムに送信することを示します。

    このパラメータは、インバウンドコラボレーションコードで使用されます。

true または false

デフォルト設定は false です。

外部 ACK を転送

HL7 アプリケーション肯定応答をアプリケーションサーバーに転送するかどうかを指定します。HL7 アプリケーション肯定応答を受信した場合、HL7 アプリケーション肯定応答の内容を、アプリケーションサーバーに (データとして) 転送する必要がある場合があります。 

  • true は、アダプタが外部システムからの HL7 アプリケーション肯定応答を処理対象としてアプリケーションサーバーに転送することを示します。

  • false は、外部システムからの HL7 アプリケーション肯定応答がアダプタからアプリケーションサーバーに転送されないことを示します。

    このパラメータは、インバウンドコラボレーションコードで使用されます。

true または false

デフォルト設定は false です。

遅延 ACK のタイムアウト

遅延 ACK のタイムアウト値をミリ秒で指定します。 

このパラメータは、インバウンドコラボレーションコードで使用されます。 

タイムアウトをミリ秒で示す数値。 

デフォルト設定は 30000 (30 秒) です。

下位層プロトコル

下位層プロトコル (LLP) の設定を提供します。

TCP/IP HL7 インバウンドアダプタの接続マッププロパティーのこのセクションには、次の表に示す最上位パラメータが含まれています。

表 1–65 接続マップ - 下位層プロトコル

名前 

説明 

必要な値 

LLP タイプ

LLP (Lower Layer Protocol) のタイプを指定します。有効なタイプは次のとおりです。 

  • MLLP (Minimal Lower Layer Protocol)

  • HLLP (Hybrid Lower Layer Protocol)

    使用可能なエンベロープタイプの詳細については、「TCP/IP HL7 アダプタ動作における下位層プロトコル」を参照してください。

  • MLLP v2.0(Minimal Lower Layer Protocol v2.0)

MLLP」、「HLLP」、または「MLLP v2.0」。

MLLP」がデフォルト設定値になります。

開始ブロック文字

開始ブロック文字 (HL7 エンベロープ内の最初のエンベロープマーカー文字) を、10 進 ASCII 番号として指定します。

1 から 127 までの範囲内の 10 進数。競合が存在するのでないかぎり、値は ASCII の VT (10 進の 11) にすべきです。

デフォルト値は 11 です。

終了データ文字

終了データ文字 (HL7 エンベロープ内の最後のエンベロープマーカー文字の 1 つ前の文字) を、10 進 ASCII 番号として指定します。指定可能な範囲は、1 から 127 までです。

1 から 127 までの範囲内の 10 進数。競合が存在するのでないかぎり、値は ASCII の FS (10 進の 28) にすべきです。

デフォルト値は 28 です。

終了ブロック文字

終了ブロック文字 (HL7 エンベロープ内の最後のエンベロープマーカー文字) を、10 進 ASCII 番号として指定します。

1 から 127 までの範囲内の 10 進数。HL7 標準に厳格に準拠するには、このパラメータをキャリッジリターン (10 進の 13) に設定する必要があります。

デフォルト値は 13 です。

HLLP チェックサムが有効

HLLP (Hybrid Lower Level Protocol) チェックサムが有効、無効のいずれであるかを指定します。

true または false。true は、HLLP チェックサムが有効であることを示します。 

最大再試行回数

アダプタがピアから MLLP v2.0 コミット否定応答を受信した際にメッセージの送信を試みる回数の最大値。この回数のあと、アダプタは送信をあきらめます。 

このパラメータは、アウトバウンドモードの HL7 アダプタによって使用されます。 

アダプタがピアから MLLP v2.0 コミット否定応答を受信した際にメッセージの送信を試みる回数を示す整数。  

デフォルト設定値は 5 です。

シーケンス番号プロトコル

シーケンス番号プロトコルの設定を提供します。HL7 のシーケンス番号付けは、データの重複を回避しやすくするために使用されます。

TCP/IP HL7 インバウンドアダプタの接続マッププロパティーのこのセクションには、次の表に示す最上位パラメータが含まれています。

表 1–66 接続マップ - シーケンス番号プロトコル

名前 

説明 

必要な値 

シーケンス番号が有効

シーケンス番号プロトコルが有効、無効のいずれであるかを指定します。HL7 のシーケンス番号付けは、データの重複を回避しやすくするために使用されます。true は、シーケンス番号が有効であることを示します。

true または false。

デフォルト設定は true です。

HL7 MSH セグメント

HL7 MSH ヘッダーセグメントの設定を提供します。

TCP/IP HL7 インバウンドアダプタの接続マッププロパティーのこのセクションには、次の表に示す最上位パラメータが含まれています。

表 1–67 接続マップ - HL7 MSH セグメント

名前 

説明 

必要な値 

フィールド区切り文字

セグメント ID と実際の先頭フィールドとの間の区切り文字を指定します。この値は、メッセージの残りの部分の区切り文字として使用される文字を定義します。 

これは、HL7 MSH セグメント内の 1 番目のフィールド (MSH-01) です。 

10 進 ASCII 番号としてのフィールド区切り文字値。指定可能な範囲は、1 から 127 までです。

デフォルト設定は 124 ですが、これは文字「|」です。

エンコーディング文字

4 つのエンコーディング文字を次の順番で指定します。 

  • コンポーネント区切り文字

  • 繰り返し区切り文字

  • エスケープ文字

  • サブコンポーネント区切り文字

    これは、HL7 MSH セグメント内の 2 番目のフィールド (MSH-02) です。

対応する順番に並べられた HL7 エンコーディング文字。 

デフォルト設定は「^~\& (それぞれ ASCII の 94、126、92、38)」です。

送信アプリケーション

ネットワークエンタープライズ内の各種アプリケーションの中で、送信アプリケーションを指定します。ネットワークエンタープライズは、企業内での HL7 メッセージの交換に参加するアプリケーションから構成されます。 

これは、HL7 MSH セグメント内の 3 番目のフィールド (MSH-03) です。 

HL7 送信アプリケーション用のユーザー定義値。 

デフォルト設定は「Sun HL7 adapter」です。

送信施設

さまざまな組織の代わりに動作する同一アプリケーションの複数インスタンスの中で、送信アプリケーションを指定 (さらに特定) します。 

これは、HL7 MSH セグメント内の 4 番目のフィールド (MSH-04) です。 

HL7 送信施設用のユーザー定義値。 

デフォルト設定は「Sun HL7 adapter」です。

受信アプリケーション

ネットワークエンタープライズ内の各種アプリケーションの中で、受信アプリケーションを指定します。ネットワークエンタープライズは、企業内での HL7 メッセージの交換に参加するアプリケーションから構成されます。 

これは、HL7 MSH セグメント内の 5 番目のフィールド (MSH-05) です。 

HL7 受信アプリケーション用のユーザー定義値。 

デフォルト設定は「Sun HL7 adapter」です。

受信施設

さまざまな組織の代わりに動作する同一アプリケーションの複数インスタンスの中で、受信アプリケーションを指定 (さらに特定) します。 

これは、HL7 MSH セグメント内の 6 番目のフィールド (MSH-06) です。 

HL7 受信施設用のユーザー定義値。 

デフォルト設定は「Sun HL7 adapter」です。

セキュリティー

実装されたアプリケーションレベルのセキュリティー機能を指定します。 

これは、HL7 MSH セグメント内の 8 番目のフィールド (MSH-08) です。 

HL7 で開発中です。 

処理 ID

MSH-11 のサブコンポーネント「処理 ID」を指定します。MSH-11 は、HL7 アプリケーション (レベル 7) 処理規則の定義に従ってメッセージが処理されるかどうかを示すために使用されます。 

次のいずれかが必要です。 

  • D - デバッグ用

  • P - 本番用

  • T - トレーニング用

    場合によっては、追加のサブコンポーネント「処理モード」が初期値のあとに存在している可能性があります。

    デフォルト設定は「P」です。

バージョン ID

受信側のシステムが自身のバージョンと照合すべき特定の HL7 バージョンを指定します。 

これは、HL7 MSH セグメント内の 12 番目のフィールド (MSH-12) です。 

HL7 表 0104 - Version ID に表示される、HL7 標準のバージョン値。 

デフォルト設定値は 2.5 です。

国番号

メッセージが作成された国を示すコードを指定します (HL7 表 0399 を参照)。通貨など、メッセージ内のデフォルト要素を指定するために使用されます。 

これは、HL7 MSH セグメント内の 17 番目のフィールド (MSH-17) です。 

国番号の値として、ISO 3166 の 3 文字 (アルファベット) 形式が使用されます。 

デフォルト値は「USA」です。

文字セット

メッセージで使用される文字セットを指定します (HL7 表 0211 を参照)。このフィールドを空白のままにすると、使用されている文字セットは 7 ビット ASCII セットであるとみなされます。 

これは、HL7 MSH セグメント内の 18 番目のフィールド (MSH-18) です。 

デフォルト設定は、「8859/1」 (印刷可能な 7 ビット ASCII 文字セット) です。

使用可能な値とその説明については、HL7 表 0211 を参照してください。 

メッセージの主な言語

メッセージの主な言語を指定します。コードは ISO 639 のものを使用します。 

これは、HL7 MSH セグメント内の 19 番目のフィールド (MSH-19) です。 

2 文字の ISO 639 アルファベットコード。 

代替文字セット処理方式

任意の代替文字セットが使用されるために特殊な処理方式が必要になった場合に使用すべき、代替文字セット処理方式の値を指定します (HL7 表 0356 を参照)。 

これは、HL7 MSH セグメント内の 20 番目のフィールド (MSH-20) です。 

使用可能な値は「ISO 2022-1994」、「2.3」、および「<null>」(空) です。このフィールドを空白のままにすると、文字セットの切り替えが行われなくなります。

適合性ステートメント ID

適合性ステートメント ID (V2.5 のメッセージプロファイル識別子) は、クエリーの適合性ステートメントに適用される一意の識別子であるか、あるいはメッセージプロファイル識別子として、あるメッセージプロファイルへの準拠 (文法、構文、使用方法など) を主張します。 

これは、HL7 MSH セグメント内の 21 番目のフィールド (MSH-21) です。 

HL7 適合性ステートメント ID の値。あるいは空白のままにします。 

MSH の検証

インバウンドの場合はデータメッセージの MSH セグメント、アウトバウンドの場合は ACK の MSH セグメントを検証するかどうかを指定します。 

このパラメータは、インバウンドコラボレーションコードで使用されます。 


注 –

このプロパティーは、HL7 メッセージ自身の全体の構造検証には影響を与えません。構造検証は常に実行されます。


true または false。true は、コラボレーションが MSH セグメントを検証することを示します。

デフォルト設定は true です。

HL7 SFT セグメント

HL7 SFT セグメントの設定を提供します。SFT セグメントは HL7 version 2.5 以降で使用できます。このセグメントは、送信アプリケーションとして使用される 1 つ以上のソフトウェア製品に関する追加情報を提供します。このセグメントの主な目的は、診断用途です。サイト固有の契約に基づくその他の用途も考えられます。

TCP/IP HL7 インバウンドアダプタの接続マッププロパティーのこのセクションには、次の表に示す最上位パラメータが含まれています。

表 1–68 接続マップ - HL7 SFT セグメント

名前 

説明 

必要な値 

有効化

省略可能な SFT セグメントを ACK 内で有効にするかどうかを指定します。 


注 –

「有効化」を true に設定した場合、HL7 のバージョンが 2.5 として設定されていなければ、アダプタの起動時にエラーが発生します。


true または falsetrue は、ACK 内の SFT セグメントを有効にすることを示します。


注 –

このプロパティーは、HL7 version 2.5 または HL7 version 2.5.1 に適用されます。


ソフトウェアベンダー組織

HL7 セグメント SFT-01、具体的にはこのトランザクションを作成した送信ソフトウェアの発行または配布、あるいはその両方を行う企業の名前、を指定します。このフィールドとこのセグメントの残りのフィールドの目的は、送信アプリケーションのより完全なプロファイルを提供することです。「ソフトウェアベンダー組織」フィールドは、アプリケーションを保守する責任があるベンダーを特定します。 

送信ソフトウェアの発行元またはベンダーの名前。 

デフォルト設定は「Sun Microsystems, Inc.」です


注 –

このプロパティーは、HL7 version 2.5 または HL7 version 2.5.1 に適用されます。


ソフトウェア認定バージョン番号またはリリース番号

HL7 セグメント、具体的には「ソフトウェア認定バージョンまたはリリース番号」を指定します。送信システムの最新のソフトウェアバージョン番号またはリリース番号があれば、HL7 メッセージを送信または受信しているアプリケーションのより完全なプロファイルを提供しやすくなります。 

バージョン番号は、特定リリースのアプリケーションを識別する際に重要となります。場合によっては、受信アプリケーションが特定のソフトウェアの「認定」されたバージョンまたはリリースのリストに基づいて、このソフトウェア認定バージョン番号またはリリース番号を検証することもあります。これにより、受信アプリケーションが必要とする特定のビジネスルールに送信アプリケーションが準拠しているかどうかを判断しやすくなります。あるいは、送信ソフトウェアのバージョンに応じて異なる処理をソフトウェアに実行させることもできます。 

ソフトウェア認定バージョン番号またはリリース番号。 

デフォルト設定は 6.0.0 です。


注 –

このプロパティーは、HL7 version 2.5 または HL7 version 2.5.1 に適用されます。


ソフトウェア製品名

HL7 セグメント SFT-03、具体的にはこのトランザクションを送信したソフトウェア製品の名前、を指定します。ソフトウェア製品名は、送信アプリケーションを特定する際に重要となる要素の 1 つです。 

送信ソフトウェア製品名。 

デフォルト値は「Sun TCP/IP HL7 adapter Intelligent Adapter」です。


注 –

このプロパティーは、HL7 version 2.5 または HL7 version 2.5.1 に適用されます。


ソフトウェアバイナリ ID

HL7 セグメント SFT-04、具体的にはソフトウェアバイナリ ID、を指定します。このプロパティーは、HL7 version 2.5 以降で使用できます。ソフトウェアバイナリ ID は、ベンダーによって一意のソフトウェアバージョンインスタンスごとに発行されます。これらの ID は、同じソフトウェアの異なるバージョンを区別するために使用されます。主要 ID が同じであれば、ソフトウェアがバイナリレベルで同じであることになりますが、設定は異なる可能性があります。

一意のソフトウェアバイナリ ID。 

デフォルト設定は 6.0.0 です。


注 –

このプロパティーは、HL7 version 2.5 または HL7 version 2.5.1 に適用されます。


ソフトウェア製品情報

HL7 セグメント SFT-05、具体的にはソフトウェア製品の識別情報、を指定します。これには、ソフトウェアアプリケーションの説明、設定、ソフトウェアに施された変更など含めることができます。

このフィールドには、送信アプリケーションとそれが送信したトランザクションに関する任意の追加情報を含めることができます。この情報は診断目的に使用されますが、それにより、アプリケーションソフトウェアの識別をより柔軟に行える可能性があります。 

特定の送信ソフトウェアの識別に役立つ可能性のある情報。このフィールドを使用するのは、診断を実行する場合だけにすべきです。 

デフォルト値は、「これは、TCP/IP 接続経由での HL7 用 JCA アダプタです」です。


注 –

このプロパティーは、HL7 version 2.5 または HL7 version 2.5.1 に適用されます。


ソフトウェアインストール日付

HL7 セグメント SFT-06、具体的にはソフトウェアインストール日付、を指定します。これは、送信ソフトウェアが送信側のサイトにインストールされた日付です。ソフトウェアインストール日付はそれだけで、アプリケーションの動作に関する重要な情報になることも少なくありません。これは、送信アプリケーションのより完全なプロファイルを提供するために必要です。

送信アプリケーションソフトウェアのインストール日付。 


注 –

このプロパティーは、HL7 version 2.5 または HL7 version 2.5.1 に適用されます。


通信制御

通信制御」セクションは、TCP/IP 接続上でのデータ転送 (送信/受信) を制御します。

TCP/IP HL7 インバウンドアダプタの接続マッププロパティーのこのセクションには、次の表に示す最上位パラメータが含まれています。

表 1–69 接続マップ - 通信制御

名前 

説明 

必要な値 

応答待機時間

アダプタがリコースアクションを実行する前に外部システムからの応答を待つ時間の長さ (ミリ秒) を指定します (表 1–70 の表の「応答なし時のアクション」を参照)。外部システムからのデータはすべて、応答とみなされます。

このプロパティーは、初回の読み取り/受信処理のタイムアウトに対応しています。いったん応答が受信されると、その後の読み取り/受信処理では、「SoTimeout」に指定されたタイムアウトが使用されます (表 1–58 の「So Timeout」を参照)。値 0 は、タイムアウトが無限であると解釈されます。

アダプタが外部システムから応答が到着するのを待つ時間の長さをミリ秒で示す整数。値 0 (ゼロ) は、タイムアウトが無限であると解釈されます。

デフォルト設定は 30000 (30 秒) です。

空読み取りの最大再試行回数

読み取り/受信処理から何も返されなくなったあと、アダプタが外部システムからのデータの読み取りを試みる最大回数を指定します。これは、応答が到着し始めたあとの読み取りまたは受信処理に適用されます。「空の読み取り」は、読み取り/受信処理でタイムアウトが発生したことを意味しますが、その際には、「TCPIP サーバーベース設定」セクションの「SoTimeout」パラメータが、適用されるタイムアウト設定として使用されます (表 1–58 の「So Timeout」を参照)。対応するリコースアクションは、表 1–70 の表の「読み取り失敗の最大試行回数に達したときのアクション」で指定されます。

最大試行回数を示す数値。 

デフォルト設定は 5 です。

応答なしの最大回数

アダプタが外部システムからのデータを待っている間に許可する、応答タイムアウトの最大数を指定します。この数を超えるとリコースアクションが実行されます (表 1–70 の表の「応答なしの最大回数に達したときのアクション」を参照)。

このパラメータは、インバウンドコラボレーションコードで使用されます。このパラメータは、アウトバウンドアダプタによってのみ使用され、リコースアクションパラメータ「応答なし時のアクション」の「再送信」オプションと連携して動作します (表 1–70 の表の「応答なし時のアクション」を参照)。これは、後続のリコースアクションを実行する前に、指定された最大回数に達するまで最後のメッセージを再送信するように、アダプタを設定します。

リコースアクションが実行される前に発生可能な適切な回数を示す整数。 

デフォルト設定は 30 です。

NAK 受信の最大試行回数

アダプタがリコースアクションを実行する前に受信する否定応答の最大数を指定します (表 1–70 の表の「NAK 受信の最大回数に達したときのアクション」を参照)。

このパラメータは、インバウンドコラボレーションコードで使用されます。 

リコースアクションの実行前に受信される NAK の適切な最大数を示す数値。 

デフォルト値は 30 です。

NAK 送信の最大試行回数

アダプタがリコースアクションを実行する前に送信する否定応答の最大数を指定します (表 1–70 の表の「NAK 送信の最大回数に達したときのアクション」を参照)。

このパラメータは、インバウンドコラボレーションコードで使用されます。 

リコースアクションの実行前にアダプタから送信される NAK の適切な最大数を示す整数。 

デフォルト値は 30 です。

Canned NAK 送信の最大試行回数

アダプタがリコースアクションを実行する前に送信する Canned 否定応答の最大数を指定します (表 1–70 の表の「NAK 送信の最大回数に達したときのアクション」を参照)。

リコースアクションの実行前に送信する Canned NAK の適切な最大数。0 は、アダプタが Canned NAK の作成または送信を試みないことを示します。

デフォルト設定は 3 です。

ジャーナルを有効化

メッセージジャーナルを有効にするかどうかを指定します。 

このパラメータは、インバウンドコラボレーションコードで使用されます。 

true または false。true は、ジャーナルを有効にすることを示します。

デフォルト設定は true です。

HL7 リコースアクション

HL7 リコースアクション」セクションは、設定された制約の範囲外で処理が行われた際にアダプタが実行するアクションを決定します。

TCP/IP HL7 インバウンドアダプタの接続マッププロパティーのこのセクションには、表 1–70 に示す最上位パラメータが含まれています。

表 1–70 接続マップ - HL7 リコースアクション

名前 

説明 

必要な値 

応答なし時のアクション

割り当てられた時間内に外部システムから ACK が受信されなかった場合にアダプタが実行するアクションを指定します。時間の長さは、「応答待機時間」パラメータによって決まります (表 1–69 の表の「応答待機時間」を参照)。オプションは次のとおりです。

  • 終了: アダプタは、外部システムとの接続を終了し、シャットダウンします。

  • 再送信: アダプタは、外部システムへのメッセージの再送信を試みます。「再送信」オプションを使用できるのは、シーケンス番号付けが有効になっている場合だけです。

  • リセット: アダプタは、外部システムとの接続を閉じ、接続シナリオを実行します。

    このパラメータは、インバウンドコラボレーションコードで使用されます。

終了」、「再送信」、または「リセット」。

デフォルト設定は「リセット」です。

応答なしの最大回数に達したときのアクション

アダプタが外部システムへのメッセージ送信を許可された最大回数だけ試みても外部システムから応答 (HL7 アプリケーション肯定応答) がまったく得られなかった場合にアダプタが実行するアクションを指定します。アダプタが応答が得られないままメッセージを送信する最大回数は、「応答なしの最大回数」パラメータによって決まります (表 1–69 の表の「応答なしの最大回数」を参照)。オプションは次のとおりです。

  • 終了: アダプタは、外部システムとの接続を終了し、シャットダウンします。

  • リセット: アダプタは、外部システムとの接続を閉じ、接続シナリオを実行します。

    このパラメータは、インバウンドコラボレーションコードで使用されます。

終了」または「リセット」。

デフォルト値は「リセット」です。

読み取り失敗の最大試行回数に達したときのアクション

空読み取りの最大再試行回数」パラメータに設定された空読み取りの上限に達したあとでアダプタが実行するアクションを指定します。このパラメータを使用するのは、インバウンドアダプタだけです。リコースオプションは次のとおりです。

  • 終了: アダプタは、外部システムとの接続を終了し、シャットダウンします。

  • リセット: アダプタは、外部システムとの接続を閉じ、接続シナリオを実行します。

    このパラメータは、インバウンドコラボレーションコードで使用されます。

終了」または「リセット」。

デフォルト設定は「リセット」です。

NAK 受信時のアクション

アダプタが外部システムから HL7 アプリケーション NAK を受信した際に実行するアクションを指定します。オプションは次のとおりです。 

  • 再送信: アダプタは、外部システムへのメッセージの再送信を試みます。

  • リセット: アダプタは、外部システムとの接続を閉じ、接続シナリオを実行します。

  • メッセージをスキップ: アダプタは、接続状態を保ちますが、メッセージをエラーキューに書き込みます。


    注 –

    「NAK 受信時のアクション」と「NAK 受信の最大回数に達したときのアクション」の両方のパラメータを「メッセージをスキップ」に設定することは避けてください。


    このパラメータは、インバウンドコラボレーションコードで使用されます。

再送信」、「リセット」、または「メッセージをスキップ」。

デフォルト設定は「再送信」です。

NAK 受信の最大回数に達したときのアクション

NAK 受信の最大試行回数」パラメータ (表 1–69 の表の「NAK 受信の最大試行回数」を参照) で設定された HL7 アプリケーション NAK の最大数が外部システムから受信された場合にアダプタが実行するアクションを指定します。オプションは次のとおりです。

  • 終了: アダプタは、外部システムとの接続を終了し、シャットダウンします。

  • リセット: アダプタは、外部システムとの接続を閉じ、接続シナリオを実行します。

  • メッセージをスキップ: アダプタは、接続状態を保ちますが、メッセージをエラーキューに書き込みます。

    このパラメータは、インバウンドコラボレーションコードで使用されます。


    注 –

    「NAK 受信時のアクション」と「NAK 受信の最大回数に達したときのアクション」の両方のパラメータを「メッセージをスキップ」に設定することは避けてください。


終了」、「リセット」、または「メッセージをスキップ」。

デフォルト設定は「メッセージをスキップ」です。

NAK 送信の最大回数に達したときのアクション

NAK 送信の最大試行回数 パラメータ (表 1–69 の表の「NAK 送信の最大試行回数」を参照) で設定された最大許容数の NAK をアダプタが外部システムに送信した場合に、アダプタが実行するアクションを指定します。オプションは次のとおりです。

  • 終了: アダプタは、外部システムとの接続を終了し、シャットダウンします。

  • リセット: アダプタは、外部システムとの接続を閉じ、接続シナリオを実行します。

    このパラメータは、インバウンドコラボレーションコードで使用されます。

終了」または「リセット」。

デフォルト値は「終了」です。